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44 そんな君が好き
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「ご、ごめん。俺、勉強も運動も得意だけど、そのテのことだけはよく分からない……自分には関係ないからってわざと避けてたのもあって……だから、京介が俺の事嫌になったらいつでも――」
振っていいから。
そう言うつもりだったが、手で口を塞がれた。
「むぐ!?」
「そういうこと言わないで。それに俺は礼二郎が思っているより重い奴だから、絶対に俺から離れたりしないよ」
「……ぷはッ! で、でも今まで恋人とは自然消滅が多かったって――」
(言ってたじゃないか! だから俺の事だって……)
礼二郎は京介の手を引きはがすと強気で抗議した。自分もそうなりたいわけではないが、なんとなく気になっていたのだ。
「それは、相手が礼二郎じゃなかったからだよ」
「……え?」
「今までの俺に、超新星爆発は起こらなかったからね」
「あの、チョーシンセーバクハツって何だっけ……?」
京介はさっきからやたらと『爆発した』と表現しているが、それが礼二郎には意味がよく分からなかった。
「ん? んーと、……ガチな意味は太陽みたいに重たい恒星が、死に際に大爆発を起こすことだよ。──つまり、俺にはそれくらい衝撃的だったっていう比喩表現だね」
「な、何がそんなに衝撃だったんだ?」
「そりゃ、礼二郎の可愛さがだよ」
「!?!?」
(お、俺は今まで自分のことは美しいとかカッコイイと思っていたけど、京介みたいなクールな奴が自分で大爆発を起こしてしまうほど可愛かったのか……!? 知らなかったぁぁ!!)
礼二郎の目から鱗がボロボロと落ちた。
さっきまでは顔を赤くしてあやうい色気を醸していたというのに、それが一気に消え去ったいつもの礼二郎が可笑しくて可愛くて、京介は静かに笑った。
礼二郎は同じ布団の中で、メガネを外した京介のやや切れ長の目をキラキラした瞳で見つめながら言った。
「俺、自分が美しくてカッコイイことなら超知ってたけど、まさか可愛いもあるなんて知らなかったよ! 目から鱗だ」
「知ってるのは俺だけでいいんだけどね。でも礼二郎の周囲の人間はみんな、礼二郎が可愛いってこと知ってるよ」
「マジか……!」
(つまり、家族も友達もバイト先の人も全員、俺を可愛いと思っているということか! 俺って本当に罪な男だな……!!)
「……でも、礼二郎の本当に可愛い顔を見せてもらうのは俺だけだから」
「うん?」
「今から、楽しみにしてるよ」
(俺の、本当に可愛い顔?)
それは何だ。つまり今の自分は真実可愛くはない、ということだろうか? 礼二郎には京介の言葉の意味が分からない。
分からないが――考えていたら、だんだん眠くなってきた。
「ほら、明日の講義は何時から? もう寝ないと起きられないよ」
「んぅ……また、一コマ目から……」
「礼二郎って珍しいよね、普通そんなに朝早くから講義入れてる奴ってあんまりいなくない?」
京介のおっとりした低めの声は、耳に優しい。ずっと聴いていたいと思う。
「……俺、夜が苦手だから早く寝る方だし、そうすると朝が早いんだ……」
「なるほどね、朝型なんだ。じゃあ俺も礼二郎に合わせようっと」
「京介は、じふんの好きな時間に寝て……おきて……」
礼二郎の綺麗な二重瞼がゆっくりと閉じられていく。今夜はレトルトだがご飯もしっかり食べたし、お隣の件で精神的に疲れたし、恋人と同衾していてあったかい。
すぐにでも眠れる要素が、こんなにも揃っている。
「おやすみ、礼二郎。これからよろしくね」
京介は返事をしなくなった礼二郎の唇にそっとキスを落とし、暫くその美しい寝顔を堪能していた。
振っていいから。
そう言うつもりだったが、手で口を塞がれた。
「むぐ!?」
「そういうこと言わないで。それに俺は礼二郎が思っているより重い奴だから、絶対に俺から離れたりしないよ」
「……ぷはッ! で、でも今まで恋人とは自然消滅が多かったって――」
(言ってたじゃないか! だから俺の事だって……)
礼二郎は京介の手を引きはがすと強気で抗議した。自分もそうなりたいわけではないが、なんとなく気になっていたのだ。
「それは、相手が礼二郎じゃなかったからだよ」
「……え?」
「今までの俺に、超新星爆発は起こらなかったからね」
「あの、チョーシンセーバクハツって何だっけ……?」
京介はさっきからやたらと『爆発した』と表現しているが、それが礼二郎には意味がよく分からなかった。
「ん? んーと、……ガチな意味は太陽みたいに重たい恒星が、死に際に大爆発を起こすことだよ。──つまり、俺にはそれくらい衝撃的だったっていう比喩表現だね」
「な、何がそんなに衝撃だったんだ?」
「そりゃ、礼二郎の可愛さがだよ」
「!?!?」
(お、俺は今まで自分のことは美しいとかカッコイイと思っていたけど、京介みたいなクールな奴が自分で大爆発を起こしてしまうほど可愛かったのか……!? 知らなかったぁぁ!!)
礼二郎の目から鱗がボロボロと落ちた。
さっきまでは顔を赤くしてあやうい色気を醸していたというのに、それが一気に消え去ったいつもの礼二郎が可笑しくて可愛くて、京介は静かに笑った。
礼二郎は同じ布団の中で、メガネを外した京介のやや切れ長の目をキラキラした瞳で見つめながら言った。
「俺、自分が美しくてカッコイイことなら超知ってたけど、まさか可愛いもあるなんて知らなかったよ! 目から鱗だ」
「知ってるのは俺だけでいいんだけどね。でも礼二郎の周囲の人間はみんな、礼二郎が可愛いってこと知ってるよ」
「マジか……!」
(つまり、家族も友達もバイト先の人も全員、俺を可愛いと思っているということか! 俺って本当に罪な男だな……!!)
「……でも、礼二郎の本当に可愛い顔を見せてもらうのは俺だけだから」
「うん?」
「今から、楽しみにしてるよ」
(俺の、本当に可愛い顔?)
それは何だ。つまり今の自分は真実可愛くはない、ということだろうか? 礼二郎には京介の言葉の意味が分からない。
分からないが――考えていたら、だんだん眠くなってきた。
「ほら、明日の講義は何時から? もう寝ないと起きられないよ」
「んぅ……また、一コマ目から……」
「礼二郎って珍しいよね、普通そんなに朝早くから講義入れてる奴ってあんまりいなくない?」
京介のおっとりした低めの声は、耳に優しい。ずっと聴いていたいと思う。
「……俺、夜が苦手だから早く寝る方だし、そうすると朝が早いんだ……」
「なるほどね、朝型なんだ。じゃあ俺も礼二郎に合わせようっと」
「京介は、じふんの好きな時間に寝て……おきて……」
礼二郎の綺麗な二重瞼がゆっくりと閉じられていく。今夜はレトルトだがご飯もしっかり食べたし、お隣の件で精神的に疲れたし、恋人と同衾していてあったかい。
すぐにでも眠れる要素が、こんなにも揃っている。
「おやすみ、礼二郎。これからよろしくね」
京介は返事をしなくなった礼二郎の唇にそっとキスを落とし、暫くその美しい寝顔を堪能していた。
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