295 / 322
〃
しおりを挟む「ん……ふっ……うんっ……」
ほんのりと薄暗い、どこかムーディーな雰囲気を醸し出している間接照明の灯った狭いホテルの一室で、少し苦しそうなくぐもった声と、グチュッ、ヌチュッという粘っこい水音がひっきりなしに続いている。
榛名は霧咲の両肩をしっかりとつかみ、懸命に自分のいいところを探っていた。
先程霧咲が教えてくれたので、その辺りを重点的にグリグリと擦り付ける。
でもやはり霧咲がシてくれるようには気持ちよくなれなくて、目で『そろそろ動いて欲しい』と相手に訴えるも、霧咲は微笑むばかりでまだ動いてくれる気はないようだ。
痴漢のようにむにむにと榛名の尻を揉んで感触を楽しんだり、時折軽い揺さぶりはかけてくるものの……。
「はぁッ、あ、んん……ッ」
騎乗位が得意になれない原因を、榛名はなんとなく分かっている。
まだ自分の中に恥じらいが残っているからだ、と思う。
セックスの後半に頭も身体もトロトロに溶かされ、身も世も無くよがっている状態ならいざ知らず、今は夕食時のアルコールで少し酔っているものの、まだじゅうぶんに理性が残っていた。
恋人の前で淫らに腰を振り、ひとり快楽を貪るのは恥ずかしい、と思うほどには――。
(さっきはもっともっと、恥ずかしいことをしたのに……)
「暁哉、」
「あ、すみませ……ッ、きもちよくなかったですか」
「ううん、考えごと?」
「と、いうか……」
今更、恥ずかしいだなんて言えない。
霧咲とはもう何度もしつこいくらい、身体を重ねてきた仲だというのに。
顔を見せないように、そっと肩にもたれてきた榛名に苦笑を漏らして、霧咲は少し身体を起こして体勢を整えた。
「べつに、意地悪で動かないわけじゃないんだけどね」
「え? ――あっ!? ぁあっ!」
霧咲がいきなりズン、と下から突き上げてきて、そのまま激しく榛名を揺さぶり始めた。
余裕そうに見せていたが、初めてでもない騎乗位で恥ずかしがっている恋人が可愛すぎて、自分自身がもう限界なのだった。
「自分のペースで気持ちよくなったほうが、明日が楽かなって思ったんだよ」
「ひぁっ……! あ、そこッ、そこきもちいい……あぁーっ!」
「ほら、腰を振って……そう、上手だよ」
「んんっ、あんっ、あ、あ!」
意地悪じゃないなんて、恥ずかしがる自分を見て楽しんでいたくせによく言えるな、と榛名は霧咲に文句のひとつも言ってやりたかったが、それは終わったあとにすることにした。
今は我慢を強いられたぶん、彼の与えてくれる快楽に酔いしれたい。
「あっ! あっ! そこ、そこ気持ちいいっ! もっと、もっと激しく突いて……っ!!」
霧咲の突き上げるリズムに合わせて、イイトコロに当たるよう腰をくねらせる。
歳の割に鍛えられている彼の硬い腹筋に手を付いて、榛名は涎を垂らしながら天井に向かって喘いだ。
普段のセックスの回数が減ったわけではないが、やはり別室に亜衣乃が寝ていることを考えたら声はほとんど出せないし、行為も控えめなものになる。
だけど今は二人きりで、その上ここはラブホテルだ。
自分たちのほかには誰もいない、遠慮なんかいらない――。
そう意識したら、榛名は箍が外れたように乱れだした。
「きみ、騎乗位結構上手いじゃないか。俺今動いてないよ」
「あっ! や、うそっ! ああっ、気持ち、きもちいい……っ! あああんっ、まことさ、あァッ!!」
「俺も気持ちいいよ……きみの感じている顔を見てるだけでイキそうだ……っ!」
先程まで恥ずかしがっていたのが嘘のようだった。
榛名は先程の練習(?)のおかげでコツを掴んだらしく、霧咲が動かなくても自分のイイトコロに当てられるようになっていた。
しゃがみこむような体勢でみだらに腰を動かし、霧咲の肉棒を己の肉壁に何度も何度も擦り付け、搾り取るようにぎゅうっと締め付けた。
その強い締め付けには霧咲も『うっ』と声を漏らし、完全に主導権を奪われないよう、疎かにしていた胸の飾りをぎゅっと摘まんで榛名の気を逸らした。
「んっ、んっ……あぁっ!」
「ここ、可愛がってあげるの忘れてたよ。ごめんね、好きなのに」
「あ、あ、同時にするのやだぁ、あぁっ!」
嫌だと言うわりにはそれを止めるでもなく、むしろ霧咲が弄りやすいように榛名は胸を迫り出した。
目の前にそれを持ってこられては、霧咲に舐める以外の選択肢はない。
「あ、あ、あーっ! いいっ、ちくび、きもちいいっ……! もっと舐めて、噛んでっ……! あ、あんっ!」
霧咲の頭を抱き込み、ゆるゆると腰を動かしながら胸への愛撫を全身で享受する。
触れてもいない榛名自身からはダラダラと蜜が溢れ続けていて、自分と霧咲の下半身をべとべとに濡らし、自分たちが動くたびに卑猥な水音を響かせていた。
15
あなたにおすすめの小説
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる