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2.フェロル大西洋方面軍基地
2-3.サン・フェリペ城
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2-3.サン・フェリペ城
「イリーゼたちは、上手くやったようね」
「そうみたいね」
ヴィルヘルミーナの護衛隊長にして、エマリーの従姉妹のイリーゼは、ガレオン船から出て、別行動を取っているようだ。
別行動をとっているイリーゼは、先日、奪ったキャラベル型の商船の上にいた。
「エルメンヒルデ! 燃えるものは全部甲板に上げた?」
「えぇ、イリーゼ。これで全部よ」
「後は、このまま予定通りに!」
「そうね。予定通りに!」
「「ふふっ」」
さて、こちらはダニエル大佐のいるフェロル港だ。
フェロル港は、スペイン海軍の大西洋方面基地である。
その港は、こうなっている。
深い深い入り江の奥に軍港があり、入り江の入り口は、とても狭く、そこを通せんぼするかのように、サン・フェリペ城という要塞がある。
この要塞を突破しないとフェロル港を襲撃されることはないが、ここをふさがれると、世界を圧巻するスペイン海軍は出動できないのだ。
例えるなら、ルナツーのゲートで、マゼランが座礁しているようなものだ。ワッケイン、すまん。
「おい、間違いなのだな。イギリスの私掠船がまっすぐに、こっちに向かっているというのは?」
「はい、商船からの連絡がありました。大佐!」
「それは、どこの国の商船だ?」
「我がスペインです」
「うん、どういうことだ。私掠船は一隻で突っ込むのか?」と言った大佐だが、「警戒態勢を取れ。戦闘艦を警備にあたらせろ」と指示した。
「了解!」
ということは、フェロル港に待機中の戦闘艦は出港し、サン・フェリペ城要塞に集結している訳なのだ。
それを見ていたイリーゼは、エルメンヒルデに言った。
「どうやらガレアス船は出払ったみたいね」
「キャラックも出るようだ」
「まあ、当然ね」
「ええっと、要塞の前にキャラック船が20隻と……」
すると、「おい、そこの商船。停船せよ」と、イリーゼたちの乗る商船の前にスペイン海軍のキャラック船が近づいてきた。
「大佐、あの船が連絡を寄越した船です」
「うむ、事情を聴いて来い」
ボートで近づくべく、海兵がキャラック船から出て行った。
しかし、この商船には誰も乗っていなかった。
乗っていないどころか、出火し始めた。
そして、ついには、爆発し火花を飛ばし始めた。火薬でも積んでいたのだろう。
実は、この船に乗っていたイリーゼたちは、既にボートでこの海域から離れ、ヴィルヘルミーナたちとの合流ポイントまで移動していたのだ。
「お頭、バターはたっぷり塗っておきました」
「イリーゼ、よくやった。あとは、こんがり焼き上げるだけだ」
「 Zukunft号、全速前進!」と、ヴィルヘルミーナが叫んだ。
白いガレオン船のすべての帆が張られ、加速する。
「ダニエル大佐、大西洋から1隻、急速接近する船があります」
「“The key to the future”号だと思われます」
「海賊が、こんな時に来ただと!」
「ヤスミン。半カルバリン砲を散弾モードで撃て!」
「了解ッ。てぇーーーーッ」
“ドォォーーン”
“ドォォーーン”と言う音と共に、散弾の雨が入り江の入り口に降り注いだ。
半カルバリン砲を散弾で撃ったところで、戦闘艦にダメージを与えられるわけではない。
だが!
入り江の入り口一体が!
海面が燃え始めた!?
