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第1章:赴任
第3話:ゴブリンは所詮ゴブリン
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結局食べ物は、ジャッキーさんが色々と用意してくれた。
保冷バッグの中に入れて持ってきてくれたけど、一度満タンまで魔力を充填すれば3日は冷やしてくれる逸品らしい。
中の温度は3度程度とのこと。
若干ここ蒸し暑いからアイスとかも食べたいことを伝えたら、無視された。
次来た時に、バニラアイス持ってきてくれた……一個だけ。
個人的な差し入れとのこと。
見た目に寄らず、優しい。
とりあえず、外に出て道を歩くゴブリン共を眺める。
全員が律儀に挨拶をしていってくれてる。
偉くなった気分。
あれこれ報告をしてくれる個体も。
しかしなあ。
うーん……はげ、眉毛も無くてちょっとあれだけど、微妙に鼻筋が通ってたり目がぱっちりしてる猿の容姿が気になって、話が何にも入ってこない。
確かに美男とか美女とか美少女、美少年の要素が感じ取れる顔つきになってはいるけど。
つっても皺も多いし、染みもあるし。
化粧させたらって感じかな?
眉の上が垂れてたりしてたのも、結構なマイナスポイントだったのか。
その辺りもハリが出てきているのは分かる。
うーん……なんだろう。
まあ、結構レベル上がってる個体も多いな。
それと、会話がスムーズに行えそうなのは嬉しい。
洗浄魔法を使える個体が何体か欲しいとこだけど、覚えられるスキルに制限があるのか。
どうやったら解除されるか……
うん、こういう時こそだな。
「ジャッキーさん」
「はいはい」
まだ昼過ぎだからな。
呼んでもいいだろう。
仰々しく炎を纏って現れるくせに、言葉が軽い。
「こいつらに、洗浄魔法を覚えさせたいんだけど?」
「えっと……いや、それ強さに関係ないですよね?」
「いやあ、汚いしすぐ臭くなるんだもん。絶対いるやつですよ」
「あー……ていうか、ステータスの伸び方おかしくないですか? 知性はまだいいですよ、知性は……なんで力がちょっとしか伸びてないんですか? 器用さや敏捷、体力に至っては全く伸びてないじゃないですか! てか、器量とか伸ばさなくてもいいんですよ!」
「だって、見た目がきもすぎてですね……直視するのが辛いんです」
俺の言葉に、ゴブリンどもがどんよりとした空気を纏っている。
いや、本当のことだし。
「あー……綺麗好きなのはいいことですが、今は生存競争を生き抜くことを考えてください。割り振っちゃったもんは仕方ないですが、これからは慎重にお願いしますよ」
「うん、分かったからこいつらに洗浄魔法を覚えさせるには、どうしたらいいんですか?」
「……必要ありません」
「えー、じゃあそれ覚えるまで、とりあえずボーナスポイントは溜めっぱなしにしとくか」
「……種族進化の時に、派生先を選べます。生活魔法を使える進化をさせるしかないですね……全員に覚えさせる必要はないでしょ? 1匹で10匹を引き受けられるようにすれば」
「種族進化かあ……」
***
とりあえず、全員に狩りさせまくったら何体かがゴブリンⅡに進化した。
進化した全員に生活魔法を覚えられるよう、ルートを選択しておいた。
てっきり、ホブゴブリンとかになるかと思ったのに。
それと、ステータスの割り振りも、確かにと思った部分があったので器量と知性と力と敏捷と体力と器用さと精神と魔力をバランスよく振っておいた。
器量を3、知性を2、力と敏捷と体力と器用さを1、精神と魔力を0.5ずつの割合で。
「ジャッキーさん!」
「どうされました?」
「進化したのに、大して見た目が変わらないんだけど?」
「あー……種族名の後に数字がつきましたよね? あれが10になって初めて、見た目が大きく変わるような変化が起こるんですよ」
「なるほど。先は、結構長いんですね」
俺の言葉に、ジャッキーさんが若干呆れた表情を浮かべている。
うん、狼の表情が分かるおれは、ケモナーだな。
「で佐藤さん」
「ん?」
「なんで、全員がややかっこよくなったり、可愛くなったりしてるんですかね?」
「頑張ったからじゃないかな?」
「……ところで、なんで全員が生活魔法しか使えないんですか?」
「やっぱり、衛生管理って大事ですよね? 労務管理の一環です」
「……真面目にやってます?」
「真面目にやるために、必要だったと考えておりますが?」
ちょっと、唸り声混ざってたけど、怯まずに自分の考えを主張する。
いうべきことはハッキリと、言わないとな。
「まあ、それを差し引いても順調に強くなってるので良いですが、頭打ちになるまえにきちんと考えてやってくださいね」
それだけいうと、ジャッキーさんは帰っていった。
真面目にやってるんだけどなー。
***
「ゴブリン?」
「ゴブリン?」
それから数日後に冒険者が来たが、うちのゴブリン達を見て首を傾げていた。
とりあえず俺が土で作った大きな建物の屋上から、全員で石投げまくってたら逃げてったけど。
投げる石も、俺が魔法で作り上げるから無限にできるし。
100匹乗っても壊れない物見櫓兼物置として、その後は有効活用している。
「うーん……確かに無事乗り切ったといえば乗り切ったといえますが。なにか、モヤっとしますが成果報酬として臨時ボーナスです」
ジャッキーさんが来て、俺に封筒を手渡していった。
中身は8万円だった。
いや、こんなところで渡されても。
もしかして、この世界でも円って使えるのかな?
封筒の中に、何か紙が入っていた。
あー、いろいろな商品とその価格表か。
欲しいものは、買ってきてくれるのかな?
倉庫番が一日8時間労働で、週休2日という条件で月給13万だった。
まあ8時間労働とはいえ、基本俺が物を入れたり出したりしないと暇だしな。
呼ばれてすぐ対応できるなら、その時間はスマホいじってたりテレビとか見ててもいいって。
俺がそっちの仕事やりたいわ!
保冷バッグの中に入れて持ってきてくれたけど、一度満タンまで魔力を充填すれば3日は冷やしてくれる逸品らしい。
中の温度は3度程度とのこと。
若干ここ蒸し暑いからアイスとかも食べたいことを伝えたら、無視された。
次来た時に、バニラアイス持ってきてくれた……一個だけ。
個人的な差し入れとのこと。
見た目に寄らず、優しい。
とりあえず、外に出て道を歩くゴブリン共を眺める。
全員が律儀に挨拶をしていってくれてる。
偉くなった気分。
あれこれ報告をしてくれる個体も。
しかしなあ。
うーん……はげ、眉毛も無くてちょっとあれだけど、微妙に鼻筋が通ってたり目がぱっちりしてる猿の容姿が気になって、話が何にも入ってこない。
確かに美男とか美女とか美少女、美少年の要素が感じ取れる顔つきになってはいるけど。
つっても皺も多いし、染みもあるし。
化粧させたらって感じかな?
