運命のひと~生真面目な看護師は意地悪イケメン医師に溺愛される~

すずなりたま

文字の大きさ
44 / 322

24 なし崩し*

 霧咲はそんな榛名の心中を察したのか、クスッと笑って軽くキスをした。
 そしてそのまま、榛名をベッドに押し倒した。

「あっ、あの?」
「あの時俺がどれくらい嬉しかったのか分かる? 耳を真っ赤にして、俺をあいつに渡したくないって必死になってるきみの姿を見て……もう、本気であの場で犯してやろうかと思った」
「や、やめてください……」

 なんて物騒なことを言うのだ。
 犯されるのは抵抗しないにしても、あんな公衆の面前では絶対に勘弁だ。

「実際にはしなかっただろ? 褒めてくれよ」
「ほ、褒めてって……ぁっ」

 そんなことで!? と生真面目な榛名は突っ込もうとしたのだが、霧咲の手が浴衣の合わせのところからスルリと入ってきて、脇の辺りを撫でられてそれは遮られた。

「けどもう我慢できないよ。シャワーも浴びたし、ワインを飲んでそのあときみも美味しく頂こうと思ってたけど……もう飲んでる時間も惜しい。きみを抱きたくてたまらない」
「……!」

 霧咲はそのまま榛名の浴衣を両肩からするりと脱がせた。
 肩や胸が露わになり、榛名は頬を上気させて徐々に色気を放ち始める。
 少し恥ずかしそうな表情も含め、霧咲には榛名の全てが興奮材料だった。
   下半身も肌蹴させて露わにし、その足の間に身体を割り込ませる。
 そして脇腹や胸を撫でながら静かに耳元で囁いた。

「アキ……好きだよ」
「な、んでいきなりその名前で……」
「こう呼ばれた方が興奮するだろ? 初夜を思い出して」
「初夜って……ァッ! んう……んやぁ……」

   首筋にゆっくりと舌を這わせられて、榛名は霧咲に抱きついて悶えた。
 確かにアキ、と呼ばれたことで一層興奮は高まったけど。
 そういえばあの日もこうやって首筋を舐められて、一気に抵抗する気──そんなものがあったのかはよく覚えていないが──を無くした気がする。

「ああ……可愛いねアキ、もっとヤラシイ声を聞かせて」
「はぁっ、ソコだめぇっ……! ああっ!」

 榛名は霧咲の望むとおりに啼いた。
 霧咲はそんな榛名を見て舌なめずりし、右手は榛名の胸の飾りを、左手は下着の中にするりと入り込み、榛名自身に直接触れた。
 モミモミと手のひら全体で刺激すると、それは簡単に硬くなる。
   霧咲の手は相変わらず気持ち良くて、昼間に自分でいじった時の比ではなかった。

「ダメじゃなくて、俺に触って欲しいんだろ? もう下着の中もグチョグチョだよ……期待してて、いやらしいね」
「やぁ……言わないでっ……! あんっ、そんなに強く擦ったらすぐイクからぁ!」
「じゃあ、口でシてあげるね」

   霧咲はそう言って手を離すと、今度はダラダラと蜜を滴らせている榛名自身をぱくりと咥えた。

「あぁっ!!」

 ぬるりとした生暖かい口内に性器を包まれて、榛名は甲高い声を上げた。
   榛名は女に対してこの行為を強要したことは一度もないため──自分が女性のをしたくないし、されたくもないと思っていた──咥えられるのは全く慣れていないのだ。

「あッあッ……だめ、くち、きもちいいっ……! いくっいくっ、きりさきさ……あぁーっっ!!」

 唇で竿を上下に扱かれ、鈴口は舌先でレロレロと刺激される。同時に手で玉袋を揉まれながらヂュルルルと強く吸われ、榛名は我慢できずにあっさりと霧咲の口内に白濁を吐き出した。

「はぁっはぁっ……うぅ……」

 早くも一度イかされて、榛名は目を閉じてぐったりと横になった。
   しかしすぐに目を開け、上半身を起こして自分にとんでもないことをしでかした霧咲の方を見ると──その男らしい喉仏がゴクリと上下しているのが見えた。

「え、あ……!?」

(の、飲んだの!?   ありえないっ!)

「……アキ」
「な、何飲んでるんですかっ!   苦いでしょう、ていうか不味いでしょう!?   早く吐き出さないと……!」

   霧咲の行動に狼狽える榛名をよそに、霧咲は何故か怪訝な顔をして榛名を見つめている。
   榛名はその表情を、きっととてつもなく自分の精液が不味かったからだと思った。(自分で飲んだことはないが)
 しかし、霧咲の言うことは全然違っていた。

「きみ、今日……一度出した?」
「え?」
「なんか、今日初めて出した割には薄いな、と思ってね」
「あ……っ!」

 榛名は昼間自慰をしたことを思い出して、かああっと顔を赤くした。
 霧咲はそんな榛名の表情を見て察したが、意地悪く榛名に質問した。

「アキ、きみは俺にはほかにも恋人がいるんじゃないかと疑ってたけど、本当はきみの方に彼氏がいるんじゃないのか?    たとえばホラ……きみんとこの病院の、チャラそうなMEとか」
「なっ、堂島くんはそんなんじゃ……ていうか彼氏なんていませんから!」

 以前から堂島にしつこく食事に誘われていることは伏せておく。
 そもそも堂島は榛名に対してそういう意味の下心はないはずだ。
   誰も彼もが自分に好意を持ってるなんてそんなのは自意識過剰だ、と思う。

「どうだかね……じゃあなんでこんなに薄いの? 俺と前に寝たのは火曜日のはずだよね? もしかしてきみ、あれから毎日自分で抜いてたの?   本当にいやらしいなぁ~」
「ま、毎日なんてするわけないでしょう! 思春期じゃあるまいし!」
「きみは思春期の少年並にウブだと思うけど……」
「もうすぐ28の男捕まえてウブとか言わないでください!」

(本当に、ありえないから……!)

   でも、霧咲と初めて会って再会するまでの一か月は、ほぼ毎日自慰に耽っていたことは秘密だ。
   榛名はあんなに我を忘れるくらいの気持ちのいいセックスをしたのは初めてで、どうしてもその刺激が忘れられなかったのだ。
 むしろ忘れたくなかったから、自慰をしていたのかもしれないが。
感想 7

あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

俺は夜、社長の猫になる

衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。 ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。 言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。 タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。 けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。

魔性の男

久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。 最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。 そう、思っていた。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