171 / 322
〃
「ねえまこおじさん、晩御飯ってどうするの?」
「暁哉に確認してからだな、友達と食べてくるなら俺たちは今からここで食べよう。……ところで亜衣乃、最近おじさんのこと外でもパパって呼ばないんだな。前は呼ぶなって言っても呼んでたのに。もうすぐ本物の親子になるんだし、パパって呼んでも構わないんだぞ?」
もっとも、前も本気で呼ばれていたわけではなく、嫌がらせに近いニュアンスだったのだが。
「呼ぶなって言われて呼ぶのと、呼んでいいって言われて呼ぶのとじゃ全然違うのよ」
「何がどう違うんだ? ……まさか照れてるのか? 嘘だろ?」
大げさに驚いてやれば、亜衣乃はかぁっと顔を赤くした。
「もうまこおじさんうるさい! さっさとアキちゃんに連絡すれば!?」
「はいはい」
恋人をからかうのも楽しいが、小学生の姪をからかうのも楽しくてやめられない。
我ながら嫌な性格だと思うが、今更変えようとは思わない。
「あれ、暁哉からメールが来てるな。……!?」
「え、アキちゃんから? なんてなんて?」
”誠人さん、愛してますよ”
霧咲はそのメールを読んだ途端、画面に釘付けになってしまった。
真面目で照れ屋な恋人は、こういうメールを送ってきたことは今までに一度もない。
それがいきなりこんな愛がこもったメールを送ってくるなんて、一体どういう風の吹き回しなのだろうか。
「…………」
友人と何かあったとしか考えられない。
榛名が帰ったら、全部問い詰めようと思った。
勿論、亜衣乃が寝静まった頃に。
「もう、おじさんってばぁ!! 亜衣乃にもアキちゃんからのメール見せてよぉ!!」
亜衣乃は手を伸ばして霧咲のスマホを奪おうとするが、霧咲は絶対に亜衣乃の手が届かないところまで大人げなく腕を伸ばしてそれを阻止する。
そんな二人の行動は、映画を見に来ているその他大勢の客に見られていて遠巻きにクスクスと笑われているのだが、特に気にはならない。
「コレはダメだ。絶対に見せてやらない、減るからな」
「え、何が減るの? アキちゃんなんて書いてたの?」
「あー……今夜は亜衣乃が好きなハンバーグを作って待ってるから、晩御飯は食べずに帰ってこい、と」
「えっホント!? ……じゃあまこおじさん、亜衣乃のお腹が減るって言いたかったの? 亜衣乃、そこまで食いしん坊じゃないもん!」
亜衣乃は両頬をぷくっと膨らませて、どすどすと足音を立てながら霧咲に背を向けてエレベーターに向かって歩いていく。
なんとかうまく誤魔化せたが、更に機嫌を損ねてしまったようだ。
「亜衣乃、ケーキでも買って帰ろう」
「太るからいらない!」
「じゃあ俺と暁哉の分だけ買うか……」
「そんなのずるい! まこおじさん、お腹出てきてアキちゃんに嫌われても知らないからね!」
機嫌を取らないといけないのに、ますます機嫌を損ねてしまった。
つくづく自分は、こういうことが苦手だと思う。
榛名は大人なぶん、霧咲の子供じみたからかいには『もう……』とため息をついて諦めてくれるのだが、亜衣乃はそうはいかない。
霧咲の方が大人にならないといけないのだ。当然だが。
ちなみに霧咲は週一でジムに通っているため、今のところ腹が出る心配は全くしていない。
自分より10歳も若い恋人を満足させるため、それなりの努力は怠っていないのだ。
けど、亜衣乃にそれを言おうものならますます怒らせてしまうだろうと思い、そこは黙っていた。
「暁哉に確認してからだな、友達と食べてくるなら俺たちは今からここで食べよう。……ところで亜衣乃、最近おじさんのこと外でもパパって呼ばないんだな。前は呼ぶなって言っても呼んでたのに。もうすぐ本物の親子になるんだし、パパって呼んでも構わないんだぞ?」
もっとも、前も本気で呼ばれていたわけではなく、嫌がらせに近いニュアンスだったのだが。
「呼ぶなって言われて呼ぶのと、呼んでいいって言われて呼ぶのとじゃ全然違うのよ」
「何がどう違うんだ? ……まさか照れてるのか? 嘘だろ?」
大げさに驚いてやれば、亜衣乃はかぁっと顔を赤くした。
「もうまこおじさんうるさい! さっさとアキちゃんに連絡すれば!?」
「はいはい」
恋人をからかうのも楽しいが、小学生の姪をからかうのも楽しくてやめられない。
我ながら嫌な性格だと思うが、今更変えようとは思わない。
「あれ、暁哉からメールが来てるな。……!?」
「え、アキちゃんから? なんてなんて?」
”誠人さん、愛してますよ”
霧咲はそのメールを読んだ途端、画面に釘付けになってしまった。
真面目で照れ屋な恋人は、こういうメールを送ってきたことは今までに一度もない。
それがいきなりこんな愛がこもったメールを送ってくるなんて、一体どういう風の吹き回しなのだろうか。
「…………」
友人と何かあったとしか考えられない。
榛名が帰ったら、全部問い詰めようと思った。
勿論、亜衣乃が寝静まった頃に。
「もう、おじさんってばぁ!! 亜衣乃にもアキちゃんからのメール見せてよぉ!!」
亜衣乃は手を伸ばして霧咲のスマホを奪おうとするが、霧咲は絶対に亜衣乃の手が届かないところまで大人げなく腕を伸ばしてそれを阻止する。
そんな二人の行動は、映画を見に来ているその他大勢の客に見られていて遠巻きにクスクスと笑われているのだが、特に気にはならない。
「コレはダメだ。絶対に見せてやらない、減るからな」
「え、何が減るの? アキちゃんなんて書いてたの?」
「あー……今夜は亜衣乃が好きなハンバーグを作って待ってるから、晩御飯は食べずに帰ってこい、と」
「えっホント!? ……じゃあまこおじさん、亜衣乃のお腹が減るって言いたかったの? 亜衣乃、そこまで食いしん坊じゃないもん!」
亜衣乃は両頬をぷくっと膨らませて、どすどすと足音を立てながら霧咲に背を向けてエレベーターに向かって歩いていく。
なんとかうまく誤魔化せたが、更に機嫌を損ねてしまったようだ。
「亜衣乃、ケーキでも買って帰ろう」
「太るからいらない!」
「じゃあ俺と暁哉の分だけ買うか……」
「そんなのずるい! まこおじさん、お腹出てきてアキちゃんに嫌われても知らないからね!」
機嫌を取らないといけないのに、ますます機嫌を損ねてしまった。
つくづく自分は、こういうことが苦手だと思う。
榛名は大人なぶん、霧咲の子供じみたからかいには『もう……』とため息をついて諦めてくれるのだが、亜衣乃はそうはいかない。
霧咲の方が大人にならないといけないのだ。当然だが。
ちなみに霧咲は週一でジムに通っているため、今のところ腹が出る心配は全くしていない。
自分より10歳も若い恋人を満足させるため、それなりの努力は怠っていないのだ。
けど、亜衣乃にそれを言おうものならますます怒らせてしまうだろうと思い、そこは黙っていた。
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
魔性の男
久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