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夏目さんッ!!!
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い、い、い、い、い一時だよ今ッ!!
一時!!!!
え、ああの、三時までまだ時間あるし、今ならキャンセルしてもお金取られない??
え? でもキャンセル理由が【今起きたから】は悪質か? 悪質だな?! 悪質だろ!! だってこれの為に時間作って待って下さってる、あの……えっと、夏目さん? そう、夏目さんがいる訳だもんな!! わざわざこのメール送ってくれた人もいる。
ってゆうか夏目さん? え! 私の専属トレーナー夏目さんっていうの?! 嘘、名前カッコいいじゃん夏目さん。 でもここ女性限定を謳ってたから女性かな?
いや、そんな事はいい!! どうにかしないと友人帳に名前を載せられてしまうぞ!!
どうするんだ? 行くのか?! 行かないのか!!
あ、よく見たら当日キャンセルの場合は直接店舗へご連絡下さいだってひゃあああだ!! 電話とか私が一番苦手なヤツ!!
え……でも、うん……最初で最後だと思ってかけてみようかな、こんな生まれたてのゴリラ状態で行くのもアレだしな……だって昨日ちょこっとサイト見てみたら結構マジな所だったから、そんな体鍛えるのガチ勢なとこにオタクイベントに行きたいけど腹の肉が気になります如きで来られたらお店も迷惑なような? うん迷惑だな! 極めて迷惑ぞ!
誰か止めて……私自分に甘い言い訳得意なんです、もう行かない方向に思考が固まってきてる!!!
とりあえず、光太君に聞いてみよかな、とアプリを開いてイヤホン耳にグリグリすればいつもの神OPが流れて噛みしめとく……(選択したキャラボでOP歌ってくれる)で、おお、今日はフリーズしなかったぞ! やったぁ。
どんな美少年スマイルで私の名前を呼んでくれるんだろうかとワクワクしていたら、なんとまさかの光太様は怒っていらっしゃった……!! 何でよ。
呼び出された六本木の喫茶店、マスクとサングラスを外した光太君は腕を組んで不満げだ。
【もう、あまるさん! いや、豚!!】
!!!!!
な、なに??? しょっぱなから毒舌罵ってくるご褒美……ハアハア、じゃなかった! 私怒らせるような事した、かな? ……光太君は横に流した長めの前髪を払うと、こちらを睨んで言った。
【約束!! 何で破ったんですか!?】
え?
【え、じゃないですよ! 昨日!! 新しい役作りの為に一緒にジムに行くって約束していたじゃないで】
おおおおおおお!!
「いいいいいいい、行きます行きます!! すみませんでしたぁあああ!!」
ま、さ、か、の!! 光太様に喝を入れられ私はベッドから飛び出して風呂場に向かった!
うわあああん!! そうだったぁ! 月末に映画のオーディションのイベントがあるからジムで体力とプロポーション強化トレーニングの課金したんだったぁ!
昨日、電車の中でアプリ開かなかったから肝心のジムに行くの忘れてた……リアルな日時と連動してるから行かなければそのままだし、なんと課金も無駄になるという塩仕様。
とりあえず、光太君も言ってたけど、約束は破っちゃいけないぞ! これ人として基本だから“面倒臭い”なんて理由ですっぽかしちゃいけないよね!
急いで体中洗って……毛は…毛はどうしようか、女性しかいないなら何もしなくてもいいも……でもムダ毛の処理はするべきだよな? 女としてエチケット……? どうなんだ?! 剃るか??
剃っとく!!!
気小さいから、なんか怖くて剃る! 頑張って脇も剃っとこ! そこ季節関係ないからって母さんも言ってたし! シトラスの爽やかで濃密な泡を肌に滑らせて久々にカミソリが肌に当たった。
はあ、面倒だけど、やったらやったでスッキリだ、お風呂上がりにカミソリ負け痛いからボディークリーム念入りに塗って、ふあ……部屋中甘いラズベリーーの良い香り、ちなみにこれらの品は兄さんがくれたのです、何気に私より女子力高い。
香水とか……そこら辺に置いてあるバスソルトやスクラブ洗顔料やら化粧水、美容液、ヘアオイルに高そうなもんは全部兄さんがくれた、自分の肌には合わなかったっからあげるっていっぱいある。
母さんもコスメマニアで@cosmeで一位って書いてあったらとりあえず買って、一週間経つと私に回ってくる。
が、二万もする割にはドライヤーで私の癖毛は治らなかったぞ!! 艶々サラサラなんて嘘ですよ!
そんなんで、髪はウネウネだけど肌はそこそこ綺麗なのだ!
はい、そんなはどうでもいい、ってゆうかジムって何着てくの???
近所のヨガスタジオには、明らかに今からヨガします! みたいなスレンダーなお姉さんがヨガマットケース肩に掛けてビル入ってくとこ見るけど……。
池袋だし、普段着でいいのか? あのいつも乙女ロード歩く普段着? それとも運動する感じ?
いや、綺麗になる気があるんだってアピールするような、美しい服? え? 美しい服ってなんだ。
そうだろ、その美しい類の服が入らなくて今に至るあまる。
クロ―ゼットの前で眉間に皺寄せてたら、ヒャッ!!! 光太君からお怒りのメッセージ来てしまった、そうだ! ジムにもメール返してない!!
とりあえず、【予約の確認をしました、本日は宜しくお願いします】って返しとく。
パン一でどの面下げてお願いしますだよって思うけど、もう行くって決めたんだ! 光太君が怒ってたし!
ブラつけて、よし! と手に取ったのはスーパー御用達のジーパンとティーシャツだった…………。
メイクってしてくのだろうかと鏡を見て、友達でホットヨガ行ってる子が汗凄いし、周りに女の人しかいないからメイクなんて眉毛くらいかなって言ってたのを思い出した。
じーと自分の顔見て、眉毛書き足す程は薄くないよなあって、でも汗かくならファンデいらないし? アイメイクなんてもっと落ちるしいらないよな? ならリップ……くらい?
うっすら色つきのリップぬりぬりして、え? これ綺麗になるつもりあんのかよ、な私だけど大丈夫か?
いや、こん位がマジで体動かす感じがしていいのかな!? あ、ご飯何も食べてないから、何か食べなきゃ!
でも時間ないな、うん、豆乳一気飲みしていこ! よし! 完璧!! 髪の毛お団子にして遅れ毛がクルンッてなってるのはオシャレじゃないです天パなだけです。
ゴクゴクしてたら、なんともまあご親切に池袋駅から店までの順路が記されたメールが来て、私はほうほうってよくわかんないけど、頷きながらとりあえず家を出た。
自転車に跨って、ヤバイ心臓変な音してる!!
この新しい場所に行く感覚っていつになっても慣れないんだよな……初めて行く美容院とか職場とか歯医者とか……!!
んで、こういう時に限って道間違えるからもう一回おさらいしとこ!
電車で行けば五分だけど、その後歩く事考えると道に間違えた時右往左往するし、私は基本行ける所は全部自転車だ。
そう、だから自転車にはお金をかけてるの! 愛車はイタリア製のビアンキ☆ とかなか私もキラキラ仲間入りだったかもしれませんが、イオンで買った普通のママチャリです、いいじゃんこういう方が飽きがこないだろ?
で、池袋着いて、案の定道間違えながら、あっちじゃないこっちじゃないして目的地に到着、ふう。
今更ながら、こんな繁華街でどこに自転車停めるつもりだったんだよ、と思ったけどちょっとした駐車スペースの横に停めていいよって警備員さんに言ってもらえて助かった。
一回きりだし、いいよね。
到着したビルを見上げて、職場のビルの方が高いけどこんな家賃高そうなとこに入ってるジム絶対無理な勧誘されるよって後退る。
タダなんて絶対嘘だよな?! 大丈夫か本当に。
ティーシャツの胸のことぎゅってしてたら、さっきの警備員さん来ちゃって。
「どうしたのお姉ちゃん、何階かわからなくかっちゃった?」
「い、いえ! そんな事ないです!」
思わず自動ドア入っちゃって、目の前エレベーターだし、おじちゃん見てるし矢印の上押す!
直ぐきちゃって、乗り込んでどっか他の階で時間潰す? なんて無理で、だって他の階会社全部英語なんだもーん!!! 唯一読めたの、【合同会社BubbBubb Bah】って何? あやしすぎ!! もはやどこに行けば……いや、ジムだろ。
ので15階を……。
扉が開いて救いだったのは目の前が受付ではなかった所だ。
でもこの自分からドアを開けなきゃいけないスタイルも中々勇気がいるな!
部屋の前には白い看板に金色の文字で【VENUS BODY PRODUCE】て書かれてしまっているし、ドアの横に【あなたの真の美しさへ導く! VENUS BODY CHALLENGE無料体験受付中!!】って立て看板が……!! ヒィ、絶対ここだし間違えてないのが辛い!!
深呼吸して、一度だけ光太様を拝んでドアノブを握った、そうよ私は光太様の為にも綺麗になるの!
なるべく下を向いて入ったら、頭上からドアベルが鳴って同時に高い女性の声だ。
女の人の声に安心して、でもまだ顔上げてないけど、そのままカウンターらしきところにいそいそ近寄る、ボソッと「三時から予約した多々里です」ってめっちゃ小さな早口で言えば「お待ちしておりました、本日担当の、夏目です」ってその明るい声が続けたんだ。
良かった、感じのいい人っぽいとようやく恐る恐る顔を上げたら、固まってしまった。
「多々里 あまるさんですね、本日は宜しくお願いします」
にこっと笑った夏目さんはまだあどけなさの残る少年の顔つきで……ちょ、ちょっと待ってよ柔らかそうなアッシュ系の白髪ボブに目が赤茶色で……カウンター越しの背が…………あの、座って……ないの?!! え、小さい。
「多々里さん?」
「は、はい!!」
「夏目 将汰と言います、宜しくお願いします」
「ショタ?!!」
「いえ、将汰です」
ショ、ショタ君……?
一時!!!!
え、ああの、三時までまだ時間あるし、今ならキャンセルしてもお金取られない??
え? でもキャンセル理由が【今起きたから】は悪質か? 悪質だな?! 悪質だろ!! だってこれの為に時間作って待って下さってる、あの……えっと、夏目さん? そう、夏目さんがいる訳だもんな!! わざわざこのメール送ってくれた人もいる。
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いや、そんな事はいい!! どうにかしないと友人帳に名前を載せられてしまうぞ!!
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誰か止めて……私自分に甘い言い訳得意なんです、もう行かない方向に思考が固まってきてる!!!
とりあえず、光太君に聞いてみよかな、とアプリを開いてイヤホン耳にグリグリすればいつもの神OPが流れて噛みしめとく……(選択したキャラボでOP歌ってくれる)で、おお、今日はフリーズしなかったぞ! やったぁ。
どんな美少年スマイルで私の名前を呼んでくれるんだろうかとワクワクしていたら、なんとまさかの光太様は怒っていらっしゃった……!! 何でよ。
呼び出された六本木の喫茶店、マスクとサングラスを外した光太君は腕を組んで不満げだ。
【もう、あまるさん! いや、豚!!】
!!!!!
な、なに??? しょっぱなから毒舌罵ってくるご褒美……ハアハア、じゃなかった! 私怒らせるような事した、かな? ……光太君は横に流した長めの前髪を払うと、こちらを睨んで言った。
【約束!! 何で破ったんですか!?】
え?
【え、じゃないですよ! 昨日!! 新しい役作りの為に一緒にジムに行くって約束していたじゃないで】
おおおおおおお!!
「いいいいいいい、行きます行きます!! すみませんでしたぁあああ!!」
ま、さ、か、の!! 光太様に喝を入れられ私はベッドから飛び出して風呂場に向かった!
うわあああん!! そうだったぁ! 月末に映画のオーディションのイベントがあるからジムで体力とプロポーション強化トレーニングの課金したんだったぁ!
昨日、電車の中でアプリ開かなかったから肝心のジムに行くの忘れてた……リアルな日時と連動してるから行かなければそのままだし、なんと課金も無駄になるという塩仕様。
とりあえず、光太君も言ってたけど、約束は破っちゃいけないぞ! これ人として基本だから“面倒臭い”なんて理由ですっぽかしちゃいけないよね!
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剃っとく!!!
気小さいから、なんか怖くて剃る! 頑張って脇も剃っとこ! そこ季節関係ないからって母さんも言ってたし! シトラスの爽やかで濃密な泡を肌に滑らせて久々にカミソリが肌に当たった。
はあ、面倒だけど、やったらやったでスッキリだ、お風呂上がりにカミソリ負け痛いからボディークリーム念入りに塗って、ふあ……部屋中甘いラズベリーーの良い香り、ちなみにこれらの品は兄さんがくれたのです、何気に私より女子力高い。
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が、二万もする割にはドライヤーで私の癖毛は治らなかったぞ!! 艶々サラサラなんて嘘ですよ!
そんなんで、髪はウネウネだけど肌はそこそこ綺麗なのだ!
はい、そんなはどうでもいい、ってゆうかジムって何着てくの???
近所のヨガスタジオには、明らかに今からヨガします! みたいなスレンダーなお姉さんがヨガマットケース肩に掛けてビル入ってくとこ見るけど……。
池袋だし、普段着でいいのか? あのいつも乙女ロード歩く普段着? それとも運動する感じ?
いや、綺麗になる気があるんだってアピールするような、美しい服? え? 美しい服ってなんだ。
そうだろ、その美しい類の服が入らなくて今に至るあまる。
クロ―ゼットの前で眉間に皺寄せてたら、ヒャッ!!! 光太君からお怒りのメッセージ来てしまった、そうだ! ジムにもメール返してない!!
とりあえず、【予約の確認をしました、本日は宜しくお願いします】って返しとく。
パン一でどの面下げてお願いしますだよって思うけど、もう行くって決めたんだ! 光太君が怒ってたし!
ブラつけて、よし! と手に取ったのはスーパー御用達のジーパンとティーシャツだった…………。
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じーと自分の顔見て、眉毛書き足す程は薄くないよなあって、でも汗かくならファンデいらないし? アイメイクなんてもっと落ちるしいらないよな? ならリップ……くらい?
うっすら色つきのリップぬりぬりして、え? これ綺麗になるつもりあんのかよ、な私だけど大丈夫か?
いや、こん位がマジで体動かす感じがしていいのかな!? あ、ご飯何も食べてないから、何か食べなきゃ!
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で、池袋着いて、案の定道間違えながら、あっちじゃないこっちじゃないして目的地に到着、ふう。
今更ながら、こんな繁華街でどこに自転車停めるつもりだったんだよ、と思ったけどちょっとした駐車スペースの横に停めていいよって警備員さんに言ってもらえて助かった。
一回きりだし、いいよね。
到着したビルを見上げて、職場のビルの方が高いけどこんな家賃高そうなとこに入ってるジム絶対無理な勧誘されるよって後退る。
タダなんて絶対嘘だよな?! 大丈夫か本当に。
ティーシャツの胸のことぎゅってしてたら、さっきの警備員さん来ちゃって。
「どうしたのお姉ちゃん、何階かわからなくかっちゃった?」
「い、いえ! そんな事ないです!」
思わず自動ドア入っちゃって、目の前エレベーターだし、おじちゃん見てるし矢印の上押す!
直ぐきちゃって、乗り込んでどっか他の階で時間潰す? なんて無理で、だって他の階会社全部英語なんだもーん!!! 唯一読めたの、【合同会社BubbBubb Bah】って何? あやしすぎ!! もはやどこに行けば……いや、ジムだろ。
ので15階を……。
扉が開いて救いだったのは目の前が受付ではなかった所だ。
でもこの自分からドアを開けなきゃいけないスタイルも中々勇気がいるな!
部屋の前には白い看板に金色の文字で【VENUS BODY PRODUCE】て書かれてしまっているし、ドアの横に【あなたの真の美しさへ導く! VENUS BODY CHALLENGE無料体験受付中!!】って立て看板が……!! ヒィ、絶対ここだし間違えてないのが辛い!!
深呼吸して、一度だけ光太様を拝んでドアノブを握った、そうよ私は光太様の為にも綺麗になるの!
なるべく下を向いて入ったら、頭上からドアベルが鳴って同時に高い女性の声だ。
女の人の声に安心して、でもまだ顔上げてないけど、そのままカウンターらしきところにいそいそ近寄る、ボソッと「三時から予約した多々里です」ってめっちゃ小さな早口で言えば「お待ちしておりました、本日担当の、夏目です」ってその明るい声が続けたんだ。
良かった、感じのいい人っぽいとようやく恐る恐る顔を上げたら、固まってしまった。
「多々里 あまるさんですね、本日は宜しくお願いします」
にこっと笑った夏目さんはまだあどけなさの残る少年の顔つきで……ちょ、ちょっと待ってよ柔らかそうなアッシュ系の白髪ボブに目が赤茶色で……カウンター越しの背が…………あの、座って……ないの?!! え、小さい。
「多々里さん?」
「は、はい!!」
「夏目 将汰と言います、宜しくお願いします」
「ショタ?!!」
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