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第二章《仕事》編
第七十話 討伐完了
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フェイ、アンニーナ、ネヴィルにバレイラシュの体当たりが!
「ヒューイ!!」
無意識に叫んでいた。
ヒューイは待っていたとばかりに、躊躇することなく一気にバレイラシュの背後まで飛び、いきなり最大出力かと思われるほどの吹雪を噴き出した。
『しっかり掴まってろよ!!』
ヒューイはそう叫ぶと、吹雪の勢いがさらに上がった。
「うっ」
吹雪を噴き出す威力に押され身体がのけぞり、それを抑えるためにヒューイの身体に力が入っているのが分かる。振り落とされないよう必死に手綱を握る。
とてつもない吹雪を噴き出しバレイラシュの身体を凍らせる。しかしこの巨体だ、やはり全てを凍らせることなんて出来ない。
それでもヒューイは吹雪を噴き出し続ける。
バレイラシュの動きが止まった!!
頭は全く凍っていない、それでも下半身部分が海と一緒に凍り付いている! しかし暴れるバレイラシュの動きに合わせ、すぐにひびが入る。
『くそっ!!』
ヒューイがもう一度吹雪を噴き出そうと構えた瞬間、そして氷が割れる瞬間、まさにそのとき上空から叫び声が聞こえた。
「離れろ!!」
ヤグワル団長の声だ!
「ヒューイ!!」
手綱で合図を送るとヒューイは噴き出そうとしていた吹雪を抑え込み、素早く身を翻し、バレイラシュから離れた。
周りを見るとフェイたちもなんとか無事だったようだ。動きは鈍いがバレイラシュから離れている。
上空から攻撃していた竜騎士たちも攻撃を止め、素早く離れる。
そしてバレイラシュがヒューイの張った氷を割った瞬間、空から業火が降り注いだ。
ゴォォォォォォオオオオオオ!!!!!!
とてつもない炎が捻じれながら、うねりながらバレイラシュを襲う。
空を見上げるとヤグワル団長、それにヤグワル団長の竜が炎を噴き出していた。
ヤグワル団長は両掌をバレイラシュに向けて放ち、竜は大きく口を開け、そこからあふれ出るかのように炎が噴き出している。
「うぉぉぉぉおおおおお!!」
ヤグワル団長の雄叫びが上がる。フェイやアンニーナ、ラナカの比ではない。こんな炎見たことがない。こちらが怖くなるほどだ。
赤黒く見える巨大な炎はまるで意思を持っているかのように、バレイラシュを包み込んでいく。うねりながらバレイラシュの身体を這う。
あの巨体を覆い尽くすなんて!!
バレイラシュは熱さから逃れようとしているのか、ますます暴れ出す。潜ろうとしても炎が纏わり付き上手く潜れないようだ。しかも海の中でも燃えている。
とんでもない炎だな。海の中でまで身体を覆う炎。バレイラシュは暴れ悶える。耳を割くような叫び声が聞こえる。
すると次第に肉が焼けるような焦げ臭さを感じて来た。
ヤグワル団長たちの炎は恐ろしいくらいにまだ勢いが増す。ヤグワル団長の炎と竜の炎が混ざり合い、波のように押し寄せさらにバレイラシュを覆い尽くした。
「す、スゲー……」
『…………』
ヒューイはその光景をじっと見詰めていた。
「ラント! フェイ! アンニーナ! 頭に打ち込め!!」
ヤグワル団長は炎を放ちながら叫んだ。
フェイ、アンニーナは先程のバレイラシュの反撃でどこか負傷したのか、動きが鈍かったが、それでもバレイラシュの頭に向かって飛んだかと思うとバレイラシュの顔面目掛けて炎を放った。
ラントと呼ばれたのはどうやら上空から攻撃していた竜のようだ。竜騎士も同じくバレイラシュの頭まで飛んだかと思うと、竜に攻撃を指示していた。
その竜は口をガバッと開くと、そこから激しい炎を噴き出しバレイラシュの顔面を襲う。
身動きが取れなくなったバレイラシュは、次第に動きが鈍くなり……、そして最後には動かなくなった。
しばらくするとヤグワル団長が合図を送り、全員が攻撃を止めた。
フェイとアンニーナは怪我なのか疲労なのか竜の背中に凭れかかった。
見渡すと全員無事のようだ。囮となっていた竜騎士たちも少し離れた場所で待機していた。
ヤグワル団長は上空から降下してくると、バレイラシュの周りを飛んだ。そして確認するように眺め、最後にはバレイラシュの頭を眺めると、ホッと息を吐き、片手を上げた。
その手に反応するように上空で攻撃していたもう一人の竜騎士が胸元から何かを取り出したかと思うと、そのままバレイラシュの周りを一周する。
「よし、皆よくやった! 港に戻るぞ! 怪我をしたものはそこで治療する!」
ヤグワル団長はそう叫ぶと港に向かって飛ぶ。あれだけの炎を放ったのに、何事もなかったかのように平然としている。凄いな。
「ヒューイ、フェイたちの側に」
『…………』
先程から全く喋らないヒューイ。ヤグワル団長たちの魔法を見て圧倒されたのだろうか。まあそりゃあんなの見たら圧倒されるよな。
あんな凄い魔法見たことない。羨ましい。俺も戦えたら良かったのに……。
フェイたちの側に近付くと、フェイとアンニーナは特に疲れ切った表情をしていた。
「大丈夫か!?」
「リュシュ、僕は無事だけどアンニーナが……」
「ヒューイ!!」
無意識に叫んでいた。
ヒューイは待っていたとばかりに、躊躇することなく一気にバレイラシュの背後まで飛び、いきなり最大出力かと思われるほどの吹雪を噴き出した。
『しっかり掴まってろよ!!』
ヒューイはそう叫ぶと、吹雪の勢いがさらに上がった。
「うっ」
吹雪を噴き出す威力に押され身体がのけぞり、それを抑えるためにヒューイの身体に力が入っているのが分かる。振り落とされないよう必死に手綱を握る。
とてつもない吹雪を噴き出しバレイラシュの身体を凍らせる。しかしこの巨体だ、やはり全てを凍らせることなんて出来ない。
それでもヒューイは吹雪を噴き出し続ける。
バレイラシュの動きが止まった!!
頭は全く凍っていない、それでも下半身部分が海と一緒に凍り付いている! しかし暴れるバレイラシュの動きに合わせ、すぐにひびが入る。
『くそっ!!』
ヒューイがもう一度吹雪を噴き出そうと構えた瞬間、そして氷が割れる瞬間、まさにそのとき上空から叫び声が聞こえた。
「離れろ!!」
ヤグワル団長の声だ!
「ヒューイ!!」
手綱で合図を送るとヒューイは噴き出そうとしていた吹雪を抑え込み、素早く身を翻し、バレイラシュから離れた。
周りを見るとフェイたちもなんとか無事だったようだ。動きは鈍いがバレイラシュから離れている。
上空から攻撃していた竜騎士たちも攻撃を止め、素早く離れる。
そしてバレイラシュがヒューイの張った氷を割った瞬間、空から業火が降り注いだ。
ゴォォォォォォオオオオオオ!!!!!!
とてつもない炎が捻じれながら、うねりながらバレイラシュを襲う。
空を見上げるとヤグワル団長、それにヤグワル団長の竜が炎を噴き出していた。
ヤグワル団長は両掌をバレイラシュに向けて放ち、竜は大きく口を開け、そこからあふれ出るかのように炎が噴き出している。
「うぉぉぉぉおおおおお!!」
ヤグワル団長の雄叫びが上がる。フェイやアンニーナ、ラナカの比ではない。こんな炎見たことがない。こちらが怖くなるほどだ。
赤黒く見える巨大な炎はまるで意思を持っているかのように、バレイラシュを包み込んでいく。うねりながらバレイラシュの身体を這う。
あの巨体を覆い尽くすなんて!!
バレイラシュは熱さから逃れようとしているのか、ますます暴れ出す。潜ろうとしても炎が纏わり付き上手く潜れないようだ。しかも海の中でも燃えている。
とんでもない炎だな。海の中でまで身体を覆う炎。バレイラシュは暴れ悶える。耳を割くような叫び声が聞こえる。
すると次第に肉が焼けるような焦げ臭さを感じて来た。
ヤグワル団長たちの炎は恐ろしいくらいにまだ勢いが増す。ヤグワル団長の炎と竜の炎が混ざり合い、波のように押し寄せさらにバレイラシュを覆い尽くした。
「す、スゲー……」
『…………』
ヒューイはその光景をじっと見詰めていた。
「ラント! フェイ! アンニーナ! 頭に打ち込め!!」
ヤグワル団長は炎を放ちながら叫んだ。
フェイ、アンニーナは先程のバレイラシュの反撃でどこか負傷したのか、動きが鈍かったが、それでもバレイラシュの頭に向かって飛んだかと思うとバレイラシュの顔面目掛けて炎を放った。
ラントと呼ばれたのはどうやら上空から攻撃していた竜のようだ。竜騎士も同じくバレイラシュの頭まで飛んだかと思うと、竜に攻撃を指示していた。
その竜は口をガバッと開くと、そこから激しい炎を噴き出しバレイラシュの顔面を襲う。
身動きが取れなくなったバレイラシュは、次第に動きが鈍くなり……、そして最後には動かなくなった。
しばらくするとヤグワル団長が合図を送り、全員が攻撃を止めた。
フェイとアンニーナは怪我なのか疲労なのか竜の背中に凭れかかった。
見渡すと全員無事のようだ。囮となっていた竜騎士たちも少し離れた場所で待機していた。
ヤグワル団長は上空から降下してくると、バレイラシュの周りを飛んだ。そして確認するように眺め、最後にはバレイラシュの頭を眺めると、ホッと息を吐き、片手を上げた。
その手に反応するように上空で攻撃していたもう一人の竜騎士が胸元から何かを取り出したかと思うと、そのままバレイラシュの周りを一周する。
「よし、皆よくやった! 港に戻るぞ! 怪我をしたものはそこで治療する!」
ヤグワル団長はそう叫ぶと港に向かって飛ぶ。あれだけの炎を放ったのに、何事もなかったかのように平然としている。凄いな。
「ヒューイ、フェイたちの側に」
『…………』
先程から全く喋らないヒューイ。ヤグワル団長たちの魔法を見て圧倒されたのだろうか。まあそりゃあんなの見たら圧倒されるよな。
あんな凄い魔法見たことない。羨ましい。俺も戦えたら良かったのに……。
フェイたちの側に近付くと、フェイとアンニーナは特に疲れ切った表情をしていた。
「大丈夫か!?」
「リュシュ、僕は無事だけどアンニーナが……」
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