マイダーリン、この世の全ての怖いものから俺を守ってくれ!!!

すずなりたま

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42 同衾の誘い

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「あ、あのね礼二郎。狭いベッドで引っ付いて寝たら、いくら紳士な俺でも――」
「狭いのは謝る! でも俺そんなに寝相悪くないから大丈夫だってば!! あ、じゃあもう床で一緒に寝よ? それならいい!?」

 いいことを思いついたぞ!! という顔で 礼二郎はそう提案した。

「ど、どうしてそんなに俺と同衾したいの……? 今日は襲うつもりないけど、もしかして襲われるかもっていう心配は」
「そんなの一人寝が怖いからに決まってるだろ――!!!!!」

 何かブツブツ言ってる柴を遮って、礼二郎は大声で主張した。

「京介、責任取るって言ったよな?」
「い、言いました」
「俺を守ってくれるって言ったよな!?」
「い、言いました……」
「じゃあ一緒に寝て?   ダーリン!!」

 礼二郎は柴のスウェットを掴み、上目遣いでそう言った。柴は今すぐ礼二郎を押し倒したいという衝動を押さえ、思わず鼻血が垂れそうな鼻も押さえて、

「ハイ……」

 と、蚊の泣くような声で返事をした。



 泊まりの道具を何も持ってきていなかったので、柴はいったん自分の部屋に戻り、歯磨きやら明日の着替えの用意なんかをしていた。ちなみに礼二郎もくっついて柴宅に来ている。(一瞬でも離れたら霊が来るかもしれないからだ。そういう展開はホラー映画ではお約束である)
 ただし今度は部屋に上がるのが怖いので、玄関までだった。外の通路ではまだ警察関係者がウロついている。

「京介ぇ~まだぁ~?」
「もうちょっとだから先に部屋戻ってなよ」
「絶対に嫌だッッ!!」
「(笑)」





「お待たせ、礼二郎」
「待った! さ、俺の部屋へ行こう!」
「分かったから引っ張らないで~……」

   柴はわりとデリケートらしく、マイ枕を持参していた。すぐ隣の部屋に移動するだけなのに、礼二郎は柴を逃がさんとばかりに腕に絡みついている。
 すると通路で、さっきの刑事二人とすれ違った。どうやらそろそろ撤収するらしい。

「あれ、君達。……今夜は一緒に寝るの?」

 若い刑事は柴が小脇に抱えた枕を目敏く見て、そう聞いてきた。礼二郎は少ししどろもどろになりながらも、正直に答える。

「は、ハイ。ちょっと今夜は一人寝が怖すぎるので……!」
「ふーん、君達そういう関係だったのかぁ」
「? お仕事お疲れ様でした!」
「うん。まだ仕事中の人もいるから、あまり大きな声は出さないようにねぇ」
「? ハイ」

 礼二郎は素直に返事をした。刑事二人はひらひらと手を振り、通路突き当りのエレベーターに乗り込んだ。

「……なんか、バレちゃったね」
「うん、俺が怖くて一人で寝れないことが警察にバレたな……堂々としててもやっぱり少し恥ずかしいよ」
「(そっちじゃない)」

 柴は声に出してツッコまなかった。
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