そこを無理やり通行したキャラック船の船首が爆発した。
「機雷だ」
そう、イリーゼとエルメンヒルデたちは、商船に乗り込み、入り江の入り口に機雷を流していたのだ。
この時代の機雷は、火薬を樽の中に入れ、バターを溶かし、樽の外から穴をふさいで密閉する。
そのバターに散弾の日の雨が降り注ぎ、着火し爆発する。
吹き飛んだバターは、海面で燃え続け、無理に通行すると、船の船首に付着するという厄介者だ。
海兵どもが火消しに慌ただしくなっている。
それを遠目に、悠々と白いガレオン船が航行していく。
「あれが、“The key to the future”号なのですか? 大佐?」
「いや、あれは、“Der Schlüssel zur Zukunft"号だ。以前、スペインで私掠船登録をしていたが、イギリスに寝返った。キーナ女海賊団だ」
と、怒りをあらわにしているダニエル大佐だが、入り江の入り口が、大火災を起こし、また、炎上した商船が、サン・フェリペ城へ突っ込もうとしている。
そんな海軍に女海賊団を追う余裕はなかった。
いや、入り江から出られなかった。
「いやぁ、ミーナちゃん。痛快やわぁ。マジで痛快やわぁ」
「上手く言ったわね。エマリー」
「ほんま、お好み焼きでも、焼いて食べたい気分やわ」
「お好み焼き……」
「イリーゼたちは、上手くやったようね」
「そうみたいね」
ヴィルヘルミーナの護衛隊長にして、エマリーの従姉妹のイリーゼは、ガレオン船から出て、別行動を取っているようだ。
別行動をとっているイリーゼは、先日、奪ったキャラベル型の商船の上にいた。
「エルメンヒルデ! 燃えるものは全部甲板に上げた?」
「えぇ、イリーゼ。これで全部よ」
「後は、このまま予定通りに!」
「そうね。予定通りに!」
「「ふふっ」」
さて、こちらはダニエル大佐のいるフェロル港だ。
フェロル港は、スペイン海軍の大西洋方面基地である。
その港は、こうなっている。
深い深い入り江の奥に軍港があり、入り江の入り口は、とても狭く、そこを通せんぼするかのように、サン・フェリペ城という要塞がある。
この要塞を突破しないとフェロル港を襲撃されることはないが、ここをふさがれると、世界を圧巻するスペイン海軍は出動できないのだ。
例えるなら、ルナツーのゲートで、マゼランが座礁しているようなものだ。ワッケイン、すまん。
「おい、間違いなのだな。イギリスの私掠船がまっすぐに、こっちに向かっているというのは?」
「はい、商船からの連絡がありました。大佐!」
「それは、どこの国の商船だ?」
「我がスペインです」
「うん、どういうことだ。私掠船は一隻で突っ込むのか?」と言った大佐だが、「警戒態勢を取れ。戦闘艦を警備にあたらせろ」と指示した。
「了解!」
ということは、フェロル港に待機中の戦闘艦は出港し、サン・フェリペ城要塞に集結している訳なのだ。
それを見ていたイリーゼは、エルメンヒルデに言った。
「どうやらガレアス船は出払ったみたいね」
「キャラックも出るようだ」
「まあ、当然ね」
「ええっと、要塞の前にキャラック船が20隻と……」
すると、「おい、そこの商船。停船せよ」と、イリーゼたちの乗る商船の前にスペイン海軍のキャラック船が近づいてきた。
「大佐、あの船が連絡を寄越した船です」
「うむ、事情を聴いて来い」
ボートで近づくべく、海兵がキャラック船から出て行った。
しかし、この商船には誰も乗っていなかった。
乗っていないどころか、出火し始めた。
そして、ついには、爆発し火花を飛ばし始めた。火薬でも積んでいたのだろう。
実は、この船に乗っていたイリーゼたちは、既にボートでこの海域から離れ、ヴィルヘルミーナたちとの合流ポイントまで移動していたのだ。
「お頭、バターはたっぷり塗っておきました」
「イリーゼ、よくやった。あとは、こんがり焼き上げるだけだ」
「 Zukunft号、全速前進!」と、ヴィルヘルミーナが叫んだ。
白いガレオン船のすべての帆が張られ、加速する。
「ダニエル大佐、大西洋から1隻、急速接近する船があります」
「“The key to the future”号だと思われます」
「海賊が、こんな時に来ただと!」
「ヤスミン。半カルバリン砲を散弾モードで撃て!」
「了解ッ。てぇーーーーッ」
“ドォォーーン”
“ドォォーーン”と言う音と共に、散弾の雨が入り江の入り口に降り注いだ。
半カルバリン砲を散弾で撃ったところで、戦闘艦にダメージを与えられるわけではない。
だが!
入り江の入り口一体が!
海面が燃え始めた!?
そこを無理やり通行したキャラック船の船首が爆発した。
「機雷だ」
そう、イリーゼとエルメンヒルデたちは、商船に乗り込み、入り江の入り口に機雷を流していたのだ。
この時代の機雷は、火薬を樽の中に入れ、バターを溶かし、樽の外から穴をふさいで密閉する。
そのバターに散弾の日の雨が降り注ぎ、着火し爆発する。
吹き飛んだバターは、海面で燃え続け、無理に通行すると、船の船首に付着するという厄介者だ。
海兵どもが火消しに慌ただしくなっている。
それを遠目に、悠々と白いガレオン船が航行していく。
「あれが、“The key to the future”号なのですか? 大佐?」
「いや、あれは、“Der Schlüssel zur Zukunft"号だ。以前、スペインで私掠船登録をしていたが、イギリスに寝返った。キーナ女海賊団だ」
と、怒りをあらわにしているダニエル大佐だが、入り江の入り口が、大火災を起こし、また、炎上した商船が、サン・フェリペ城へ突っ込もうとしている。
そんな海軍に女海賊団を追う余裕はなかった。
いや、入り江から出られなかった。
「いやぁ、ミーナちゃん。痛快やわぁ。マジで痛快やわぁ」
「上手く言ったわね。エマリー」
「ほんま、お好み焼きでも、焼いて食べたい気分やわ」
「お好み焼き……」
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