30 / 148
【 第二章 】 あなたを癒す力になりたい
⑨ 聖女、だけど、普通の人間 【 第一部・完 】
しおりを挟む
医師が自宅へ帰っていく、この日時、見送りの庭にて。
アリアンロッドは約束した人材をわらわら連れて、医師の元へとやってきた。
「し、7人……」
医師はおののく。
「全員年齢は10代、身分問わずいずれも高い志を持った者ばかりよ!」
にこにこするアリアンロッド。
「ご存じのとおり、うちにはそれだけの人数を収容できる場がないぞ……」
「あの屋根裏をちゃんと片付けて、できるだけ詰め込んで、入りきらない分は師の研究室で雑魚寝させてください。本人たち何でもすると言っているので!」
「考えてみよう……」
「それでね、この7人のうち、2人が女子です」
医師はまじまじと彼らを見た。
「私、友人と約束したの。……約束は、できてなかったかも」
医師の瞳に、アリアンロッドの話を真摯に聴こうとする心づもりが表れる。
「この国でも女性が男性と同じように、人に認められる、大きな仕事に携われるようにするって」
「ほう」
「私は、従来の女性の生き方も素敵だと思ってる。家を守り日々の暮らしを整える……夫と子どものために生きるって私には羨ましい。でも、もっと選択肢があってもいいじゃない。人をまとめたり、特別な技術で新しい何かを生みだしたり、多くの人に感謝されるような」
アリアンロッドは医師の瞳を改めて見つめた。
「師みたいな女性よ。この国にもきっと必要なの。でもあの2人は、5人の男子と同じようには働けないこともあるでしょう。特別扱いをしろというのではないけど、そういう時にはどうか、然るべき差配をお願いします」
ここで医師は存外、高揚感に満ちた頬のほころびようだ。この姫になら国政を任せてもいいか、といった、期待の表れだろう。
「あい分かった。しかしずいぶん途方もない目標だなそれは」
「友人にも言われたわ。でも百年単位で頑張るつもりよ」
「あなたの長寿を祈る。それにしても、7人の中にディオニソス殿下はいないのか。あの御方にこそ、私の持つすべての医術を継いでほしかったのだが」
医師は彼女を煽るように流し目で見る。冗談だと分かっているが、アリアンロッドにとって大人の女性は、押しなべて潜在的な恋敵だ。
「ディオ様は私のパートナーなので辞退します!」
「ははっ。まぁ彼は御歳22だそうで。けっこう歳がいってるからな。一からものを仕込むなら、やはり若いほうがいい」
「む?」
アリアンロッドは、ディオ様だってまだわりと若いもん。と頬を膨らませた。
医師を乗せた馬車の一行は城門を越え、その影は徐々に小さくなりゆく。
ついに見えなくなったらアリアンロッドは振り返り、宮殿に戻ろうとした。
その時。近くの塔の屋上にて、医師を見送っていたらしいディオニソスを見つけた。
「ディオ様!」
軽やかに塔の螺旋階段を昇りつめたアリアンロッドだった。
「どうしてこちらに?」
「見送ろうと思ったが、君たちの邪魔をしてはな」
「師はともかく、修業に出る子たちに激励の言葉をかけてくれたら良かったのに」
そろそろ太陽が高く上り、その場を照らす日差しも強くなる。ディオニソスはアリアンロッドを早く宮殿へ返さねばと、少々過保護なエスコートの手を差し伸べた。
「待って」
しかしアリアンロッドはそれをしなやかな手で遠慮した。
「あなた、帰ったらなんでも我が儘を聞いてくれるって言ったわよね?」
「あ、ああ……」
このアリアンロッドから放たれる強気な眼差しに、いったいどんな我が儘が繰り広げられるか、ディオニソスは固唾を呑んだ。
「よく聞いてね」
「ああ」
たった今、日の光に照らされアリアンロッドの瞳が淡く、アメシストのように輝く。
「私を政治の駒のひとつではなくて、人として、対等なパートナーとみなして」
「……?」
ディオニソスは、彼女が王宮にやってきたその日から、ただただ可愛く、生涯大事にしようと心を決めていた。それが妹のようであっても、愛猫のようなものであっても、たとえひとりの女の子、であっても。
しかしいつの間にか彼女は自我のあるひとりの人間──大人になっていた。
ただ権威の象徴として存在していて欲しい聖女には、自我など厄介なものかもしれないが。
