4 / 76
4 礼二郎の女性事情
しおりを挟む
「――ところで礼二郎、なんか目元が赤いけど泣いた?」
「え? うん」
池永の質問があまりにも唐突で自然だったため、礼二郎は思わず正直に肯定してしまった。少し焦ったが、もう遅い。
「え!? 電車で何かあったのか!?」
「え、えーっと……窓に映った自分の姿がカッコよすぎてつい涙が出たっていうか」
「はぁ?」
流石にこの言い訳は苦しかっただろうか。自分で自分に見とれてしまうほど礼二郎がカッコイイのは事実──だと思っている──として。
礼二郎は訝しげな顔で見てくる池永の視線に背中に汗をかきながらも、目を逸らさなかった。
「ハハッ! お前って本ッ当に面白いな~礼二郎!」
なんとか誤魔化せたらしい。
バシバシと背中を叩かれて少々痛かったが、こっちも嘘で誤魔化したのだからしょうがなく受け入れた。
「礼二郎って普通にめちゃくちゃイケメンなのに、そういう発言で台無しだよな! まー男としては付き合いやすいけど」
「台無し!?」
それはちょっと聞き捨てならない。
礼二郎は霊とゴキ〇リが人よりもちょっと苦手なだけで、それ以外に自分に欠点は存在しないと思っているのだ。
「だってお前彼女いねぇじゃん。それにまだ童貞だろ?」
「うぐっ……! かっ、彼女なんていなくても、俺がパーフェクトなイケメンという事実は変わらな~い!!」
(童貞だというのも関係ない!! 事実だけど!!)
拳をグッと握りしめて高らかにそう言い返したが、池永はそんな礼二郎の言葉をさっと流して言った。
「ところで今夜、バイトないよな?」
「うん」
「合コンしよーぜ♡ ちえりちゃんにお前のこと絶対連れてこいって言われてんだ!」
「えー……またか」
礼二郎は合コンがあまり好きではない。
まだ19なので酒も飲めないし、初対面の異性と話すのも実は苦手だ。
だからなのか、つい女性にヒかれるような言動や行動を無意識でとってしまうところがあるのは否めない。(しかしあくまで無意識である)
先程の女性たちのように、遠くから『あの人カッコイイね♡」と言われるだけなら物凄く気持ちいいのだが。
「ごめんごめん、礼二郎は合コンしても女のコお持ち帰り出来ねぇもんな~。でも来てくれるだけでいいからさ。俺がお前の分も奢るから! タダ飯食いに来るつもりで。な? それならいいだろ?」
「池永お前、俺をバカにしてるだろう」
礼二郎は、超超超不本意だが、仲のいい友人たちからは勃起不全──つまり、EDだと思われている。勿論それは事実ではない。
「正直少しだけな? やっぱ若いオトコとしてはさぁ」
「もう絶対に行かない。バイトのシフト変えてもらう」
「え!? ごめんって礼二郎! 謝るから! 俺たち友達だろ~!?」
「お前なんかもう友達じゃない」
「礼二郎~~!! 悪かったって~!!」
今まで何度か肉食女子にラブホにお持ち帰りされ、そういう状況になったことはある。高校時代、彼女に誰も居ない家に呼ばれたことも。
しかし毎回毎回コトに及ぼうとすると、急に霊が現れるのだ。部屋の隅、窓の外、天井、寝そべっている彼女の真横、などなど。
礼二郎は恐怖のあまり勃起するどころではなく、怯えて泣いて逃げだした。
相手には男のくせにピュアすぎるとドン引きされたり──礼二郎が行為に怯えて逃げたと勘違いしたらしい。まあそうやろ──その後はものの見事に全員に振られた。
やはり女性は皆、強い男に守って貰いたい願望があるようで、いくらカッコよくても行為の前に泣き出してしまうような礼二郎は『申し訳ないけど……』というわけだ。
そんなわけで、礼二郎は現在でもピッカピカの童貞なのだった。(ちなみに自家発電中は霊は一切出ない)
よくエッチなことをしていると霊が寄ってこないなんて言われているが、それは嘘だと礼二郎は思った。霊、めっちゃ来る。
そして後日、『礼二郎君ってカッコイイけど、アッチの方はまるで役立たずだったわーww』とバラされ、それ以来友人達(♂)は礼二郎にとても優しくしてくれる。(女子には観賞用イケメンとして認知されている)
「え? うん」
池永の質問があまりにも唐突で自然だったため、礼二郎は思わず正直に肯定してしまった。少し焦ったが、もう遅い。
「え!? 電車で何かあったのか!?」
「え、えーっと……窓に映った自分の姿がカッコよすぎてつい涙が出たっていうか」
「はぁ?」
流石にこの言い訳は苦しかっただろうか。自分で自分に見とれてしまうほど礼二郎がカッコイイのは事実──だと思っている──として。
礼二郎は訝しげな顔で見てくる池永の視線に背中に汗をかきながらも、目を逸らさなかった。
「ハハッ! お前って本ッ当に面白いな~礼二郎!」
なんとか誤魔化せたらしい。
バシバシと背中を叩かれて少々痛かったが、こっちも嘘で誤魔化したのだからしょうがなく受け入れた。
「礼二郎って普通にめちゃくちゃイケメンなのに、そういう発言で台無しだよな! まー男としては付き合いやすいけど」
「台無し!?」
それはちょっと聞き捨てならない。
礼二郎は霊とゴキ〇リが人よりもちょっと苦手なだけで、それ以外に自分に欠点は存在しないと思っているのだ。
「だってお前彼女いねぇじゃん。それにまだ童貞だろ?」
「うぐっ……! かっ、彼女なんていなくても、俺がパーフェクトなイケメンという事実は変わらな~い!!」
(童貞だというのも関係ない!! 事実だけど!!)
拳をグッと握りしめて高らかにそう言い返したが、池永はそんな礼二郎の言葉をさっと流して言った。
「ところで今夜、バイトないよな?」
「うん」
「合コンしよーぜ♡ ちえりちゃんにお前のこと絶対連れてこいって言われてんだ!」
「えー……またか」
礼二郎は合コンがあまり好きではない。
まだ19なので酒も飲めないし、初対面の異性と話すのも実は苦手だ。
だからなのか、つい女性にヒかれるような言動や行動を無意識でとってしまうところがあるのは否めない。(しかしあくまで無意識である)
先程の女性たちのように、遠くから『あの人カッコイイね♡」と言われるだけなら物凄く気持ちいいのだが。
「ごめんごめん、礼二郎は合コンしても女のコお持ち帰り出来ねぇもんな~。でも来てくれるだけでいいからさ。俺がお前の分も奢るから! タダ飯食いに来るつもりで。な? それならいいだろ?」
「池永お前、俺をバカにしてるだろう」
礼二郎は、超超超不本意だが、仲のいい友人たちからは勃起不全──つまり、EDだと思われている。勿論それは事実ではない。
「正直少しだけな? やっぱ若いオトコとしてはさぁ」
「もう絶対に行かない。バイトのシフト変えてもらう」
「え!? ごめんって礼二郎! 謝るから! 俺たち友達だろ~!?」
「お前なんかもう友達じゃない」
「礼二郎~~!! 悪かったって~!!」
今まで何度か肉食女子にラブホにお持ち帰りされ、そういう状況になったことはある。高校時代、彼女に誰も居ない家に呼ばれたことも。
しかし毎回毎回コトに及ぼうとすると、急に霊が現れるのだ。部屋の隅、窓の外、天井、寝そべっている彼女の真横、などなど。
礼二郎は恐怖のあまり勃起するどころではなく、怯えて泣いて逃げだした。
相手には男のくせにピュアすぎるとドン引きされたり──礼二郎が行為に怯えて逃げたと勘違いしたらしい。まあそうやろ──その後はものの見事に全員に振られた。
やはり女性は皆、強い男に守って貰いたい願望があるようで、いくらカッコよくても行為の前に泣き出してしまうような礼二郎は『申し訳ないけど……』というわけだ。
そんなわけで、礼二郎は現在でもピッカピカの童貞なのだった。(ちなみに自家発電中は霊は一切出ない)
よくエッチなことをしていると霊が寄ってこないなんて言われているが、それは嘘だと礼二郎は思った。霊、めっちゃ来る。
そして後日、『礼二郎君ってカッコイイけど、アッチの方はまるで役立たずだったわーww』とバラされ、それ以来友人達(♂)は礼二郎にとても優しくしてくれる。(女子には観賞用イケメンとして認知されている)
10
あなたにおすすめの小説
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる