そこに誰もいない

sea

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プロローグ

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チャイムが鳴り、帰り支度をする人が
まばらに見える放課後、
 

俺は幼馴染の
雪菜を待っていた。


その間ずっと、校庭を見ていた、
すると不意に教室の扉が開く音がした。


「悠人~!!ごめんな今日、 
崇人達と帰るから!!また後でな!!!」


この早口で興奮気味に話す彼が俺が待っていた幼馴染の雪菜だ。


彼は、俺とは真逆の存在で、
皆んなから愛されている存在だ。



俺のために走って来たのであろう
肩が上下し息が上がっている彼に
俺は言葉を返す



「わかった、じゃあ俺この後
    図書室寄ってからスーパーに行くから
     夕飯何がいいか後でメールしてね?」



なぜ俺が彼の夕飯を作るか、
それは俺が彼の家で暮らし
家事全般をこなしているからだ。



何故、俺が彼のために其処までするのか



それは、罪滅ぼしの為だ




こんな事で許される罪ではない 
だって俺が彼の両親を
殺してしまったのだから、

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