「私はこの国の人のために生きたいの! きっと、そのために王宮に来た……」
そんな大きな夢を叫ぶようになっていた。
彼女の表情は真剣そのもので、ただ少しだけ、感極まり泣いているようにも見える。
「私が王宮にいる意味が欲しい。……私がこの聖痕を持って生まれた意味が欲しい!」
────たとえあなたと結ばれなくても────
「私は今まで王宮の奥にいて、知ることがなかった。私が漫然と過ごす宮殿の、城郭の向こうには、朝から晩まで日々を支えるために懸命に励んでいる人たちがいて、そんな彼らの顔を知らなかったの。そして、国、街、村……そういった枠の中で苦しんでいる人、困っている人がいることを現実のこととして想像することもなく──」
「うん」
「私は、始祖神より血を分け与えられた者として、この地に暮らす人の困難を癒す存在でありたい! だから」
彼女は湖よりも流水よりも透きとおる声で、切なる思いを打ち明けるのだった。
「せめて、あなたは私をひとりの人として見て。私を理解って。私も、何かできることがないかって考えて、手探りして、自分で決定したい。達成することで充実感を得たい、本当はみんなと同じ、普通の人間なの」
「それにはそれだけの責任が付きまとうが」
「覚悟の上よ。聖女として大きな国を抱えるのだから。そして今、この国は侵略の危機にさらされている」
塔から見渡せる城下の街を抱くように、両手を広げた。
「明日にも民の平穏が脅かされるかもしれない。今まで以上に慎重な舵取りが求められる。いつか国が重大な局面を迎えたら」
そして広げた手を己の胸元へ。不死鳥に誓うために。
「そのときは私のすべてを懸けるわ」
「…………」
ディオニソスはこの瞬間、彼女の背中に手を回し、そっと胸に抱き寄せた。そして頬に頬を寄せ、耳元で同じく誓約を呟いた。
「私の隣にいるのは生涯、君だけだ。同じ未来をまっすぐに見据えるのも」
「……ええ」
彼の心音は凪いだ海のように穏やかで、その鼓動に安心し、アリアンロッドは身を委ねた。
このひと時だけは、隣よりもう少し、近くで────
彼の腕の中で、自身の存在意義を甘くまろやかに噛みしめるのだった。
◇◇
「さぁ、まずはヴァルの機能回復訓練を手伝わなきゃ! そして“あの館での和議”が1年後に実現するように、週単位で計画を立てましょ。イナンナをその心ごと助け出して、この祖国で罪を償わせるわ」
「よし。旅のあいだに起こったことをすべて、細かく報告してくれ」
「ヴァルを交えて3人でね。私もちょっと分からないことが多くて」
「しかし、こちらから一方的に和議を求めるのでは、足元を見られかねないからな。ニフェウス国の戦勝見込みをくじき、こちらが有利になるよう事を運ぶには──」
ふたりは明日への希望に満ちていた。ふたり手を合わせ飛躍し、この地を柔らかな光の注ぐ幸福の土壌に変えようと、大きな夢を抱き、日常へ帰っていった。
しかし、覚醒したアリアンロッドの風変りな“予言の力”は、彼らの守りたい母国を、思わぬほうへ導いてしまう────
この時のふたりはまだそれを、知る由もなかったのだった。
˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚
数多の作品の中から、こちらをお読みくださいましてありがとうございました。
今後、毎回タイムスリップをして、必要なアイテム、人材、情報を手に入れながら、
主人公はヒーローたちとの絆を深めていきます。
続きもお楽しみいただけましたら幸いです。
アリアンロッドは約束した人材をわらわら連れて、医師の元へとやってきた。
「し、7人……」
医師はおののく。
「全員年齢は10代、身分問わずいずれも高い志を持った者ばかりよ!」
にこにこするアリアンロッド。
「ご存じのとおり、うちにはそれだけの人数を収容できる場がないぞ……」
「あの屋根裏をちゃんと片付けて、できるだけ詰め込んで、入りきらない分は師の研究室で雑魚寝させてください。本人たち何でもすると言っているので!」
「考えてみよう……」
「それでね、この7人のうち、2人が女子です」
医師はまじまじと彼らを見た。
「私、友人と約束したの。……約束は、できてなかったかも」
