幽現学園S

たけこゆき

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第1章 小さな体で

第8話 私の目はどこですか?

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「子供たちがキラキラしたものを見つけたといいながら、もっていってた。あれじゃないかしら」

上杉さんはそう言う。

「マジか!それむずいっしょ。」

と武田さん。

「うん…。わかった…。どうしよう…。」
「どうしても必要なのか?」
「いや…。あの、それは…。」
「はっきり言えよ、伝わらねえぞ」
「あれは私が人間だと思ってもらうために必要なの」

沙羅ちゃんと武田さんの話も終わったようだ。
よし、ならば行こう。
沙羅ちゃん、いや、沙羅。
大切なものを、私たちと取りに行こう。

「さがそうぜー!」

私がいいとこどりをする感じで声を上げる。

すると、

「おい!セリフ取るな!殴りとばすぞ!」
「力によるやり方は認めない。」
「力がなければ何もなすことはできない!」
「違う。大切なのは義だ。人を支える、支えあう心よ。」
「合わねえなあ」

上杉さんと武田さんが揉め始めた。
今かよっ!
こんなとこで揉め続けるわけにゃいけない。
つーわけで。
私が切り出すとしよう。

「そんなことより、取り返しに行くぞ!」
「だな!」

武田さんもそう言う。
よし決定だな。

「みんな、ありがとうありがとう…。」

沙羅も喜んでいるようだ。

時間はしばらく経ち、夕暮れ時となっていた。
見つからない、また明日探すか。と言ってたとき。
上杉さんが「あ」と声を上げた。

「あの子たちよ。赤い目を触っていた子たちは。」

なぜかうつむいている子供たちに私は声をかける。
子供たちは、暗い表情でこういった。

「取られた…。怖い大人の人に」

うーん。

「どっちへ行ったか分かるか?」

と武田さん。

「ダイヤモンドストリートの方へ…。」

あっちのほうに行ったのか。
向こうに何かあったっけ。

「宝石店があったわ。」

上杉さんが私の心を見透かしたかのように言った。

そいつはちょっとまずい展開だな。
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