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第二章《仕事》編
第七十一話 治療師登場!
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ヤグワル団長とともに炎で応戦したフェイとアンニーナは恐らくネヴィルよりさらに疲労感だろう。しかしそれだけではなかったようだ、アンニーナは竜の背で肩を抑えていた。
片手で手綱を握り、片手は左肩を抑えている。
「アハハ、ちょっとしくじった」
どうやらバレイラシュが暴れ出した瞬間、避けきれずバレイラシュの尻尾に弾かれたらしい。苦悶の表情を浮かべながらも笑って心配かけまいとするアンニーナ。
「大丈夫、ちょっと肩が外れたくらいよ! 治療師に診てもらったらすぐ治るわ」
そう言いながら手綱を取り、港へ向かう。
港へ着き、改めて見ると囮になっていた竜騎士たちも酷い怪我だった。海面に叩きつけられ、竜も竜騎士も腕や脚が折れているということだった。
アンニーナも怪我人として同じ場所に待機。フェイやネヴィルはかすり傷程度だったため、竜の状態を確認する作業についた。俺も一緒になって手伝う。
ヒューイは初めてあれだけの吹雪を放出したためか、疲労感は大きいようだがどこか怪我をしたわけではないため、そのまま首を撫でると離れた。落ち着いたヒューイは身体を伏せ、珍しく目を瞑り休息していた。
さて、次の竜を確認するか、と思ったとき……
「意外と派手にやられているな!」
大きな声が聞こえたと振り向いたら、腰に手を当てニヤッと笑ったシーナさんが立っていた。
え? シーナさん? なんで?
今日は頭に二つの団子を付けている……会うたびに髪型が違うな……。
驚き唖然としていると後ろからディアンともう一人男が現れた。ん? ディアン?
「アンニーナ!?」
ディアンは苦悶の表情を浮かべて座り込むアンニーナに驚いた。バッとシーナさんに振り向くとシーナさんは頷き、ディアンはアンニーナに駆け寄った。
「君も行け」
「はい」
シーナさんは横に立つもう一人の男に向かって指示を出す。男は怪我をしている竜騎士たちの元へ駆け寄った。
「シーナさんがなんでここに?」
「ん? 団長から要請があってな!」
「要請?」
「あぁ、『今回の討伐対象は予想外の相手だ。万が一のときのために至急治療師の派遣を要請する』とロナス商会を通じて伝令があったのだ」
なるほど、キアフスさんを通して昨夜のうちに治療師派遣を要請していたのか。
「だから私が来た!」
物凄い自慢気というか偉そうにというか……、ふんぞり返ってるな……。
「別にお前は来なくても良かったんだがな」
振り向くとヤグワル団長が苦笑していた。
「お前じゃなくとも、誰か他の治療師を派遣してくれたら良かったんだよ」
「私が来るに決まっているだろう!」
「だよな……」
呆れるように溜め息を吐いたヤグワル団長。いかん、こんな状況なのに笑ってしまいそうだ。ヤグワル団長ですら明らかにシーナさんのペースに巻き込まれている。
「今日は研究も兼ねて来たのだ! だからディアンともう一人連れて来た! 団長ですら予想外の相手なのだろう?」
「あぁ……」
バレイラシュの話になるとヤグワル団長は真面目な顔で頷いた。
「よし、治療は二人がいるから大丈夫だろう。その鯨を見せろ」
「デカいからすぐに分かる」
ヤグワル団長はそう言い指を差した。
シーナさんはウキウキした様子で向かう。
バレイラシュは竜騎士が胸元から取り出した魔導具で捕縛されていた。
あのとき竜騎士は捕縛用魔導具でバレイラシュの周りを一周し、目に見えぬ結界で縛りを施していた。そしてその縛りは魔導具に吸い寄せられるように、竜騎士が移動するとそれに続いた。
そのまま港まで引っ張って行き、今現在港にある船と同じ場所にそのまま浮かんでいるのだった。
シーナさんはそのバレイラシュを眺め、しばらくじっと見詰めていた。
ヤグワル団長はシーナさんたちを連れて来た竜騎士たちと言葉を交わしている。
シーナさんと共に来ていた男は骨折をしていた竜騎士たちを丁寧に診察し、じっくりと治療しているようだった。掌から淡い光を発している。
ディアンはアンニーナに寄り添い、負傷した左肩に治療を施していた。ディアンの掌からも淡い光を発し、意識を集中しているようだ。
アンニーナは苦悶の表情を浮かべていたが、徐々に傷が治っているからか、ディアンが傍にいるからかは分からんが嬉しそうだった。ディアンの顔ばかり見詰めてやがる。
俺は再び竜の確認作業を続け、怪我がある竜を治療師の男に報告し治療を頼んだ。ディアンもアンニーナの治療が終わると、他の怪我人の治療に当たっていた。
アンニーナはもう大丈夫そうだな、良かった。ディアンをずっと目で追ってるくらいだし、もう平気だろう。
フェイやネヴィルと目配せし、ハハ、とみんなで笑った。
あぁ、良かった、みんな無事で。
怪我人の治療が全て終了すると、ディアンはシーナさんの元へと向かった。全く動かないシーナさんが気になり、俺もそれに続く。
「シーナさん、なにか分かったんですか?」
黒焦げのバレイラシュをじっと観察したままのシーナさんにディアンが声を掛けた。
「うーむ、このバレイラシュ、なにかおかしいな」
片手で手綱を握り、片手は左肩を抑えている。
「アハハ、ちょっとしくじった」
どうやらバレイラシュが暴れ出した瞬間、避けきれずバレイラシュの尻尾に弾かれたらしい。苦悶の表情を浮かべながらも笑って心配かけまいとするアンニーナ。
「大丈夫、ちょっと肩が外れたくらいよ! 治療師に診てもらったらすぐ治るわ」
そう言いながら手綱を取り、港へ向かう。
港へ着き、改めて見ると囮になっていた竜騎士たちも酷い怪我だった。海面に叩きつけられ、竜も竜騎士も腕や脚が折れているということだった。
アンニーナも怪我人として同じ場所に待機。フェイやネヴィルはかすり傷程度だったため、竜の状態を確認する作業についた。俺も一緒になって手伝う。
ヒューイは初めてあれだけの吹雪を放出したためか、疲労感は大きいようだがどこか怪我をしたわけではないため、そのまま首を撫でると離れた。落ち着いたヒューイは身体を伏せ、珍しく目を瞑り休息していた。
さて、次の竜を確認するか、と思ったとき……
「意外と派手にやられているな!」
大きな声が聞こえたと振り向いたら、腰に手を当てニヤッと笑ったシーナさんが立っていた。
え? シーナさん? なんで?