医師の瞳に、アリアンロッドの話を真摯に聴こうとする心づもりが表れる。
「この国でも女性が男性と同じように、人に認められる、大きな仕事に携われるようにするって」
「ほう」
「私は、従来の女性の生き方も素敵だと思ってる。家を守り日々の暮らしを整える……夫と子どものために生きるって私には羨ましい。でも、もっと選択肢があってもいいじゃない。人をまとめたり、特別な技術で新しい何かを生みだしたり、多くの人に感謝されるような」
アリアンロッドは医師の瞳を改めて見つめた。
「師みたいな女性よ。この国にもきっと必要なの。でもあの2人は、5人の男子と同じようには働けないこともあるでしょう。特別扱いをしろというのではないけど、そういう時にはどうか、然るべき差配をお願いします」
ここで医師は存外、高揚感に満ちた頬のほころびようだ。この姫になら国政を任せてもいいか、といった、期待の表れだろう。
「あい分かった。しかしずいぶん途方もない目標だなそれは」
「友人にも言われたわ。でも百年単位で頑張るつもりよ」
「あなたの長寿を祈る。それにしても、7人の中にディオニソス殿下はいないのか。あの御方にこそ、私の持つすべての医術を継いでほしかったのだが」
医師は彼女を煽るように流し目で見る。冗談だと分かっているが、アリアンロッドにとって大人の女性は、押しなべて潜在的な恋敵だ。
「ディオ様は私のパートナーなので辞退します!」
「ははっ。まぁ彼は御歳22だそうで。けっこう歳がいってるからな。一からものを仕込むなら、やはり若いほうがいい」
「む?」
アリアンロッドは、ディオ様だってまだわりと若いもん。と頬を膨らませた。
医師を乗せた馬車の一行は城門を越え、その影は徐々に小さくなりゆく。
ついに見えなくなったらアリアンロッドは振り返り、宮殿に戻ろうとした。
その時。近くの塔の屋上にて、医師を見送っていたらしいディオニソスを見つけた。
「ディオ様!」
軽やかに塔の螺旋階段を昇りつめたアリアンロッドだった。
「どうしてこちらに?」
「見送ろうと思ったが、君たちの邪魔をしてはな」
「師はともかく、修業に出る子たちに激励の言葉をかけてくれたら良かったのに」
そろそろ太陽が高く上り、その場を照らす日差しも強くなる。ディオニソスはアリアンロッドを早く宮殿へ返さねばと、少々過保護なエスコートの手を差し伸べた。
「待って」
しかしアリアンロッドはそれをしなやかな手で遠慮した。
「あなた、帰ったらなんでも我が儘を聞いてくれるって言ったわよね?」
「あ、ああ……」
このアリアンロッドから放たれる強気な眼差しに、いったいどんな我が儘が繰り広げられるか、ディオニソスは固唾を呑んだ。
「よく聞いてね」
「ああ」
たった今、日の光に照らされアリアンロッドの瞳が淡く、アメシストのように輝く。
「私を政治の駒のひとつではなくて、人として、対等なパートナーとみなして」
「……?」
ディオニソスは、彼女が王宮にやってきたその日から、ただただ可愛く、生涯大事にしようと心を決めていた。それが妹のようであっても、愛猫のようなものであっても、たとえひとりの女の子、であっても。
しかしいつの間にか彼女は自我のあるひとりの人間──大人になっていた。
ただ権威の象徴として存在していて欲しい聖女には、自我など厄介なものかもしれないが。
「私はこの国の人のために生きたいの! きっと、そのために王宮に来た……」
そんな大きな夢を叫ぶようになっていた。
彼女の表情は真剣そのもので、ただ少しだけ、感極まり泣いているようにも見える。
「私が王宮にいる意味が欲しい。……私がこの聖痕を持って生まれた意味が欲しい!」
────たとえあなたと結ばれなくても────
「私は今まで王宮の奥にいて、知ることがなかった。私が漫然と過ごす宮殿の、城郭の向こうには、朝から晩まで日々を支えるために懸命に励んでいる人たちがいて、そんな彼らの顔を知らなかったの。そして、国、街、村……そういった枠の中で苦しんでいる人、困っている人がいることを現実のこととして想像することもなく──」
「うん」
「私は、始祖神より血を分け与えられた者として、この地に暮らす人の困難を癒す存在でありたい! だから」