眉の上が垂れてたりしてたのも、結構なマイナスポイントだったのか。
その辺りもハリが出てきているのは分かる。
うーん……なんだろう。
まあ、結構レベル上がってる個体も多いな。
それと、会話がスムーズに行えそうなのは嬉しい。
洗浄魔法を使える個体が何体か欲しいとこだけど、覚えられるスキルに制限があるのか。
どうやったら解除されるか……
うん、こういう時こそだな。
「ジャッキーさん」
「はいはい」
まだ昼過ぎだからな。
呼んでもいいだろう。
仰々しく炎を纏って現れるくせに、言葉が軽い。
「こいつらに、洗浄魔法を覚えさせたいんだけど?」
「えっと……いや、それ強さに関係ないですよね?」
「いやあ、汚いしすぐ臭くなるんだもん。絶対いるやつですよ」
「あー……ていうか、ステータスの伸び方おかしくないですか? 知性はまだいいですよ、知性は……なんで力がちょっとしか伸びてないんですか? 器用さや敏捷、体力に至っては全く伸びてないじゃないですか! てか、器量とか伸ばさなくてもいいんですよ!」
「だって、見た目がきもすぎてですね……直視するのが辛いんです」
俺の言葉に、ゴブリンどもがどんよりとした空気を纏っている。
いや、本当のことだし。
「あー……綺麗好きなのはいいことですが、今は生存競争を生き抜くことを考えてください。割り振っちゃったもんは仕方ないですが、これからは慎重にお願いしますよ」
「うん、分かったからこいつらに洗浄魔法を覚えさせるには、どうしたらいいんですか?」
「……必要ありません」
「えー、じゃあそれ覚えるまで、とりあえずボーナスポイントは溜めっぱなしにしとくか」
「……種族進化の時に、派生先を選べます。生活魔法を使える進化をさせるしかないですね……全員に覚えさせる必要はないでしょ? 1匹で10匹を引き受けられるようにすれば」
「種族進化かあ……」
***
とりあえず、全員に狩りさせまくったら何体かがゴブリンⅡに進化した。
進化した全員に生活魔法を覚えられるよう、ルートを選択しておいた。
てっきり、ホブゴブリンとかになるかと思ったのに。
それと、ステータスの割り振りも、確かにと思った部分があったので器量と知性と力と敏捷と体力と器用さと精神と魔力をバランスよく振っておいた。
器量を3、知性を2、力と敏捷と体力と器用さを1、精神と魔力を0.5ずつの割合で。
「ジャッキーさん!」
「どうされました?」
「進化したのに、大して見た目が変わらないんだけど?」
「あー……種族名の後に数字がつきましたよね? あれが10になって初めて、見た目が大きく変わるような変化が起こるんですよ」
「なるほど。先は、結構長いんですね」
俺の言葉に、ジャッキーさんが若干呆れた表情を浮かべている。
うん、狼の表情が分かるおれは、ケモナーだな。
「で佐藤さん」
「ん?」
「なんで、全員がややかっこよくなったり、可愛くなったりしてるんですかね?」
「頑張ったからじゃないかな?」
「……ところで、なんで全員が生活魔法しか使えないんですか?」
「やっぱり、衛生管理って大事ですよね? 労務管理の一環です」
「……真面目にやってます?」
「真面目にやるために、必要だったと考えておりますが?」
ちょっと、唸り声混ざってたけど、怯まずに自分の考えを主張する。
いうべきことはハッキリと、言わないとな。
「まあ、それを差し引いても順調に強くなってるので良いですが、頭打ちになるまえにきちんと考えてやってくださいね」
それだけいうと、ジャッキーさんは帰っていった。
真面目にやってるんだけどなー。
***
「ゴブリン?」
「ゴブリン?」
それから数日後に冒険者が来たが、うちのゴブリン達を見て首を傾げていた。
とりあえず俺が土で作った大きな建物の屋上から、全員で石投げまくってたら逃げてったけど。
投げる石も、俺が魔法で作り上げるから無限にできるし。
100匹乗っても壊れない物見櫓兼物置として、その後は有効活用している。
「うーん……確かに無事乗り切ったといえば乗り切ったといえますが。なにか、モヤっとしますが成果報酬として臨時ボーナスです」
ジャッキーさんが来て、俺に封筒を手渡していった。
中身は8万円だった。
いや、こんなところで渡されても。
もしかして、この世界でも円って使えるのかな?
封筒の中に、何か紙が入っていた。
あー、いろいろな商品とその価格表か。
欲しいものは、買ってきてくれるのかな?
倉庫番が一日8時間労働で、週休2日という条件で月給13万だった。
まあ8時間労働とはいえ、基本俺が物を入れたり出したりしないと暇だしな。
呼ばれてすぐ対応できるなら、その時間はスマホいじってたりテレビとか見ててもいいって。
俺がそっちの仕事やりたいわ!
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