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「やだ!! やだ、やだやだやだっ……キヨ、やめてってば!!」
「ミーチーオー、そんなに暴れたら服脱がせられないだろ?ちょっと大人しくして」
僕はのしかかってきたキヨから自分の身を守るために身をよじったり、足をバタバタして暴れたけれど脚の間に入られて肩を強く抑え込まれれば大きな身動きは取れなくなった。
僕が大人しくなった隙に、キヨは僕のスウェットの中に手を入れて肌を弄ってきた。
その冷たさに思わずゾクッと全身が粟立つ。
「やだっ、触んないで!! やだったら……もう、離せよぉ!!」
思い切り振った腕が、バシッとキヨの顔に当たった。
一瞬キヨが驚いて怯んだけど、僕も同じように驚いてしまった。
「あっ……」
キヨを殴った。わざとじゃないにしても、僕がキヨを殴るなんて。
もっとひどいことをされているのにも関わらず、僕は大変なことをやらかしてしまったとばかりにさあっと血の気が引いてゆくのを感じた。
キヨは自分の顔に手を当てて、今僕に何をされたのか理解できなかったのか――今の出来事を反芻しているような表情でしばらく黙っていた。
僕も今の内に逃げればいいのに、何故か身体が動かなかった。
そしてキヨは、僕を見下すように笑った。
「ミチオ……昨日みたいに縛られたいの? それで無理矢理犯されたい? それに俺が昨日の動画持ってるってことも忘れてない? ねえ、言う事聞かなきゃいけないのはどっちなのか分かってるの?」
「……」
無理強いはしたくないって言ったくせに。
そう思ったけど、僕は言葉にはしなかった。
「ねえ、どっち?」
「……」
でも、素直に答えたくもない。
僕はキヨからすっと顔ごと目を逸らして、反抗的ともいえる態度を取った。
すると上からはあ、と溜め息を吐かれた。
「……あーあ、ミチオがそういう態度なら仕方ないな。あんな可愛いミチオをみんなに見せるのは嫌だけどさ、お裾分けとでも言ってグループLINEでバラ撒こうか」
「……ッ! そ、そんなことしたらキヨが無理矢理僕をレイプしたっていう証拠にもなるけど、いいの!?」
僕は昨日、最初はめいっぱい抵抗したんだ。
最初から録画されていたというのなら、僕が必死で抗おうとしている態度やキヨの最低な発言も残っているはず。それを不特定多数に公開したら、ピンチなのは僕じゃなくてむしろキヨの方だろう。(もちろん僕も恥ずかしいけど)
そう確信して、強気で言った。
「バカだなミチオ、そんなの編集するに決まってるだろ? ミチオが俺の身体に両手と両足でぎゅっとしがみついて、トロけた顔でキヨ好きぃ、もっとちょうだいって腰を押しつけながらはしたなくオネダリしてるところだけにするよ」
「……ッ」
昨日のことを滔々と語られ、僕はカッと顔が熱くなった。
痛みを逃して、気持ち良さだけに酔いしれて現実逃避しようとしていた僕がキヨを求めたのは事実だ。
だけど、好きだなんてひとことも言ってない。
言ってない、けど……。
「じゃ、俺は帰って編集作業しよっと。ばいばいミチオ」
キヨは僕から手を放すとサッと起き上がって、ドアに向かって歩き出そうとした。
僕はそんなキヨの服の裾を慌てて掴んで、彼を引き留める。
「ま、待って!」
この時の僕に、キヨを引き留める以外の選択肢があっただろうか。
「何? ミチオ。俺忙しいんだけど」
キヨは僕が握りしめた裾が伸びるから離せと言わんばかりに激しく身を捩り、無理矢理手を離させた。
キヨにそんな冷たい態度を取られたのは初めてで――今更そんな些細なことで、僕は泣きそうになった。
「ご、ごめん、なさい……いうこと、きくから」
「そう?」
キヨはあっさり僕の方を振り返ると、けろっとした笑顔を見せた。
「ミチオは俺に、今から何してほしいんだっけ」
「……」
「ねえ」
「そ、の……」
言えない。言いたくない。
――言いたくないのに。
「……帰ろっかな」
「せ、セックス! キヨ、今から僕とセックスして……っ」
なんで、こんなこと……
「ふふ、最初から素直にそう言えばいいのに。いいよ、ミチオ。お前の望み通りセックスしようか」
「……」
ひどいよ、キヨ。こんなのひどすぎる……。
心の中では激しく非難していても、今の僕には身体を開くことしかできないのだった。