彼女は湖よりも流水よりも透きとおる声で、切なる思いを打ち明けるのだった。
「せめて、あなたは私をひとりの人として見て。私を理解って。私も、何かできることがないかって考えて、手探りして、自分で決定したい。達成することで充実感を得たい、本当はみんなと同じ、普通の人間なの」
「それにはそれだけの責任が付きまとうが」
「覚悟の上よ。聖女として大きな国を抱えるのだから。そして今、この国は侵略の危機にさらされている」
塔から見渡せる城下の街を抱くように、両手を広げた。
「明日にも民の平穏が脅かされるかもしれない。今まで以上に慎重な舵取りが求められる。いつか国が重大な局面を迎えたら」
そして広げた手を己の胸元へ。不死鳥に誓うために。
「そのときは私のすべてを懸けるわ」
「…………」
ディオニソスはこの瞬間、彼女の背中に手を回し、そっと胸に抱き寄せた。そして頬に頬を寄せ、耳元で同じく誓約を呟いた。
「私の隣にいるのは生涯、君だけだ。同じ未来をまっすぐに見据えるのも」
「……ええ」
彼の心音は凪いだ海のように穏やかで、その鼓動に安心し、アリアンロッドは身を委ねた。
このひと時だけは、隣よりもう少し、近くで────
彼の腕の中で、自身の存在意義を甘くまろやかに噛みしめるのだった。
◇◇
「さぁ、まずはヴァルの機能回復訓練を手伝わなきゃ! そして“あの館での和議”が1年後に実現するように、週単位で計画を立てましょ。イナンナをその心ごと助け出して、この祖国で罪を償わせるわ」
「よし。旅のあいだに起こったことをすべて、細かく報告してくれ」
「ヴァルを交えて3人でね。私もちょっと分からないことが多くて」
「しかし、こちらから一方的に和議を求めるのでは、足元を見られかねないからな。ニフェウス国の戦勝見込みをくじき、こちらが有利になるよう事を運ぶには──」
ふたりは明日への希望に満ちていた。ふたり手を合わせ飛躍し、この地を柔らかな光の注ぐ幸福の土壌に変えようと、大きな夢を抱き、日常へ帰っていった。
しかし、覚醒したアリアンロッドの風変りな“予言の力”は、彼らの守りたい母国を、思わぬほうへ導いてしまう────
この時のふたりはまだそれを、知る由もなかったのだった。
˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚
数多の作品の中から、こちらをお読みくださいましてありがとうございました。
今後、毎回タイムスリップをして、必要なアイテム、人材、情報を手に入れながら、
主人公はヒーローたちとの絆を深めていきます。
続きもお楽しみいただけましたら幸いです。
10
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~
しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。
豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。
――食事が、冷めているのだ。
どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。
「温かいごはんが食べたい」
そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。
地下厨房からの高速搬送。
専用レーンを爆走するカートメイド。
扉の開閉に命をかけるオープナー。
ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!?
温かさは、ホッとさせてくれる。
それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。
冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、
食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ!
-
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる