130 / 322
〃
その後も榛名達は、亜衣乃の希望通りにコーヒーカップやミラーハウスなど色んなアトラクションで遊んだ。気付けば正午を過ぎていて、空腹を感じていた。
「まこおじさぁん、亜衣乃お腹すいたの~」
「ん、じゃあレストランに行くか」
「こういうところのレストランって妙に高いですよね」
園の真ん中にある建物の、広い食堂のようなレストランに行った。
お昼時なので中は込み合っているが、空いている席はちらほらある。
さすがメニューも全て子供が好きそうなものばかりで、亜衣乃はハンバーグ、霧咲はカレーライス、榛名はラーメンを食べることにした。
注文してからのセルフサービスで、榛名は亜衣乃がお盆ごと食事を運べるかどうかの心配をした。
「亜衣乃ちゃん、大丈夫? 俺が持っていこうか?」
「大丈夫だよアキちゃん、亜衣乃落とさないもんっ」
「腕が細いから心配で……」
なんだかあぶなっかしくて、見てるだけでハラハラとしてしまう。
「亜衣乃これでもけっこう力持ちなんだよ? クラスじゃ背は低い方だけど……」
「よく食べるしな」
「まこおじさん、アキちゃんに余計なこと言わないでよ!」
「何をいまさら恥ずかしがってるんだ、もうバレてるだろう」
確かに昨日ステーキを食べている時、亜衣乃が一番よく食べていたような……。
榛名は思い出してふふっと微笑んだ。
*
昼食を食べ終わったあと、霧咲が腕時計を見ながら言った。
「亜衣乃、3時には帰るからな? 蓉子が4時頃に迎えに来るから」
「はあい……」
亜衣乃は残念そうに返事をした。ここまでは電車で来たのだが、そのくらいの時間に出ないと4時までには帰れないだろう。
「じゃあ、急いで遊ばなきゃね。次は何にする? お化け屋敷でも行く?」
榛名は亜衣乃を元気付けるように、パンフレットを見ながら明るく話しかける。
「亜衣乃、おばけは嫌い」
「じゃあ……あ、なんか小さい動物園があるみたいだよ。ふれあいランド。うさぎとかヤギとかいるんだって。行ってみる? 餌やりもできるって」
「行く!!」
亜衣乃は目をキラキラさせながら言った。
そしてごく自然に榛名の手を握ると、早足でその場所へ向かおうとした。
もはや伯父の霧咲よりも、自分によく構ってくれる榛名の方が好きみたいだ。
霧咲は苦笑しながら、亜衣乃と榛名の後に付いて行った。
「亜衣乃ちゃーん、こっち向いて笑って?」
「えへっ」
うさぎを抱っこした体勢で、亜衣乃は榛名の方を向いてはにかむように笑った。
榛名はスマホを亜衣乃に向けて、既に何枚も撮っている。
「ふふ、可愛い~」
「今度は亜衣乃がアキちゃん撮るー!」
榛名はすっかり亜衣乃専属のカメラマンになっていた。
亜衣乃も榛名の真似をして自分の携帯のカメラで何枚も写メを撮っている。
霧咲もたまに撮っていたが、榛名ほどではない。
育った環境の違いだろうな、と霧咲は思った。きっと榛名の両親は写真を撮るのが好きで、榛名の家には小さな頃のアルバムが沢山あるに違いない。
逆に霧咲の家は、そういう習慣はなかった。
毎年写真屋に家族写真を撮りには行っていたが、霧咲が大学入学とともに家を出てからはその習慣もいつの間にか無くなっていた。
「霧咲さん、ずっとアルパカと2ショットしてないで……でも撮っちゃおう」
「うん?」
榛名が携帯を向けて、霧咲の写メを撮ったようだった。
「あはは! 霧咲さんとアルパカの2ショットってなんかシュールですね」
「可愛いじゃないか」
「アルパカは、可愛いです」
「俺は?」
「ふふっ」
可愛いよりもカッコいいと言ってあげたいのは山々だが、ここじゃ言えないので榛名は笑って誤魔化した。
帰ったら言ってあげよう、と思った。
「まこおじさぁん、亜衣乃お腹すいたの~」
