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【 終章 】 希望を胸に抱いて
⑭ 君だけが本当の家族だから
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好感触な再会の挨拶を経て、今後についての話題に移る。
「ふたりの新生活を全面的に支援する。しかし君たちは最終的に己の力で、この地で生きていく力を身につけ、生きがいを見つけていかねばならない」
王はアンヴァルに国政に携わる意欲があるか尋ねた。この国は地勢により他国との交流がない、建国より持続する独立国家だ。
「時折、外国からの漂流者がやってきて、話を聞くに、我が国はまだまだ小国なのだな」
他国との交流がないので、大きく発展しないのは当然だ。
「国が成り数百年、緩やかに人口を増やしてここまで来た。いまだ我が国には課題がいっぱいだ」
「俺は……俺の得意分野で国の平穏に寄与できたらと思います」
アンヴァルは祖国の軍隊システムや経験した職務について語った。
この国に軍隊というものはない。それぞれの島に大小様々な自警団が存在していて、必要な時に雇うといった具合だ。
「現状、災害や事故の際に統制がよく取れていないことが課題なんだ」
王はアンヴァルに期待を寄せた眼光を放った。
「俺に任せていただければ、全力で任務にあたります」
「よし、早速明日議会を開こう。他に何か、望むものはあるか? できる限り対処するぞ」
「ひとつ、あります」
アンヴァルは兄に真摯な瞳で応対した。
「言ってくれ」
「俺にはアンヴァルという名があります。どこの誰が名付けたかは知る由もありません。ただ、ずっとこの名前できたので、これからも俺はアンヴァルの名で生きていきたい」
「ヴァル……」
この言葉を聞いて、アリアンロッドの胸にほのかな安堵感が過ぎった。
「そうか。そうだな。アンヴァル、良い名だ。我ら再び家族として、よくやっていこう。そして、この地に生きるすべての民を安らかな未来に繋ぐため、力を貸してくれ。国の行く末を共に支えよう」
「はい」
兄弟は力強く握手を交わした。次にエブライム王が振り向いたのはアリアンロッドのほうだった。
「アリアンロッド姫」
「は、はい!」
「君にも頼みたい仕事があるのだが」
王は、彼女の居ずまいより、王家の人間としての資質を見抜いたようだ。
「しばらくは王宮に滞在して、我が国の暮らしに慣れてくれるかな。そしてこの地で、君ならではの役割を担ってくれたら、私は非常に嬉しい」
「はいっ、ぜひ。お心遣いありがとうございます」
この場でのアリアンロッドはまだ、新情報の氾濫で頭も心もついていかない部分もあった。それでも退室し、王宮内の仮部屋を用意され、宮廷内を案内されるうちにだんだんと実感が沸いてきた。
ここは成熟した社会であり、自身はその一員となり、この未知の環境で、また新たに己の存在意義を求めてもいいのだと。
それから三月かけて、アリアンロッドは宮廷に馴染んでいった。はじめに賓客として王妃に紹介され、彼女とその教育係の女性に、国の上流階層の女性の作法を習った。祖国ほど厳格ではないので案外楽しかった。そのうち物珍しさで宮廷に出入りする女性たちに囲まれるようになり、国の外を知らない彼女らに、様々なことを面白おかしく話して聞かせるのだった。
アリアンロッドの立ち振る舞いも、この国の作法とは違えど、女性たちの目には極めて煌びやかに映り、瞬く間に憧れの対象となっていった。
やがて、アリアンロッドの所作や知識に惹かれた宮廷の役人らが、子どもに学問を教えてもらえたらと、そんな噂話だか評判が流れるようになった。
(うーん……家庭教師、か……)
アリアンロッドは一筋の光が見えた気がした。いつまでも王宮のタダ飯食らいでいるわけにはいかない。自立した大人になりたいのだ。
一方アンヴァルは公家の地位に返り咲き、今後、職務としては、国防を発展させるための新機構の官長に任命された。まずは人材を集め、治安警備隊の基盤となる団体の取りまとめを行うことに。
さらに彼は私邸を譲り受けた。王宮から馬車で1時間程度の海沿いに建つ、アンヴァルの母の伯父にあたる人物が遺した邸宅ということだ。
彼は支度ができ次第、そちらへ移り住むと聞いたアリアンロッドは、少し心に隙間風が吹いた。おそらくアンヴァルの所有物が増えて、自身だけが置いていかれると感じたのだろう。
(ううん。私なんてよそ者なのに、こんなに王宮で大切にしてもらえてる……。このチャンスをしっかり活用して、私の生きる道を定めなくては。誰かのお荷物にならないように……)
こんなふうに少し焦りを感じたり、寂しくなったりすることもある。そんな時は、夜にこっそり、王宮の裏の丘へ駆けていった。
丘とは言え王宮の庭の一部であり、裏口を出てから小半時ほど、木々に両端を覆われた小道を上がっていくと、行き止まりの崖の先には大海原が広がっているのだった。崖棚は芝生になっており、座り込んでも快適だ。左手には王宮の塔がそびえ、広大な夜の静かな空間に、大自然とノスタルジックな建造物の共生──その幻想的な景色を前にアリアンロッドはひとり、揺れ動く心を落ち着かせていた。
冬の訪れはすぐそこだ。今思えば、洞窟での一心不乱な生活は、温暖な季節のあいだに始まり、終わった。それは神の采配だったのだ。
アンヴァルが翌日、新邸に移ると聞こえてきた日の夜、アリアンロッドはまた王宮の裏の丘にのぼり、崖棚に腰を下ろして星空を眺めていた。巫女に譲ってもらった絹の寝巻を気に入って、部屋着として常用しているが、夜はもうだいぶ寒く、皮の衣を上に羽織ってきた。
(ああ、ヴァルが王宮からいなくなっても、私、ひとりでやっていけるかしら……。なんて、以前も彼が王宮から引っ越したことがあったわね……)
「こんな遅くに……風邪でも引いたら厄介だぞ」
「……っ」
完全に気配を断って近づかれて、彼の接近に気付けず、アリアンロッドは分かりやすく跳ね上がった。
「ヴァル!?」
ちょうど彼のことを考えていた彼女は、なんだか居たたまれない。
「も~~悪趣味!」
「平和ボケしてるな。いいことだ」
アンヴァルは隣に腰を落ち着けた。
彼は彼女の部屋を訪ねたが不在で、アリアンロッドが良い場所を見つけたと、軽口で話していたのを思い出して、探しに来た。アンヴァルは長めのマントを羽織ってきて良かったと外に出るとき思ったが、存外寒くない。
夜の闇の中のかすかな水平線が、海と空を分ける。果てしなくて、しかし恐ろしさは感じない。確かに良い場所だと、彼も気に入った様子だ。
アリアンロッドは引き続き海原を眺め、アンヴァルはいったん芝生に寝転がり高い夜空を見上げ、言葉を交わすことなく爽やかな空気に酔いしれて、静かな夜の一時を過ごした。
しばらくしてアンヴァルは、ちらりとアリアンロッドの横顔を目にして、彼女は今、寂しさを抱えていないだろうか、と考えた。
アンヴァルはこのところ、彼女と出会った日のことを思い出す機会が度々あった。
それは他でもない、彼がこの地に来て、本当の家族というものを得たからだった。
────『あなたも独りなんだ? じゃあ私たち、家族になりましょう!』
彼が初めて王宮の庭園で彼女を見かけた時、彼女は泣いていた。王太子の小姓として慌ただしく過ごしていたので面倒だと思ったが、迷子じゃ可哀そうだと声を掛けたら、王宮に召し上げられたばかりで、母親と別れてしまったと話しだした。
保護者を探すため王宮内をうろつきながら、彼女は堰を切ったようにおしゃべりをする。
『あ、私はアリア。7歳よ。あなたは?』
『アンヴァル』
『お母さんといっしょにおしごと?』
『母はいない』
『じゃあお父さんは?』
自身の出自を恥じているアンヴァルはその辺にあまり触れて欲しくない。そっぽを向いてぼそっと答えた。
『父もいない』
『私もよ!』
アリアンロッドの大きな紫の目がより大きく丸くなっている。アンヴァルはその瞳に気圧されそうだ。
『じゃあ私たち家族になりましょう!』
『家族……?』
困惑するアンヴァルに、彼女はにっこり微笑んだ。
アリアンロッドの笑顔は“独り者、みんなで家族になれば怖くない”の精神の発露であったが、以後、彼女は本当に寸分の遠慮もなく、彼に信頼を委ねるようになった。
────なのに、俺だけが、血縁と再会してしまった。
アリアンロッドにとっては無縁の地だ。となれば、遠く離れてしまった故郷に、生まれ育ったあの地に帰りたくもなるだろう。
いくらか調べてみたが、やはりこの孤島から出られる術は現状、不明である。彼女が望むなら、いつかはその解明に心血を注ぐ覚悟もある。
────でも、それは今じゃない。
