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〃
バスとタクシーを乗り継いで、今夜泊まる予定のホテルにはあっさりと着くことができた。
女性二人は何度か箱根に来たことがあるようで土地勘があり、移動も慣れているらしい。
地図を見ないと右も左も分からない榛名には、それも有難かった。
榛名と亜衣乃はタクシーを降りると、彼女たちに深々と頭を下げた。
「本当に本当に、有難うございました!」
「ありがとうございました!」
「いいえ~! 災難でしたけど、残りの旅行も楽しんでくださいね」
「箱根って何回来ても楽しいですから、また是非!」
女性二人はこれから自分達の宿泊先に向かうらしく、榛名はお礼も兼ねてタクシー代を多く手渡した。
勿論遠慮されたが、ここは譲れないと押し切った。
そして、タクシーが見えなくなるまで見守り、亜衣乃は手を振って見送った。
「……いい人達だったね」
「うん! 警察のおじさんにはムカついたけど、あのお姉ちゃんたちも、倒れたおばあさんも優しかった。無事だといいな……」
「そうだね……」
少ししんみりしたところで、榛名の携帯が震えだした。
「!」
「まこおじさんから!?」
「うん! ……もしもし?」
『もしもし、暁哉?』
さっきまで一緒に居たのに、声を聞いただけで榛名は心底ホッとした。
『もうホテルには着いた?』
「はい、今着いたところです。まだ中には入ってませんけど」
『そう。俺は今から病院を出るよ。タクシーで直接ホテルに向かうから、着くのはだいたい30分後くらいかな。部屋で待っててくれても構わないよ』
「いえ、30分程度ならロビーで待ってます」
せっかく一緒に旅行に来たのだから、ホテルの部屋も一緒に入りたいと思ったのだ。
すると亜衣乃が、榛名の服の裾を引っ張った。
「アキちゃん、電話代わって!」
「え? はい」
『亜衣乃、どうした?』
「もぉ~っまこおじさん! あれから亜衣乃たちね、すっごくすっごく大変な目に遭ったんだからぁ!! 詳しいことはあとで話すけど!」
『え、大変な目!? なんだそれは、今すぐ話しなさい!』
「聞きたかったら急いで来てね! じゃっ!」
『ちょっ、こら亜衣乃! もう一度暁哉に代わっ』
霧咲が言い終る前に、亜衣乃は勝手に電話を切った。
「……」
「切っちゃった!」
亜衣乃は、いたずらっ子のような顔で笑いながら榛名に携帯を手渡した。
「今、俺に代われって言われてなかった……?」
「言ってたけど、お話してるより早く来てくれた方がいいもの」
「まあそうだね……あ。また掛かってきた」
「アキちゃん、言ったらダメだからね!」
「んー……」
榛名はどうしようかと迷ったが(ただ一言、職質されたと言えば察してくれるのだろうが)亜衣乃が直接話したそうだったので、今一度掛けてきた霧咲には申し訳なく思ったが、大したことはないと誤魔化したのだった。
女性二人は何度か箱根に来たことがあるようで土地勘があり、移動も慣れているらしい。
地図を見ないと右も左も分からない榛名には、それも有難かった。
榛名と亜衣乃はタクシーを降りると、彼女たちに深々と頭を下げた。
「本当に本当に、有難うございました!」
「ありがとうございました!」
「いいえ~! 災難でしたけど、残りの旅行も楽しんでくださいね」
「箱根って何回来ても楽しいですから、また是非!」
女性二人はこれから自分達の宿泊先に向かうらしく、榛名はお礼も兼ねてタクシー代を多く手渡した。
勿論遠慮されたが、ここは譲れないと押し切った。
そして、タクシーが見えなくなるまで見守り、亜衣乃は手を振って見送った。
「……いい人達だったね」
「うん! 警察のおじさんにはムカついたけど、あのお姉ちゃんたちも、倒れたおばあさんも優しかった。無事だといいな……」
「そうだね……」
少ししんみりしたところで、榛名の携帯が震えだした。
「!」
「まこおじさんから!?」
「うん! ……もしもし?」
『もしもし、暁哉?』
さっきまで一緒に居たのに、声を聞いただけで榛名は心底ホッとした。
『もうホテルには着いた?』
「はい、今着いたところです。まだ中には入ってませんけど」
『そう。俺は今から病院を出るよ。タクシーで直接ホテルに向かうから、着くのはだいたい30分後くらいかな。部屋で待っててくれても構わないよ』
「いえ、30分程度ならロビーで待ってます」
せっかく一緒に旅行に来たのだから、ホテルの部屋も一緒に入りたいと思ったのだ。
すると亜衣乃が、榛名の服の裾を引っ張った。
「アキちゃん、電話代わって!」
「え? はい」
『亜衣乃、どうした?』
「もぉ~っまこおじさん! あれから亜衣乃たちね、すっごくすっごく大変な目に遭ったんだからぁ!! 詳しいことはあとで話すけど!」
『え、大変な目!? なんだそれは、今すぐ話しなさい!』
「聞きたかったら急いで来てね! じゃっ!」
『ちょっ、こら亜衣乃! もう一度暁哉に代わっ』
霧咲が言い終る前に、亜衣乃は勝手に電話を切った。
「……」
「切っちゃった!」
亜衣乃は、いたずらっ子のような顔で笑いながら榛名に携帯を手渡した。
「今、俺に代われって言われてなかった……?」
「言ってたけど、お話してるより早く来てくれた方がいいもの」
「まあそうだね……あ。また掛かってきた」
「アキちゃん、言ったらダメだからね!」
「んー……」
榛名はどうしようかと迷ったが(ただ一言、職質されたと言えば察してくれるのだろうが)亜衣乃が直接話したそうだったので、今一度掛けてきた霧咲には申し訳なく思ったが、大したことはないと誤魔化したのだった。
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