「ん、じゃあレストランに行くか」
「こういうところのレストランって妙に高いですよね」
園の真ん中にある建物の、広い食堂のようなレストランに行った。
お昼時なので中は込み合っているが、空いている席はちらほらある。
さすがメニューも全て子供が好きそうなものばかりで、亜衣乃はハンバーグ、霧咲はカレーライス、榛名はラーメンを食べることにした。
注文してからのセルフサービスで、榛名は亜衣乃がお盆ごと食事を運べるかどうかの心配をした。
「亜衣乃ちゃん、大丈夫? 俺が持っていこうか?」
「大丈夫だよアキちゃん、亜衣乃落とさないもんっ」
「腕が細いから心配で……」
なんだかあぶなっかしくて、見てるだけでハラハラとしてしまう。
「亜衣乃これでもけっこう力持ちなんだよ? クラスじゃ背は低い方だけど……」
「よく食べるしな」
「まこおじさん、アキちゃんに余計なこと言わないでよ!」
「何をいまさら恥ずかしがってるんだ、もうバレてるだろう」
確かに昨日ステーキを食べている時、亜衣乃が一番よく食べていたような……。
榛名は思い出してふふっと微笑んだ。
*
昼食を食べ終わったあと、霧咲が腕時計を見ながら言った。
「亜衣乃、3時には帰るからな? 蓉子が4時頃に迎えに来るから」
「はあい……」
亜衣乃は残念そうに返事をした。ここまでは電車で来たのだが、そのくらいの時間に出ないと4時までには帰れないだろう。
「じゃあ、急いで遊ばなきゃね。次は何にする? お化け屋敷でも行く?」
榛名は亜衣乃を元気付けるように、パンフレットを見ながら明るく話しかける。
「亜衣乃、おばけは嫌い」
「じゃあ……あ、なんか小さい動物園があるみたいだよ。ふれあいランド。うさぎとかヤギとかいるんだって。行ってみる? 餌やりもできるって」
「行く!!」
亜衣乃は目をキラキラさせながら言った。
そしてごく自然に榛名の手を握ると、早足でその場所へ向かおうとした。
もはや伯父の霧咲よりも、自分によく構ってくれる榛名の方が好きみたいだ。
霧咲は苦笑しながら、亜衣乃と榛名の後に付いて行った。
「亜衣乃ちゃーん、こっち向いて笑って?」
「えへっ」
うさぎを抱っこした体勢で、亜衣乃は榛名の方を向いてはにかむように笑った。
榛名はスマホを亜衣乃に向けて、既に何枚も撮っている。
「ふふ、可愛い~」
「今度は亜衣乃がアキちゃん撮るー!」
榛名はすっかり亜衣乃専属のカメラマンになっていた。
亜衣乃も榛名の真似をして自分の携帯のカメラで何枚も写メを撮っている。
霧咲もたまに撮っていたが、榛名ほどではない。
育った環境の違いだろうな、と霧咲は思った。きっと榛名の両親は写真を撮るのが好きで、榛名の家には小さな頃のアルバムが沢山あるに違いない。
逆に霧咲の家は、そういう習慣はなかった。
毎年写真屋に家族写真を撮りには行っていたが、霧咲が大学入学とともに家を出てからはその習慣もいつの間にか無くなっていた。
「霧咲さん、ずっとアルパカと2ショットしてないで……でも撮っちゃおう」
「うん?」
榛名が携帯を向けて、霧咲の写メを撮ったようだった。
「あはは! 霧咲さんとアルパカの2ショットってなんかシュールですね」
「可愛いじゃないか」
「アルパカは、可愛いです」
「俺は?」
「ふふっ」
可愛いよりもカッコいいと言ってあげたいのは山々だが、ここじゃ言えないので榛名は笑って誤魔化した。
帰ったら言ってあげよう、と思った。
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
魔性の男
久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。