俺は、この地でお前と────
「俺には、この世でお前だけなんだ」
彼の真意が口からぽろりと零れた。
「ふたりの新生活を全面的に支援する。しかし君たちは最終的に己の力で、この地で生きていく力を身につけ、生きがいを見つけていかねばならない」
王はアンヴァルに国政に携わる意欲があるか尋ねた。この国は地勢により他国との交流がない、建国より持続する独立国家だ。
「時折、外国からの漂流者がやってきて、話を聞くに、我が国はまだまだ小国なのだな」
他国との交流がないので、大きく発展しないのは当然だ。
「国が成り数百年、緩やかに人口を増やしてここまで来た。いまだ我が国には課題がいっぱいだ」
「俺は……俺の得意分野で国の平穏に寄与できたらと思います」
アンヴァルは祖国の軍隊システムや経験した職務について語った。
この国に軍隊というものはない。それぞれの島に大小様々な自警団が存在していて、必要な時に雇うといった具合だ。
「現状、災害や事故の際に統制がよく取れていないことが課題なんだ」
王はアンヴァルに期待を寄せた眼光を放った。
「俺に任せていただければ、全力で任務にあたります」
「よし、早速明日議会を開こう。他に何か、望むものはあるか? できる限り対処するぞ」
「ひとつ、あります」
アンヴァルは兄に真摯な瞳で応対した。
「言ってくれ」
「俺にはアンヴァルという名があります。どこの誰が名付けたかは知る由もありません。ただ、ずっとこの名前できたので、これからも俺はアンヴァルの名で生きていきたい」
「ヴァル……」
この言葉を聞いて、アリアンロッドの胸にほのかな安堵感が過ぎった。
「そうか。そうだな。アンヴァル、良い名だ。我ら再び家族として、よくやっていこう。そして、この地に生きるすべての民を安らかな未来に繋ぐため、力を貸してくれ。国の行く末を共に支えよう」
「はい」
兄弟は力強く握手を交わした。次にエブライム王が振り向いたのはアリアンロッドのほうだった。
「アリアンロッド姫」
「は、はい!」
「君にも頼みたい仕事があるのだが」
王は、彼女の居ずまいより、王家の人間としての資質を見抜いたようだ。
「しばらくは王宮に滞在して、我が国の暮らしに慣れてくれるかな。そしてこの地で、君ならではの役割を担ってくれたら、私は非常に嬉しい」
「はいっ、ぜひ。お心遣いありがとうございます」
この場でのアリアンロッドはまだ、新情報の氾濫で頭も心もついていかない部分もあった。それでも退室し、王宮内の仮部屋を用意され、宮廷内を案内されるうちにだんだんと実感が沸いてきた。
ここは成熟した社会であり、自身はその一員となり、この未知の環境で、また新たに己の存在意義を求めてもいいのだと。
それから三月かけて、アリアンロッドは宮廷に馴染んでいった。はじめに賓客として王妃に紹介され、彼女とその教育係の女性に、国の上流階層の女性の作法を習った。祖国ほど厳格ではないので案外楽しかった。そのうち物珍しさで宮廷に出入りする女性たちに囲まれるようになり、国の外を知らない彼女らに、様々なことを面白おかしく話して聞かせるのだった。
アリアンロッドの立ち振る舞いも、この国の作法とは違えど、女性たちの目には極めて煌びやかに映り、瞬く間に憧れの対象となっていった。
やがて、アリアンロッドの所作や知識に惹かれた宮廷の役人らが、子どもに学問を教えてもらえたらと、そんな噂話だか評判が流れるようになった。
(うーん……家庭教師、か……)
アリアンロッドは一筋の光が見えた気がした。いつまでも王宮のタダ飯食らいでいるわけにはいかない。自立した大人になりたいのだ。
一方アンヴァルは公家の地位に返り咲き、今後、職務としては、国防を発展させるための新機構の官長に任命された。まずは人材を集め、治安警備隊の基盤となる団体の取りまとめを行うことに。
さらに彼は私邸を譲り受けた。王宮から馬車で1時間程度の海沿いに建つ、アンヴァルの母の伯父にあたる人物が遺した邸宅ということだ。
彼は支度ができ次第、そちらへ移り住むと聞いたアリアンロッドは、少し心に隙間風が吹いた。おそらくアンヴァルの所有物が増えて、自身だけが置いていかれると感じたのだろう。
(ううん。私なんてよそ者なのに、こんなに王宮で大切にしてもらえてる……。このチャンスをしっかり活用して、私の生きる道を定めなくては。誰かのお荷物にならないように……)
