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カナデ編
第三十六話 誕生日
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「………………」
シンと静まり返った部屋。
何も起こらない。
「………………、どういうこと!?」
どうして何も起こらないの!?
「カナデ」は魔術を行わなかったの!?
もしや今日を忘れているの!?
それとも何かあったの!?
何も分からない。
魔術は誕生日誕生時間に行わないと発動しない。時間が過ぎてしまった今、もう魔術を行うことは出来ない。再び行いたいのならばまた今から一年後だ。
どうしたら良いのか分からず不安な気持ち。
「カナデ」に何かあったのかという心配な気持ち。
しかしそれらの中にほんの少し身勝手な気持ちが芽生える。
このまま魔術が発動しなければ、私はこのままこの世界にいられるのでは……。
そんな醜い心が露わになりそうで怖かった。
慌てて頭を振り考えを取り除く。
そのとき「ガシャン」という音がした。
背後に振り向くと音の正体は写真立てだということが分かった。
「おばあちゃん……」
おばあちゃんの写真が棚から落ちたのだ。
落ち着きなさい、そう言われたような気がした。
割れてしまった写真立てからおばあちゃんの写真を取り出す。
「?」
おばあちゃんの写真を手に取ると、そこに重なるもう一枚の写真に気付いた。
「なんだっけ? 何か入れていたかしら」
もう一枚の写真。
それは両親の写真だった。
「なんでここに……」
「カナデ」は両親の記憶がなかった。全く覚えてもいない人たちの写真を飾っていてもどうなんだ、とカナデは考えていた。さらに祖母が両親の話を聞くと決まって悲しそうな顔をするので、聞けなくなった。
だからカナデは両親の写真を飾らなくなった。
そのまま祖母の写真の後ろに挟んだまま、すっかり忘れ去られていたのだ。
「パパ……、ママ……」
そのとき何かが弾けたように頭の中が真っ白になった。
いや、違う、真っ白というよりも、一気に大量の情報が溢れ出して来た。まるで今まで無理矢理閉じていた箱の鍵を開け、中身が飛び出すかのように。
物心付いたころにお店で迷子になって泣きわめいたこと。
初めて母のお手伝いをして褒められたこと。
父と一緒になって水遊びをし、ずぶ濡れになって父と二人で母に盛大に叱られたこと。
幼稚園の入園式で緊張したこと。
公園で遊びに夢中になりすぎて泥んこになったこと。
夏に家族で海に遊びに行ったこと。
他にもたくさんの想い出。幼かったからきっと全てを覚えている訳ではない。それでも少しだけだとしても優しかった両親を覚えている。
そして……、あの日、車でハイキングに出かけたことも……。
何もかも思い出した。
私は「水嶌奏」だった。
五歳以前の記憶、あの事故で失っていた記憶、「カナデ」が忘れていた訳ではなかった。
「カナデ」ではない、「私」の記憶だったから。
「私」の記憶だったから「カナデ」は知らなかったのよ。だから記憶を共有しても五歳以前の記憶がなかった。
それは私も同じ。「リディア」だったとき、五歳以前の記憶がなかった。ずっと記憶を失くしただけだと思っていた。でも違ったのよ。私には「リディア」の記憶がなかった。
いくら「貴女はリディアだ」と言われても違和感があったのは、私は「水嶌奏」だったから。
なんの弾みか分からないけれど、きっと同じときに事故に遭い、記憶を失くした私たちは入れ替わってしまった……。
そしてそのまま別の人生を送ることになってしまったのね……。
私の違和感はおかしいことではなかったのね……。
あぁ、このことを「カナデ」は気付いたかしら。彼女は今どうしているのかしら。
私はこの世界にいたい。「水嶌奏」として元の人生に戻りたい。
でもそれは「カナデ」の気持ちを確認してからじゃないと……。
どうしたら良いの……。
そのとき発動する予定であったはずの卓上の鏡から眩い光が放たれた。
部屋一面が真っ白の光に包まれる。
思わず目を瞑るが、光がおさまったのを確認しそっと目を開けると……
『リディア!!』
鏡の中には以前の私の顔……、リディアが映っていた。
「カナデ? カナデですか!? 本当に!?」
『リディア!! 良かった! 連絡が取れて!』
心配そうに、しかし懐かしそうに鏡を覗き込むカナデ。
「魔術は発動しなかったのですよね? 一体どうやって……」
鏡の中のカナデは笑顔で答えた。そちらの世界で友達になったイルグスト殿下に教えてもらい、違う魔術を発動させたということを。
そんな魔術があったのね。こうやって連絡が取れたことは本当に感謝だわ。
「元気そうですね、あなたがご無事で良かったです。私の我儘に付き合わせてしまって本当に申し訳なかったととても後悔していたのです」
『うん、最初は驚いたし、何て勝手な! って思ったりもしたけど……、私はここでとても幸せに過ごせたよ』
フフ、最初はやはり怒っていたのね、申し訳ないわ。でも……幸せだったのね……嬉しい。
「あなたが幸せで良かった。シェスレイト殿下と仲良くなれたのですね?」
その言葉にカナデは顔を赤らめた。カナデの横にはシェスレイト殿下もいる。彼もまた顔を赤らめ、二人で照れている。
フフ、微笑ましい。素敵。
私だったならきっとシェスレイト殿下とあんな素敵な関係にはなれなかったでしょうね。
「フフ、とても素敵な恋をしているのね」
『リディアはどうなの? そちらで過ごしていて幸せ?』
「えぇ、私も素敵な恋をしましたの。とても優しい方で……、離れたくないのです」
蒼汰さんと離れたくない。希実夏さんを想い続ける蒼汰さんを支えたい。わがままだろうが、それが偽りのない今の私の気持ち。
カナデには分かってもらいたい。
『リディア……、それってそのままその世界にいたいってこと?』
このままこの世界にいたい。シェスレイト殿下と心を通わせたカナデならばきっと分かってくれるはず……。
「…………、えぇ。カナデは違いますか?」
もう迷わない。これが私の本当の気持ちだから。
『私は……』
カナデは考え込んだ。横にいるシェスレイト殿下がカナデの手を握り締めた。カナデはシェスレイト殿下と見詰め合い、そして意を決したように言葉にした。
『私もここにいたい』
シェスレイト殿下も嬉しそう。良かった。心からそう思った。
「良かった。私たちは本来の姿に戻るのですね」
鏡の中のカナデは驚いた顔をした。
『!! 知ってたの!?』
「つい先程です。何かが弾けたように記憶が蘇った。私は五歳のときに交通事故に遭い記憶を失くしました。それまでの記憶は私がカナデだった。幼くてあまり覚えてはいませんが、それでも優しい両親を覚えています。私たちは幸せな家族でした」
心が軽くなった気がした。
「私はカナデです。水嶌奏。私はこちらで生きて行きます。あなたはリディア・ルーゼンベルグとして生きてください。幸せにね」
『リディア……。違った、奏。あなたも幸せにね』
「えぇ、ありがとう」
『お嬢!! 幸せにね!!』
オルガ!!
『お嬢様、私も貴女様の幸せを祈っております!』
マニカ!!
あぁ、二人とも懐かしい……、こんな私を今もまだ心配してくれていたのね。
「ありがとう、マニカ! オルガ! 二人共大好きよ!」
本当よ、大好きだったのよ。あなたたちと別れたい訳ではなかったのよ。違うのよ。
大好きだった!!
さようなら、そしてありがとう、大好きだった人たち……、みんな幸せに……。
シンと静まり返った部屋。
何も起こらない。
「………………、どういうこと!?」
どうして何も起こらないの!?
「カナデ」は魔術を行わなかったの!?
もしや今日を忘れているの!?
それとも何かあったの!?
何も分からない。
魔術は誕生日誕生時間に行わないと発動しない。時間が過ぎてしまった今、もう魔術を行うことは出来ない。再び行いたいのならばまた今から一年後だ。
どうしたら良いのか分からず不安な気持ち。
「カナデ」に何かあったのかという心配な気持ち。
しかしそれらの中にほんの少し身勝手な気持ちが芽生える。
このまま魔術が発動しなければ、私はこのままこの世界にいられるのでは……。
そんな醜い心が露わになりそうで怖かった。
慌てて頭を振り考えを取り除く。
そのとき「ガシャン」という音がした。
背後に振り向くと音の正体は写真立てだということが分かった。
「おばあちゃん……」
おばあちゃんの写真が棚から落ちたのだ。
落ち着きなさい、そう言われたような気がした。
割れてしまった写真立てからおばあちゃんの写真を取り出す。
「?」
おばあちゃんの写真を手に取ると、そこに重なるもう一枚の写真に気付いた。
「なんだっけ? 何か入れていたかしら」
もう一枚の写真。
それは両親の写真だった。
「なんでここに……」
「カナデ」は両親の記憶がなかった。全く覚えてもいない人たちの写真を飾っていてもどうなんだ、とカナデは考えていた。さらに祖母が両親の話を聞くと決まって悲しそうな顔をするので、聞けなくなった。
だからカナデは両親の写真を飾らなくなった。
そのまま祖母の写真の後ろに挟んだまま、すっかり忘れ去られていたのだ。
「パパ……、ママ……」
そのとき何かが弾けたように頭の中が真っ白になった。
いや、違う、真っ白というよりも、一気に大量の情報が溢れ出して来た。まるで今まで無理矢理閉じていた箱の鍵を開け、中身が飛び出すかのように。
物心付いたころにお店で迷子になって泣きわめいたこと。
初めて母のお手伝いをして褒められたこと。
父と一緒になって水遊びをし、ずぶ濡れになって父と二人で母に盛大に叱られたこと。
幼稚園の入園式で緊張したこと。
公園で遊びに夢中になりすぎて泥んこになったこと。
夏に家族で海に遊びに行ったこと。
他にもたくさんの想い出。幼かったからきっと全てを覚えている訳ではない。それでも少しだけだとしても優しかった両親を覚えている。
そして……、あの日、車でハイキングに出かけたことも……。
何もかも思い出した。
私は「水嶌奏」だった。
五歳以前の記憶、あの事故で失っていた記憶、「カナデ」が忘れていた訳ではなかった。
「カナデ」ではない、「私」の記憶だったから。
「私」の記憶だったから「カナデ」は知らなかったのよ。だから記憶を共有しても五歳以前の記憶がなかった。
それは私も同じ。「リディア」だったとき、五歳以前の記憶がなかった。ずっと記憶を失くしただけだと思っていた。でも違ったのよ。私には「リディア」の記憶がなかった。
いくら「貴女はリディアだ」と言われても違和感があったのは、私は「水嶌奏」だったから。
なんの弾みか分からないけれど、きっと同じときに事故に遭い、記憶を失くした私たちは入れ替わってしまった……。
そしてそのまま別の人生を送ることになってしまったのね……。
私の違和感はおかしいことではなかったのね……。
あぁ、このことを「カナデ」は気付いたかしら。彼女は今どうしているのかしら。
私はこの世界にいたい。「水嶌奏」として元の人生に戻りたい。
でもそれは「カナデ」の気持ちを確認してからじゃないと……。
どうしたら良いの……。
そのとき発動する予定であったはずの卓上の鏡から眩い光が放たれた。
部屋一面が真っ白の光に包まれる。
思わず目を瞑るが、光がおさまったのを確認しそっと目を開けると……
『リディア!!』
鏡の中には以前の私の顔……、リディアが映っていた。
「カナデ? カナデですか!? 本当に!?」
『リディア!! 良かった! 連絡が取れて!』
心配そうに、しかし懐かしそうに鏡を覗き込むカナデ。
「魔術は発動しなかったのですよね? 一体どうやって……」
鏡の中のカナデは笑顔で答えた。そちらの世界で友達になったイルグスト殿下に教えてもらい、違う魔術を発動させたということを。
そんな魔術があったのね。こうやって連絡が取れたことは本当に感謝だわ。
「元気そうですね、あなたがご無事で良かったです。私の我儘に付き合わせてしまって本当に申し訳なかったととても後悔していたのです」
『うん、最初は驚いたし、何て勝手な! って思ったりもしたけど……、私はここでとても幸せに過ごせたよ』
フフ、最初はやはり怒っていたのね、申し訳ないわ。でも……幸せだったのね……嬉しい。
「あなたが幸せで良かった。シェスレイト殿下と仲良くなれたのですね?」
その言葉にカナデは顔を赤らめた。カナデの横にはシェスレイト殿下もいる。彼もまた顔を赤らめ、二人で照れている。
フフ、微笑ましい。素敵。
私だったならきっとシェスレイト殿下とあんな素敵な関係にはなれなかったでしょうね。
「フフ、とても素敵な恋をしているのね」
『リディアはどうなの? そちらで過ごしていて幸せ?』
「えぇ、私も素敵な恋をしましたの。とても優しい方で……、離れたくないのです」
蒼汰さんと離れたくない。希実夏さんを想い続ける蒼汰さんを支えたい。わがままだろうが、それが偽りのない今の私の気持ち。
カナデには分かってもらいたい。
『リディア……、それってそのままその世界にいたいってこと?』
このままこの世界にいたい。シェスレイト殿下と心を通わせたカナデならばきっと分かってくれるはず……。
「…………、えぇ。カナデは違いますか?」
もう迷わない。これが私の本当の気持ちだから。
『私は……』
カナデは考え込んだ。横にいるシェスレイト殿下がカナデの手を握り締めた。カナデはシェスレイト殿下と見詰め合い、そして意を決したように言葉にした。
『私もここにいたい』
シェスレイト殿下も嬉しそう。良かった。心からそう思った。
「良かった。私たちは本来の姿に戻るのですね」
鏡の中のカナデは驚いた顔をした。
『!! 知ってたの!?』
「つい先程です。何かが弾けたように記憶が蘇った。私は五歳のときに交通事故に遭い記憶を失くしました。それまでの記憶は私がカナデだった。幼くてあまり覚えてはいませんが、それでも優しい両親を覚えています。私たちは幸せな家族でした」
心が軽くなった気がした。
「私はカナデです。水嶌奏。私はこちらで生きて行きます。あなたはリディア・ルーゼンベルグとして生きてください。幸せにね」
『リディア……。違った、奏。あなたも幸せにね』
「えぇ、ありがとう」
『お嬢!! 幸せにね!!』
オルガ!!
『お嬢様、私も貴女様の幸せを祈っております!』
マニカ!!
あぁ、二人とも懐かしい……、こんな私を今もまだ心配してくれていたのね。
「ありがとう、マニカ! オルガ! 二人共大好きよ!」
本当よ、大好きだったのよ。あなたたちと別れたい訳ではなかったのよ。違うのよ。
大好きだった!!
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