「ミーチーオー、そんなに暴れたら服脱がせられないだろ?ちょっと大人しくして」
僕はのしかかってきたキヨから自分の身を守るために身をよじったり、足をバタバタして暴れたけれど脚の間に入られて肩を強く抑え込まれれば大きな身動きは取れなくなった。
僕が大人しくなった隙に、キヨは僕のスウェットの中に手を入れて肌を弄ってきた。
その冷たさに思わずゾクッと全身が粟立つ。
「やだっ、触んないで!! やだったら……もう、離せよぉ!!」
思い切り振った腕が、バシッとキヨの顔に当たった。
一瞬キヨが驚いて怯んだけど、僕も同じように驚いてしまった。
「あっ……」
キヨを殴った。わざとじゃないにしても、僕がキヨを殴るなんて。
もっとひどいことをされているのにも関わらず、僕は大変なことをやらかしてしまったとばかりにさあっと血の気が引いてゆくのを感じた。
キヨは自分の顔に手を当てて、今僕に何をされたのか理解できなかったのか――今の出来事を反芻しているような表情でしばらく黙っていた。
僕も今の内に逃げればいいのに、何故か身体が動かなかった。
そしてキヨは、僕を見下すように笑った。
「ミチオ……昨日みたいに縛られたいの? それで無理矢理犯されたい? それに俺が昨日の動画持ってるってことも忘れてない? ねえ、言う事聞かなきゃいけないのはどっちなのか分かってるの?」
「……」
無理強いはしたくないって言ったくせに。
そう思ったけど、僕は言葉にはしなかった。
「ねえ、どっち?」
「……」
でも、素直に答えたくもない。
僕はキヨからすっと顔ごと目を逸らして、反抗的ともいえる態度を取った。
すると上からはあ、と溜め息を吐かれた。
「……あーあ、ミチオがそういう態度なら仕方ないな。あんな可愛いミチオをみんなに見せるのは嫌だけどさ、お裾分けとでも言ってグループLINEでバラ撒こうか」
「……ッ! そ、そんなことしたらキヨが無理矢理僕をレイプしたっていう証拠にもなるけど、いいの!?」
僕は昨日、最初はめいっぱい抵抗したんだ。
最初から録画されていたというのなら、僕が必死で抗おうとしている態度やキヨの最低な発言も残っているはず。それを不特定多数に公開したら、ピンチなのは僕じゃなくてむしろキヨの方だろう。(もちろん僕も恥ずかしいけど)
そう確信して、強気で言った。
「バカだなミチオ、そんなの編集するに決まってるだろ? ミチオが俺の身体に両手と両足でぎゅっとしがみついて、トロけた顔でキヨ好きぃ、もっとちょうだいって腰を押しつけながらはしたなくオネダリしてるところだけにするよ」
「……ッ」
昨日のことを滔々と語られ、僕はカッと顔が熱くなった。
痛みを逃して、気持ち良さだけに酔いしれて現実逃避しようとしていた僕がキヨを求めたのは事実だ。
だけど、好きだなんてひとことも言ってない。
言ってない、けど……。
「じゃ、俺は帰って編集作業しよっと。ばいばいミチオ」
キヨは僕から手を放すとサッと起き上がって、ドアに向かって歩き出そうとした。
僕はそんなキヨの服の裾を慌てて掴んで、彼を引き留める。
「ま、待って!」
この時の僕に、キヨを引き留める以外の選択肢があっただろうか。
「何? ミチオ。俺忙しいんだけど」
キヨは僕が握りしめた裾が伸びるから離せと言わんばかりに激しく身を捩り、無理矢理手を離させた。
キヨにそんな冷たい態度を取られたのは初めてで――今更そんな些細なことで、僕は泣きそうになった。
「ご、ごめん、なさい……いうこと、きくから」
「そう?」
キヨはあっさり僕の方を振り返ると、けろっとした笑顔を見せた。
「ミチオは俺に、今から何してほしいんだっけ」
「……」
「ねえ」
「そ、の……」
言えない。言いたくない。
――言いたくないのに。
「……帰ろっかな」
「せ、セックス! キヨ、今から僕とセックスして……っ」
なんで、こんなこと……
「ふふ、最初から素直にそう言えばいいのに。いいよ、ミチオ。お前の望み通りセックスしようか」
「……」
ひどいよ、キヨ。こんなのひどすぎる……。
心の中では激しく非難していても、今の僕には身体を開くことしかできないのだった。
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