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第2章、学園と修さんと私
第42話:8月15日
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『にゃ?』「うん?ああ、俺が元いた世界だと、この日はご先祖様に感謝する日なんです。もう何も持ってないですが、こうして俺がいる、修さんがいることに感謝して、花を飾ろうと」『にゃ』「へー、橘さん、修さんには、俺って言うんですね」「え?ああ、ワタル?どうしました?」「私もいるよー」「僕も」『にゃ』「みんな揃って。そこから見てないで、まあ、中へどうぞ」
我が家はベランダが通りに面したアパートの1階で、そこには小さなビオトープと修さんの遊び場を作っていた。今日は修さんも私も、ベランダでのんびりと過ごしていた。
「ワタルがいるとは珍しいですね」「ええ、愛犬に普段の生活を見せようと街にきたら2人と鉢合わせまして」
聞けばこれからいつものカフェに寄って、学校に行くらしい。ワタルはイケガハラに住んでいて、夏休みだからと愛犬に学園を見せにきたらしい。どうせなら、と私を誘いにきたら、鏡に花を飾って手を合わせていたところだったと。
「不思議な風習だね」「興味深いね」「こちらにお墓は?」「あるよ。宗教によるけど、この国だと遺体を決められたエーテルに浸して、溶かしたらお墓の木の下に入れるの。自然の一部に返るんだ。」「エーテルに浸したら魔族になるのでは?」「必ず魔族になる条件はまだわかってないんだよ。エーテル質と肉体の交換速度とか言われてるけどね」
ワタルの愛犬は、前の世界ではドーベルマンと言われる犬だろう。非常に賢そうだ。カフェのテラスで軽くブランチを食べる間、全く吠えず、警戒心が強いのか、ワタルと私たちの間でワタルを守ろうとしている。
「それにしても、賢そうな方ですね」「カイトです」『ワン』「カイト君、はしかいわ」「修さんといい勝負ね!」『にゃ?』「話にならないそうです」「さすがのカイトも修さんに敵うのは」
珍しくカフェまで修さんがついてきて、少しばかり食べたら、そのままふらっといなくなった。修さんは嫌がるが、何かの時のために首輪をつけて欲しい。
「…ずき、瑞樹!」「へ?」「どこ行くの?」
考えごと、しすぎた。
「夏休みもあと2週間かー」「やっきねーぞい」「でも、これで宿題は終わりましたね」「明後日のキャンプファイヤーに間に合うね」「ワタルンはもう宿題終わったらしいし」「カイト君、可愛かったね」
明後日は在校生集めたキャンプファイヤー。如何にもな学校生活に、笑顔が止まらない。
「晴れるかな?」「実は私、天候を操れるんです。やってみせますよ」「龍神様に対抗!?」「先輩のこの前の卒業制作が成功したら晴れるんじゃない?」「2人とも、信じてませんね?」
17時になっても、まだ明るい。充分に高い空の下、こうして笑っていられることが、とても嬉しかった。
我が家はベランダが通りに面したアパートの1階で、そこには小さなビオトープと修さんの遊び場を作っていた。今日は修さんも私も、ベランダでのんびりと過ごしていた。
「ワタルがいるとは珍しいですね」「ええ、愛犬に普段の生活を見せようと街にきたら2人と鉢合わせまして」
聞けばこれからいつものカフェに寄って、学校に行くらしい。ワタルはイケガハラに住んでいて、夏休みだからと愛犬に学園を見せにきたらしい。どうせなら、と私を誘いにきたら、鏡に花を飾って手を合わせていたところだったと。
「不思議な風習だね」「興味深いね」「こちらにお墓は?」「あるよ。宗教によるけど、この国だと遺体を決められたエーテルに浸して、溶かしたらお墓の木の下に入れるの。自然の一部に返るんだ。」「エーテルに浸したら魔族になるのでは?」「必ず魔族になる条件はまだわかってないんだよ。エーテル質と肉体の交換速度とか言われてるけどね」
ワタルの愛犬は、前の世界ではドーベルマンと言われる犬だろう。非常に賢そうだ。カフェのテラスで軽くブランチを食べる間、全く吠えず、警戒心が強いのか、ワタルと私たちの間でワタルを守ろうとしている。
「それにしても、賢そうな方ですね」「カイトです」『ワン』「カイト君、はしかいわ」「修さんといい勝負ね!」『にゃ?』「話にならないそうです」「さすがのカイトも修さんに敵うのは」
珍しくカフェまで修さんがついてきて、少しばかり食べたら、そのままふらっといなくなった。修さんは嫌がるが、何かの時のために首輪をつけて欲しい。
「…ずき、瑞樹!」「へ?」「どこ行くの?」
考えごと、しすぎた。
「夏休みもあと2週間かー」「やっきねーぞい」「でも、これで宿題は終わりましたね」「明後日のキャンプファイヤーに間に合うね」「ワタルンはもう宿題終わったらしいし」「カイト君、可愛かったね」
明後日は在校生集めたキャンプファイヤー。如何にもな学校生活に、笑顔が止まらない。
「晴れるかな?」「実は私、天候を操れるんです。やってみせますよ」「龍神様に対抗!?」「先輩のこの前の卒業制作が成功したら晴れるんじゃない?」「2人とも、信じてませんね?」
17時になっても、まだ明るい。充分に高い空の下、こうして笑っていられることが、とても嬉しかった。
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