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〃
「いや……君は、俺なんかよりずっと強いよ。俺が今まで会った人間の中で、おそらく一番……いや、二番かな」
「一番は亜衣乃ちゃんですか?」
「そうだ」
「それは、同感です」
榛名は霧咲と目を合わせたあと、軽く目を伏せた。
亜衣乃はまだ子どもなのに……いや、子どもだから、なのだろうか。
「じゃあ話すよ、敏也の……、中原のことを」
ぽつりと霧咲が言って、榛名は顔を上げた。
「大半は蓉子の言ってた通りなんだけど。俺とは高校の時に知り合って、同じ大学に行って……」
「どうやって知り合いになったんですか? 部活の先輩とか?」
「そんなことまで知りたいの?」
霧咲が少し困った顔で笑った。
「知りたいです。どっちが先に声をかけたのか、とか。それって重要でしょ?」
「うーん……」
榛名は無意識に中原に嫉妬しているのだが、本人はそのことに気付いていない。
前は知りたくないと思っていたのに、少しの情報を手にしてしまうと全て知りたくなってしまうから困りものだ。
「中原は俺の一つ年上で、声を掛けてきたのは向こうからだったな……確か。生徒会役員の勧誘をされたんだったんじゃなかったか……確か」
霧咲は一生懸命当時のことを思い出しているのか、ウーンと首を捻りながら答える。
それは普段あまり榛名が見ない顔だ。
「生徒会? 誠人さん、生徒会やってたんですか?もしや、のちの生徒会長さん?」
「そうだけど?」
(うわ……なんか似合う……)
榛名は、学生服を着て壇上で演説をしている霧咲の姿を想像した。
制服は学ランだっただろうか、ブレザーだっただろうか。ちなみに自分はブレザーだった。
「ふうん。で、中原さんはその当時の生徒会長だったんですか?」
「そうだよ。よく分かるね?」
「なんとなく……ですけど」
榛名はいつもより積極的に質問してくる。
霧咲は少したじろぎながらも、榛名が無駄に傷つかないように言葉を選びながら話した。
「告白は、いつ? どっちからですか?」
「それも聞きたいのか……。えーっと、中原の卒業式に、俺からだ。中原は笑いながら、同じ大学に来れるならいいよって答えたな。もともと俺も志望していたところだったから、それはもうオーケーと言ってるようなものだったけど」
「大学って、どこですか?」
名前を聞いたところで榛名には分からないかもしれないが、一応聞いてみた。
「T大だよ」
「えっ!?」
さらりと言う霧咲に、榛名は思わずコーヒーを噴きそうになった。
榛名は看護大ではなく看護専門学校を出たので大学には行ってないが、その某国立大学がものすごく偏差値の高い、狭き門だという一般常識は知っている。
「じゃあ、中原さんも医者なんですか!?」
「違うよ。彼は経済学を学んでいたから……今はどっかの企業の社長でもやってるんじゃないかな」
「はー……」
なんだかため息が出た。
学会や講演で話している時の霧咲に対してもよく思うことなのだが、自分とは世界が違う。
霧咲と中原も男同士だが、さぞかし二人はお似合いの秀才カップルだったんだろうな、と思って早速凹んだ榛名だった。
「一番は亜衣乃ちゃんですか?」
「そうだ」
「それは、同感です」
榛名は霧咲と目を合わせたあと、軽く目を伏せた。
亜衣乃はまだ子どもなのに……いや、子どもだから、なのだろうか。
「じゃあ話すよ、敏也の……、中原のことを」
ぽつりと霧咲が言って、榛名は顔を上げた。
「大半は蓉子の言ってた通りなんだけど。俺とは高校の時に知り合って、同じ大学に行って……」
「どうやって知り合いになったんですか? 部活の先輩とか?」
「そんなことまで知りたいの?」
霧咲が少し困った顔で笑った。
「知りたいです。どっちが先に声をかけたのか、とか。それって重要でしょ?」
「うーん……」
榛名は無意識に中原に嫉妬しているのだが、本人はそのことに気付いていない。
前は知りたくないと思っていたのに、少しの情報を手にしてしまうと全て知りたくなってしまうから困りものだ。
「中原は俺の一つ年上で、声を掛けてきたのは向こうからだったな……確か。生徒会役員の勧誘をされたんだったんじゃなかったか……確か」
霧咲は一生懸命当時のことを思い出しているのか、ウーンと首を捻りながら答える。
それは普段あまり榛名が見ない顔だ。
「生徒会? 誠人さん、生徒会やってたんですか?もしや、のちの生徒会長さん?」
「そうだけど?」
(うわ……なんか似合う……)
榛名は、学生服を着て壇上で演説をしている霧咲の姿を想像した。
制服は学ランだっただろうか、ブレザーだっただろうか。ちなみに自分はブレザーだった。
「ふうん。で、中原さんはその当時の生徒会長だったんですか?」
「そうだよ。よく分かるね?」
「なんとなく……ですけど」
榛名はいつもより積極的に質問してくる。
霧咲は少したじろぎながらも、榛名が無駄に傷つかないように言葉を選びながら話した。
「告白は、いつ? どっちからですか?」
「それも聞きたいのか……。えーっと、中原の卒業式に、俺からだ。中原は笑いながら、同じ大学に来れるならいいよって答えたな。もともと俺も志望していたところだったから、それはもうオーケーと言ってるようなものだったけど」
「大学って、どこですか?」
名前を聞いたところで榛名には分からないかもしれないが、一応聞いてみた。
「T大だよ」
「えっ!?」
さらりと言う霧咲に、榛名は思わずコーヒーを噴きそうになった。
榛名は看護大ではなく看護専門学校を出たので大学には行ってないが、その某国立大学がものすごく偏差値の高い、狭き門だという一般常識は知っている。
「じゃあ、中原さんも医者なんですか!?」
「違うよ。彼は経済学を学んでいたから……今はどっかの企業の社長でもやってるんじゃないかな」
「はー……」
なんだかため息が出た。
学会や講演で話している時の霧咲に対してもよく思うことなのだが、自分とは世界が違う。
霧咲と中原も男同士だが、さぞかし二人はお似合いの秀才カップルだったんだろうな、と思って早速凹んだ榛名だった。
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