66 / 96
八章 再出発
第六十六話
しおりを挟む
「また魔力を流し合えば良いのかな? 名前はすでに付いてるけど……」
『一度契約が切れているから、もう一度やり直すことになるな。名は契約が一度切れた時点でなくなっている。再び同じ名を付けてくれれば良い』
「分かった」
椅子から立ち上がり、ルナと向き合った。
両手を繋ぎお互いの魔力を流し合う。やはりこの距離感は照れる! 何度やっても慣れないな。
ルナに魔力を流し、ルナからも魔力が流れてくる。
手を放し額に手を……
「あの……人間化のまま?」
『何だ?』
「いや、あの……」
『人間化のままでも問題はないが?』
そういうことじゃなく! 人間化で額に手を触れるの!? それでなくても緊張するんだってば!
仕方ない、もうこの顔には慣れた! と、自分に言い聞かせ、そっとルナの額に手を伸ばした。
ルナは少し屈み目を瞑った。
本当に綺麗な顔だなぁ、とマジマジ見詰めた。いつも緊張してしっかりと顔を見たことがなかったなぁ、とぼんやり考えながら、お肌ツルツル~、髪の毛サラサラ~とか、どうやら無意識に顔を触りまくっていたようだ。
ルナに両手を掴まれた。間近で見詰められ綺麗な金色の瞳に吸い込まれそうな気がした。
『ユウ、契約を』
「あ、ごめん!」
仔犬化のときの勢いで触ってた! しまったなぁ、と、チラッとディルアスの姿が見えると、ディルアスは横を向いていた。やってしまった……。
気を取り直して……。
「あなたの名前はルナ、またよろしくね」
ルナの額に手を当て言った。額に当てた手から眩い光が放たれそして消えた。
『我が名はルナ、主よ、これから我はそなたと共にある』
「フフ、あの時言ってくれた言葉だね」
以前契約したときの言葉。
ルナは優しげな顔をして微笑んだ。
『改めておかえり、ユウ』
「ありがとう、ルナ」
『僕も僕も!』
オブは大人の身体付きになったからか、首元の宝玉もとても大きくなっていた。
私の掌だけでは覆いきれない程の大きさになっている。
「オブ、大きくなったね」
宝玉からお互いに魔力を流し合う。
「あなたの名前はオブシディアン。オブまた会えて嬉しい」
『ユウ、おかえり!』
「ありがとう、オブ!」
大きな身体に抱き付いた。小型化したらもうぷにぷにじゃないのかな~とか呑気なことを考えた。
「これからユウはどうする?」
二人との契約を終えると、ディルアスが聞いた。
「うーん、今のところ何も考えてないけど、アレンやイグリードにも会いたいかな。神様との約束事も伝えたいし」
「そうだな、このまま会いに行くか?」
「え、今から?」
「あぁ」
「こんな急に行って大丈夫かな?」
「大丈夫だ、連絡を取る」
そういうとディルアスは魔導具で通信しだした。
今の私には聞こえないが。
「アレンとイグリードに連絡をした。行こう」
その前にと、ディルアスは部屋に戻って何かを持って来た。
その手にあるものを見ると……
「私の魔導具……」
受け取ったのは私が使っていた魔導具。
「ずっと保管してくれてたんだ……」
「あぁ」
「ありがとう」
泣きそうになるのを必死で堪えた。
家や物や、私のものを五年間捨てずに置いててくれたんだなぁ。
嬉しい……。
「魔力が少し変わったのなら附与しなおさないといけないかもしれないが……経験がないから分からない」
「うん、また試してみるよ」
『恐らくそのままで大丈夫ではないか? 私やオブシディアンの魔導具もそのまま使えているからな』
そういえばルナは人間化したときも魔導具で衣服が発動している。ということは、恐らくオブの小型化も大丈夫なんだろう。何でだろう。
『ユウの魔力が変わったといっても、勇者の魔力がなくなっただけで、根本は変わっていないからではないか? 契約には本人が一度消えてしまったから契約が切れたが、魔導具は魔導具自体に魔力を附与しているからな』
なるほど。とりあえずルナの人間化でまた裸にならなくて良かったよ。ハハハ。
「とりあえずアレンのところへ行こう」
『一度契約が切れているから、もう一度やり直すことになるな。名は契約が一度切れた時点でなくなっている。再び同じ名を付けてくれれば良い』
「分かった」
椅子から立ち上がり、ルナと向き合った。
両手を繋ぎお互いの魔力を流し合う。やはりこの距離感は照れる! 何度やっても慣れないな。
ルナに魔力を流し、ルナからも魔力が流れてくる。
手を放し額に手を……
「あの……人間化のまま?」
『何だ?』
「いや、あの……」
『人間化のままでも問題はないが?』
そういうことじゃなく! 人間化で額に手を触れるの!? それでなくても緊張するんだってば!
