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97 二宮、堂島の懺悔を聞く
堂島はぽつりぽつりと続けた。
今堂島が呑んでるビールは3缶目で、もうだいぶ酔いが回ってきているようだ。
「俺、榛名君が女だったら全然対象外っす。胸も尻もなさそうだし、物分り良すぎて退屈そうな女だなって思うし」
「お前、ガキだなぁ~」
堂島の言い分に、二宮は少し呆れた。
結婚相手を探すということはまだ全然考えていないらしい。自分も真剣に考えているわけではないけども。
あくまで、嫁にするなら榛名のようなタイプがいいというだけの与太話だ。
なのに、堂島の様子は少しおかしい。
「全然好みじゃねぇのに……榛名くんなんか」
「堂島?」
二宮の知っているMEの堂島はやたらと榛名に構いにいく。
そのせいで多少うざがられているというか、少し嫌われているんじゃないかとすら思っているのだが、何故急にこんなことを言いだすのだろう。
「二宮先輩、俺の懺悔を聞いてください……」
「あ?」
二宮が返事をする前に、堂島は勝手にべらべらと話していった。
「俺、霧咲先生の歓迎会の時、トイレで榛名くんのこと襲っちゃったんス……介抱してあげるつもりで近づいて、個室ん中押し込んで鍵しめて」
「え、ちょっと待てお前、何してんの?」
「だから聞いてくださいよぉ! 反省してるんッスから……あ、襲ったって言っても抱きしめただけっすよ? すぐ霧咲先生がヒーローみたいに助けに来たし……榛名くんゲロ臭かったからキスもしてねぇし」
「お前……最低だな」
「分かってますよぉ!」
酔っているとはいえ、なんというカミングアウトをかましてくれるのだ。
しかし、あの時榛名がトイレに行ったあと戻って来なかった理由と、堂島がそのまま帰ってしまった理由が大体分かった。
霧咲が様子を見に行ったあと、なかなか帰ってこなかった理由も。
「なんで俺、あんなことしちゃったんだろ。榛名くんなんて全然好みじゃねぇのに、っつか男だしさ、霧咲先生とデキてるってことも知ってたのに、なんでだろ、なんかイジメたくなっちゃって……」
自分はそのことは榛名から直接聞いていた。(ちょっとした事故だったが)
クリスマス前、霧咲が結婚しているという榛名の勘違いで2人は拗れに拗れたが、今は誤解も解けて仲良くしているということも正月明けにわざわざ報告してもらっている。
堂島も知っていたのか、いや、そんな現場に居たのなら知ってて当たり前なのか。
しかし、いつから知っていたのだろう。
同僚で看護師の若葉や富永が二人を見てお似合いだのなんだのとキャーキャー騒いでいたことは知っていたが、まさか本当に付き合っているとは二宮は思っていなかったのだ。
「興味もねぇのに男同士のヤリ方とかネットで調べたら、すげー気持ち良くてもう女なんてどうでもよくなるとか書いてあったんす、で、榛名くんとならヤレそーだなとか思って」
「お前……本当に最低だなぁ」
堂島がどこまで本気なのかは分からないが、二宮はシミジミとしながら言った。
「ええ、ええ、俺は最低なんですよ! もっと罵ってください……透析室で俺に真剣に怒ってくれるのって二宮先輩だけじゃないっすか……富永さんはたまにチクチク酷いこと言いますけどぉ、有坂ちゃんと一緒になって」
「ドМかよ。それにあの二人は榛名さんが大好きだからな」
というか、透析室で榛名を嫌っているスタッフなど一人もいない。
知識も技術もあるし、世話好きで少し厳しいところが逆に患者に評判で、まだ若くて更に男なのに女性中心の職場で主任という大役を文句ひとつ言わずに務め上げている。
榛名は二宮よりも三つ年下だが、その徹底して真面目な仕事ぶりは普通に尊敬しているのだ。
霧咲の歓迎会以前は、仕事以外で話したことはあまりなかったけれど、思い切って話しかけて良かったと思っている。