こんなふうに少し焦りを感じたり、寂しくなったりすることもある。そんな時は、夜にこっそり、王宮の裏の丘へ駆けていった。
丘とは言え王宮の庭の一部であり、裏口を出てから小半時ほど、木々に両端を覆われた小道を上がっていくと、行き止まりの崖の先には大海原が広がっているのだった。崖棚は芝生になっており、座り込んでも快適だ。左手には王宮の塔がそびえ、広大な夜の静かな空間に、大自然とノスタルジックな建造物の共生──その幻想的な景色を前にアリアンロッドはひとり、揺れ動く心を落ち着かせていた。
冬の訪れはすぐそこだ。今思えば、洞窟での一心不乱な生活は、温暖な季節のあいだに始まり、終わった。それは神の采配だったのだ。
アンヴァルが翌日、新邸に移ると聞こえてきた日の夜、アリアンロッドはまた王宮の裏の丘にのぼり、崖棚に腰を下ろして星空を眺めていた。巫女に譲ってもらった絹の寝巻を気に入って、部屋着として常用しているが、夜はもうだいぶ寒く、皮の衣を上に羽織ってきた。
(ああ、ヴァルが王宮からいなくなっても、私、ひとりでやっていけるかしら……。なんて、以前も彼が王宮から引っ越したことがあったわね……)
「こんな遅くに……風邪でも引いたら厄介だぞ」
「……っ」
完全に気配を断って近づかれて、彼の接近に気付けず、アリアンロッドは分かりやすく跳ね上がった。
「ヴァル!?」
ちょうど彼のことを考えていた彼女は、なんだか居たたまれない。
「も~~悪趣味!」
「平和ボケしてるな。いいことだ」
アンヴァルは隣に腰を落ち着けた。
彼は彼女の部屋を訪ねたが不在で、アリアンロッドが良い場所を見つけたと、軽口で話していたのを思い出して、探しに来た。アンヴァルは長めのマントを羽織ってきて良かったと外に出るとき思ったが、存外寒くない。
夜の闇の中のかすかな水平線が、海と空を分ける。果てしなくて、しかし恐ろしさは感じない。確かに良い場所だと、彼も気に入った様子だ。
アリアンロッドは引き続き海原を眺め、アンヴァルはいったん芝生に寝転がり高い夜空を見上げ、言葉を交わすことなく爽やかな空気に酔いしれて、静かな夜の一時を過ごした。
しばらくしてアンヴァルは、ちらりとアリアンロッドの横顔を目にして、彼女は今、寂しさを抱えていないだろうか、と考えた。
アンヴァルはこのところ、彼女と出会った日のことを思い出す機会が度々あった。
それは他でもない、彼がこの地に来て、本当の家族というものを得たからだった。
────『あなたも独りなんだ? じゃあ私たち、家族になりましょう!』
彼が初めて王宮の庭園で彼女を見かけた時、彼女は泣いていた。王太子の小姓として慌ただしく過ごしていたので面倒だと思ったが、迷子じゃ可哀そうだと声を掛けたら、王宮に召し上げられたばかりで、母親と別れてしまったと話しだした。
保護者を探すため王宮内をうろつきながら、彼女は堰を切ったようにおしゃべりをする。
『あ、私はアリア。7歳よ。あなたは?』
『アンヴァル』
『お母さんといっしょにおしごと?』
『母はいない』
『じゃあお父さんは?』
自身の出自を恥じているアンヴァルはその辺にあまり触れて欲しくない。そっぽを向いてぼそっと答えた。
『父もいない』
『私もよ!』
アリアンロッドの大きな紫の目がより大きく丸くなっている。アンヴァルはその瞳に気圧されそうだ。
『じゃあ私たち家族になりましょう!』
『家族……?』
困惑するアンヴァルに、彼女はにっこり微笑んだ。
アリアンロッドの笑顔は“独り者、みんなで家族になれば怖くない”の精神の発露であったが、以後、彼女は本当に寸分の遠慮もなく、彼に信頼を委ねるようになった。
────なのに、俺だけが、血縁と再会してしまった。
アリアンロッドにとっては無縁の地だ。となれば、遠く離れてしまった故郷に、生まれ育ったあの地に帰りたくもなるだろう。
いくらか調べてみたが、やはりこの孤島から出られる術は現状、不明である。彼女が望むなら、いつかはその解明に心血を注ぐ覚悟もある。
────でも、それは今じゃない。
俺は、この地でお前と────
「俺には、この世でお前だけなんだ」
彼の真意が口からぽろりと零れた。
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