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第一章 過去から来た者たち
12.ドイツ騎士団が来る
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「道を開けろ!」
「下がって!」
「ドイツ騎士団だ。道を開けろ」
なんと、今日の駐在騎士はドイツ騎士団だったのか……
あの東方で人間狩りを行ったので有名な、あの野蛮な集団が取り調べるのか……
そう、ドイツ騎士団と言えば、ドイツ三大殺戮の一つに数えられる悪行を行った集団だ。
何を持って三大と言うかは、個人差があるだろうが、一つは、20世紀のあれだ。
あと二つのうち、一つは、魔女狩り。
今でも、ドイツ近郊では、魔女の話はタブーだ。
最後に、ドイツ騎士団の人間狩りがあげられるだろう。
そう、北の十字軍と言う名目で、異教徒に対し人間狩りを行った集団だ。
そんな恐ろしい連中が帝都の駐在騎士をしていたとは。
そして、その恐ろしい騎士団は、実は、私の……
すると、隊長らしき騎士と部下の二人が、こちらにやってきて、ベルギー人を取り押さえ縄をかけた。
「もう安心です」と言うも、この光景がおかしいことは理解しているので、「お話を聞かせていただきたい」と。
「ええ、もちろんですわ」と、私は顔を上げると、周りの野次馬が驚いている。いや、恐怖している。
隊長も、顔が引き締まったので、何かおかしいとは思った。
「隊長、男の手は折れています」
「「……」」
隊長は、「そうか」と言うと、うちの馬車の家紋を確認したようだ。
もう、私は名前を隠すことは出来ないだろうし、狭い貴族社会では、格好の噂話になるだろう。
「ヴィルヘルミーナ嬢、中に入りましょう」と言うと、一度、馬車の中に入ることになった。
すでに、名前まで知られているでは……
状況説明のため、アンにも来てもらい、説明をお願いした。
その間、部下の駐在騎士たちが、大衆に聞き取りをしていたようだ。
アンの説明が終わると、隊長は苦笑しながら「さすが総長の姪ッ子だけありますな。目つきがそっくりでした。まるで鷹のようです」と言う。
そう。
そうなのだ。
私たちは、ホーエンツォレルン家の本家から捨てられた分家で、ドイツ騎士団の総長をさせられている家系なのだ。
だから、祖父も総長をしていた。
そして、本家から捨てられた存在なので、みすぼらしく、ポーランド貴族から失笑を買っている。
何故、ポーランド?
それは、帝国からも本家からも見捨てられて、過去の人間狩りの責任や不名誉を一手に負わされている。
その代償として、ポーランド王の臣下になることで、罪を許されたということだ。
なので、ぜいたくは許されないという環境なのだが、次男の父は、後を継げないから上手く文官になり、プラハで本家とも文官貴族とも交流をした次第だ。
「隊長様、お嬢様が、裁かれることはあるのでしょうか? もしそのようなことに」
「大丈夫です。元総長のお孫様に不名誉なことが無いようにいたします。それに大勢の者が見ておりますので、証拠も挙がるでしょう」
「それは良かったです」
それを聞いて安堵したが、私が、ドイツ騎士団と濃いつながりがあることを実感させられた。
ライン川の畔にいると、そんなことは、無関係だと思っていたのだけれど。
ああ、ローレライが恋しいわ。
しばしの時間が経ち、私もアンも、落ち着いて馬車から降りることが出来た。
すると、大衆からは、拍手が起こっていた。それは、私達に向けられたものではない。騎士団にだ。
「さすが、ドイツ騎士団だぜ」と言う感じであった。
どうやら、騎士団の応急処置が素晴らしく、ベルギー人を手当てしたようだ。
私を狙ったベルギー人は、病院で隔離した後、聞き取り調査を受けることになる。
すると、黒幕が分かるのか?
「下がって!」
「ドイツ騎士団だ。道を開けろ」
なんと、今日の駐在騎士はドイツ騎士団だったのか……
あの東方で人間狩りを行ったので有名な、あの野蛮な集団が取り調べるのか……
そう、ドイツ騎士団と言えば、ドイツ三大殺戮の一つに数えられる悪行を行った集団だ。
何を持って三大と言うかは、個人差があるだろうが、一つは、20世紀のあれだ。
あと二つのうち、一つは、魔女狩り。
今でも、ドイツ近郊では、魔女の話はタブーだ。
最後に、ドイツ騎士団の人間狩りがあげられるだろう。
そう、北の十字軍と言う名目で、異教徒に対し人間狩りを行った集団だ。
そんな恐ろしい連中が帝都の駐在騎士をしていたとは。
そして、その恐ろしい騎士団は、実は、私の……
すると、隊長らしき騎士と部下の二人が、こちらにやってきて、ベルギー人を取り押さえ縄をかけた。
「もう安心です」と言うも、この光景がおかしいことは理解しているので、「お話を聞かせていただきたい」と。
「ええ、もちろんですわ」と、私は顔を上げると、周りの野次馬が驚いている。いや、恐怖している。
隊長も、顔が引き締まったので、何かおかしいとは思った。
「隊長、男の手は折れています」
「「……」」
隊長は、「そうか」と言うと、うちの馬車の家紋を確認したようだ。
もう、私は名前を隠すことは出来ないだろうし、狭い貴族社会では、格好の噂話になるだろう。
「ヴィルヘルミーナ嬢、中に入りましょう」と言うと、一度、馬車の中に入ることになった。
すでに、名前まで知られているでは……
状況説明のため、アンにも来てもらい、説明をお願いした。
その間、部下の駐在騎士たちが、大衆に聞き取りをしていたようだ。
アンの説明が終わると、隊長は苦笑しながら「さすが総長の姪ッ子だけありますな。目つきがそっくりでした。まるで鷹のようです」と言う。
そう。
そうなのだ。
私たちは、ホーエンツォレルン家の本家から捨てられた分家で、ドイツ騎士団の総長をさせられている家系なのだ。
だから、祖父も総長をしていた。
そして、本家から捨てられた存在なので、みすぼらしく、ポーランド貴族から失笑を買っている。
何故、ポーランド?
それは、帝国からも本家からも見捨てられて、過去の人間狩りの責任や不名誉を一手に負わされている。
その代償として、ポーランド王の臣下になることで、罪を許されたということだ。
なので、ぜいたくは許されないという環境なのだが、次男の父は、後を継げないから上手く文官になり、プラハで本家とも文官貴族とも交流をした次第だ。
「隊長様、お嬢様が、裁かれることはあるのでしょうか? もしそのようなことに」
「大丈夫です。元総長のお孫様に不名誉なことが無いようにいたします。それに大勢の者が見ておりますので、証拠も挙がるでしょう」
「それは良かったです」
それを聞いて安堵したが、私が、ドイツ騎士団と濃いつながりがあることを実感させられた。
ライン川の畔にいると、そんなことは、無関係だと思っていたのだけれど。
ああ、ローレライが恋しいわ。
しばしの時間が経ち、私もアンも、落ち着いて馬車から降りることが出来た。
すると、大衆からは、拍手が起こっていた。それは、私達に向けられたものではない。騎士団にだ。
「さすが、ドイツ騎士団だぜ」と言う感じであった。
どうやら、騎士団の応急処置が素晴らしく、ベルギー人を手当てしたようだ。
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すると、黒幕が分かるのか?
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