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第33話 バルト・ダンティス
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騒然としていた魔導師団は副団長の元、なんとか落ち着きを取り戻そうとしていた。バルト団長は取り調べには落ち着いた様子で受け答えしていると聞いた。
私とノア、そしてアシェルト様も事情聴取され、私とノアは今まで調べて来た内容を、アシェルト様はようやく当時のことを冷静に語ることが出来たようだった。
そうやって私たちもしばらくは慌ただしい日々を送り、そしてバルト団長も何日もかけての取り調べが終了し王城の牢獄へと収監され、処罰についての議論が行われていた矢先……
バルト団長は牢獄内で自殺した……
どうやら自身に呪いをかけていたらしく、収監後発動したらしい。収監されてからは魔法を封じられていたはず。ということは、ずっと以前から自分自身に呪いをかけていたということ。そしてそれをなんらかの方法で発動させたということ……。
バルト団長はもうとっくの昔に覚悟を決めていたのかもしれない。
バルト団長は今回の騒動が起こる以前から……どうやら私がラシャ様のことを調べ始めた頃には、もうすでに実家であるダンティス侯爵家からは除籍されていたらしい。兄であるダンティス侯爵閣下にどうやら絶縁してくれと手紙を送っていたそうだ。ダンティス侯爵閣下がそれをどのように納得したのかは定かではないが……。
もうそのときからバルト団長は私たちがいつかは真実にたどり着くことを分かっていたのかもしれない……。
バルト団長の死を知り、魔導師団には動揺が走った。私とアシェルト様もその事実に驚愕し、胸が苦しくなった。アシェルト様はまた自分のせいだ、と思ってしまうのではないかと心配をしたが、もうアシェルト様はその事実から目を背けることはなかった。夜にひとり茫然としている姿を目撃はした。しかし、アシェルト様は前を向こうとしていた。だから私もこの事実を受け止め、苦しくとも前へと進む。それだけだった。
ノアもバルト団長のことを尊敬していた。あんなことがあっても尊敬は変わらずにあった。だからきっと酷くショックを受けているだろう、と魔導師団へと様子を見に行くと、ノアは力なく笑った。そして空を見上げ、ぼそりと呟いた。
「バルト団長、なんで俺たちが調べることを止めなかったんだろう……」
「さあ……」
私にはなにも言えなかった。「こうだったかもしれない」と思っても、所詮それは自分の考えであってバルト団長の心のうちは分からない。私自身の願望でしかない。
バルト団長は独身を貫いていた。それだけラシャ様を愛していたのかもしれない。
愛する人を殺してしまったことをずっと後悔していたのかもしれない。
自分の罪を早く見付けて欲しかったのかもしれない。
ずっと苦しかったのかもしれない。
ずっと……死ぬ覚悟を決めていたのかもしれない。
どれも「そうかもしれない」という私の考えだけだ。「バルト団長はきっと後悔しているのだ」という勝手な想い。私たちの尊敬するバルト団長ならきっとこう思っていたはずだ、と勝手に思い込んでいるだけ。でも……そう信じたかった……。
やり方は大いに間違っているし、同情する余地もないのだけれど……でも、深く人を愛することで知る苦しさ、愛する人を死なせてしまったことの苦しさ……その苦しさは分かるから……。
ダンティス侯爵家はバルト団長の葬儀をひっそりと行った。魔導師団の団長という立場、除籍されていたとはいえ侯爵家の人間、という肩書があるにも関わらず、葬儀はあまりに寂しく簡素だった、という噂を聞いた。身内だけで葬儀を済ますというダンティス侯爵家の意向のため、私たちは参列することは叶わなかった。
どんなに凄い肩書があったとしても、やはり罪人。ダンティス侯爵家は盛大な葬儀などは行えるはずもなかった。
アシェルト様が必死にあちこちの伝手を頼りに走り回り、今回の事件を公にはしないように、ダンティス侯爵家にはお咎めがないようにと取り計らった。
しかし、バルト団長の兄であるダンティス侯爵家当主は責任を取るように、息子に当主の座を引き渡し、自身は公の場から退いた。
社交界ではあらゆる噂が飛び交い注目されたが、バルト団長を慕う者たちによって、それはすぐさま終息することとなる。
生きて罪を償って欲しかった……こんなにも皆から慕われていたのに……私も尊敬していたのに……またいつか会いたかった……。
私とノアはなにも言葉を交わすことなく、真っ青に澄み渡った空を見上げた。
◇◇
「お疲れ様、アシャー。今日はもう終わり? そろそろ帰る?」
ラシャは団長室へと顔を出し、室内で書類をまとめているアシェルトに声を掛けた。
「あぁ、ラシャ、お疲れ様。もう終わりなんだけど、明日の魔導具訓練の書類を上層部に提出しに行かないと駄目なんだ。だから先に帰っておいて」
アシェルトの机まで歩み寄ると、多くの書類が広がり、それらのなかには魔導具の説明が書いてあるのが見て取れた。
「あぁ、例の魔導具、ようやく導入されるのね!」
「うん、使用実験も済んだからね、ようやくだよ」
「いつも夜遅くまで研究を重ねていたものねぇ。夢中になると私の声すら耳に届いていないんだもの」
少し意地悪そうにアシェルトの顔を覗き込んだラシャは楽しそうに笑った。そんなラシャの姿に苦笑しつつも、まとめた書類を片腕で抱え、反対側の腕でラシャの腰を引き寄せた。
「ごめんね。別に無視していた訳じゃないから……」
ばつが悪そうな顔でアシェルトは引き寄せたラシャのこめかみにそっと口付けた。
「フフ、別に無視されたなんて思ってないから大丈夫よ。もう慣れたし、アハハ」
笑いながら言ったラシャにアシェルトは苦笑した。
「じゃあ、僕は書類を提出してくるから、ラシャは気を付けて帰ってね」
「うん、じゃあまた明日ね」
「うん、また明日」
団長室の扉を出たところで、そう挨拶を交わしたラシャはアシェルトの背中を見送り、そして自身は魔導師団施設内にある寮へと足を向けた。
しばらく歩いているうちに、ふと我に返る。
「あ、しまった! 書類!」
ラシャは団長室に入る前に持っていた書類が今、手元にないことにハッとする。
「あぁ、明日の朝に提出する書類なのに……」
慌てて踵を返し、再び団長室へと向かった。
「うーん、誰もいない団長室に勝手に入るのは……」
どうしたものかと考えていると、いきなり目の前の扉がガチャリと開く。ビクッとしてしまい、固まってしまった。
目を見開き固まっていると、その開いた扉にはバルトがいた。
「あれ? ラシャ」
「バ、バルト……びっくりした」
「どうした? アシェルトならいないぞ?」
「あ、うん、ちょっと団長室に忘れ物しちゃって」
「そうなのか?」
そう言ってバルトはラシャを団長室へと促す。ラシャは応接テーブルに置かれた書類を見付け、慌てて駆け寄った。
「あー、あった、やっぱりここに置いてた」
先程アシェルトと話している間に、無意識にテーブルに置いてしまっていたらしい。自身が提出するつもりだった書類がそのまま放置されてあった。
「意外と抜けてるよな」
ククッと笑ったバルトは、苦笑するラシャの頭に手を置いた。
「人と話していたり、違うことをしているとどうしても忘れちゃうのよねー」
アハハ、と笑って誤魔化すラシャに、バルトはクスクスと笑いながら頭を撫でた。その手は優しく、見詰める目も優し気だった。しかし、なぜか寂し気にも見えた……。
私とノア、そしてアシェルト様も事情聴取され、私とノアは今まで調べて来た内容を、アシェルト様はようやく当時のことを冷静に語ることが出来たようだった。
そうやって私たちもしばらくは慌ただしい日々を送り、そしてバルト団長も何日もかけての取り調べが終了し王城の牢獄へと収監され、処罰についての議論が行われていた矢先……
バルト団長は牢獄内で自殺した……
どうやら自身に呪いをかけていたらしく、収監後発動したらしい。収監されてからは魔法を封じられていたはず。ということは、ずっと以前から自分自身に呪いをかけていたということ。そしてそれをなんらかの方法で発動させたということ……。
バルト団長はもうとっくの昔に覚悟を決めていたのかもしれない。
バルト団長は今回の騒動が起こる以前から……どうやら私がラシャ様のことを調べ始めた頃には、もうすでに実家であるダンティス侯爵家からは除籍されていたらしい。兄であるダンティス侯爵閣下にどうやら絶縁してくれと手紙を送っていたそうだ。ダンティス侯爵閣下がそれをどのように納得したのかは定かではないが……。
もうそのときからバルト団長は私たちがいつかは真実にたどり着くことを分かっていたのかもしれない……。
バルト団長の死を知り、魔導師団には動揺が走った。私とアシェルト様もその事実に驚愕し、胸が苦しくなった。アシェルト様はまた自分のせいだ、と思ってしまうのではないかと心配をしたが、もうアシェルト様はその事実から目を背けることはなかった。夜にひとり茫然としている姿を目撃はした。しかし、アシェルト様は前を向こうとしていた。だから私もこの事実を受け止め、苦しくとも前へと進む。それだけだった。
ノアもバルト団長のことを尊敬していた。あんなことがあっても尊敬は変わらずにあった。だからきっと酷くショックを受けているだろう、と魔導師団へと様子を見に行くと、ノアは力なく笑った。そして空を見上げ、ぼそりと呟いた。
「バルト団長、なんで俺たちが調べることを止めなかったんだろう……」
「さあ……」
私にはなにも言えなかった。「こうだったかもしれない」と思っても、所詮それは自分の考えであってバルト団長の心のうちは分からない。私自身の願望でしかない。
