258 / 322
〃
「そういうことならはっきりと言ってくれた方が俺だっていい、理由を俺のせいにするな。でも……他に別れたい理由があるのなら俺はそれが知りたいんだ。単にお前の勘違いだったなら、この話はもうこれで終わりだろ?」
「…………」
理由なんて一つしかない。
しかしそれを口に出すのはあまりにも……
「なあ、堂島。俺はお前のこと、責任取るとかそういうの抜きにしてもちゃんと好きだと思ってるよ」
「!」
「俺が言葉にしなかったことが原因か? でもお前だって俺の事好きだとかなんにも言わないから、言葉は要らないって勝手に思ってたんだよ、悪かった」
「違……違い、ます」
言葉が欲しかったんじゃない。
全然欲しくないわけじゃないけど、それは二宮も言った通り自分もあまりそういうことを言わないタイプなので、言葉自体に執着はない。
「じゃあ、なんでだよ?」
普段は絶対聞かないような優しい声で問われて、握りしめた拳にぐっと力が入る。
二宮はこんな声も出せるのだと、堂島は初めて知った。
「俺には言えない? そんなに深刻な理由なのか」
「……だって、ヒかれるし……っ」
「はあ? 別にヒかねぇよ。大体俺の方が何倍もヒかれることやらかしてるわけだし……あ、まさかそれが理由か? ウイスキーならもう二度と飲まないから安心しろよ、二度もそんな……聞くところよる酷いことは、しないから」
「それは別にっ!」
「え、それでもないのか? じゃあ、何だ……」
堂島が理由をなかなか言わないから、二宮は当てるつもりなんだろうか。
腕を組んで、低く唸りながら真剣に考えている。
その理由が当たっても肯定すると決まったわけでもないのに、なんだか滑稽だ。
二宮のそんな姿に少しだけ箍が緩んで、堂島はぽろりと理由を口にした。
「して、くれねえから……」
「お、何?」
もうやけくそだ、と思って怒鳴るように言った。
「ッ、だからァ! 二宮先輩があれから抱いてくれねぇからだよ!」
「……え?」
「男なんか抱くのは二度とごめんだって暗に言われてるみたいで、だから俺……!」
(ああ! 今なら俺、恥ずかしさで死ねる!!)
「……だから俺が女の方がいいんじゃないかって思ったのか?」
「そう……です」
顔を真っ赤にしながら、ゆっくりと頷く堂島。
二宮は何度か瞬きをして、しばらくぽかんと口を開けていたが……
「……ほら、やっぱりヒいて……ンっ!」
気付けば居ても立ってもいられず、ベッドから立ち上がってソファに座る堂島を上から押さえ込むようにして乗っかり、その唇に激しくキスをしていた。
「…………」
理由なんて一つしかない。
しかしそれを口に出すのはあまりにも……
「なあ、堂島。俺はお前のこと、責任取るとかそういうの抜きにしてもちゃんと好きだと思ってるよ」
「!」
「俺が言葉にしなかったことが原因か? でもお前だって俺の事好きだとかなんにも言わないから、言葉は要らないって勝手に思ってたんだよ、悪かった」
「違……違い、ます」
言葉が欲しかったんじゃない。
全然欲しくないわけじゃないけど、それは二宮も言った通り自分もあまりそういうことを言わないタイプなので、言葉自体に執着はない。
「じゃあ、なんでだよ?」
普段は絶対聞かないような優しい声で問われて、握りしめた拳にぐっと力が入る。
二宮はこんな声も出せるのだと、堂島は初めて知った。
「俺には言えない? そんなに深刻な理由なのか」
「……だって、ヒかれるし……っ」
「はあ? 別にヒかねぇよ。大体俺の方が何倍もヒかれることやらかしてるわけだし……あ、まさかそれが理由か? ウイスキーならもう二度と飲まないから安心しろよ、二度もそんな……聞くところよる酷いことは、しないから」
「それは別にっ!」
「え、それでもないのか? じゃあ、何だ……」
堂島が理由をなかなか言わないから、二宮は当てるつもりなんだろうか。
腕を組んで、低く唸りながら真剣に考えている。
その理由が当たっても肯定すると決まったわけでもないのに、なんだか滑稽だ。
二宮のそんな姿に少しだけ箍が緩んで、堂島はぽろりと理由を口にした。
「して、くれねえから……」
「お、何?」
もうやけくそだ、と思って怒鳴るように言った。
「ッ、だからァ! 二宮先輩があれから抱いてくれねぇからだよ!」
「……え?」
「男なんか抱くのは二度とごめんだって暗に言われてるみたいで、だから俺……!」
(ああ! 今なら俺、恥ずかしさで死ねる!!)
「……だから俺が女の方がいいんじゃないかって思ったのか?」
「そう……です」
顔を真っ赤にしながら、ゆっくりと頷く堂島。
二宮は何度か瞬きをして、しばらくぽかんと口を開けていたが……
「……ほら、やっぱりヒいて……ンっ!」
気付けば居ても立ってもいられず、ベッドから立ち上がってソファに座る堂島を上から押さえ込むようにして乗っかり、その唇に激しくキスをしていた。
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
魔性の男
久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