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さあ平和の時間だ! はじめよう!
エリア4/ 鉱山の町サハクシティ
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悲しみを乗り越えて旅を続け、俺はサハクシティに着いた。
ここはドワーフが管理する鉱山の町だ!
そう! ドワーフ娘は小さくて可愛い! 事件の臭いがするぞ!
「あっ、お兄ちゃん強そうだね? ちょっと助けて欲しいなっ!」
町へ入るなり、ドワーフ娘が助けを求めてきた。
見よ、これが勇者の魅力だ!
目の前の幼女はピンクのツインテール! 文句なしの合格だな!
そして幼女だが大人だ。つまり合格かつ合法なのだ!
俺は平和的かつ紳士的に、彼女に接すると誓おう!
「どうしたんだい? お嬢ちゃん。何でもしてあげるよ?」
「えっ、本当に? じゃあ、あれ倒して欲しいなっ!」
彼女の指した方向には、ただの巨大な鉱山が――。
いや、様子がおかしいぞ!
鉱山の入口からデカイ蛇が飛び出している!
それどころか、いたる所からニョロニョロと出ているではないか!
あれは蛇ではない。ドラゴンだ!
おそらく魔物どものボスに違いない!
「アイツに町の人や鉱夫がたくさん殺されて……。でも、こんな大変な世の中だし報酬も出せないかも……」
「大丈夫。俺は勇者! 人々の笑顔こそが報酬なのさ!」
俺は優しく言って爽やかに笑う! 好感度は爆上がりだ!
「やったぁ! じゃ、あたし邪魔になっちゃうから避難するね!」
そう言うなり、ドワーフ娘は全力で町の外へと駆けだした。
それほど怖い思いをしていたとは!
おのれ魔物め! 許せん!
俺が鉱山へ近づくと、魔物が一斉に首を向けてきた!
頂上が物凄い音を立て、巨大な頭まで飛び出したぞ!
さらに全部の首から、火の玉をマシンガンのように発射した!
「甘いッ! 俺には聖なる盾があるのだ!」
俺はユグドシルトで魔物たちの攻撃を難なく弾き返す!
弾き返された火の玉が町へ降り注ぎ、すでに町はボロボロだ!
この町を破壊するとは、なんて奴だ!
「ヒャッホー! 助かったぜ!」
「やっと町から出られる! ありがとう勇者様!」
「わしゃこんな町ごめんじゃ! あの町長め!」
壊された家から人々が這い出し、一目散に逃げてゆく!
みんなの声援こそが、俺の力! 勇者パワーも全快だ!
さあ平和の時間だ! はじめよう!
「――平和的山岳発破――ッ!」
俺が奥義・平和的山岳発破を解き放つと同時に、敵も一斉砲火を仕掛けてきた! さすがはボスだ!
奥義によって光の粒子が一点に収束し、鉱山に凄まじい爆発を引き起こす!
同時に奴の放った炎が、俺の身体と町を焼き尽くした!
――最後に立っていたのは俺だった。
俺は聖剣バルドリオンのお陰で不死身の肉体をもつ!
さらに先日手に入れた、レストメイルの効果で全回復だ!
俺は平和になった更地に佇み、巨大なクレーターと化した鉱山跡を静かに眺めていた。
「ぎゃー! 町も鉱山も消し飛んで……。ちょっとあんた! なんてことすんのよっ! 謝罪と賠償をしなさい!」
戻ってきたドワーフ娘は礼すら言わず、いきなり俺に掴みかかってきた!
助けて貰っておいて、気に入らなければ謝罪と賠償を要求するとは何事だ!
だが、俺はもう優しく接すると誓ってしまった。勇者は決して嘘を言わない!
「鉱山復活魔法……。何が言いたいか、わかるな?」
「えっ……? なななんの話かなぁ……? あたしわかんなぁい……」
やはり思った通りだ! この町は悪事に手を染めていた!
だが悪しき町も消滅した今、悪行も今日で終わらせる!
「この町では『鉱山を一つ掘り尽くす度に大金を支払う』という契約で労働者を集めていた。しかし、魔法で同じ鉱山を復活させ続け、労働力だけを搾取していたな?」
「ぎくっ……! そそそんな酷いこと、するわけないじゃん! 何言って……」
「さらに! この町では、世界中から移住者を集め、まるで強制労働を」
「――あっ! あたし関係ないしぃ……。そんな権限ないしぃ……」
ドワーフ娘はヘラヘラと笑い、あからさまに狼狽している!
「嘘をつくな! そのペンダント、それは町長の証だろう!」
「ぎゃー!? あたしが町長ですぅー! うわぁーん! ごめんなさいぃー!」
彼女は泣きながら土下座し、謝罪の言葉を述べはじめた。
正すべきは正す! それが平和の第一歩だ!
「鉱山復活魔法――!」
ドワーフ娘は魔法を使い、目の前のクレーターを一瞬で鉱山へと復活させた!
だが、魔法の負担が大きすぎたのか、彼女は地面にうずくまる。
もちろん俺は、優しく彼女を抱き起こしたぞ!
「うぅー……、気持ち悪い。魔力使いすぎちゃった……」
「仕方のない子だ。俺の魔力をわけてあげよう」
俺は優しく言いながら、特別な魔法の準備に取りかかる。
「えっ!? まままっ……ひっ……! らめ――」
「愛と平和の融合――!」
◇ ◇ ◇
翌日――。照りつける太陽の光で目覚めた俺は、ゆっくりと荒野に起き上がる。
さすがに今回は力を使いすぎた。気づけば昼を過ぎている!
「ねぇ……。やっぱり行っちゃうの? お兄ちゃん……」
「ああ。みんなが平和に暮らせる世界を作るのが、勇者の使命なんだ」
妹のように甘えるドワーフ娘の頭を撫で、俺は優しく微笑んでやる。
魔物のボスと悪しき強制労働の町は滅び、このエリアにも平和が訪れた!
「では行ってくる! 次は良い町になるって、信じてるぜ?」
「うん……。お兄ちゃん、いってらっしゃい!」
俺は彼女に見送られ、とてもスッキリとした気分で次の目的地へと向かう!
魔物のボスも倒したし、いよいよ旅も大詰めだ!
平和な世界まで、あと少し――!
エリア4:サハクシティ 【平和完了!】
ここはドワーフが管理する鉱山の町だ!
そう! ドワーフ娘は小さくて可愛い! 事件の臭いがするぞ!
「あっ、お兄ちゃん強そうだね? ちょっと助けて欲しいなっ!」
町へ入るなり、ドワーフ娘が助けを求めてきた。
見よ、これが勇者の魅力だ!
目の前の幼女はピンクのツインテール! 文句なしの合格だな!
そして幼女だが大人だ。つまり合格かつ合法なのだ!
俺は平和的かつ紳士的に、彼女に接すると誓おう!
「どうしたんだい? お嬢ちゃん。何でもしてあげるよ?」
「えっ、本当に? じゃあ、あれ倒して欲しいなっ!」
彼女の指した方向には、ただの巨大な鉱山が――。
いや、様子がおかしいぞ!
鉱山の入口からデカイ蛇が飛び出している!
それどころか、いたる所からニョロニョロと出ているではないか!
あれは蛇ではない。ドラゴンだ!
おそらく魔物どものボスに違いない!
「アイツに町の人や鉱夫がたくさん殺されて……。でも、こんな大変な世の中だし報酬も出せないかも……」
「大丈夫。俺は勇者! 人々の笑顔こそが報酬なのさ!」
俺は優しく言って爽やかに笑う! 好感度は爆上がりだ!
「やったぁ! じゃ、あたし邪魔になっちゃうから避難するね!」
そう言うなり、ドワーフ娘は全力で町の外へと駆けだした。
それほど怖い思いをしていたとは!
おのれ魔物め! 許せん!
俺が鉱山へ近づくと、魔物が一斉に首を向けてきた!
頂上が物凄い音を立て、巨大な頭まで飛び出したぞ!
さらに全部の首から、火の玉をマシンガンのように発射した!
「甘いッ! 俺には聖なる盾があるのだ!」
俺はユグドシルトで魔物たちの攻撃を難なく弾き返す!
弾き返された火の玉が町へ降り注ぎ、すでに町はボロボロだ!
この町を破壊するとは、なんて奴だ!
「ヒャッホー! 助かったぜ!」
「やっと町から出られる! ありがとう勇者様!」
「わしゃこんな町ごめんじゃ! あの町長め!」
壊された家から人々が這い出し、一目散に逃げてゆく!
みんなの声援こそが、俺の力! 勇者パワーも全快だ!
さあ平和の時間だ! はじめよう!
「――平和的山岳発破――ッ!」
俺が奥義・平和的山岳発破を解き放つと同時に、敵も一斉砲火を仕掛けてきた! さすがはボスだ!
奥義によって光の粒子が一点に収束し、鉱山に凄まじい爆発を引き起こす!
同時に奴の放った炎が、俺の身体と町を焼き尽くした!
――最後に立っていたのは俺だった。
俺は聖剣バルドリオンのお陰で不死身の肉体をもつ!
さらに先日手に入れた、レストメイルの効果で全回復だ!
俺は平和になった更地に佇み、巨大なクレーターと化した鉱山跡を静かに眺めていた。
「ぎゃー! 町も鉱山も消し飛んで……。ちょっとあんた! なんてことすんのよっ! 謝罪と賠償をしなさい!」
戻ってきたドワーフ娘は礼すら言わず、いきなり俺に掴みかかってきた!
助けて貰っておいて、気に入らなければ謝罪と賠償を要求するとは何事だ!
だが、俺はもう優しく接すると誓ってしまった。勇者は決して嘘を言わない!
「鉱山復活魔法……。何が言いたいか、わかるな?」
「えっ……? なななんの話かなぁ……? あたしわかんなぁい……」
やはり思った通りだ! この町は悪事に手を染めていた!
だが悪しき町も消滅した今、悪行も今日で終わらせる!
「この町では『鉱山を一つ掘り尽くす度に大金を支払う』という契約で労働者を集めていた。しかし、魔法で同じ鉱山を復活させ続け、労働力だけを搾取していたな?」
「ぎくっ……! そそそんな酷いこと、するわけないじゃん! 何言って……」
「さらに! この町では、世界中から移住者を集め、まるで強制労働を」
「――あっ! あたし関係ないしぃ……。そんな権限ないしぃ……」
ドワーフ娘はヘラヘラと笑い、あからさまに狼狽している!
「嘘をつくな! そのペンダント、それは町長の証だろう!」
「ぎゃー!? あたしが町長ですぅー! うわぁーん! ごめんなさいぃー!」
彼女は泣きながら土下座し、謝罪の言葉を述べはじめた。
正すべきは正す! それが平和の第一歩だ!
「鉱山復活魔法――!」
ドワーフ娘は魔法を使い、目の前のクレーターを一瞬で鉱山へと復活させた!
だが、魔法の負担が大きすぎたのか、彼女は地面にうずくまる。
もちろん俺は、優しく彼女を抱き起こしたぞ!
「うぅー……、気持ち悪い。魔力使いすぎちゃった……」
「仕方のない子だ。俺の魔力をわけてあげよう」
俺は優しく言いながら、特別な魔法の準備に取りかかる。
「えっ!? まままっ……ひっ……! らめ――」
「愛と平和の融合――!」
◇ ◇ ◇
翌日――。照りつける太陽の光で目覚めた俺は、ゆっくりと荒野に起き上がる。
さすがに今回は力を使いすぎた。気づけば昼を過ぎている!
「ねぇ……。やっぱり行っちゃうの? お兄ちゃん……」
「ああ。みんなが平和に暮らせる世界を作るのが、勇者の使命なんだ」
妹のように甘えるドワーフ娘の頭を撫で、俺は優しく微笑んでやる。
魔物のボスと悪しき強制労働の町は滅び、このエリアにも平和が訪れた!
「では行ってくる! 次は良い町になるって、信じてるぜ?」
「うん……。お兄ちゃん、いってらっしゃい!」
俺は彼女に見送られ、とてもスッキリとした気分で次の目的地へと向かう!
魔物のボスも倒したし、いよいよ旅も大詰めだ!
平和な世界まで、あと少し――!
エリア4:サハクシティ 【平和完了!】
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