運命のひと~生真面目な看護師は意地悪イケメン医師に溺愛される~

すずなりたま

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135 二宮、堂島を罵倒する


「ンッ、ンッ!?   ぷは、……ッ!   に、にのみ、せんぱっ!?」

 それは息をする暇もないくらい、激しいキスだった。
   呼吸をしようと口を開けたらぬるりとした舌が勢いよく入ってきて、口の中を縦横無尽に犯される。
 二宮のいつもの余裕なんて、微塵も感じられなかった。
 いつの間にか唾液が溢れて、首筋に伝っている。
 あまりにも性急で、唇が腫れ上がるほど激しくて、堂島は二宮の両肩をつかむことしかできず、ほとんどされるがままの状態だ。
 二宮は、いつもキスだけは優しかったのに……

「はーっ……はーっ……」

 数分後、やっと堂島は二宮のキスから解放された。
 最中も鼻で息をしていたのだが、激しすぎるせいで十分に酸素が取り込めず、すっかりと息が上がってしまっていた。止まったはずの涙も、また零れそうだった。
 それに加えて、身体の中心も熱い。

「せんぱ、何?   いきなり激しすぎっしょ……」
「お前、なんだよそれ!!」
「え?」

 いきなり大声を出す二宮に、今度は堂島がぽかんとする番だった。

「バッッッカじゃねえのか!?」

(な、なんでキスしたあとに罵倒!?)

 これまで仕事でどんなひどいミスをやらかしても、このぶっきらぼうで優しい先輩は今まで一度も堂島を怒鳴ることなんてなかったのに。──豹変時以外は。

「ンな理由……可愛すぎるだろうが!!」
「……へ?」
「いやほんとにふざけんな、勘弁してくれ」
「せ、先輩?」

 二宮はそのままぎゅっと堂島を抱きしめた。
 そして、耳元で深いため息を着く。

「はー……堂島のくせに……」
「ちょっ、なんスかそれ、すげぇ失礼な感じ」
「いやごめん。だって、マジでお前……」
「なんだよ……」

 あまりくっつかれると、中心が熱くなっているのがバレるので困るのだけど、離れて欲しくもない。
   堂島は、そっと二宮の背中に腕を回した。

「……堂島」
「な、んですか?」
「抱いていいか?   つーか、抱くけど」
「え!?」
「煽ったのはお前だから拒否権はねぇぞ。いや、別に拒否しねーか……」
「いやちょっと待って、ちょっと待って二宮先輩!?」

 言われた通り拒否はしないが、そんな堂々と宣言されたら当然照れる。

「待たねぇよ」
「しゃ、シャワー浴びたいです!!」
「はあ?」
「はあじゃなくて真面目に!! 俺今めちゃくちゃ汗くさいし、このまま抱かれるとかぜってぇヤダ! ……です」

 二宮は抱きしめる手を緩めた。ホッとするのも束の間……

「俺も一緒に入る」
「はあ!? いやいや無理です」
「何でだよ、別にこれからマッパになるんだから、今から裸見られたって今更だろ」
「なんでそんなに情緒がないんですかぁ!? そういう問題じゃないんですー!! ていうかいきなりグイグイ来すぎだろ! それならなんでもっと早く――」
「あ?」

 あっ。

「な、なんでもっと早くシてくれなかったんスか……」

 なんだかノリで、素直に言ってしまった。
 また二宮の「はあ――!?」という声が響いたが、堂島はそんな二宮をさっと押しのけると浴室まで一目散に走っていった。
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