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1.海賊令嬢参上
1.海賊令嬢参上
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1.海賊令嬢参上
海賊船の中は暗い。
陽の照らす甲板と暗い船内を行き来するから、目を痛めたりしないように、海賊は紫外線対策として、眼帯を付けたりする。
あるいは、バンダナをずらしたりするのだ。
その暗い暗い船内を、ブーツの音が“コツ、コツ、コツ”と響いている。
歩いているのは、薔薇のように赤い上着にバンダナを頭に巻いた金髪で長身の女だ。
その金髪は、暗い船内だというのに、まるで光を灯すかのように、輝いていた。
やがて暗かった廊下の先には、甲板へ上がる階段が見え、さらに先には、太陽が燦々と照らしている。
女は、その階段を、また、ブーツを“コツ、コツ”と鳴らし、歩を進める。
その時、“ドォーーーン”と、けたたましい大砲の音が聞こえた。
今まさに、この海賊船が、全力射撃をしているのだ。
普通、海賊船は略奪をするのだから、相手を鎮める全力射撃は行わない。
行わないことをしているということは、敵も、本船を沈めにきているということだ!
つまり……
相手は海軍なのだ!
海賊など殺しても構わないと思っている連中だ。
「一時の方向へ」と操舵手補助のイライザに指示をしているのは、閣下の一人の操舵手のエマリーだ。
その間も砲撃は続いている。
「スペインか?」と、金髪の女がエマリーに訪ねた。
「ええ、そうよ。ミーナ」
「だろうな」と、ミーナと呼ばれる女は苦笑した。
それもそのはず、先日、スペイン海軍の船を襲撃し、砲弾を頂いたのだから。
光り輝く金髪を潮風に靡かせ、ミーナと呼ばれる女は言った。
「スペイン海軍船は、食いついたか?」
「はい、お頭」とイライザが答えた、その時、ミーナは右腕を上げた。
それを見た船員達は、皆、手すりに捕まり腰を落としたのだ。
するとイライザは舵輪を回し、船は時計と反対方向に回りだす。
そして、この海賊船は斜めに傾き、下段の砲塔は水面ギリギリまで下がり、そこでの一斉射撃は、敵艦の喫水線付近へ、次々と着弾している。
つまり敵艦は、浸水に対応しないといけない。
航海士達は、船大工となり、浸水を止めるのだ。
そこに、
「よし、乗り込むぞ! エマリー」
「わかったわ、ミーナ」
マスケット銃にクロスボウで撃ち合ったあと、女海賊団は海軍船に乗込み、海軍船を占拠してしまった。
そして、航海士や船大工が浸水を防いでいる間に、火薬に砲弾にラム酒に砂糖など、売れるものはすべて頂くことにした。
「ほう、バターがたっぷりとあるわ」と、ミーナが言うと、まだ幼いクライネス・キンダーが、「お頭ぁ。クッキー! クッキーを焼こうよ」とはしゃいでいる。
「そうね。たっぷり頂いて行きましょうか」
「わーい。クッキー!」
海兵たちが浸水の修理が終わったら、こちらを攻撃してくるかもしれないので、甲板には火を付けて、次の仕事を与えておく。
海兵達が、甲板の火を消している間に、女海賊達は、あっと言う間に水平線の彼方に消えて行ったのだ……
太陽の沈まぬ帝国の前を、好き勝手に大西洋を横切る女海賊団。
彼女らは何者なのか?
そして、この金髪の長身の女は?
そう、この女こそは、“海賊令嬢”こと、ヴィルヘルミーナであった。
「このラム酒を売りに、伯父上の領地に行く」
「ミーナ、公爵様の領地へ行くのね」
次回の海賊令嬢は、フェロル港襲撃です。
海賊船の中は暗い。
陽の照らす甲板と暗い船内を行き来するから、目を痛めたりしないように、海賊は紫外線対策として、眼帯を付けたりする。
あるいは、バンダナをずらしたりするのだ。
その暗い暗い船内を、ブーツの音が“コツ、コツ、コツ”と響いている。
歩いているのは、薔薇のように赤い上着にバンダナを頭に巻いた金髪で長身の女だ。
その金髪は、暗い船内だというのに、まるで光を灯すかのように、輝いていた。
やがて暗かった廊下の先には、甲板へ上がる階段が見え、さらに先には、太陽が燦々と照らしている。
女は、その階段を、また、ブーツを“コツ、コツ”と鳴らし、歩を進める。
その時、“ドォーーーン”と、けたたましい大砲の音が聞こえた。
今まさに、この海賊船が、全力射撃をしているのだ。
普通、海賊船は略奪をするのだから、相手を鎮める全力射撃は行わない。
行わないことをしているということは、敵も、本船を沈めにきているということだ!
つまり……
相手は海軍なのだ!
海賊など殺しても構わないと思っている連中だ。
「一時の方向へ」と操舵手補助のイライザに指示をしているのは、閣下の一人の操舵手のエマリーだ。
その間も砲撃は続いている。
「スペインか?」と、金髪の女がエマリーに訪ねた。
「ええ、そうよ。ミーナ」
「だろうな」と、ミーナと呼ばれる女は苦笑した。
それもそのはず、先日、スペイン海軍の船を襲撃し、砲弾を頂いたのだから。
光り輝く金髪を潮風に靡かせ、ミーナと呼ばれる女は言った。
「スペイン海軍船は、食いついたか?」
「はい、お頭」とイライザが答えた、その時、ミーナは右腕を上げた。
それを見た船員達は、皆、手すりに捕まり腰を落としたのだ。
するとイライザは舵輪を回し、船は時計と反対方向に回りだす。
そして、この海賊船は斜めに傾き、下段の砲塔は水面ギリギリまで下がり、そこでの一斉射撃は、敵艦の喫水線付近へ、次々と着弾している。
つまり敵艦は、浸水に対応しないといけない。
航海士達は、船大工となり、浸水を止めるのだ。
そこに、
「よし、乗り込むぞ! エマリー」
「わかったわ、ミーナ」
マスケット銃にクロスボウで撃ち合ったあと、女海賊団は海軍船に乗込み、海軍船を占拠してしまった。
そして、航海士や船大工が浸水を防いでいる間に、火薬に砲弾にラム酒に砂糖など、売れるものはすべて頂くことにした。
「ほう、バターがたっぷりとあるわ」と、ミーナが言うと、まだ幼いクライネス・キンダーが、「お頭ぁ。クッキー! クッキーを焼こうよ」とはしゃいでいる。
「そうね。たっぷり頂いて行きましょうか」
「わーい。クッキー!」
海兵たちが浸水の修理が終わったら、こちらを攻撃してくるかもしれないので、甲板には火を付けて、次の仕事を与えておく。
海兵達が、甲板の火を消している間に、女海賊達は、あっと言う間に水平線の彼方に消えて行ったのだ……
太陽の沈まぬ帝国の前を、好き勝手に大西洋を横切る女海賊団。
彼女らは何者なのか?
そして、この金髪の長身の女は?
そう、この女こそは、“海賊令嬢”こと、ヴィルヘルミーナであった。
「このラム酒を売りに、伯父上の領地に行く」
「ミーナ、公爵様の領地へ行くのね」
次回の海賊令嬢は、フェロル港襲撃です。
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