仕方ない、もうこの顔には慣れた! と、自分に言い聞かせ、そっとルナの額に手を伸ばした。
ルナは少し屈み目を瞑った。
本当に綺麗な顔だなぁ、とマジマジ見詰めた。いつも緊張してしっかりと顔を見たことがなかったなぁ、とぼんやり考えながら、お肌ツルツル~、髪の毛サラサラ~とか、どうやら無意識に顔を触りまくっていたようだ。
ルナに両手を掴まれた。間近で見詰められ綺麗な金色の瞳に吸い込まれそうな気がした。
『ユウ、契約を』
「あ、ごめん!」
仔犬化のときの勢いで触ってた! しまったなぁ、と、チラッとディルアスの姿が見えると、ディルアスは横を向いていた。やってしまった……。
気を取り直して……。
「あなたの名前はルナ、またよろしくね」
ルナの額に手を当て言った。額に当てた手から眩い光が放たれそして消えた。
『我が名はルナ、主よ、これから我はそなたと共にある』
「フフ、あの時言ってくれた言葉だね」
以前契約したときの言葉。
ルナは優しげな顔をして微笑んだ。
『改めておかえり、ユウ』
「ありがとう、ルナ」
『僕も僕も!』
オブは大人の身体付きになったからか、首元の宝玉もとても大きくなっていた。
私の掌だけでは覆いきれない程の大きさになっている。
「オブ、大きくなったね」
宝玉からお互いに魔力を流し合う。
「あなたの名前はオブシディアン。オブまた会えて嬉しい」
『ユウ、おかえり!』
「ありがとう、オブ!」
大きな身体に抱き付いた。小型化したらもうぷにぷにじゃないのかな~とか呑気なことを考えた。
「これからユウはどうする?」
二人との契約を終えると、ディルアスが聞いた。
「うーん、今のところ何も考えてないけど、アレンやイグリードにも会いたいかな。神様との約束事も伝えたいし」
「そうだな、このまま会いに行くか?」
「え、今から?」
「あぁ」
「こんな急に行って大丈夫かな?」
「大丈夫だ、連絡を取る」
そういうとディルアスは魔導具で通信しだした。
今の私には聞こえないが。
「アレンとイグリードに連絡をした。行こう」
その前にと、ディルアスは部屋に戻って何かを持って来た。
その手にあるものを見ると……
「私の魔導具……」
受け取ったのは私が使っていた魔導具。
「ずっと保管してくれてたんだ……」
「あぁ」
「ありがとう」
泣きそうになるのを必死で堪えた。
家や物や、私のものを五年間捨てずに置いててくれたんだなぁ。
嬉しい……。
「魔力が少し変わったのなら附与しなおさないといけないかもしれないが……経験がないから分からない」
「うん、また試してみるよ」
『恐らくそのままで大丈夫ではないか? 私やオブシディアンの魔導具もそのまま使えているからな』
そういえばルナは人間化したときも魔導具で衣服が発動している。ということは、恐らくオブの小型化も大丈夫なんだろう。何でだろう。
『ユウの魔力が変わったといっても、勇者の魔力がなくなっただけで、根本は変わっていないからではないか? 契約には本人が一度消えてしまったから契約が切れたが、魔導具は魔導具自体に魔力を附与しているからな』
なるほど。とりあえずルナの人間化でまた裸にならなくて良かったよ。ハハハ。
「とりあえずアレンのところへ行こう」
10
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する
雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。
ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。
「シェイド様、大好き!!」
「〜〜〜〜っっっ!!???」
逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる