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【 第七章 】 永遠に君のそばにいる
① 軍師の手紙
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和議の館から帰還して一月が経とうとしていた。隣国に潜伏する密偵の報告によると、案の定、和議が決裂したことで、あちらの中央政権では、強襲の支度が始まっているということだ。王宮はその応戦のため紛糾した。
◇
「大聖女様を次の戦場に!? 連れていくってなに!?」
「お、落ち着いてください。聖女アリアンロッド様……」
この日、国の軍隊の総指揮を担う軍事官長の息子・イーグルが、アリアンロッドの元へアンヴァルと共に参じた。
イーグルの報告の中身は、昨日、軍事官長が下した決定についてだ。
決定から間を置かず、軍事官長のほうから大聖女に、戦場への名誉参戦をお願いに上がったという。
「実は、これは我が軍のストラテジストからの要望です。こたびの戦いは、こちらにとっては防衛戦、しかし勝率は十分に高いものです。なぜなら連戦続きの敵国はまだ、戦力の補充が十分ではないから」
つらつらと滑らかなイーグルの説明に区切りはついたが、アリアンロッドはどうも混乱している。
「ちょっと待って。順を追って聞きたいのだけど。まず、“ストラテジスト”って?」
「ああ、そこからですよね」
指先で額を押さえた彼女に、彼は説明を続ける。
歴代の軍事官長にはストラテジストと呼ばれる、いくつかに分けられた軍隊の長とはまた別の、副官のような人材が充てがわれる。今日日大きな戦はなかったので、それといえば官長付き事務官のようなものだった。
「そういう役目の人がいたんだ……知らなかった」
「現在のストラテジストはその役職に就いてからというもの、軍部の放つ密偵とはまた別に、彼の厳選した子飼いの者を更に遠くへと派遣していました」
「用意周到な人なのね」
このストラテジストの言では、“こたびの勝利をより盤石にするため、神の加護を受けたい。大聖女には戦場にて兵士らを鼓舞して欲しい”、ということだ。
かつて、この大地には権威を奪い合って争いを繰り返し、疲弊する男たちがいた。そこにひとりの聖女が降り立ち、男の無益な争いを収束させたと、国では言い伝えられている。それが初代大聖女となり王国が成り立った。聖女は戦場におわしてこそ真骨頂なのだと、この国の者は信じている。
アリアンロッドは固唾を呑んだ。
「そんな、危ないわ。止めてください。勝てる戦なんでしょう?」
「王陛下もそうおっしゃいますが。大聖女様はご参戦なさるとのことです」
「ええ……?」
大聖女はのたまった。国を安寧へと導くための大聖女なのだ。国を守ることを放棄し、我が身を守るため隠れているだけの大聖女に、何の意味があろうと。
「それはそうだけど……」
「勝てる戦であるのなら、陣営の最奥におられれば危険はございません。しかし大聖女様の鼓舞というものは、兵士にとって最強の武器なのですよ」
そこでイーグルは手荷物から書簡を取り出した。どうやらアリアンロッド宛の手紙のようだ。
「ストラテジストから、あなた様へ」
「?」
アリアンロッドはいったんそれを受け取るが、釈然としないことがある。
「待って。なんで手紙?」
「なんでと言いますと?」
「私に直接話しに来ればいいじゃない?」
「ああ……」
彼は、そうだよね。といった顔だ。
「彼は我が父……軍事官長に、徹底して囲われているのです」
「……!」
アリアンロッドの頭上に大きく「囲」という文字が浮かび上がった。
「まぁ、参謀とはおいそれと表舞台に出てこないもの……ではあるが」
しばらく聞き役に徹していたアンヴァルがようやく口を開いた。なぜならアリアンロッドが不要な妄想を始めるだろうから。
「どういう人なの、ヴァル?」
「俺も実は会ったことがないんだよな」
「えっ? ディオ様の近衛なのに? 1度も? 徹底しすぎてない? その人、そんなに大事にされているの?」
「考えすぎるな」
「えっ何も考えてないわよ? 実は男女のコトでもよく分かってないのに、男と男のコトなんて考えられるわけないでしょう?」
ずいぶんぺらぺらと早口なアリアンロッドだ。
男ふたりは「やっぱり考えてる……」と表情無くして彼女を見た。
「私ですら、まれに顔を合わせる機会があるくらいです。今回のような」
イーグルは彼女に手紙を読むことをさらりと勧める。
「ねぇ、やっぱり、その人……き、きれいな男の人なの?」
顔を赤らめたアリアンロッドは分かりやすく何かを期待している。
「え、ええ……そうですね、きれいな男です」
「いいから読め」
アンヴァルの表情は真剣に苦虫を噛み潰した様だ。アリアンロッドは大人しく余計な話題を終え、それに目を通し始めた。
ストラテジストは今日までの隣国のユング王の戦歴や、密偵からの情報などを統合し、このたびの戦を先導しているのはユング王ではないとした。
鷹揚自若なユング王は体面などよりも、もうしばらく戦力を整えることに注力すると考える質である。今回に限り、首謀者は過激派の家臣の組だ。さすがの王も領土が大きくなり軍閥の幅が広がるにつれ、統率に苦心する面も出てきた模様。しかしどのような結果も、あの王は利用するだろう、などとストラテジストは手紙で語る。
「ヴァル、イーグル……私、これを自室で、ひとりで読んでいいかしら?」
イーグルは構わないと即答した。アンヴァルは無言だった。それを彼女は強引に可とし、ふたりを置いて去っていった。
自室に戻ったアリアンロッドはまたそれを開く。ストラテジストは手紙の上で続ける。
────今回においては勝てる戦いだ。しかし今後はそうもいかないだろう。何人とも逆らえない、時代の流れというものがある。
その上で────
“あなた様はこれからのこの地を、いかようにされたいですか? あなた様のお望みの未来へと向かうよう、私に手助けできることはございますでしょうか。もし私を必要とされるのでしたら、いつ何時でも馳せ参じます”
最後まで読み終えたアリアンロッドは奥歯を噛みしめ、手紙を閉じたら、少しのあいだ身動き取れずにいた。
(予言の力なんてなくても、分かる人には分かるんじゃない──……)
しかし、まずは来たる戦いについて、考えなくてはならない。
ひとつ気にかかっていたことがある。以前、未来の地に降り立った時、エルヴィラと医師見習いの娘はアリアンロッドを「大聖女」と呼んだ。
会話の内容が衝撃的だったので、その時はそこに気を回している余裕がなかった。
これはつまり、例の最終決戦の時点で代替わりしていたということだ。
ということは────、ここでアリアンロッドは首を左右に振り、思考をかき消すのだった。
(自分の目で見たものでなければ真実とは決まっていない。民に事実を流布しているとも限らないのだし。)
たいてい新大聖女の即位は先代の崩御と同時だが、国記上、大聖女が存命のまま代替わりした例もある。今は有事の際だ、情報の攪乱を目的とすることもあり得るだろう。
しかし、今のアリアンロッドには虫の知らせが聴こえるのか、どうしても大聖女に従軍して欲しくなかった。
――――そうだ。私が代わりに行けばいいのだわ! だって、私にだって聖なる血が流れているのだし、私は最終決戦まで生きていることが確定してるのだもの。
◇
「大聖女様を次の戦場に!? 連れていくってなに!?」
「お、落ち着いてください。聖女アリアンロッド様……」
この日、国の軍隊の総指揮を担う軍事官長の息子・イーグルが、アリアンロッドの元へアンヴァルと共に参じた。
イーグルの報告の中身は、昨日、軍事官長が下した決定についてだ。
決定から間を置かず、軍事官長のほうから大聖女に、戦場への名誉参戦をお願いに上がったという。
「実は、これは我が軍のストラテジストからの要望です。こたびの戦いは、こちらにとっては防衛戦、しかし勝率は十分に高いものです。なぜなら連戦続きの敵国はまだ、戦力の補充が十分ではないから」
つらつらと滑らかなイーグルの説明に区切りはついたが、アリアンロッドはどうも混乱している。
「ちょっと待って。順を追って聞きたいのだけど。まず、“ストラテジスト”って?」
「ああ、そこからですよね」
指先で額を押さえた彼女に、彼は説明を続ける。
歴代の軍事官長にはストラテジストと呼ばれる、いくつかに分けられた軍隊の長とはまた別の、副官のような人材が充てがわれる。今日日大きな戦はなかったので、それといえば官長付き事務官のようなものだった。
「そういう役目の人がいたんだ……知らなかった」
「現在のストラテジストはその役職に就いてからというもの、軍部の放つ密偵とはまた別に、彼の厳選した子飼いの者を更に遠くへと派遣していました」
「用意周到な人なのね」
このストラテジストの言では、“こたびの勝利をより盤石にするため、神の加護を受けたい。大聖女には戦場にて兵士らを鼓舞して欲しい”、ということだ。
かつて、この大地には権威を奪い合って争いを繰り返し、疲弊する男たちがいた。そこにひとりの聖女が降り立ち、男の無益な争いを収束させたと、国では言い伝えられている。それが初代大聖女となり王国が成り立った。聖女は戦場におわしてこそ真骨頂なのだと、この国の者は信じている。
アリアンロッドは固唾を呑んだ。
「そんな、危ないわ。止めてください。勝てる戦なんでしょう?」
「王陛下もそうおっしゃいますが。大聖女様はご参戦なさるとのことです」
「ええ……?」
大聖女はのたまった。国を安寧へと導くための大聖女なのだ。国を守ることを放棄し、我が身を守るため隠れているだけの大聖女に、何の意味があろうと。
「それはそうだけど……」
「勝てる戦であるのなら、陣営の最奥におられれば危険はございません。しかし大聖女様の鼓舞というものは、兵士にとって最強の武器なのですよ」
そこでイーグルは手荷物から書簡を取り出した。どうやらアリアンロッド宛の手紙のようだ。
「ストラテジストから、あなた様へ」
「?」
アリアンロッドはいったんそれを受け取るが、釈然としないことがある。
「待って。なんで手紙?」
「なんでと言いますと?」
「私に直接話しに来ればいいじゃない?」
「ああ……」
彼は、そうだよね。といった顔だ。
「彼は我が父……軍事官長に、徹底して囲われているのです」
「……!」
アリアンロッドの頭上に大きく「囲」という文字が浮かび上がった。
「まぁ、参謀とはおいそれと表舞台に出てこないもの……ではあるが」
しばらく聞き役に徹していたアンヴァルがようやく口を開いた。なぜならアリアンロッドが不要な妄想を始めるだろうから。
「どういう人なの、ヴァル?」
「俺も実は会ったことがないんだよな」
「えっ? ディオ様の近衛なのに? 1度も? 徹底しすぎてない? その人、そんなに大事にされているの?」
「考えすぎるな」
「えっ何も考えてないわよ? 実は男女のコトでもよく分かってないのに、男と男のコトなんて考えられるわけないでしょう?」
ずいぶんぺらぺらと早口なアリアンロッドだ。
男ふたりは「やっぱり考えてる……」と表情無くして彼女を見た。
「私ですら、まれに顔を合わせる機会があるくらいです。今回のような」
イーグルは彼女に手紙を読むことをさらりと勧める。
「ねぇ、やっぱり、その人……き、きれいな男の人なの?」
顔を赤らめたアリアンロッドは分かりやすく何かを期待している。
「え、ええ……そうですね、きれいな男です」
「いいから読め」
アンヴァルの表情は真剣に苦虫を噛み潰した様だ。アリアンロッドは大人しく余計な話題を終え、それに目を通し始めた。
ストラテジストは今日までの隣国のユング王の戦歴や、密偵からの情報などを統合し、このたびの戦を先導しているのはユング王ではないとした。
鷹揚自若なユング王は体面などよりも、もうしばらく戦力を整えることに注力すると考える質である。今回に限り、首謀者は過激派の家臣の組だ。さすがの王も領土が大きくなり軍閥の幅が広がるにつれ、統率に苦心する面も出てきた模様。しかしどのような結果も、あの王は利用するだろう、などとストラテジストは手紙で語る。
「ヴァル、イーグル……私、これを自室で、ひとりで読んでいいかしら?」
イーグルは構わないと即答した。アンヴァルは無言だった。それを彼女は強引に可とし、ふたりを置いて去っていった。
自室に戻ったアリアンロッドはまたそれを開く。ストラテジストは手紙の上で続ける。
────今回においては勝てる戦いだ。しかし今後はそうもいかないだろう。何人とも逆らえない、時代の流れというものがある。
その上で────
“あなた様はこれからのこの地を、いかようにされたいですか? あなた様のお望みの未来へと向かうよう、私に手助けできることはございますでしょうか。もし私を必要とされるのでしたら、いつ何時でも馳せ参じます”
最後まで読み終えたアリアンロッドは奥歯を噛みしめ、手紙を閉じたら、少しのあいだ身動き取れずにいた。
(予言の力なんてなくても、分かる人には分かるんじゃない──……)
しかし、まずは来たる戦いについて、考えなくてはならない。
ひとつ気にかかっていたことがある。以前、未来の地に降り立った時、エルヴィラと医師見習いの娘はアリアンロッドを「大聖女」と呼んだ。
会話の内容が衝撃的だったので、その時はそこに気を回している余裕がなかった。
これはつまり、例の最終決戦の時点で代替わりしていたということだ。
ということは────、ここでアリアンロッドは首を左右に振り、思考をかき消すのだった。
(自分の目で見たものでなければ真実とは決まっていない。民に事実を流布しているとも限らないのだし。)
たいてい新大聖女の即位は先代の崩御と同時だが、国記上、大聖女が存命のまま代替わりした例もある。今は有事の際だ、情報の攪乱を目的とすることもあり得るだろう。
しかし、今のアリアンロッドには虫の知らせが聴こえるのか、どうしても大聖女に従軍して欲しくなかった。
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