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〃
しかし頭もだが、糖尿病に関する検査結果も知りたい。クレアチニンとBUN(尿素窒素)は今どれくらいの数値なのだろう。
既に高かったら透析生活は免れないというのに、あまりにも呑気すぎる。
「あーくんも来たことやし、私は一旦帰ろっかな。あーくんいつまでこっちおると? まさか今日とんぼ帰りはせんとやろ? 晩御飯、旦那も連れてきて久しぶりに実家で食べよっかな。お母さんいーい?」
姉の言葉に頷く母。
それを聞いて少し羨ましそうな顔をしている父。
榛名は少し苦笑しながらも、この場に姉がいて良かったと思った。
猪突猛進的な母と無口な父、そして疲れて若干苛つき気味の榛名の三人だけだったら、なかなか会話もこう順調には行かなかったことだろう。
明るい姉は昔から、榛名家の潤滑剤のような存在なのだ。
ちなみに歳は榛名と三つ離れている。
「もちろん今日は帰らんけどさ……そんな元気ないし。そういや高志さんは元気? 全然会っちょらん気がするけど」
「だってあーくんが帰ってくるのいつもオフシーズンなんやもん。平日なんて普通に仕事してるわ。それにあーくん、高志には標準語でしゃべるから緊張するって言っちょったよ」
「だってお義兄さんにタメ語使ったらいかんやろ……そしたら自然に東京弁になっとよ」
「ほんとに器用やねぇ、あーくんは」
姉は朗らかに笑って、先に帰った。
榛名は一度病室を出ると、師長の携帯に電話をした。
透析室にかけようと思ったが、もう17時はとっくに過ぎているので誰も残っていないだろうと判断したためだ。
『もしもし、榛名くん? お父さんの具合は大丈夫だったの~?』
「ええ、心配かけてすみませんでした。頭を強く打ってるということで……まあ意識ははっきりしてるんですが……」
まさか、たかが低血糖で呼び出されて仕事を早引けして実家に帰ったなんて言えなかった。
『頭は怖いからしっかり検査してもらうようにね。それと休みのことなんだけど、今日が木曜日でしょ? そのまま日曜日まで連休取っていいからね』
「え!? いやでも……」
『榛名くん、特別休暇をまだ消化してなかったみたいなのよ~、今年中に使わないと消えちゃうから勿体ないじゃない? だから昨日休んだ分もそれから引いておくわね』
「あ、ありがとうございます。日勤の人数は大丈夫ですか?」
『まあなんとかなるでしょ。それに榛名君にはお正月フルで日勤入ってもらう予定だし、今の内に実家でゆっくりと過ごしてちょうだい』
「ありがとうございます……では、お言葉に甘えますね」
少し遠慮は残るが、師長が大丈夫というなら大丈夫なのだろう。
それに今は実家にいた方が、何かと気が紛れるのかもしれない。
『あんまり帰省してないみたいだし、たまには親孝行してらっしゃいな』
「……はい」
少し胸がズキッとした。榛名には今、親孝行という言葉が何を意味するのか、何をしてあげればいいのか分からない。
母が望んでいる、結婚して子供を作るということの他に……。
「はあ……」
通話を切って、声に出してため息を吐いた。
既に高かったら透析生活は免れないというのに、あまりにも呑気すぎる。
「あーくんも来たことやし、私は一旦帰ろっかな。あーくんいつまでこっちおると? まさか今日とんぼ帰りはせんとやろ? 晩御飯、旦那も連れてきて久しぶりに実家で食べよっかな。お母さんいーい?」
姉の言葉に頷く母。
それを聞いて少し羨ましそうな顔をしている父。
榛名は少し苦笑しながらも、この場に姉がいて良かったと思った。
猪突猛進的な母と無口な父、そして疲れて若干苛つき気味の榛名の三人だけだったら、なかなか会話もこう順調には行かなかったことだろう。
明るい姉は昔から、榛名家の潤滑剤のような存在なのだ。
ちなみに歳は榛名と三つ離れている。
「もちろん今日は帰らんけどさ……そんな元気ないし。そういや高志さんは元気? 全然会っちょらん気がするけど」
「だってあーくんが帰ってくるのいつもオフシーズンなんやもん。平日なんて普通に仕事してるわ。それにあーくん、高志には標準語でしゃべるから緊張するって言っちょったよ」
「だってお義兄さんにタメ語使ったらいかんやろ……そしたら自然に東京弁になっとよ」
「ほんとに器用やねぇ、あーくんは」
姉は朗らかに笑って、先に帰った。
榛名は一度病室を出ると、師長の携帯に電話をした。
透析室にかけようと思ったが、もう17時はとっくに過ぎているので誰も残っていないだろうと判断したためだ。
『もしもし、榛名くん? お父さんの具合は大丈夫だったの~?』
「ええ、心配かけてすみませんでした。頭を強く打ってるということで……まあ意識ははっきりしてるんですが……」
まさか、たかが低血糖で呼び出されて仕事を早引けして実家に帰ったなんて言えなかった。
『頭は怖いからしっかり検査してもらうようにね。それと休みのことなんだけど、今日が木曜日でしょ? そのまま日曜日まで連休取っていいからね』
「え!? いやでも……」
『榛名くん、特別休暇をまだ消化してなかったみたいなのよ~、今年中に使わないと消えちゃうから勿体ないじゃない? だから昨日休んだ分もそれから引いておくわね』
「あ、ありがとうございます。日勤の人数は大丈夫ですか?」
『まあなんとかなるでしょ。それに榛名君にはお正月フルで日勤入ってもらう予定だし、今の内に実家でゆっくりと過ごしてちょうだい』
「ありがとうございます……では、お言葉に甘えますね」
少し遠慮は残るが、師長が大丈夫というなら大丈夫なのだろう。
それに今は実家にいた方が、何かと気が紛れるのかもしれない。
『あんまり帰省してないみたいだし、たまには親孝行してらっしゃいな』
「……はい」
少し胸がズキッとした。榛名には今、親孝行という言葉が何を意味するのか、何をしてあげればいいのか分からない。
母が望んでいる、結婚して子供を作るということの他に……。
「はあ……」
通話を切って、声に出してため息を吐いた。
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