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〃
「別に俺はホモじゃねぇよ! ただふざけてただけだっつの! 榛名君はマジメだから、こういうことしたらどんな顔すんのかなって思っただけだし! あー……ごめん榛名君、俺、酔いすぎて悪ふざけが過ぎたみたいだわ。正気に戻ったらちゃんと謝るから……今日は帰るね」
そう言った彼は、いつものチャラい堂島だった。
それでも榛名には堂島の発した言葉や行動が棘のように胸に深く突き刺さり、いつものように言い返せなかった。
こんな状態では、言葉が返せるはずもない。
そして堂島はトイレから出て行き、今度は霧咲と二人になった。
「……榛名」
「ごめんな、さいっ……」
「どうして謝るの?」
榛名自身、何故自分が霧咲に謝っているのか分からない。
呑みすぎたから?
でもそれは後で榛名が苦しい思いをするだけで、別に霧咲に謝るようなことではない。
堂島に迫られる隙を与えたから?
しかし体調不良が原因だし、そもそも悪いのは堂島だ。
関係を肯定しなかったから?
それは、霧咲に迷惑をかけたくなかったからだ。霧咲だって誤魔化していた。
ではなぜ、こんなにも涙がこぼれてくるのか。
霧咲に申し訳ない気持ちになっているのか、榛名には分からない。
けど謝らなければいけない、と思ったのだ。
「ごめんなさい……」
結局こうなったのは、自分が悪いんだろうと思う。
堂島は何故か榛名の気持ちに気付いていた。
それは普段からそういう雰囲気を出していたというか、きっと誤魔化しきれていなかったのだ。
有坂や若葉にしてもそうだ。
火のないところに煙は立たないというし、きっと榛名の態度がそう見えたのだろう。
霧咲とのことが完璧に隠せていると思っていたのは自分だけだったのが、ひどく情けない。
情けなくて、涙が止まらなかった。
「そんなに泣かないで……みんなのところに戻れないよ」
「先、戻っててください……」
「泣いてる君を置いて戻れるわけないだろう」
霧咲は個室に鍵を掛けると、榛名の腕を掴んで立たせて抱き締めた。
「あ、あのっ……」
急に抱き締められてびっくりして、涙は一瞬止まった。
しかし先程とは違う腕の中で、それが霧咲のものだと意識すると、安心感からか更にぶわっと涙が溢れてきた。
「恐かっただろう、もう大丈夫だよ」
「うっ……」
どちらかというと、堂島ではなくて怒った霧咲の方が榛名にとっては恐かったのだが――それは言わないことにした。
榛名は自分からも霧咲にしがみつくと、声を殺して泣いた。
もう戻るのが遅くなって不審がられてもいい。
霧咲から離れたくなかった。
「君は本当に泣き虫……いや、泣き上戸だね?」
霧咲はそう言いながら、榛名の頭を優しく撫でた。
榛名の髪は子供のようにしっとりとしていた。
「こんなの、貴方に会ってからですよ!」
「そうなの? それは嬉しいな」
「ほんとに、貴方のせいだ……」
こんなに泣くようになったのも、泣く原因も、 泣かせる相手も、全部霧咲だ。
それと、涙を止めてくれるのも……。
「ほら、そろそろ泣き止まないと脱水を起こすよ」
「ンッ……」
霧咲は榛名を少し離すと、濡れた頬をぬぐってその口に軽くキスをした。
「あ……ダメです、俺さっき吐いて……口そのまんまだから汚いです」
さっき堂島に言われたことを思い出した。
でもそのおかげで唇へのキスは免れたから幸いだったのだが。
「汚い? 何を言ってるの」
「ンンッ、チュ、んぅ……」
今度は深いキスをされた。
霧咲は嫌がる榛名の口に無理矢理舌を捩じ込み、口内を蹂躙する。
グチュグチュと卑猥な音を立てながら。
「んふっ……む、チュッ、ヂュプ……ッ」
「……酒と、君の味しかしないよ」
霧咲はニッコリと笑い、いつの間にか榛名の涙は止まっていた。
そう言った彼は、いつものチャラい堂島だった。
それでも榛名には堂島の発した言葉や行動が棘のように胸に深く突き刺さり、いつものように言い返せなかった。
こんな状態では、言葉が返せるはずもない。
そして堂島はトイレから出て行き、今度は霧咲と二人になった。
「……榛名」
「ごめんな、さいっ……」
「どうして謝るの?」
榛名自身、何故自分が霧咲に謝っているのか分からない。
呑みすぎたから?
でもそれは後で榛名が苦しい思いをするだけで、別に霧咲に謝るようなことではない。
堂島に迫られる隙を与えたから?
しかし体調不良が原因だし、そもそも悪いのは堂島だ。
関係を肯定しなかったから?
それは、霧咲に迷惑をかけたくなかったからだ。霧咲だって誤魔化していた。
ではなぜ、こんなにも涙がこぼれてくるのか。
霧咲に申し訳ない気持ちになっているのか、榛名には分からない。
けど謝らなければいけない、と思ったのだ。
「ごめんなさい……」
結局こうなったのは、自分が悪いんだろうと思う。
堂島は何故か榛名の気持ちに気付いていた。
それは普段からそういう雰囲気を出していたというか、きっと誤魔化しきれていなかったのだ。
有坂や若葉にしてもそうだ。
火のないところに煙は立たないというし、きっと榛名の態度がそう見えたのだろう。
霧咲とのことが完璧に隠せていると思っていたのは自分だけだったのが、ひどく情けない。
情けなくて、涙が止まらなかった。
「そんなに泣かないで……みんなのところに戻れないよ」
「先、戻っててください……」
「泣いてる君を置いて戻れるわけないだろう」
霧咲は個室に鍵を掛けると、榛名の腕を掴んで立たせて抱き締めた。
「あ、あのっ……」
急に抱き締められてびっくりして、涙は一瞬止まった。
しかし先程とは違う腕の中で、それが霧咲のものだと意識すると、安心感からか更にぶわっと涙が溢れてきた。
「恐かっただろう、もう大丈夫だよ」
「うっ……」
どちらかというと、堂島ではなくて怒った霧咲の方が榛名にとっては恐かったのだが――それは言わないことにした。
榛名は自分からも霧咲にしがみつくと、声を殺して泣いた。
もう戻るのが遅くなって不審がられてもいい。
霧咲から離れたくなかった。
「君は本当に泣き虫……いや、泣き上戸だね?」
霧咲はそう言いながら、榛名の頭を優しく撫でた。
榛名の髪は子供のようにしっとりとしていた。
「こんなの、貴方に会ってからですよ!」
「そうなの? それは嬉しいな」
「ほんとに、貴方のせいだ……」
こんなに泣くようになったのも、泣く原因も、 泣かせる相手も、全部霧咲だ。
それと、涙を止めてくれるのも……。
「ほら、そろそろ泣き止まないと脱水を起こすよ」
「ンッ……」
霧咲は榛名を少し離すと、濡れた頬をぬぐってその口に軽くキスをした。
「あ……ダメです、俺さっき吐いて……口そのまんまだから汚いです」
さっき堂島に言われたことを思い出した。
でもそのおかげで唇へのキスは免れたから幸いだったのだが。
「汚い? 何を言ってるの」
「ンンッ、チュ、んぅ……」
今度は深いキスをされた。
霧咲は嫌がる榛名の口に無理矢理舌を捩じ込み、口内を蹂躙する。
グチュグチュと卑猥な音を立てながら。
「んふっ……む、チュッ、ヂュプ……ッ」
「……酒と、君の味しかしないよ」
霧咲はニッコリと笑い、いつの間にか榛名の涙は止まっていた。
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