2 / 96
一章 異世界召還
第二話
しおりを挟む
放心しながら見ていたら置いていかれそうになったので慌てて追いかける。
立ち上がった青年は背が高く脚が長い。
一歩が大きいので、付いて行くのに小走りだ。
森を抜けると平野になった。
そこには目を疑うものがいた。
「ドラゴン……」
アニメやゲームで見かけるドラゴンそのものだった。
濃紺のような深い青色の鱗に覆われた身体と翼。金色の眼。鋭い爪に牙。首には深紅の宝石のようなものが付いていた。
青年がドラゴンに近付くとその大きさが分かる。
青年はドラゴンに声を掛け喉元と思われる場所を撫でた。
怖い……、でも綺麗だな、とも思えた。
呆気に取れていると青年がこちらに振り向いた。
「今日はここで休む」
「え?」
休む? 休むって休憩ってこと?
等と考えを巡らせていると、青年はドラゴンの背中から荷を下ろした。
荷を下ろすと、一つの岩陰に何やら準備を始める。
拾っておいたのだろう薪で火を点した。
その火の点火方法にまたしても目を疑った。
勝手に点いたように見えたのだ。
パチパチと薪が燃える音がして、呆然としていた状態から我に返ると、すっかり辺りは暗くなっていた。
夜だったのだ。
だから「休む」ということか。
そのままここで一夜を明かすということなんだな、と理解した。
「ん」
青年は何かを差し出した。青年の手元にも同じものがある。
ドラゴンに怯えながらも、青年の近くに座り差し出されたものを受け取った。
ドラゴンは青年の背もたれになるかのように、巨体を丸め伏せている。
ドラゴンは大人しかった。
「コイツは人を襲わない」
そう言いながら青年は手に持っていたものを口にした。
どうやら携帯食のようだ。
青年がドラゴンの口の中にも放り込むと、ドラゴンは美味しそうに、かどうかは分からないが飲み込んでいるようだ。
分けてもらえたものを無下に出来ない、食べてみよう、とは思ったが、この黒い塊は何だろう。
かじりついてみた。
物凄く固い。何とか必死に一口だけ噛り付けた。
立ち上がった青年は背が高く脚が長い。
一歩が大きいので、付いて行くのに小走りだ。
森を抜けると平野になった。
そこには目を疑うものがいた。
「ドラゴン……」
アニメやゲームで見かけるドラゴンそのものだった。
濃紺のような深い青色の鱗に覆われた身体と翼。金色の眼。鋭い爪に牙。首には深紅の宝石のようなものが付いていた。
青年がドラゴンに近付くとその大きさが分かる。
青年はドラゴンに声を掛け喉元と思われる場所を撫でた。
怖い……、でも綺麗だな、とも思えた。
呆気に取れていると青年がこちらに振り向いた。
「今日はここで休む」
「え?」
休む? 休むって休憩ってこと?
等と考えを巡らせていると、青年はドラゴンの背中から荷を下ろした。
荷を下ろすと、一つの岩陰に何やら準備を始める。
拾っておいたのだろう薪で火を点した。
その火の点火方法にまたしても目を疑った。
勝手に点いたように見えたのだ。
パチパチと薪が燃える音がして、呆然としていた状態から我に返ると、すっかり辺りは暗くなっていた。
夜だったのだ。
だから「休む」ということか。
そのままここで一夜を明かすということなんだな、と理解した。
「ん」
青年は何かを差し出した。青年の手元にも同じものがある。
ドラゴンに怯えながらも、青年の近くに座り差し出されたものを受け取った。
ドラゴンは青年の背もたれになるかのように、巨体を丸め伏せている。
ドラゴンは大人しかった。
「コイツは人を襲わない」
そう言いながら青年は手に持っていたものを口にした。
どうやら携帯食のようだ。
青年がドラゴンの口の中にも放り込むと、ドラゴンは美味しそうに、かどうかは分からないが飲み込んでいるようだ。
分けてもらえたものを無下に出来ない、食べてみよう、とは思ったが、この黒い塊は何だろう。
かじりついてみた。
物凄く固い。何とか必死に一口だけ噛り付けた。
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する
雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。
ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。
「シェイド様、大好き!!」
「〜〜〜〜っっっ!!???」
逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる