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本編 リディア編
第八十七話 すれ違う心!?
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「フフ、ありがとうございます。みなさんも私のために集まっていただいて本当にありがとうございます」
ぼろぼろと涙が零れてしまった。
「リ、リディ」
驚いたシェスはあわあわと戸惑っている。皆も驚き一斉に周りに集まって来た。
唯一ラニールさんだけは前泣いてしまったところを見られていただけあって、見慣れたのか落ち着いていた。
「落ち着け」
そっと優しく撫でられ、ますます涙が溢れる。
「せっかくマニカが素敵にお化粧してくれたのに~」
嬉しいのに、皆が優しくて嬉し過ぎて涙が止まらない。ぼろぼろぼろぼろと溢れ出る。
泣いてるくせに化粧を気にするなんて、と皆驚き大笑いになった。
「アハハ! やっぱりリディはそうじゃないとな!」
ルーが盛大に笑いながら肩に手を置きバシバシと叩く。痛いし。何か褒めてないし。
「どういう意味よぉ」
泣きながら反論するとますます笑われた。うん、結局こうなるのね。
皆が心配の顔から笑顔になり、これはこれでまあ良いか。
シェスがハンカチを取り出し涙をそっと拭いてくれた。
「ありがとうございます、シェス」
「だ、大丈夫か? それは悲しい涙ではないのだな?」
「えぇ、フフ、ご心配おかけして申し訳ありません。みんなが大好き過ぎて嬉しくて」
何故か微妙な顔のシェスだったが、悲しい訳ではないと分かったからか、安堵の表情になった。
「ありがとうございます、シェス。こんな素敵なお祝いを」
「あぁ」
シェスは片手を差し出し、私の手を取った。控えの間の中央までエスコートしてくれる。
部屋の中央には様々な料理やデザートが並んでいた。
「ラニールさんとこの前話していたのは、この日のことだったのですね」
「あ、あぁ、すまない、皆に内緒にしてもらっていた」
「リディアを喜ばせるためだ」
ラニールさんが再び頭を撫でながら、シェスの言葉に付け足すように言った。
「えぇ、分かっています、ありがとうございます。私は何て幸せものなのでしょう」
心からそう思った。
そして皆乾杯をし、立食で食事を楽しみつつ、皆がお祝いの声を掛けてくれる。
周りでは楽団が様々な曲を演奏してくれていた。
騎士たちも休憩になると入れ替わり立ち替わり顔を見せに来てくれる。
そうこうしている内に外は暗くなっていき、控えの間には灯りがともされていく。
「私と一曲踊ってくれないか?」
シェスが片手を差し出し聞いた。
シェスとのダンス……、婚約発表の日、初めてシェスと踊った。
あの時はただ緊張と怖さとで、楽しさなんてなかった。
でも今は? 今、シェスと踊ると思っただけで、ドキリと心臓が跳ねた。嬉しさが込み上げる。
こんなにも嬉しく思うようになるなんてね。あまりの変化にクスッと笑った。
「喜んで」
心からの返事を言えた。それが何よりも嬉しい。
シェスの手を取り移動する。所詮控えの間は控えの間であって、ダンスをするような広さはない。
しかし周りの皆は壁沿いに身体を寄せたかと思うと、控えの間に小さなダンスホールが出来たかのような広さが保たれた。
曲は静かな選曲になり、シェスは私の身体を引き寄せステップを踏む。
間近にシェスの顔。あの時は怖かった……。
今は好きな人をこれほど間近に見られる嬉しさが。
冷徹王子のときよりも、今はとても穏やかな表情になったシェス。
その冷徹さがなくなると美しさの中に可愛さや愛おしさが溢れ出す。その魅力に目を奪われ、つい間近で見詰めすぎていたようだ。シェスは顔を赤らめた。
「そんなに見詰めないでくれ」
「フフ、ごめんなさい」
幸せな気分でクスクスと笑った。そう、幸せだった、この瞬間までは。
「フッ。本当に君は変わっているな。君は一体誰なんだ?」
「!!」
シェスは微笑みながら言ったが、私がギクリとし動きを止めてしまうと、シェスの顔は明らかに「しまった!」といった顔付きになっていた。
どういう意味!? 誰なんだって……、シェスは知っている!? 私が別人だと分かっているの!?
一気に血の気が引いていくのが分かった。
シェスの手を離し後退る。
「いや、違う! そうじゃなく……」
シェスは何か言おうとしていたが、聞くのが怖かった。聞きたくなかった。
周りの皆はそんな私たちの姿に気付きざわざわとし出す。
もう駄目だ。私はここにいてはいけない。
ずっと皆を騙し続けて来た報いだ。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
私は走り出し、その場から逃げ出した。
「お嬢!」
「お嬢様!」
オルガとマニカの叫ぶ声が聞こえたが、止まることは出来なかった。
驚く皆の間をすり抜け外へ! 城の中を駆け抜け、私室まで。シェスから贈られたドレスの裾をたくしあげ必死に走り私室まで戻った。
固く扉を閉ざし誰も入って来れないように!
もう駄目だわ。もう駄目。早く、早く、早く!!
もうここにはいられない! 早くあの魔術を!!
皆に嫌われるのが……、怖い……。
「君は一体誰なんだ?」
違う! 違う! そんなことを言いたい訳ではなかった。
ただ、ただ本当に自分をこんな風に変えてしまったリディアが不思議で、純粋に自分にとってどれだけ大きな存在なのだと、そう思っただけなのだ。
しかし、しばらく疑惑が頭の中を占めていたせいで、言い方を間違えてしまった。
その言葉にリディアは蒼白になった。そして拒絶し逃げた。
シェスレイトは走り去るリディアを止めることすら出来なかった。
心が近付いていたかと思っていたのは勘違いだったのか……。
シェスレイトが呆然とする中、オルガとマニカだけでなく、ラニール、ルシエス、イルグストがリディアを追いかけて行った。
「殿下! 何をぼーっとされているのですか! 貴方はどうするのです!? 皆、リディア様を追って行かれましたよ!?」
ディベルゼは叱咤する。
「わ、私は……」
リディアは何も聞かずに逃げて行ってしまった。追いかけて何を言ってももう受け入れてはもらえないのではないか。拒絶しかないのではないか。そう思うとシェスレイトは怖くなり動けない。
「貴方は誰が好きなのですか!! 今のリディア様が好きだったのではないのですか!? 覚悟を決めたのではないのですか!? いい加減になさい!! 大事なものを失いますよ!!」
ディベルゼの怒声が響き渡った。
「殿下、ここで諦めると二度とリディア様は貴方の元には戻りませんよ」
ギルアディスが静かに言った。
「私は…………、リディアを失いたくはない」
リディアが何者だろうと、どんな理由があるのだろうと受け入れると覚悟を決めたのに、自分は何をやっているんだ。情けない! シェスレイトは自分自身に憤りを感じた。
シェスレイトは走り出した。リディアを取り戻すために。
「鏡! 鏡を……」
扉に鍵を掛け誰も入って来れないようにし、鏡台の引き出しに入れてあったあの鏡を取り出す。
もうすぐ誕生時間だ。丁度いい。もう私はこの世界からいなくなるのよ。
皆をだましていた「私」はいなくなる。本当の「リディア」が戻って来る。
いきなりこういう状況に放り込まれるリディアには申し訳ないけどね……。
最後の最後にこんな形で皆とお別れしないといけないなんて……。自業自得か……。情けないやら悲しいやら、クスッと笑った。
「そろそろ時間だね……」
鏡を手に取り自分の姿を写す。
浅葱色の髪に金色の瞳、シェスが贈ってくれたシェスの色のドレス。ドレスのスカートをそっと撫でた。
シェス……、あなたが好きだった……、さようなら……。
*********************************
残り三話となりました。
明日朝7時台、昼12時台、夜20時台完結、と一挙更新予定です。
よろしくお願いします。
ぼろぼろと涙が零れてしまった。
「リ、リディ」
驚いたシェスはあわあわと戸惑っている。皆も驚き一斉に周りに集まって来た。
唯一ラニールさんだけは前泣いてしまったところを見られていただけあって、見慣れたのか落ち着いていた。
「落ち着け」
そっと優しく撫でられ、ますます涙が溢れる。
「せっかくマニカが素敵にお化粧してくれたのに~」
嬉しいのに、皆が優しくて嬉し過ぎて涙が止まらない。ぼろぼろぼろぼろと溢れ出る。
泣いてるくせに化粧を気にするなんて、と皆驚き大笑いになった。
「アハハ! やっぱりリディはそうじゃないとな!」
ルーが盛大に笑いながら肩に手を置きバシバシと叩く。痛いし。何か褒めてないし。
「どういう意味よぉ」
泣きながら反論するとますます笑われた。うん、結局こうなるのね。
皆が心配の顔から笑顔になり、これはこれでまあ良いか。
シェスがハンカチを取り出し涙をそっと拭いてくれた。
「ありがとうございます、シェス」
「だ、大丈夫か? それは悲しい涙ではないのだな?」
「えぇ、フフ、ご心配おかけして申し訳ありません。みんなが大好き過ぎて嬉しくて」
何故か微妙な顔のシェスだったが、悲しい訳ではないと分かったからか、安堵の表情になった。
「ありがとうございます、シェス。こんな素敵なお祝いを」
「あぁ」
シェスは片手を差し出し、私の手を取った。控えの間の中央までエスコートしてくれる。
部屋の中央には様々な料理やデザートが並んでいた。
「ラニールさんとこの前話していたのは、この日のことだったのですね」
「あ、あぁ、すまない、皆に内緒にしてもらっていた」
「リディアを喜ばせるためだ」
ラニールさんが再び頭を撫でながら、シェスの言葉に付け足すように言った。
「えぇ、分かっています、ありがとうございます。私は何て幸せものなのでしょう」
心からそう思った。
そして皆乾杯をし、立食で食事を楽しみつつ、皆がお祝いの声を掛けてくれる。
周りでは楽団が様々な曲を演奏してくれていた。
騎士たちも休憩になると入れ替わり立ち替わり顔を見せに来てくれる。
そうこうしている内に外は暗くなっていき、控えの間には灯りがともされていく。
「私と一曲踊ってくれないか?」
シェスが片手を差し出し聞いた。
シェスとのダンス……、婚約発表の日、初めてシェスと踊った。
あの時はただ緊張と怖さとで、楽しさなんてなかった。
でも今は? 今、シェスと踊ると思っただけで、ドキリと心臓が跳ねた。嬉しさが込み上げる。
こんなにも嬉しく思うようになるなんてね。あまりの変化にクスッと笑った。
「喜んで」
心からの返事を言えた。それが何よりも嬉しい。
シェスの手を取り移動する。所詮控えの間は控えの間であって、ダンスをするような広さはない。
しかし周りの皆は壁沿いに身体を寄せたかと思うと、控えの間に小さなダンスホールが出来たかのような広さが保たれた。
曲は静かな選曲になり、シェスは私の身体を引き寄せステップを踏む。
間近にシェスの顔。あの時は怖かった……。
今は好きな人をこれほど間近に見られる嬉しさが。
冷徹王子のときよりも、今はとても穏やかな表情になったシェス。
その冷徹さがなくなると美しさの中に可愛さや愛おしさが溢れ出す。その魅力に目を奪われ、つい間近で見詰めすぎていたようだ。シェスは顔を赤らめた。
「そんなに見詰めないでくれ」
「フフ、ごめんなさい」
幸せな気分でクスクスと笑った。そう、幸せだった、この瞬間までは。
「フッ。本当に君は変わっているな。君は一体誰なんだ?」
「!!」
シェスは微笑みながら言ったが、私がギクリとし動きを止めてしまうと、シェスの顔は明らかに「しまった!」といった顔付きになっていた。
どういう意味!? 誰なんだって……、シェスは知っている!? 私が別人だと分かっているの!?
一気に血の気が引いていくのが分かった。
シェスの手を離し後退る。
「いや、違う! そうじゃなく……」
シェスは何か言おうとしていたが、聞くのが怖かった。聞きたくなかった。
周りの皆はそんな私たちの姿に気付きざわざわとし出す。
もう駄目だ。私はここにいてはいけない。
ずっと皆を騙し続けて来た報いだ。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
私は走り出し、その場から逃げ出した。
「お嬢!」
「お嬢様!」
オルガとマニカの叫ぶ声が聞こえたが、止まることは出来なかった。
驚く皆の間をすり抜け外へ! 城の中を駆け抜け、私室まで。シェスから贈られたドレスの裾をたくしあげ必死に走り私室まで戻った。
固く扉を閉ざし誰も入って来れないように!
もう駄目だわ。もう駄目。早く、早く、早く!!
もうここにはいられない! 早くあの魔術を!!
皆に嫌われるのが……、怖い……。
「君は一体誰なんだ?」
違う! 違う! そんなことを言いたい訳ではなかった。
ただ、ただ本当に自分をこんな風に変えてしまったリディアが不思議で、純粋に自分にとってどれだけ大きな存在なのだと、そう思っただけなのだ。
しかし、しばらく疑惑が頭の中を占めていたせいで、言い方を間違えてしまった。
その言葉にリディアは蒼白になった。そして拒絶し逃げた。
シェスレイトは走り去るリディアを止めることすら出来なかった。
心が近付いていたかと思っていたのは勘違いだったのか……。
シェスレイトが呆然とする中、オルガとマニカだけでなく、ラニール、ルシエス、イルグストがリディアを追いかけて行った。
「殿下! 何をぼーっとされているのですか! 貴方はどうするのです!? 皆、リディア様を追って行かれましたよ!?」
ディベルゼは叱咤する。
「わ、私は……」
リディアは何も聞かずに逃げて行ってしまった。追いかけて何を言ってももう受け入れてはもらえないのではないか。拒絶しかないのではないか。そう思うとシェスレイトは怖くなり動けない。
「貴方は誰が好きなのですか!! 今のリディア様が好きだったのではないのですか!? 覚悟を決めたのではないのですか!? いい加減になさい!! 大事なものを失いますよ!!」
ディベルゼの怒声が響き渡った。
「殿下、ここで諦めると二度とリディア様は貴方の元には戻りませんよ」
ギルアディスが静かに言った。
「私は…………、リディアを失いたくはない」
リディアが何者だろうと、どんな理由があるのだろうと受け入れると覚悟を決めたのに、自分は何をやっているんだ。情けない! シェスレイトは自分自身に憤りを感じた。
シェスレイトは走り出した。リディアを取り戻すために。
「鏡! 鏡を……」
扉に鍵を掛け誰も入って来れないようにし、鏡台の引き出しに入れてあったあの鏡を取り出す。
もうすぐ誕生時間だ。丁度いい。もう私はこの世界からいなくなるのよ。
皆をだましていた「私」はいなくなる。本当の「リディア」が戻って来る。
いきなりこういう状況に放り込まれるリディアには申し訳ないけどね……。
最後の最後にこんな形で皆とお別れしないといけないなんて……。自業自得か……。情けないやら悲しいやら、クスッと笑った。
「そろそろ時間だね……」
鏡を手に取り自分の姿を写す。
浅葱色の髪に金色の瞳、シェスが贈ってくれたシェスの色のドレス。ドレスのスカートをそっと撫でた。
シェス……、あなたが好きだった……、さようなら……。
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よろしくお願いします。
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