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番外編:プレゼント(1)
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本編の2年前の話です。
ーーールーク視点ーーー
今日は騎士団の全ての部隊が集まって全体訓練をしている。半年に一回しかないこの訓練は、ほかの部隊から刺激を受けるいい機会なのだが、うちの部隊長……ライト様はどこか上の空のようだ。ライト隊長は最年少で部隊長になられた天才だ。すでに、次期騎士団長にと言われているほど。だが、さっきからずっと木陰でなにか悩んでいる様子。このままだと直に……
「こら!ライト!」
「!!」
(あっやっぱり…)
「なにをずっと休んでおる!お前も訓練に参加せんか!」
「っはい!」
ライト隊長はすぐに剣を持って走っていく。
「まったく、あいつはいつになっても変わらん」
さっきライト隊長を怒鳴りつけたのは騎士団長のバランさんだ。昔からライト隊長に稽古をつけてきたらしく、この国の王子であるライト隊長にあんな口のききかたができるのはバラン団長くらいだ。
「30分ほどの休憩とする!休憩後は実際に剣を交えた訓練をするから、しっかりと体を休めておくように!」
「「「「はい!!!!」」」」
(やっと一息つける)
周りを見渡して日陰を探していると、ライト隊長がまた考え事をしているのが目にはいる。
(隊長があそこまで悩んでいるのはめずらしい…)
自分たちの知らないところで、よほど大変なことが起きているのだろうか。自分では力になれないだろうが、隊長がなにに悩んでいるのか少し気になってしまう。
「ライト隊長!」
「ん?どうしたルーク」
「気のせいだったらすみませんが、なにか悩み事でも?今日はずっと考え事をしているように見えて……」
「あぁ……、なんでもない!心配かけたな!」
「ならいいのですが…」
やはり自分のようなただの隊員には言えないようなことだったか…。
「いや…ちょっと待てよ…?ルーク!お前確か妹がいたな?」
「はい。4つ歳下の妹がおりますけど…?」
妹のリゼは少し前にライト隊長の妹君であるミラ様の専属侍女となった。ミラ様のお側で働くようになってからは毎日楽しそうにしているのをよく見かける。
「そうか…」
「まさか…リゼがミラ様に失礼なことをいたしましたか!?」
だからこんなに悩んでいるのでは?
「いやいや、そんなことはない。カナリーゼはミラのためによく働いてくれている。」
「そうですか…それはよかったです。」
「そうだな、ルーク。やはり少し相談にのってもらえないだろうか?」
「私がお力になれることがあれば、なんなりとお申し付けください。」
「そう言ってくれると助かる。あまり誰にでも聞けるようなことではないからな…」
そんなに深刻なことなのだろうか。引き受けたからにはお力になれればいいが。
「ルーク……妹はなにをあげたら喜んでくれるのだろうか?」
「!?」
ーーールーク視点ーーー
今日は騎士団の全ての部隊が集まって全体訓練をしている。半年に一回しかないこの訓練は、ほかの部隊から刺激を受けるいい機会なのだが、うちの部隊長……ライト様はどこか上の空のようだ。ライト隊長は最年少で部隊長になられた天才だ。すでに、次期騎士団長にと言われているほど。だが、さっきからずっと木陰でなにか悩んでいる様子。このままだと直に……
「こら!ライト!」
「!!」
(あっやっぱり…)
「なにをずっと休んでおる!お前も訓練に参加せんか!」
「っはい!」
ライト隊長はすぐに剣を持って走っていく。
「まったく、あいつはいつになっても変わらん」
さっきライト隊長を怒鳴りつけたのは騎士団長のバランさんだ。昔からライト隊長に稽古をつけてきたらしく、この国の王子であるライト隊長にあんな口のききかたができるのはバラン団長くらいだ。
「30分ほどの休憩とする!休憩後は実際に剣を交えた訓練をするから、しっかりと体を休めておくように!」
「「「「はい!!!!」」」」
(やっと一息つける)
周りを見渡して日陰を探していると、ライト隊長がまた考え事をしているのが目にはいる。
(隊長があそこまで悩んでいるのはめずらしい…)
自分たちの知らないところで、よほど大変なことが起きているのだろうか。自分では力になれないだろうが、隊長がなにに悩んでいるのか少し気になってしまう。
「ライト隊長!」
「ん?どうしたルーク」
「気のせいだったらすみませんが、なにか悩み事でも?今日はずっと考え事をしているように見えて……」
「あぁ……、なんでもない!心配かけたな!」
「ならいいのですが…」
やはり自分のようなただの隊員には言えないようなことだったか…。
「いや…ちょっと待てよ…?ルーク!お前確か妹がいたな?」
「はい。4つ歳下の妹がおりますけど…?」
妹のリゼは少し前にライト隊長の妹君であるミラ様の専属侍女となった。ミラ様のお側で働くようになってからは毎日楽しそうにしているのをよく見かける。
「そうか…」
「まさか…リゼがミラ様に失礼なことをいたしましたか!?」
だからこんなに悩んでいるのでは?
「いやいや、そんなことはない。カナリーゼはミラのためによく働いてくれている。」
「そうですか…それはよかったです。」
「そうだな、ルーク。やはり少し相談にのってもらえないだろうか?」
「私がお力になれることがあれば、なんなりとお申し付けください。」
「そう言ってくれると助かる。あまり誰にでも聞けるようなことではないからな…」
そんなに深刻なことなのだろうか。引き受けたからにはお力になれればいいが。
「ルーク……妹はなにをあげたら喜んでくれるのだろうか?」
「!?」
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