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第18話 クライブ
ステラ嬢と会う機会を徐々に減らしていった。
子爵令嬢とは親しくするとはいっても、週に1、2度昼食を一緒にとったり、騎士科の練習時に話す程度だ。
もちろん、これだけでも婚約者以外と親密にしていると見なされるだろう。
でも、俺と子爵令嬢の噂は、[いつも一緒に居る][口づけをしているのを見た][侯爵令息は子爵令嬢に溺れている]かなり脚色されていた。
[ステラ嬢がお可哀想]と周りは彼女に同情し、ステラ嬢はいつも男子生徒に慰められていて、それは俺と子爵令嬢よりもはるかに親密だったが、周りはそれを自然に受け止めていた。
噂はそのまま卒業まで続いた。
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにした。
そして、俺は卒業前に婚約破棄を告げ、激昂した父上は縁を切ると言い放ち、俺は一人で辺境へ向かった。
自分の行為が家名に泥を塗ったことは重々承知していた。
王都には戻らず、一生ここにいよう。
そう思っていた。
ここに来てから1年後、ステラ嬢が学園の卒業と同時に20歳年上のコンウォール伯爵に後妻として嫁いだと聞いた。
あの時、学生だった自分はああすることが最善策だと信じていた。
でも、他に方法があったんじゃないか。
罪悪感にも似たようなものを感じた俺は、程なくして前線に身を置くことになった。
ただ、辺境へ来て3年後に子爵令嬢の恋人から“結婚して幸せに暮らしている”との便りを受け取り、少し気持ちが和らいだ。
◇◇◇
ノックス男爵となり、王都でも比較的静かな地域に屋敷をけ貰い受けた。
驚いたことといえば、数日後に屋敷へ帰るとベルナール侯爵家の使用人が居たことだった。
父上からは、辺境に移り住んでから5年後に手紙を受け取っていた。
そこには、コンウォール伯爵から聞いたステラ嬢の隠された一面について記されていた。
『ご子息は相当ご苦労されたでしょうな。
見た目と中身が全く別人で、周りはステラに完全に騙されている。
異性の友人も多い。
愛人と言った方が正解でしょうな』
お前の話をきちんと聞かずに済まなかった。
家名に泥を塗った俺は、捨て置いて下さい。
王都に戻るつもりのない俺は、そう返事を書いて、それっきりだった。
懐かしい顔の使用人は侯爵家に戻るつもりは無いらしく、いつの間にか居るのが当たり前になっていた。
近衛騎士副団長としての仕事は、辺境時代に比べると自由になる時間かなり増えた。
鍛練に回してもなお時間を持て余し、王宮の図書室へ足を運んでは冒険小説や推理小説を借りるのが日課になりつつあった。
そんな時、彼女を図書室で見かけた。
いつも行く冒険小説の本棚の前に、髪をおさげにした美しい女性が、目を輝かせながら本を手に取っては何か呟いている。
表情豊かに本を選ぶ姿に目が釘付けになった。
今思えば、一目惚れだったんだろう。
図書室へ行くと、彼女を目で探す自分がいたから。
彼女は見かける度に、いつも髪型が変わっていた。
でも、印象は違えど本を選ぶ姿は決まって楽しそうだった。
そんなある日、王宮で彼女を見かけた。
侍女服を身につけた彼女は、文官と思われる男に付き纏われているように見えた。
子爵令嬢とは親しくするとはいっても、週に1、2度昼食を一緒にとったり、騎士科の練習時に話す程度だ。
もちろん、これだけでも婚約者以外と親密にしていると見なされるだろう。
でも、俺と子爵令嬢の噂は、[いつも一緒に居る][口づけをしているのを見た][侯爵令息は子爵令嬢に溺れている]かなり脚色されていた。
[ステラ嬢がお可哀想]と周りは彼女に同情し、ステラ嬢はいつも男子生徒に慰められていて、それは俺と子爵令嬢よりもはるかに親密だったが、周りはそれを自然に受け止めていた。
噂はそのまま卒業まで続いた。
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにした。
そして、俺は卒業前に婚約破棄を告げ、激昂した父上は縁を切ると言い放ち、俺は一人で辺境へ向かった。
自分の行為が家名に泥を塗ったことは重々承知していた。
王都には戻らず、一生ここにいよう。
そう思っていた。
ここに来てから1年後、ステラ嬢が学園の卒業と同時に20歳年上のコンウォール伯爵に後妻として嫁いだと聞いた。
あの時、学生だった自分はああすることが最善策だと信じていた。
でも、他に方法があったんじゃないか。
罪悪感にも似たようなものを感じた俺は、程なくして前線に身を置くことになった。
ただ、辺境へ来て3年後に子爵令嬢の恋人から“結婚して幸せに暮らしている”との便りを受け取り、少し気持ちが和らいだ。
◇◇◇
ノックス男爵となり、王都でも比較的静かな地域に屋敷をけ貰い受けた。
驚いたことといえば、数日後に屋敷へ帰るとベルナール侯爵家の使用人が居たことだった。
父上からは、辺境に移り住んでから5年後に手紙を受け取っていた。
そこには、コンウォール伯爵から聞いたステラ嬢の隠された一面について記されていた。
『ご子息は相当ご苦労されたでしょうな。
見た目と中身が全く別人で、周りはステラに完全に騙されている。
異性の友人も多い。
愛人と言った方が正解でしょうな』
お前の話をきちんと聞かずに済まなかった。
家名に泥を塗った俺は、捨て置いて下さい。
王都に戻るつもりのない俺は、そう返事を書いて、それっきりだった。
懐かしい顔の使用人は侯爵家に戻るつもりは無いらしく、いつの間にか居るのが当たり前になっていた。
近衛騎士副団長としての仕事は、辺境時代に比べると自由になる時間かなり増えた。
鍛練に回してもなお時間を持て余し、王宮の図書室へ足を運んでは冒険小説や推理小説を借りるのが日課になりつつあった。
そんな時、彼女を図書室で見かけた。
いつも行く冒険小説の本棚の前に、髪をおさげにした美しい女性が、目を輝かせながら本を手に取っては何か呟いている。
表情豊かに本を選ぶ姿に目が釘付けになった。
今思えば、一目惚れだったんだろう。
図書室へ行くと、彼女を目で探す自分がいたから。
彼女は見かける度に、いつも髪型が変わっていた。
でも、印象は違えど本を選ぶ姿は決まって楽しそうだった。
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