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言霊
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身内以外の男の人の車って初めての経験で、別にレディーファーストを待っていた訳じゃないんだけどピカピカのベンツの前で立ったまま動けなかった。
だって勝手にドア開けるの? 良くわからないし。
「大丈夫僕車の中で煙草吸わないから臭くないよ」
「そ、そんなとこは気にしてないですよ!」
腰に手を添えられてドアを開けてくれて乗ったら、あ、あ、あ……。
「辰巳臭……」
「何それ臭いの?」
「好きなの」
「良かった」
頭撫でられてドア閉められて、な、何しよう!! ソワソワする!
運転席に座った辰巳さんは、それじゃあ帰りましょうって言ってくれて、そうだよねそうだよね! これから人生初の彼氏のお家に……しかもお泊りに……!!
「どうしてそんなガッチガチに固まってるの? 怖い?」
「怖いんじゃなくて、失礼があったらどうしようとか色々考えてしまって……! そもそも誰かの家にお邪魔するのも久々で」
「そっか」
辰巳さんはにこってして至近距離に迫ってきて、あ……やっぱりキスしてくる。
ビクってしちゃったけど、顔の向きが変わって緊張解れてく、
「口開けて」
「んん」
綺麗な瞳に命令されて勝手に口が開いて舌を混じり合わせながら辰巳さんはシートベルトを締めてくれた。
「誰かの家じゃなくて、寧々ちゃんの家だよ?」
「ぁぅ……」
「ふふふ……僕は女性が家に来るの初めてだから楽しみ」
そうなんだ……意外。
眼鏡を直して、バックミラーの位置調整してる手が異様に格好良く見えるのは何の病気なのか。
ってゆうかマニュアル車なんですね! 私AT免許だから限定解除しに行かないと!!!
「難しくないんですか」
「こっちの方が車運転してる感あるし眠くなる暇がないのでいいですよ」
「そうですか」
指輪の光る手がギアを掴んでニュートラルに入れてクラッチを踏んでエンジンが始動する、今度はギアをローに入れてブレーキを解除してウインカーが点灯してって……ななななな何全部カッコいいの助けて車動くだけなのにカッコいい。
26年暮らした家とお別れなんてもっと胸が締め付けられると思ったのに辰巳さん格好いいで頭いっぱいでいつの間にか見えなくなっていた。
「どこか寄りたい所はありますか」
「寄りたい……あ、あります。直ぐそこの商店街なんですけど、少し脇に反れた所にお地蔵様がいるのでそこに」
「分かりました」
しばらくこれなくなると思うから、最後にナデナデしておきたかったんだ。
直に着いて、辰巳さんは私を降ろすと少しいった道の広い所に車を停めた。
電灯に照らされたお地蔵様は赤い涎かけと帽子をかぶって寝てるような笑ってるような安らかな顔だ。
買った苺のパックの一つを前に置く。
「可愛いね、昔からここにいるの?」
「はい私の生まれる前から、本当はお供え物に生物はいけないって言われてるんですけど、朝には管理してる商店街の人が持っていってくれるので、今日だけ特別」
「綺麗な苺だね」
座って手を合わせて、辰巳さんはお地蔵様が祀られてるお堂の周りを見てる。
「辰巳さんはキリスト教とか? そういうのですか?」
「ん?」
「私は別に仏教に恭敬している訳じゃないんですけど、うん、初詣も行くしクリスマスもハロウィンもしますから」
「うん」
「それでね、仏教では悟りを開いてでもいない限り、死んだら人は必ず地獄に行くんです。今世の罪を背負って皆地獄に。生まれた瞬間に命を落とした赤ちゃんも不慮の事故で突然死んだ子供も病気で苦しんで死んだ子供も皆皆地獄に行くんです。その小さな体で親を悲しませたという、たった一つの大きな罪を背負って地獄に堕ちて行く。でもそんなの可哀想じゃないですか目も見えないお母さんの温もりも感じる事もできなかった赤ちゃんが地獄に行くなんて、だから、そんな魂を救うために三途の川のほとりに立って極楽に連れて行ってくれる仏さまがいるって、それが地蔵菩薩、お地蔵様だっておばあちゃんが言ってました。暗闇の中で一人で不安で寂しくて悲しくて、そんな中お地蔵様の優しい笑顔を見た子はきっと安心したでしょうね。昔はたくさん子供が死んだからどこの町にもお地蔵様が置いてあったって、その話を聞いてから私はお地蔵様を見たらいつもありがとうって心の中で言ってます」
「そうか、こんな小さいのに頑張ってるね」
辰巳さんは私の隣に腰を降ろして金髪を耳に掛けると内ポケットゴソゴソしてて。
「んーっと、しまったなこんなのしかないよ」
「?」
「お地蔵様フリスク食べるかな」
「ふふふ、いいんじゃないですか、気持ちが大事なんだしお供え物大体甘い物ばかりだからたまにはスースーしたいかも」
「良かった」
苺の横にお供えしたのは、フリスクの……しかも一番辛いヤツ!