バルト団長は独身を貫いていた。それだけラシャ様を愛していたのかもしれない。
愛する人を殺してしまったことをずっと後悔していたのかもしれない。
自分の罪を早く見付けて欲しかったのかもしれない。
ずっと苦しかったのかもしれない。
ずっと……死ぬ覚悟を決めていたのかもしれない。
どれも「そうかもしれない」という私の考えだけだ。「バルト団長はきっと後悔しているのだ」という勝手な想い。私たちの尊敬するバルト団長ならきっとこう思っていたはずだ、と勝手に思い込んでいるだけ。でも……そう信じたかった……。
やり方は大いに間違っているし、同情する余地もないのだけれど……でも、深く人を愛することで知る苦しさ、愛する人を死なせてしまったことの苦しさ……その苦しさは分かるから……。
ダンティス侯爵家はバルト団長の葬儀をひっそりと行った。魔導師団の団長という立場、除籍されていたとはいえ侯爵家の人間、という肩書があるにも関わらず、葬儀はあまりに寂しく簡素だった、という噂を聞いた。身内だけで葬儀を済ますというダンティス侯爵家の意向のため、私たちは参列することは叶わなかった。
どんなに凄い肩書があったとしても、やはり罪人。ダンティス侯爵家は盛大な葬儀などは行えるはずもなかった。
アシェルト様が必死にあちこちの伝手を頼りに走り回り、今回の事件を公にはしないように、ダンティス侯爵家にはお咎めがないようにと取り計らった。
しかし、バルト団長の兄であるダンティス侯爵家当主は責任を取るように、息子に当主の座を引き渡し、自身は公の場から退いた。
社交界ではあらゆる噂が飛び交い注目されたが、バルト団長を慕う者たちによって、それはすぐさま終息することとなる。
生きて罪を償って欲しかった……こんなにも皆から慕われていたのに……私も尊敬していたのに……またいつか会いたかった……。
私とノアはなにも言葉を交わすことなく、真っ青に澄み渡った空を見上げた。
◇◇
「お疲れ様、アシャー。今日はもう終わり? そろそろ帰る?」
ラシャは団長室へと顔を出し、室内で書類をまとめているアシェルトに声を掛けた。
「あぁ、ラシャ、お疲れ様。もう終わりなんだけど、明日の魔導具訓練の書類を上層部に提出しに行かないと駄目なんだ。だから先に帰っておいて」
アシェルトの机まで歩み寄ると、多くの書類が広がり、それらのなかには魔導具の説明が書いてあるのが見て取れた。
「あぁ、例の魔導具、ようやく導入されるのね!」
「うん、使用実験も済んだからね、ようやくだよ」
「いつも夜遅くまで研究を重ねていたものねぇ。夢中になると私の声すら耳に届いていないんだもの」
少し意地悪そうにアシェルトの顔を覗き込んだラシャは楽しそうに笑った。そんなラシャの姿に苦笑しつつも、まとめた書類を片腕で抱え、反対側の腕でラシャの腰を引き寄せた。
「ごめんね。別に無視していた訳じゃないから……」
ばつが悪そうな顔でアシェルトは引き寄せたラシャのこめかみにそっと口付けた。
「フフ、別に無視されたなんて思ってないから大丈夫よ。もう慣れたし、アハハ」
笑いながら言ったラシャにアシェルトは苦笑した。
「じゃあ、僕は書類を提出してくるから、ラシャは気を付けて帰ってね」
「うん、じゃあまた明日ね」
「うん、また明日」
団長室の扉を出たところで、そう挨拶を交わしたラシャはアシェルトの背中を見送り、そして自身は魔導師団施設内にある寮へと足を向けた。
しばらく歩いているうちに、ふと我に返る。
「あ、しまった! 書類!」
ラシャは団長室に入る前に持っていた書類が今、手元にないことにハッとする。
「あぁ、明日の朝に提出する書類なのに……」
慌てて踵を返し、再び団長室へと向かった。
「うーん、誰もいない団長室に勝手に入るのは……」
どうしたものかと考えていると、いきなり目の前の扉がガチャリと開く。ビクッとしてしまい、固まってしまった。
目を見開き固まっていると、その開いた扉にはバルトがいた。
「あれ? ラシャ」
「バ、バルト……びっくりした」
「どうした? アシェルトならいないぞ?」
「あ、うん、ちょっと団長室に忘れ物しちゃって」
「そうなのか?」
そう言ってバルトはラシャを団長室へと促す。ラシャは応接テーブルに置かれた書類を見付け、慌てて駆け寄った。
「あー、あった、やっぱりここに置いてた」
先程アシェルトと話している間に、無意識にテーブルに置いてしまっていたらしい。自身が提出するつもりだった書類がそのまま放置されてあった。
「意外と抜けてるよな」
ククッと笑ったバルトは、苦笑するラシャの頭に手を置いた。
「人と話していたり、違うことをしているとどうしても忘れちゃうのよねー」
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