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26 榛名、霧咲に泣かされる*
霧咲はさきほど榛名が飲んだワインを片手で持ち、トクトクとグラスに注ぐと優雅な仕草で飲んだ。
榛名は今にも泣きそうな顔でその様子をジッと見つめ、そして熱くなった身体を持て余していた。
(早く、早く抱いて欲しいのに……っ)
霧咲はそんな榛名の気持ちを見透かしてはいるが、無慈悲に生ハムをつまみながら言った。
「榛名、早くオナニーして見せて。職場の人に淫乱だってバラされたいの?」
「っ……!」
少し苛立った霧咲の声に、榛名の肩がぴくっと揺れる。
自分たちの関係を霧咲がバラすなんて、そんなことはありえないと分かっているものの、真面目な榛名にはそれを連想させる言葉だけでもキツかった。
観念して両膝を立てて、両手を自身にそっと手を添えた。
「見えないから、もっと足を広げてごらん」
「……っ」
榛名は、霧咲の言われた通りにゆっくりと両足を開いた。
今の格好はいわゆるM字開脚というもので……なんて恥ずかしい格好なのだろう、と榛名は泣きそうになる。
けど、霧咲に見られていることで恥ずかしさはだんだん快感へと変わってくる。
「昼間はどんな風にしてたの? 再現して見せて」
「……」
(昼は、どういう風にしてたっけ……)
榛名は昼間のことを思い出しながら、ようやく観念して自分のモノを上下に擦り始めた。
自分はゲイなんかじゃないと思って、AV女優でも見て抜こうと思ったけどむしろ嫌悪感が湧いてきて……そして自分が霧咲に今までされたことを思い出しながらシたのだ。
改めて、本当に自分はなんて浅ましいんだろうと思う。
「ん……はっ……」
それでも、快楽を求めてしまう。
だってこんなの、今まで知らなかったから。
「きりさきさ……あんっ……」
自分の身体がこんなに気持ちよくなれるなんて……自分がこんなにいやらしくなれるなんて……
「あっ……もう触ってぇ……きりさきさ……っ、」
こんなにも、誰かを好きになれるなんて。
「アンッ……きもち、いぃ……っ」
(運命の人となんか出逢えるわけないって、そんなのあり得ないって思ってたんだ。ずっと……)
「そうやって俺のことを呼びながら一人でシテたんだ? 可愛いね、凄く気分がいいよ……。今日が仕事じゃなかったら、午前中から君の部屋に行って可愛がってあげたのにね」
霧咲は相変わらず優雅な仕草でワインを飲んでいる。
榛名の痴態を楽しそうに見つめながら。
「はぁっ、はぁっ」
「イキたかったら、イッてもいいよ」
「えっ?」
どうしてだろう。
『イッてもいい』と言われたのが、なんだか突き放されたみたいに聞こえて悲しい気持ちになった。
これならさっきみたいに『勝手にイッたら許さない』と言われる方が良かった、なんて……とうとう自分は頭がおかしくなったんだ、と思った。
それでも霧咲がお仕置きだと言うのだから、榛名は一生懸命に手を動かす。
だけどさっきまで膨張していたソレは、だんだんと柔らかくなり力を失ってきた。
(な……なんで?)
榛名は先程よりもきつく自身をしごいた。
けれど、それはますますふにゃん、と芯を失う。
「……アキ?」
榛名のその変化に気付いたのか、霧咲が怪訝な顔をして榛名を呼んだ。
榛名は霧咲の声にビクッとして、慌ててそれを勃たそうとする。
けど、霧咲に見られているのが逆効果となり、今やもうソレはなんの反応も見せていなかった。
「なんで、なんでっ?」
(オナニーしろって言われたのに……オシオキなのに勃起すらしないとかまた怒られる……てか、嫌われる? 浅ましすぎる自分の痴態を見せて、霧咲に嫌われた………?)
「……アキ」
「やっ、ごめんなさい、ちゃんとするから、言われたことできるから! ちょっとだけ待ってください……!」
榛名はなんとか自分を落ち着かせようと試みるが、一度思い浮かんだその考えは簡単に消すことはできなかった。
霧咲がすごく冷たい目で自分を見ている気がする。
そして、また両の目からは涙が溢れてきた。
「な、なんで涙なんか……!」
腕で目をごしごしと擦ったら、霧咲に腕をガシッと掴まれた。
そして、頭上からはため息が降ってきた。
霧咲はいつの間にかチェアから立ち上がり、ベッドの横に立っていたのだ。
「ふう、これじゃお仕置きにならないな……」
「……っ」
(霧咲さん、ガッカリしてる。そりゃ、そうだよな。我慢弱くて浅ましくて、言われたことも満足に出来なくて、しまいには泣き出すとか……俺がもっと若くて可愛かったら許されたのかもしれないけど……)
「君が可愛いすぎてオシオキする気が削がれてしまったんだけど、どうしてくれるの?」
「へ?」
霧咲はベッドに腰掛けると、榛名の涙の跡を親指で拭った。
榛名はそんな霧咲をキョトンとした顔で見つめた。
すると霧咲が優しい声で言った。
「俺が君にする意地悪は全部プレイなんだよ? 本気じゃない。なのに君は本当に俺が怒ってると思っているみたいだよね」
「怒ってるっていうか……き、嫌われたかな、って……」
「は? 俺が君を嫌うはずないだろう」
泣いて少し腫れてしまった、榛名のまぶたにキスをしながら霧咲は言う。
「そんなの、わかんないです……ッ」
「じゃあ分からせてあげるよ。俺がどれだけ君のことを愛しているのかってことをね」
「え……?」
背中に手を回されたと思ったら、榛名はそのままポスンと優しくベッドに寝かされた。
「君はMだと思ったから言葉攻めしてたんだけど、優しくされる方が好きみたいだから優しくしてあげよう。でも、そのうち俺の意地悪にも慣れていこうね。俺は昔から好きな子をいじめるのが好きなんだ」
「しょっ、小学生ですか!?」
「うん、まぁ変わってないよね。男はいつまでもガキなんだよ。ところでアキ、君って女の子だったっけ?」
「男ですけど!?」
「じゃあ分かるだろう? 俺の気持ち」
小学生の頃、好きな人はただ見つめるだけで精一杯だった榛名には霧咲の気持ちは全く理解できない。
けど『好きだから』いじめたい、という言葉はなんだか嬉しく感じたのだった。
榛名は今にも泣きそうな顔でその様子をジッと見つめ、そして熱くなった身体を持て余していた。
(早く、早く抱いて欲しいのに……っ)
霧咲はそんな榛名の気持ちを見透かしてはいるが、無慈悲に生ハムをつまみながら言った。
「榛名、早くオナニーして見せて。職場の人に淫乱だってバラされたいの?」
「っ……!」
少し苛立った霧咲の声に、榛名の肩がぴくっと揺れる。
自分たちの関係を霧咲がバラすなんて、そんなことはありえないと分かっているものの、真面目な榛名にはそれを連想させる言葉だけでもキツかった。
観念して両膝を立てて、両手を自身にそっと手を添えた。
「見えないから、もっと足を広げてごらん」
「……っ」
榛名は、霧咲の言われた通りにゆっくりと両足を開いた。
今の格好はいわゆるM字開脚というもので……なんて恥ずかしい格好なのだろう、と榛名は泣きそうになる。
けど、霧咲に見られていることで恥ずかしさはだんだん快感へと変わってくる。
「昼間はどんな風にしてたの? 再現して見せて」
「……」
(昼は、どういう風にしてたっけ……)
榛名は昼間のことを思い出しながら、ようやく観念して自分のモノを上下に擦り始めた。
自分はゲイなんかじゃないと思って、AV女優でも見て抜こうと思ったけどむしろ嫌悪感が湧いてきて……そして自分が霧咲に今までされたことを思い出しながらシたのだ。
改めて、本当に自分はなんて浅ましいんだろうと思う。
「ん……はっ……」
それでも、快楽を求めてしまう。
だってこんなの、今まで知らなかったから。
「きりさきさ……あんっ……」
自分の身体がこんなに気持ちよくなれるなんて……自分がこんなにいやらしくなれるなんて……
「あっ……もう触ってぇ……きりさきさ……っ、」
こんなにも、誰かを好きになれるなんて。
「アンッ……きもち、いぃ……っ」
(運命の人となんか出逢えるわけないって、そんなのあり得ないって思ってたんだ。ずっと……)
「そうやって俺のことを呼びながら一人でシテたんだ? 可愛いね、凄く気分がいいよ……。今日が仕事じゃなかったら、午前中から君の部屋に行って可愛がってあげたのにね」
霧咲は相変わらず優雅な仕草でワインを飲んでいる。
榛名の痴態を楽しそうに見つめながら。
「はぁっ、はぁっ」
「イキたかったら、イッてもいいよ」
「えっ?」
どうしてだろう。
『イッてもいい』と言われたのが、なんだか突き放されたみたいに聞こえて悲しい気持ちになった。
これならさっきみたいに『勝手にイッたら許さない』と言われる方が良かった、なんて……とうとう自分は頭がおかしくなったんだ、と思った。
それでも霧咲がお仕置きだと言うのだから、榛名は一生懸命に手を動かす。
だけどさっきまで膨張していたソレは、だんだんと柔らかくなり力を失ってきた。
(な……なんで?)
榛名は先程よりもきつく自身をしごいた。
けれど、それはますますふにゃん、と芯を失う。
「……アキ?」
榛名のその変化に気付いたのか、霧咲が怪訝な顔をして榛名を呼んだ。
榛名は霧咲の声にビクッとして、慌ててそれを勃たそうとする。
けど、霧咲に見られているのが逆効果となり、今やもうソレはなんの反応も見せていなかった。
「なんで、なんでっ?」
(オナニーしろって言われたのに……オシオキなのに勃起すらしないとかまた怒られる……てか、嫌われる? 浅ましすぎる自分の痴態を見せて、霧咲に嫌われた………?)
「……アキ」
「やっ、ごめんなさい、ちゃんとするから、言われたことできるから! ちょっとだけ待ってください……!」
榛名はなんとか自分を落ち着かせようと試みるが、一度思い浮かんだその考えは簡単に消すことはできなかった。
霧咲がすごく冷たい目で自分を見ている気がする。
そして、また両の目からは涙が溢れてきた。
「な、なんで涙なんか……!」
腕で目をごしごしと擦ったら、霧咲に腕をガシッと掴まれた。
そして、頭上からはため息が降ってきた。
霧咲はいつの間にかチェアから立ち上がり、ベッドの横に立っていたのだ。
「ふう、これじゃお仕置きにならないな……」
「……っ」
(霧咲さん、ガッカリしてる。そりゃ、そうだよな。我慢弱くて浅ましくて、言われたことも満足に出来なくて、しまいには泣き出すとか……俺がもっと若くて可愛かったら許されたのかもしれないけど……)
「君が可愛いすぎてオシオキする気が削がれてしまったんだけど、どうしてくれるの?」
「へ?」
霧咲はベッドに腰掛けると、榛名の涙の跡を親指で拭った。
榛名はそんな霧咲をキョトンとした顔で見つめた。
すると霧咲が優しい声で言った。
「俺が君にする意地悪は全部プレイなんだよ? 本気じゃない。なのに君は本当に俺が怒ってると思っているみたいだよね」
「怒ってるっていうか……き、嫌われたかな、って……」
「は? 俺が君を嫌うはずないだろう」
泣いて少し腫れてしまった、榛名のまぶたにキスをしながら霧咲は言う。
「そんなの、わかんないです……ッ」
「じゃあ分からせてあげるよ。俺がどれだけ君のことを愛しているのかってことをね」
「え……?」
背中に手を回されたと思ったら、榛名はそのままポスンと優しくベッドに寝かされた。
「君はMだと思ったから言葉攻めしてたんだけど、優しくされる方が好きみたいだから優しくしてあげよう。でも、そのうち俺の意地悪にも慣れていこうね。俺は昔から好きな子をいじめるのが好きなんだ」
「しょっ、小学生ですか!?」
「うん、まぁ変わってないよね。男はいつまでもガキなんだよ。ところでアキ、君って女の子だったっけ?」
「男ですけど!?」
「じゃあ分かるだろう? 俺の気持ち」
小学生の頃、好きな人はただ見つめるだけで精一杯だった榛名には霧咲の気持ちは全く理解できない。
けど『好きだから』いじめたい、という言葉はなんだか嬉しく感じたのだった。
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