メイドは眠りから目が覚めた公爵様を、誤って魅了する

MOMO-tank

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第2話

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弟達には使いを出し、晩御飯の心配もないと言われた。
まぁ、弟達は子爵家の敷地内に住んでいて、周りには信頼できる人達もいるから大丈夫だろう。
ジョンはしっかりしているし。



私は今、目と呼吸用に口元部分を針で刺したような穴が無数にある仮面をつけて、スティーブン様の寝室の傍にあるスペースで、なかなかの座り心地の椅子に座っている。
普段は眼鏡をかけているが、仮面の邪魔になるので外した。

『夜間にいたっては、仮眠を許されているの』
モリーさんは、そう教えてくれた。

半年も目覚めないスティーブン様が、今夜目を覚ますなんてまずあり得ないだろう。
それでも、予定では仮眠をとるつもりなんてなかった。
一応は仕事中で、しかも10倍ものお給金が発生する。
考えたくはないが、不始末を起こしたりすればお給金の没収だって考えられる。
すでに頭の片隅で、このお給金の使い道の候補があがっている。
成長著しい弟達、ジョンとジャックの寸足らずのズボンを新調するのがいいだろう。


ああ、それなのに。
駄目だ、この椅子ときたら。
なんて気持ちがいいんだろう。
欠伸が、
欠伸が、
その上、目が閉じていく・・・。

この座り心地が良い椅子は、次第に私を眠りの世界へと誘いだした。


大丈夫ーー
モリーさんが言っていた。
スティーブン様のベッドには、起き上がる振動に反応する魔道具がついていて、騒がしいベル音がそれを知らせてくれる。
そうしたら、ボタンを押して、魔術師団長が飛んでくるーー
廊下の護衛騎士を呼んでーー
そうすれば、安心でーー




ガタン!!

何? 何の音?
ここは?

少し息苦しいさと違和感を感じ、顔に手を持っていくと硬い物に触れた。
仮面・・・。
私の寝ぼけていた頭は全てを思いだした。 

そうだ、ここは・・・。


ドカッ!バッタン!

何!!
ぶつかって、倒れた音??

ええ!まさか!まさか!
倒れて、頭なんて打ってたら!

「あの、大丈ーー」

大丈夫ですか?って、言おうとしただけ。

だけど、それすら言えずに、いつの間にか近くに立っていたスティーブン様と思われる人の手が伸びて、私の仮面を取ったのと、私がボタンを押したのが同時だった。


一瞬、ほんの一瞬、海のような深いブルーの瞳と目が合った気がした。


でも、次の瞬間、物凄い重さにのしかかられて頭を床に打った私の意識は、そこで遠のいた。








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