でもそんな話あり得ないとか否定したりしないで隣で静かに手を合わせてくれる辰巳さんの横顔は綺麗だった。
心も全部綺麗な人だ。
「ありがとう辰巳さん」
「うん? お礼なんていらないよ。僕の方こそ勉強になりました」
先に立ち上がった辰巳さんは私に手を差し出してくれて大きな手は温かかった。
そのまま手を繋いで歩いて、会話のない時間が妙に心地良くて他人と時間を共有するってこんなに安心するんだと初めて知った。
車に戻ってまたキスしながらシートベルトを装着してくれた、辰巳さんは膝に置いた私の手を握りながら笑う。
「次はどこに行きたいですか、寧々ちゃんが行きたい所、僕も凄く興味あるから全部付き合うよ」
「えっと……」
後部座席には私の鞄が置かれていて、それならっと辰巳さんの手を握り返して頷いた。
「墓地に行ってもいいですか、遅い時間ですけど道に面したお墓なので入り口が封鎖されてる事はないので」
「墓地……いいよ場所教えて?」
夜にお墓なんて嫌がられるかと思ったけど、辰巳さんはカーナビを起動して何の躊躇もなく車を発進してくれた。
信号が赤になれば手を握られて、待ち時間が長ければキスしてきて、待ってこれは辰巳さんの恋人との日常なんだろうか、イチャイチャのそれが激しすぎるぞ、が、全く嫌じゃない!!
「目的地に着いたみたいですけど……地図で見るとここら辺の地域一帯がお墓なんですね」
「そうです、家もあるし学校も……でもその中にお墓が点在してて桜もたくさん植えられてます」
「ここからは口頭で道案内お願いしても?」
「はい」
細い道に入る前に車を停めて、私は後部座席から鞄を取ると本からしおりを引き抜いて外に出た。
「お花やお線香は平気ですか」
「はい、いつも持って来てません、そこの自販機でジュースくらいは買って行こうかな」
「わかりました」
甘いコーヒー牛乳を買って、砂利や木の根で足場の悪い道を辰巳さんと腕を組みながら歩いた。
というかこけそうになるから辰巳さんにしがみ付いて歩いた。
【獅子原家之墓】
墓石にそう彫られたお墓の前で足を止めると、私は持っていたコーヒー牛乳を置いた。
「寒いね千代ちゃん風邪ひいてない? また来たよ」
辰巳さんが後ろで、
「誰のお墓ですか」
率直に聞かれて。
「親友です」
と自分に言い聞かせるように答えた。
「そっか、親友とこういう形で離れ離れになるのは寂しいね」
「はい……ねえ辰巳さん」
「なあに」
「私、新宿駅で人を拒絶する最大の言葉は大嫌いじゃないって言ったじゃないですか」
「言ったね」
「お母さんはやっぱり、最後までその言葉を口にしなかった……【死ね】や【生まなければ良かった】と私が生きている事を否定する言葉は使ってこなかったです」
「うん」
「まあ私がいなかったら、利用できないからだとも思うけど、でも自分はあんなに死ねとか消えろとかもっと酷い言葉をおばあちゃんに言われていたのに私にはそれを使わなかった、だから私は最後までお母さんを憎めなかったんです」
しおりを出して唇に当てたら、辰巳さんは後ろから私を抱いて頭にいっぱいキスしてくれた。
「ねえ辰巳さん……ねえ」
「大丈夫、ちゃんと話聞いてるよ」
「うん、辰巳さん私の事嫌いにならないって約束してくれる?」
「はい、もちろん」
「私は…………私は辰巳さんが思ってるような天使じゃないし優しいいい子じゃないんです」
「そうかな」
「辰巳さんは言霊って信じますか? いつも変な事ばっかり言って……本当に宇宙から電波が来たり、組織の人間に攫われたらどうするんですか、ああいうの本当になったら怖いからあまり言わないで下さい」
私も抱き付いて胸の下のところに頭グリグリさせて泣きそうで苦しい、背中に温かい手が這う。
「言ってしまったの?」
「…………」
「言ってしまったんだね、この子に……その言葉」
だって勝手にドア開けるの? 良くわからないし。
「大丈夫僕車の中で煙草吸わないから臭くないよ」
「そ、そんなとこは気にしてないですよ!」
腰に手を添えられてドアを開けてくれて乗ったら、あ、あ、あ……。
「辰巳臭……」
「何それ臭いの?」
「好きなの」
「良かった」
頭撫でられてドア閉められて、な、何しよう!! ソワソワする!
運転席に座った辰巳さんは、それじゃあ帰りましょうって言ってくれて、そうだよねそうだよね! これから人生初の彼氏のお家に……しかもお泊りに……!!
「どうしてそんなガッチガチに固まってるの? 怖い?」
「怖いんじゃなくて、失礼があったらどうしようとか色々考えてしまって……! そもそも誰かの家にお邪魔するのも久々で」
「そっか」
辰巳さんはにこってして至近距離に迫ってきて、あ……やっぱりキスしてくる。
ビクってしちゃったけど、顔の向きが変わって緊張解れてく、
「口開けて」
「んん」
綺麗な瞳に命令されて勝手に口が開いて舌を混じり合わせながら辰巳さんはシートベルトを締めてくれた。
「誰かの家じゃなくて、寧々ちゃんの家だよ?」
「ぁぅ……」
「ふふふ……僕は女性が家に来るの初めてだから楽しみ」
そうなんだ……意外。
眼鏡を直して、バックミラーの位置調整してる手が異様に格好良く見えるのは何の病気なのか。
ってゆうかマニュアル車なんですね! 私AT免許だから限定解除しに行かないと!!!
「難しくないんですか」
「こっちの方が車運転してる感あるし眠くなる暇がないのでいいですよ」
「そうですか」
指輪の光る手がギアを掴んでニュートラルに入れてクラッチを踏んでエンジンが始動する、今度はギアをローに入れてブレーキを解除してウインカーが点灯してって……ななななな何全部カッコいいの助けて車動くだけなのにカッコいい。
26年暮らした家とお別れなんてもっと胸が締め付けられると思ったのに辰巳さん格好いいで頭いっぱいでいつの間にか見えなくなっていた。
「どこか寄りたい所はありますか」
「寄りたい……あ、あります。直ぐそこの商店街なんですけど、少し脇に反れた所にお地蔵様がいるのでそこに」
「分かりました」
しばらくこれなくなると思うから、最後にナデナデしておきたかったんだ。
直に着いて、辰巳さんは私を降ろすと少しいった道の広い所に車を停めた。
電灯に照らされたお地蔵様は赤い涎かけと帽子をかぶって寝てるような笑ってるような安らかな顔だ。
買った苺のパックの一つを前に置く。
「可愛いね、昔からここにいるの?」
「はい私の生まれる前から、本当はお供え物に生物はいけないって言われてるんですけど、朝には管理してる商店街の人が持っていってくれるので、今日だけ特別」
「綺麗な苺だね」
座って手を合わせて、辰巳さんはお地蔵様が祀られてるお堂の周りを見てる。
「辰巳さんはキリスト教とか? そういうのですか?」
「ん?」
「私は別に仏教に恭敬している訳じゃないんですけど、うん、初詣も行くしクリスマスもハロウィンもしますから」
「うん」
「それでね、仏教では悟りを開いてでもいない限り、死んだら人は必ず地獄に行くんです。今世の罪を背負って皆地獄に。生まれた瞬間に命を落とした赤ちゃんも不慮の事故で突然死んだ子供も病気で苦しんで死んだ子供も皆皆地獄に行くんです。その小さな体で親を悲しませたという、たった一つの大きな罪を背負って地獄に堕ちて行く。でもそんなの可哀想じゃないですか目も見えないお母さんの温もりも感じる事もできなかった赤ちゃんが地獄に行くなんて、だから、そんな魂を救うために三途の川のほとりに立って極楽に連れて行ってくれる仏さまがいるって、それが地蔵菩薩、お地蔵様だっておばあちゃんが言ってました。暗闇の中で一人で不安で寂しくて悲しくて、そんな中お地蔵様の優しい笑顔を見た子はきっと安心したでしょうね。昔はたくさん子供が死んだからどこの町にもお地蔵様が置いてあったって、その話を聞いてから私はお地蔵様を見たらいつもありがとうって心の中で言ってます」
「そうか、こんな小さいのに頑張ってるね」
辰巳さんは私の隣に腰を降ろして金髪を耳に掛けると内ポケットゴソゴソしてて。
「んーっと、しまったなこんなのしかないよ」
「?」
「お地蔵様フリスク食べるかな」
「ふふふ、いいんじゃないですか、気持ちが大事なんだしお供え物大体甘い物ばかりだからたまにはスースーしたいかも」
「良かった」
苺の横にお供えしたのは、フリスクの……しかも一番辛いヤツ!
