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100 サッカリンワールド
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*
『水沢ぁ、まだ起きてるかい? サーヤのおかげでみっちーとはうまくいったかい? 今度原宿でパンケーキとクレープと特大パフェおごれよなーっ』
――分かってるよ、紗彩には本当に感謝してる。おかげでミチオとヨリを戻すことができたよ。何でも好きなもの奢ってあげるから、このことは他言無用だからね?
『んなこたーわかっとる! サーヤをなんだと思ってんだ、ぷんぷんっ! サーヤは誇り高き種族、腐女子ぞ! みっちーと水沢の幸せのためなら人肌だって二肌だって脱いでやんよぉ!!』
――人肌じゃなくて、一肌ね。あと二肌は脱げないから。……ありがとう紗彩、俺たちのために悪役になってくれて。
『腐女子は当て馬になると昔から相場が決まっておるのじゃ。でもさぁ、なんでサーヤに白羽の矢が立ったの? 彼女役ならリサちゃんの方が喜んだと思うのにィ~』
――梨沙は俺のコトが結構本気で好きだから、あとから面倒くさいことになるだろ。その点紗彩は女の子が好きだから、俺のことを好きにならないから安心安全だ。
『そうじゃ。サーヤはリサちゃん命なのじゃ。』
――紗彩は梨沙のこと手に入れたいと思わないの? もしそうなら、協力は惜しまないけど。今回はたくさん協力してもらったしね。
『サーヤはリサちゃんの笑顔が見れればそれでいいのじゃ。あんたみたいに卑怯な手を使ってまでリサちゃんの心を手に入れたいと思わんの。このサワヤカズラした悪の大魔王め!』
――ズラじゃなくてヅラね。爽やか面。あと悪の大魔王って頭痛が痛いみたいだから変だよ。正義の大魔王っているのかな?
『んなーこたーどうでもよい。まあ、これでサーヤの役目は無事終わったわけだ。水沢、みっちーと幸せにな! また萌え話はいつでも提供してくれい! 薄い本のネタにするからな!』
――同人誌を作るなら俺、推敲してあげようか。紗彩、誤字脱字がすっごいありそうだし。あ、そうだ悪いんだけど、あと半年くらいは俺たちが付き合ってることにしてくれないかな。もう放課後一緒に帰ったりしなくていいからさ。
『はあ~? なんでだよ、めんどくせえなあ。ヨリ戻ったんならもうサーヤは彼女役しなくてもいいじゃん! なんであと半年も?』
――そうなんだけどね。ほら、いきなり紗彩と別れたら作戦がミチオにバレるかもしれないだろ? それともうしばらく、嫉妬される幸せを噛みしめたいっていうかね……。
『ああもう、しょうがねえなあ! その、みっちーに嫉妬されたくだりを今度詳しく教えてくれるならいいぞう』
――うん、なんでも教える。頼んだよ紗彩。じゃあ俺そろそろ寝るから。
『みっちーはもう寝てんの? それとも自分ちに帰った?』
――まさか。俺の隣ですやすや寝てるよ。
『わあ、写真送ってたもー! 寝顔! 事後!』
――それはだめ。ミチオの寝顔を見れるのは俺だけの特権だからね。じゃあおやすみ、紗彩。
『ドけちー。ぐんない、ミズサワキヨシ大魔人』
――なんでフルネームなの? それとさっきは大魔王じゃなかったっけ?
*
「ふふ」
物分りのいい協力者とのLINEを終えて、俺は静かに微笑んだ。
そして、隣ですやすやと眠っているミチオの寝顔を誰にも邪魔されずに堪能する。
ミチオが今夜うちに泊まることは、ミチオのおばさんには既に連絡済みだ。
まさか、こんなにうまくいくとは思わなかったな。
少しくらいは嫉妬してくれているだろうと、昨日廊下でミチオと会った時に確信したけど……まさかここまで激しく嫉妬してくれるなんて。
ミチオ、いつの間に俺のことをあんなに好きになってくれていたんだろう?
「あー、しあわせだなあ」
ミチオの柔らかな黒髪をそっと撫でる。
セックスの前も後も沢山泣かせたから、まだ目元が少し赤くて、それがひどく艶めかしい。
紗彩にはしばらく彼女のフリをしてもらうから、もう少しだけミチオを傷付けてしまうことになるけど。
「それまでもっと激しく俺を求めて……俺のために泣いてよ、ミチオ」
俺の気持ちに追いつくくらい、俺のことを好きになって。
もう二度と元には戻れないくらい。
深く……深く、俺のことを愛して。
「もう、俺たちを邪魔するものは何もないんだからね」
【了】
『水沢ぁ、まだ起きてるかい? サーヤのおかげでみっちーとはうまくいったかい? 今度原宿でパンケーキとクレープと特大パフェおごれよなーっ』
――分かってるよ、紗彩には本当に感謝してる。おかげでミチオとヨリを戻すことができたよ。何でも好きなもの奢ってあげるから、このことは他言無用だからね?
『んなこたーわかっとる! サーヤをなんだと思ってんだ、ぷんぷんっ! サーヤは誇り高き種族、腐女子ぞ! みっちーと水沢の幸せのためなら人肌だって二肌だって脱いでやんよぉ!!』
――人肌じゃなくて、一肌ね。あと二肌は脱げないから。……ありがとう紗彩、俺たちのために悪役になってくれて。
『腐女子は当て馬になると昔から相場が決まっておるのじゃ。でもさぁ、なんでサーヤに白羽の矢が立ったの? 彼女役ならリサちゃんの方が喜んだと思うのにィ~』
――梨沙は俺のコトが結構本気で好きだから、あとから面倒くさいことになるだろ。その点紗彩は女の子が好きだから、俺のことを好きにならないから安心安全だ。
『そうじゃ。サーヤはリサちゃん命なのじゃ。』
――紗彩は梨沙のこと手に入れたいと思わないの? もしそうなら、協力は惜しまないけど。今回はたくさん協力してもらったしね。
『サーヤはリサちゃんの笑顔が見れればそれでいいのじゃ。あんたみたいに卑怯な手を使ってまでリサちゃんの心を手に入れたいと思わんの。このサワヤカズラした悪の大魔王め!』
――ズラじゃなくてヅラね。爽やか面。あと悪の大魔王って頭痛が痛いみたいだから変だよ。正義の大魔王っているのかな?
『んなーこたーどうでもよい。まあ、これでサーヤの役目は無事終わったわけだ。水沢、みっちーと幸せにな! また萌え話はいつでも提供してくれい! 薄い本のネタにするからな!』
――同人誌を作るなら俺、推敲してあげようか。紗彩、誤字脱字がすっごいありそうだし。あ、そうだ悪いんだけど、あと半年くらいは俺たちが付き合ってることにしてくれないかな。もう放課後一緒に帰ったりしなくていいからさ。
『はあ~? なんでだよ、めんどくせえなあ。ヨリ戻ったんならもうサーヤは彼女役しなくてもいいじゃん! なんであと半年も?』
――そうなんだけどね。ほら、いきなり紗彩と別れたら作戦がミチオにバレるかもしれないだろ? それともうしばらく、嫉妬される幸せを噛みしめたいっていうかね……。
『ああもう、しょうがねえなあ! その、みっちーに嫉妬されたくだりを今度詳しく教えてくれるならいいぞう』
――うん、なんでも教える。頼んだよ紗彩。じゃあ俺そろそろ寝るから。
『みっちーはもう寝てんの? それとも自分ちに帰った?』
――まさか。俺の隣ですやすや寝てるよ。
『わあ、写真送ってたもー! 寝顔! 事後!』
――それはだめ。ミチオの寝顔を見れるのは俺だけの特権だからね。じゃあおやすみ、紗彩。
『ドけちー。ぐんない、ミズサワキヨシ大魔人』
――なんでフルネームなの? それとさっきは大魔王じゃなかったっけ?
*
「ふふ」
物分りのいい協力者とのLINEを終えて、俺は静かに微笑んだ。
そして、隣ですやすやと眠っているミチオの寝顔を誰にも邪魔されずに堪能する。
ミチオが今夜うちに泊まることは、ミチオのおばさんには既に連絡済みだ。
まさか、こんなにうまくいくとは思わなかったな。
少しくらいは嫉妬してくれているだろうと、昨日廊下でミチオと会った時に確信したけど……まさかここまで激しく嫉妬してくれるなんて。
ミチオ、いつの間に俺のことをあんなに好きになってくれていたんだろう?
「あー、しあわせだなあ」
ミチオの柔らかな黒髪をそっと撫でる。
セックスの前も後も沢山泣かせたから、まだ目元が少し赤くて、それがひどく艶めかしい。
紗彩にはしばらく彼女のフリをしてもらうから、もう少しだけミチオを傷付けてしまうことになるけど。
「それまでもっと激しく俺を求めて……俺のために泣いてよ、ミチオ」
俺の気持ちに追いつくくらい、俺のことを好きになって。
もう二度と元には戻れないくらい。
深く……深く、俺のことを愛して。
「もう、俺たちを邪魔するものは何もないんだからね」
【了】
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