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歓迎会の時、トイレに立った榛名のあとを付いていく堂島を見て、看護師の有坂から『霧咲先生、堂島君は前から榛名主任のことが好きみたいですぅ。行かせてもいいんですか?』
と全て悟ったようなことを言われ、他の女性スタッフからも同じような目付きで頷かれたのだ。
(もう全員にバレてるのか……)
霧咲は苦笑して席を立ち、付いていったら案の定、榛名はトイレの個室で堂島に襲われかかっていた。
見つけたときは本気で再起不能にしてやろうかと思ったが、榛名のために必死で我慢した。
きっと職場に関係がバレでもしたら、繊細な榛名はきっと仕事を辞めてしまうだろうから。(既にバレているのだが)
でも、榛名は絶対に堂島には靡かないだろう。
彼の発した数々の言葉は確実に榛名の心を傷付けていた。
自分以外の男に泣かされるというのはなんとも悔しいものがあるが、それで榛名が堂島を嫌ってくれるなら多少の嫉妬は仕方ないと思った。
しかし、後日。
『ちゃんと謝ってきたから許しました』
と、いとも簡単に堂島を許してしまった自分の恋人は、本当に危機感が足りないと思う。
嫉妬もさることながら、嫌な想いを全て忘れさせようと思ってわざわざあのあとトイレで激しく抱いたというのに……。
自分のものに痕を付けられたのも腹が立つ。
もっとも榛名は、堂島に吸われて赤くなった部分は、犬に噛まれた……いや、蚊に刺されたレベルで気にしていなかったが。
むしろ霧咲が上から重ねてキスしようとしたら『霧咲が堂島と間接キスしてしまう』とキス自体を嫌がられた。
言われた時は一瞬理解ができなかったのだが、とにかく可愛いが過ぎたので今ではいい思い出だ。
霧咲が嫉妬したのは、堂島ではなくて二宮の方だった。
二宮はいつも寡黙に完璧に仕事をこなしていて、スタッフからの信頼も厚く、それには勿論榛名も含まれている。
霧咲もダイアライザーを変更する際に彼と話をしたこともあったが、印象は良かった。
榛名と同じ九州の出身で、同じ酒を好む。
二宮と話している時の榛名は少しほろ酔いで、ふにゃっと笑う顔が可愛くて(いつも可愛いが)、そんな顔をさせている二宮に嫉妬した。
霧咲が見たところ二宮はストレートだが、それでも安心はできない。
榛名は無自覚に色気を振り撒いてるだけでなく、自身が男なのに、男に『こういう女を嫁にしたい』と思わせる大和撫子のような性格なのだ。
可愛いくて、真面目で、控えめ。
そして夜は床上手ときたら……たとえノンケの男でも、子供を望みさえしなければ絶対に女よりもこっちがいいと思うのではないか、と霧咲は真面目に考えている。
もちろん、多少盲目になっている自覚はあるが。
けれど、修正するつもりはない。少しでも油断して、大事な恋人が誰かに横から奪われでもしたら……
(……考えすぎか。あれからもう、10年も経つのに)
とにかく、二宮は要注意人物だ。
杞憂かもしれないが、安心はできない。できるならば榛名の方が好きになってしまうことも視野に入れて、完全に囲ってしまいたいと思った。
榛名が自分のことしか見ないように……自分の言葉しか聞かないように……しかし、そんなことが現実にできるはずもない。
それに霧咲は今、連絡のつかない恋人に会いに行くこともできない状況にあるのだ。
と全て悟ったようなことを言われ、他の女性スタッフからも同じような目付きで頷かれたのだ。
(もう全員にバレてるのか……)
霧咲は苦笑して席を立ち、付いていったら案の定、榛名はトイレの個室で堂島に襲われかかっていた。
見つけたときは本気で再起不能にしてやろうかと思ったが、榛名のために必死で我慢した。
きっと職場に関係がバレでもしたら、繊細な榛名はきっと仕事を辞めてしまうだろうから。(既にバレているのだが)
でも、榛名は絶対に堂島には靡かないだろう。
彼の発した数々の言葉は確実に榛名の心を傷付けていた。
自分以外の男に泣かされるというのはなんとも悔しいものがあるが、それで榛名が堂島を嫌ってくれるなら多少の嫉妬は仕方ないと思った。
しかし、後日。
『ちゃんと謝ってきたから許しました』
と、いとも簡単に堂島を許してしまった自分の恋人は、本当に危機感が足りないと思う。
嫉妬もさることながら、嫌な想いを全て忘れさせようと思ってわざわざあのあとトイレで激しく抱いたというのに……。
自分のものに痕を付けられたのも腹が立つ。
もっとも榛名は、堂島に吸われて赤くなった部分は、犬に噛まれた……いや、蚊に刺されたレベルで気にしていなかったが。
むしろ霧咲が上から重ねてキスしようとしたら『霧咲が堂島と間接キスしてしまう』とキス自体を嫌がられた。
言われた時は一瞬理解ができなかったのだが、とにかく可愛いが過ぎたので今ではいい思い出だ。
霧咲が嫉妬したのは、堂島ではなくて二宮の方だった。
二宮はいつも寡黙に完璧に仕事をこなしていて、スタッフからの信頼も厚く、それには勿論榛名も含まれている。
霧咲もダイアライザーを変更する際に彼と話をしたこともあったが、印象は良かった。
榛名と同じ九州の出身で、同じ酒を好む。
二宮と話している時の榛名は少しほろ酔いで、ふにゃっと笑う顔が可愛くて(いつも可愛いが)、そんな顔をさせている二宮に嫉妬した。
霧咲が見たところ二宮はストレートだが、それでも安心はできない。
榛名は無自覚に色気を振り撒いてるだけでなく、自身が男なのに、男に『こういう女を嫁にしたい』と思わせる大和撫子のような性格なのだ。
可愛いくて、真面目で、控えめ。
そして夜は床上手ときたら……たとえノンケの男でも、子供を望みさえしなければ絶対に女よりもこっちがいいと思うのではないか、と霧咲は真面目に考えている。
もちろん、多少盲目になっている自覚はあるが。
けれど、修正するつもりはない。少しでも油断して、大事な恋人が誰かに横から奪われでもしたら……
(……考えすぎか。あれからもう、10年も経つのに)
とにかく、二宮は要注意人物だ。
杞憂かもしれないが、安心はできない。できるならば榛名の方が好きになってしまうことも視野に入れて、完全に囲ってしまいたいと思った。
榛名が自分のことしか見ないように……自分の言葉しか聞かないように……しかし、そんなことが現実にできるはずもない。
それに霧咲は今、連絡のつかない恋人に会いに行くこともできない状況にあるのだ。
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