でもそんな話あり得ないとか否定したりしないで隣で静かに手を合わせてくれる辰巳さんの横顔は綺麗だった。
心も全部綺麗な人だ。
「ありがとう辰巳さん」
「うん? お礼なんていらないよ。僕の方こそ勉強になりました」
先に立ち上がった辰巳さんは私に手を差し出してくれて大きな手は温かかった。
そのまま手を繋いで歩いて、会話のない時間が妙に心地良くて他人と時間を共有するってこんなに安心するんだと初めて知った。
車に戻ってまたキスしながらシートベルトを装着してくれた、辰巳さんは膝に置いた私の手を握りながら笑う。
「次はどこに行きたいですか、寧々ちゃんが行きたい所、僕も凄く興味あるから全部付き合うよ」
「えっと……」
後部座席には私の鞄が置かれていて、それならっと辰巳さんの手を握り返して頷いた。
「墓地に行ってもいいですか、遅い時間ですけど道に面したお墓なので入り口が封鎖されてる事はないので」
「墓地……いいよ場所教えて?」
夜にお墓なんて嫌がられるかと思ったけど、辰巳さんはカーナビを起動して何の躊躇もなく車を発進してくれた。
信号が赤になれば手を握られて、待ち時間が長ければキスしてきて、待ってこれは辰巳さんの恋人との日常なんだろうか、イチャイチャのそれが激しすぎるぞ、が、全く嫌じゃない!!
「目的地に着いたみたいですけど……地図で見るとここら辺の地域一帯がお墓なんですね」
「そうです、家もあるし学校も……でもその中にお墓が点在してて桜もたくさん植えられてます」
「ここからは口頭で道案内お願いしても?」
「はい」
細い道に入る前に車を停めて、私は後部座席から鞄を取ると本からしおりを引き抜いて外に出た。
「お花やお線香は平気ですか」
「はい、いつも持って来てません、そこの自販機でジュースくらいは買って行こうかな」
「わかりました」
甘いコーヒー牛乳を買って、砂利や木の根で足場の悪い道を辰巳さんと腕を組みながら歩いた。
というかこけそうになるから辰巳さんにしがみ付いて歩いた。
【獅子原家之墓】
墓石にそう彫られたお墓の前で足を止めると、私は持っていたコーヒー牛乳を置いた。
「寒いね千代ちゃん風邪ひいてない? また来たよ」
辰巳さんが後ろで、
「誰のお墓ですか」
率直に聞かれて。
「親友です」
と自分に言い聞かせるように答えた。
「そっか、親友とこういう形で離れ離れになるのは寂しいね」
「はい……ねえ辰巳さん」
「なあに」
「私、新宿駅で人を拒絶する最大の言葉は大嫌いじゃないって言ったじゃないですか」
「言ったね」
「お母さんはやっぱり、最後までその言葉を口にしなかった……【死ね】や【生まなければ良かった】と私が生きている事を否定する言葉は使ってこなかったです」
「うん」
「まあ私がいなかったら、利用できないからだとも思うけど、でも自分はあんなに死ねとか消えろとかもっと酷い言葉をおばあちゃんに言われていたのに私にはそれを使わなかった、だから私は最後までお母さんを憎めなかったんです」
しおりを出して唇に当てたら、辰巳さんは後ろから私を抱いて頭にいっぱいキスしてくれた。
「ねえ辰巳さん……ねえ」
「大丈夫、ちゃんと話聞いてるよ」
「うん、辰巳さん私の事嫌いにならないって約束してくれる?」
「はい、もちろん」
「私は…………私は辰巳さんが思ってるような天使じゃないし優しいいい子じゃないんです」
「そうかな」
「辰巳さんは言霊って信じますか? いつも変な事ばっかり言って……本当に宇宙から電波が来たり、組織の人間に攫われたらどうするんですか、ああいうの本当になったら怖いからあまり言わないで下さい」
私も抱き付いて胸の下のところに頭グリグリさせて泣きそうで苦しい、背中に温かい手が這う。
「言ってしまったの?」
「…………」
「言ってしまったんだね、この子に……その言葉」
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