今日は頭に二つの団子を付けている……会うたびに髪型が違うな……。
驚き唖然としていると後ろからディアンともう一人男が現れた。ん? ディアン?
「アンニーナ!?」
ディアンは苦悶の表情を浮かべて座り込むアンニーナに驚いた。バッとシーナさんに振り向くとシーナさんは頷き、ディアンはアンニーナに駆け寄った。
「君も行け」
「はい」
シーナさんは横に立つもう一人の男に向かって指示を出す。男は怪我をしている竜騎士たちの元へ駆け寄った。
「シーナさんがなんでここに?」
「ん? 団長から要請があってな!」
「要請?」
「あぁ、『今回の討伐対象は予想外の相手だ。万が一のときのために至急治療師の派遣を要請する』とロナス商会を通じて伝令があったのだ」
なるほど、キアフスさんを通して昨夜のうちに治療師派遣を要請していたのか。
「だから私が来た!」
物凄い自慢気というか偉そうにというか……、ふんぞり返ってるな……。
「別にお前は来なくても良かったんだがな」
振り向くとヤグワル団長が苦笑していた。
「お前じゃなくとも、誰か他の治療師を派遣してくれたら良かったんだよ」
「私が来るに決まっているだろう!」
「だよな……」
呆れるように溜め息を吐いたヤグワル団長。いかん、こんな状況なのに笑ってしまいそうだ。ヤグワル団長ですら明らかにシーナさんのペースに巻き込まれている。
「今日は研究も兼ねて来たのだ! だからディアンともう一人連れて来た! 団長ですら予想外の相手なのだろう?」
「あぁ……」
バレイラシュの話になるとヤグワル団長は真面目な顔で頷いた。
「よし、治療は二人がいるから大丈夫だろう。その鯨を見せろ」
「デカいからすぐに分かる」
ヤグワル団長はそう言い指を差した。
シーナさんはウキウキした様子で向かう。
バレイラシュは竜騎士が胸元から取り出した魔導具で捕縛されていた。
あのとき竜騎士は捕縛用魔導具でバレイラシュの周りを一周し、目に見えぬ結界で縛りを施していた。そしてその縛りは魔導具に吸い寄せられるように、竜騎士が移動するとそれに続いた。
そのまま港まで引っ張って行き、今現在港にある船と同じ場所にそのまま浮かんでいるのだった。
シーナさんはそのバレイラシュを眺め、しばらくじっと見詰めていた。
ヤグワル団長はシーナさんたちを連れて来た竜騎士たちと言葉を交わしている。
シーナさんと共に来ていた男は骨折をしていた竜騎士たちを丁寧に診察し、じっくりと治療しているようだった。掌から淡い光を発している。
ディアンはアンニーナに寄り添い、負傷した左肩に治療を施していた。ディアンの掌からも淡い光を発し、意識を集中しているようだ。
アンニーナは苦悶の表情を浮かべていたが、徐々に傷が治っているからか、ディアンが傍にいるからかは分からんが嬉しそうだった。ディアンの顔ばかり見詰めてやがる。
俺は再び竜の確認作業を続け、怪我がある竜を治療師の男に報告し治療を頼んだ。ディアンもアンニーナの治療が終わると、他の怪我人の治療に当たっていた。
アンニーナはもう大丈夫そうだな、良かった。ディアンをずっと目で追ってるくらいだし、もう平気だろう。
フェイやネヴィルと目配せし、ハハ、とみんなで笑った。
あぁ、良かった、みんな無事で。
怪我人の治療が全て終了すると、ディアンはシーナさんの元へと向かった。全く動かないシーナさんが気になり、俺もそれに続く。
「シーナさん、なにか分かったんですか?」
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「うーむ、このバレイラシュ、なにかおかしいな」
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