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第19話 クライブ
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二人の所まで早足で急ぐと、男が彼女の腕を掴んだのが目に入った。
「寂しそうにしてると思って声かけてやったのに」
怒りが込み上げ、文官の腕を捩じ上げた。
文官ニコラス・ドミンゲス伯爵令息に、名指しで陛下が規律の乱れを嘆いていたと告げれば、あろうことか『彼女に誘惑された』とほざく。
腕が折れる寸前まで捩じ上げる力を加えてやれば、嫌々ながらやっと彼女に謝罪の言葉を口にした。
この男は賭け事にのめり込み、伯爵に内緒で相当の借金を抱えているうえ、女癖もかなり悪いときている。
婚約者のいる侍女二人に手を出して、問題になったばかりのはずだった。
「伯爵が覚えの無い借金の取り立てに驚いて倒れたと聞いたが」
教えてやれば顔色を悪くして逃げて行った。
彼女を見れば、痛いんだろう。
腕をずっとさすっていた。
もう少し早く来ていれば。
悔やまずにいられなかった。
翌日、側妃様から昨日怪我を負ったルグラン子爵令嬢を離宮から医務室までの護衛の依頼の話がきた。
「ルグラン子爵令嬢って、あの色っぽい侍女だろ。
あ、団長、俺が立候補します」
「お前、狡いぞ」
騎士達の発言に嫌悪感を隠せなかった俺は椅子から立ち上がり、二人に向き合った。
何かするつもりなんて無かったが、急に縮み上がった二人と俺の間に何故か団長が入り込んだ。
結局は俺が護衛につくことになり、騎士達には罰が与えられた。
ドミンゲス伯爵令息といい騎士達といい、ルグラン子爵令嬢に対しての発言には苛立ちを覚えずにいられなかった。
「ノックス副団長、ごきげんよう」
医務室への護衛任務が終わってから、彼女を目にすることはなかった。
だから、図書室で声をかけられた時には驚きを隠せなかった。
ルグラン子爵令嬢は冒険小説を選んでいた俺に、自分もそれを読んだことがあっておすすめです!と目を輝かせて話し始めて、俺は頷きながら彼女の話を聞いた。
図書室は騎士が常駐し安全だが、ここを一歩出ればドミンゲス伯爵や騎士達のような不埒な男が現れる可能性がある。
帰りは女子寮まで彼女を送り、建物に入るまで見届けた。
そんなことが数回続いたある日、団長にルグラン子爵令嬢と婚約してはどうか。
そんな話をされた。
図書室でしか会ってないんだろ。まずは食事に行くと良い。
この時、初めて意識したのかも知れない。
いや、本当はずっと彼女が気になっていた。
ただ、自分が誰かと一緒になるなんて今までは考えもしなかったから、気持ちに気づかないふりをしていた。
食事をとりながら、いつもみたいに小説の話ばかりする彼女から、もっと他の話が聞きたいと思った。
こうやって、テーブル越しに彼女を見つめる唯一の存在で在りたい。
シドニー、名前で呼びたいと。
そして、二度目の食事に花束を抱えて向かった。
花束を渡し、以前から図書室で見かけて、綺麗な女性だと思っていたと。
話すようになってどんどん惹かれていって。
だから、こうして一緒に食事ができて嬉しく思うこと。
目をパチクリさせて、言葉を失っている彼女に話を続けた。
「私との婚約を考えてくれないか?」
「寂しそうにしてると思って声かけてやったのに」
怒りが込み上げ、文官の腕を捩じ上げた。
文官ニコラス・ドミンゲス伯爵令息に、名指しで陛下が規律の乱れを嘆いていたと告げれば、あろうことか『彼女に誘惑された』とほざく。
腕が折れる寸前まで捩じ上げる力を加えてやれば、嫌々ながらやっと彼女に謝罪の言葉を口にした。
この男は賭け事にのめり込み、伯爵に内緒で相当の借金を抱えているうえ、女癖もかなり悪いときている。
婚約者のいる侍女二人に手を出して、問題になったばかりのはずだった。
「伯爵が覚えの無い借金の取り立てに驚いて倒れたと聞いたが」
教えてやれば顔色を悪くして逃げて行った。
彼女を見れば、痛いんだろう。
腕をずっとさすっていた。
もう少し早く来ていれば。
悔やまずにいられなかった。
翌日、側妃様から昨日怪我を負ったルグラン子爵令嬢を離宮から医務室までの護衛の依頼の話がきた。
「ルグラン子爵令嬢って、あの色っぽい侍女だろ。
あ、団長、俺が立候補します」
「お前、狡いぞ」
騎士達の発言に嫌悪感を隠せなかった俺は椅子から立ち上がり、二人に向き合った。
何かするつもりなんて無かったが、急に縮み上がった二人と俺の間に何故か団長が入り込んだ。
結局は俺が護衛につくことになり、騎士達には罰が与えられた。
ドミンゲス伯爵令息といい騎士達といい、ルグラン子爵令嬢に対しての発言には苛立ちを覚えずにいられなかった。
「ノックス副団長、ごきげんよう」
医務室への護衛任務が終わってから、彼女を目にすることはなかった。
だから、図書室で声をかけられた時には驚きを隠せなかった。
ルグラン子爵令嬢は冒険小説を選んでいた俺に、自分もそれを読んだことがあっておすすめです!と目を輝かせて話し始めて、俺は頷きながら彼女の話を聞いた。
図書室は騎士が常駐し安全だが、ここを一歩出ればドミンゲス伯爵や騎士達のような不埒な男が現れる可能性がある。
帰りは女子寮まで彼女を送り、建物に入るまで見届けた。
そんなことが数回続いたある日、団長にルグラン子爵令嬢と婚約してはどうか。
そんな話をされた。
図書室でしか会ってないんだろ。まずは食事に行くと良い。
この時、初めて意識したのかも知れない。
いや、本当はずっと彼女が気になっていた。
ただ、自分が誰かと一緒になるなんて今までは考えもしなかったから、気持ちに気づかないふりをしていた。
食事をとりながら、いつもみたいに小説の話ばかりする彼女から、もっと他の話が聞きたいと思った。
こうやって、テーブル越しに彼女を見つめる唯一の存在で在りたい。
シドニー、名前で呼びたいと。
そして、二度目の食事に花束を抱えて向かった。
花束を渡し、以前から図書室で見かけて、綺麗な女性だと思っていたと。
話すようになってどんどん惹かれていって。
だから、こうして一緒に食事ができて嬉しく思うこと。
目をパチクリさせて、言葉を失っている彼女に話を続けた。
「私との婚約を考えてくれないか?」
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