今堂島が呑んでるビールは3缶目で、もうだいぶ酔いが回ってきているようだ。
「俺、榛名君が女だったら全然対象外っす。胸も尻もなさそうだし、物分り良すぎて退屈そうな女だなって思うし」
「お前、ガキだなぁ~」
堂島の言い分に、二宮は少し呆れた。
結婚相手を探すということはまだ全然考えていないらしい。自分も真剣に考えているわけではないけども。
あくまで、嫁にするなら榛名のようなタイプがいいというだけの与太話だ。
なのに、堂島の様子は少しおかしい。
「全然好みじゃねぇのに……榛名くんなんか」
「堂島?」
二宮の知っているMEの堂島はやたらと榛名に構いにいく。
そのせいで多少うざがられているというか、少し嫌われているんじゃないかとすら思っているのだが、何故急にこんなことを言いだすのだろう。
「二宮先輩、俺の懺悔を聞いてください……」
「あ?」
二宮が返事をする前に、堂島は勝手にべらべらと話していった。
「俺、霧咲先生の歓迎会の時、トイレで榛名くんのこと襲っちゃったんス……介抱してあげるつもりで近づいて、個室ん中押し込んで鍵しめて」
「え、ちょっと待てお前、何してんの?」
「だから聞いてくださいよぉ! 反省してるんッスから……あ、襲ったって言っても抱きしめただけっすよ? すぐ霧咲先生がヒーローみたいに助けに来たし……榛名くんゲロ臭かったからキスもしてねぇし」
「お前……最低だな」
「分かってますよぉ!」
酔っているとはいえ、なんというカミングアウトをかましてくれるのだ。
しかし、あの時榛名がトイレに行ったあと戻って来なかった理由と、堂島がそのまま帰ってしまった理由が大体分かった。
霧咲が様子を見に行ったあと、なかなか帰ってこなかった理由も。
「なんで俺、あんなことしちゃったんだろ。榛名くんなんて全然好みじゃねぇのに、っつか男だしさ、霧咲先生とデキてるってことも知ってたのに、なんでだろ、なんかイジメたくなっちゃって……」
自分はそのことは榛名から直接聞いていた。(ちょっとした事故だったが)
クリスマス前、霧咲が結婚しているという榛名の勘違いで2人は拗れに拗れたが、今は誤解も解けて仲良くしているということも正月明けにわざわざ報告してもらっている。
堂島も知っていたのか、いや、そんな現場に居たのなら知ってて当たり前なのか。
しかし、いつから知っていたのだろう。
同僚で看護師の若葉や富永が二人を見てお似合いだのなんだのとキャーキャー騒いでいたことは知っていたが、まさか本当に付き合っているとは二宮は思っていなかったのだ。
「興味もねぇのに男同士のヤリ方とかネットで調べたら、すげー気持ち良くてもう女なんてどうでもよくなるとか書いてあったんす、で、榛名くんとならヤレそーだなとか思って」
「お前……本当に最低だなぁ」
堂島がどこまで本気なのかは分からないが、二宮はシミジミとしながら言った。
「ええ、ええ、俺は最低なんですよ! もっと罵ってください……透析室で俺に真剣に怒ってくれるのって二宮先輩だけじゃないっすか……富永さんはたまにチクチク酷いこと言いますけどぉ、有坂ちゃんと一緒になって」
「ドМかよ。それにあの二人は榛名さんが大好きだからな」
というか、透析室で榛名を嫌っているスタッフなど一人もいない。
知識も技術もあるし、世話好きで少し厳しいところが逆に患者に評判で、まだ若くて更に男なのに女性中心の職場で主任という大役を文句ひとつ言わずに務め上げている。
榛名は二宮よりも三つ年下だが、その徹底して真面目な仕事ぶりは普通に尊敬しているのだ。
霧咲の歓迎会以前は、仕事以外で話したことはあまりなかったけれど、思い切って話しかけて良かったと思っている。
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