公爵一族の御令嬢に転生? 努力が報われる異世界で、可愛いもののために本気出します

へたまろ

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第三章:王都学園編~初年度後期~

第41話:一年次年間総合成果発表会

 昨日はなんだかんだで、遅くまで王城にいたのでやや寝不足気味。
 寝不足は美容に悪いっていうけど、若いって素晴らしいね。
 特にこれといって、問題ないみたい。

「お嬢様、大丈夫ですか? 昨夜は、お疲れのようでしたが」
「なんとなく問題は片付きそうだし、これから少しは静かな日々を送れると思えば、一日くらい大丈夫だよ」

 アレクサンドラ王姉殿下を召喚した結果、王妃と王子にしっかりとお灸を据えることができたし。
 おそらく、しばらくは二人とも大人しくなるはず!
 なってほしい!
 と、あくまで希望的観測でしかないけどね。

 そして向かうは、学園!
 今日は、総合成果発表の日だ。
 といっても、私が剣術の講義で学んだことが、何かひとつでもあっただろうか?
 手加減とか?
 そして、当然のことながらおじいさまも来ている。
 というか、お父様とお母様と一緒に昨日から来ているから、王都レオハート邸はにぎやかだね。
 そんな日の夕食を、王城に一人お呼ばれで私は行ったわけだ。
 当然、おじいさまも、お父様もいい気はしていない。
 王族に対して。
 きっと、今日ダリウスに会った時に、二人とも盛大に皮肉を言ってくれるはず。
 おじいさまは、皮肉じゃなくてストレートに不満をぶつけそうだけど。

 彼の対応が見ものだ。

 とりあえず、剣術の講義の発表はトーナメント戦。
 学校の武闘場で。
 そして、舞踏の講義の発表と時間が丸被り。
 グヌヌ……今回も、カーラと踊ろうと思ってたのに。

「さてと、それでは双方準備が整ったようだし、では、始め!」

 ブライト先生の試合開始の合図とともに、木剣を握りしめて打ち込む!
 特徴のない、男子生徒が。
 うん、そう。
 今は、私の試合じゃない。
 他の子の試合を見ている。
 じゃない一年生の子たち同士の試合。
 先輩たちいわく、注目のカードらしい。

 茶髪の生徒の方は、もともと家でも剣の訓練を付けてもらっていたらしく、最初からそれなりに形になっていた。
 対する茶髪の子は、学校に入学してから。
 それまで、運動らしい運動もしてなかった、見学会の4kmマラソンを途中でリタイアしたうえ、校庭の木の根元に吐いてた子。
 私にすれば、あれはマラソンというよりジョギングだったんだけどなあ。
 そして、似たような髪色、似たような髪形、似たような体格の二人。
 場所が入れ替わると、どっちがどっちかよく分からないけど。
 親族っぽい人たちが名前を呼んでるから、流石に家族には見分けがつくか。
 貴族でもこういう時は、興奮して大きな声がでるのか。
 ベントレー君、キミの名前は覚えたよ!
 だから、私たちの近くで大きな声で応援している、この可愛らしい弟君らしき子を紹介してくれないかな?
 それにしても動きは遅いし、まだまだ隙も無駄も多いけど実力が近いからか、それなりに見られる試合だね。
 1年もまともに続けてたら、それなりに体力もついて形にもなるものなんだね。
 結果は残念ながら、元から剣を習っていた子に軍配が上がった。
 ベントレー君! リベンジしたいなら、私が個人的に鍛えてあげてもいいんだよ?
 ジッと見てたら、なぜか身震いして舞台から降りていってたけど。

「では、始め!」
「行くぞっ! ひっ! 降さうぎゃぁぁっ!」
「あっ!」

 次の試合は、レイチェルだった。
 対戦相手の子が勢い込んで突っ込もうとした瞬間には、すでに目の前にレイチェルの持つ剣の切っ先があった。
 当然のことながら、ダッシュで向かった彼は慌てて急ブレーキをかけつつ降参しようとしてたけど、間に合わなかった。
 レイチェルも一歩だけ前に出たからね。
 不幸な事故ともいえるけど、彼の不用意な突進が原因だから実力不足か。

 テレサとフローラも、男子相手に圧倒していたし。
 ソフィアは苦戦しつつも、一勝をもぎ取っていた。
 なんだかんだで、剣の素質があるのかな?
 相手に恵まれただけかもしれない。

 私? 私はねぇ……

「参りました」
 
 うん、こんな感じ。
 ある意味で、この一年の私のやらかしを発表している気になる。
 
「あーあ、俺だったらせめて一太刀は浴びせるのになぁ」

 全然違う組み合わせ位置にいる子がそんなことを言ってるけど、彼は身分至上主義派の子だからね。
 とはいえ、まだまともな方。
 だって、ソフィアやレイチェルに意地悪しないからね。
 というか、剣術の講義を取ってる子たちは、みんな私の周りの子達には優しかったりする。
 これも、私のやらかしのせいなのかな?

 そんなこんなで、試合はどんどん進んでいく。

「いつになったら、エルザの活躍が見られるんだ?」

 お父様が不満そうだけど、娘が剣を持って勇ましく戦う姿がそんなに見たいのだろうか?
 お転婆娘だのなんだの言っておきながら、こういった発表の場は違うのだろう。

「クリントは流石だな。相手に一応の攻撃を許して花を持たせるとは」
「甘やかしても仕方ないと言いたいところじゃが……こうも、女性陣が強すぎるとのう」

 お父様が満足そうに感想を述べる横で、おじいさまは少し不満そう。
 でも、確かに私の周りの娘たちが容赦ないからね。
 自然とクリントが相手に気を遣ってしまうのかもしれない。
 こういったところで、クリントの評価が上がって私の評価が下がるのはモヤる。

「なかなか、あの二人も見込みがあるのう」
「どっちが勝つか、見ものですね」
「女の子でも、かっこいいですね」

 順当に勝ち上がったテレサとフローラの試合は、大盛り上がりだった。
 ただ、一度見たことを記憶できるテレサは、フローラの剣の癖も当然憶えているからね。
 この日の為に色々と考えてきたフローラだったけど、新たな手も防がれたり躱されるたびにできることが減っていって、最後にはあっさりと一本取られていた。

 ソフィアはなんと三回戦まで残っての敗退。
 これは、凄い成果だと思う。
 周囲の見る目も変わるといいな。

 でもって、レイチェルはクリントに負けていた。
 なんだかんだで、クリントもかなり強くなっている。
 そして、この二人の試合はテレサとフローラの試合よりも、盛り上がった。
 本当にどこのバトル漫画かってくらいに、常識を超えた動きをする二人に試合中は誰もが固唾を飲んで見守る状態。
 そして、クリントの袈裟斬りをレイチェルが弾いて、返す刀で突きを放ったが柄で剣先を叩き落されていた。
 そのままクリントが剣を持った拳で、レイチェルの顔の前に突きを放ったところで試合終了。
 あのまま当たっていたら、大きな隙になって斬られるのは目に見えていたから、ブライト先生のナイス判断だね。
 レイチェルは全然悔しそうじゃないから、別に勝敗にこだわってはいなかったのかな?
 決着直後に拍手喝采の大盛況。

 私はテレサと当たったけど、彼女が斬りかかってきたところを同じ動作で、彼女よりも速く攻撃を返した。
 うん彼女の後から攻撃を真似して、先にこちらの剣が届いたわけだから。
 降参するしかないよね。

 決勝は、私とクリント。
 順当に勝ち上がった結果だ。

「子供たち同士で争うのはあまり見たくないわね」
「私は、楽しみだ」
「クリントがどこまでエルザに食らいつけるか、見ものだな」

 私のお母様以外は。興味津々。
 クリントのお母様のレジーナですら、ワクワクした様子で目を輝かせていた。
 お互いに手の内は知り尽くしているといっても過言じゃない相手だ。
 訓練の延長のような手合わせだけど、それなりに見ごたえのあるものだったと思う。
 同じような訓練を受けているわけだし。
 残念ながら、それだとクリントは私の下位互換でしかないけどね。
 隠し玉となるような攻撃もなく、全てにおいて圧倒しての優勝!
 当然の結果とはいえ、見せる試合はできたはず。

「本当にレオハートは容赦がないな」
「私もレオハートですよ」
 
 ブライト先生の言葉に、クリントが苦笑いしている。

「二人ともということにしておこう。しかし、クリントも本気になるとだいぶやるな。俺よりも強いんじゃないか?」
「まさか」

 ブライト先生の言葉にクリントが苦笑いしているけど、たぶんクリントの方が強いと思う。
 かなりの勢いで、レベルも上がってきてるし。
 しかし、私に対する賛辞が全然ないのはどういうことでしょうか?
 先生が贔屓しちゃだめですよ。

「いや、最初から強いから、成長したかどうかも分からんからな。見た限り、誉めるところが無い」
「そんな身も蓋もない! 私だって成長してますよ!」
「どのあたりがだ?」
「えっと……レベルが上がったのに、それに見合った手加減ができるところ……とか?」
「それは、誉めるところなのか?」
「さぁ?」

 なんか納得いかないけど、ブライト先生の言わんとしていることが理解できるのが悲しい。
 そして、一年生の発表が終わったあとは、二年生の部だ。
 こっちも順当に、ダリウスが優勝。
 なんの見どころもないというか、ダリウスがかなり強くなってって少し感心したくらいかな?
 前回みたいに、相手とがっつり打ち合うことも無く、数合の打ち合いで決着をつけていた。
 他の子達とけっこう実力差が開いているところを見ると、城でも相当に訓練したのだろう。
 
 その彼だが、最後の試合が終わったのに舞台を降りようとしない。
 ブライト先生が何やら制止しているように見える。
 私の超聴覚が彼らのやり取りを拾っているけど。
 呆れてしまうような内容。
 そして先生の制止を振り切ったダリウスが、観客席にいる私をジッと見据えて剣を突き付けてきた。
 
「エルザ・フォン・レオハート嬢! そなたに、決闘を申し込む」

 馬鹿なのだろうか?
 あっ、お父様が顔を真っ赤にしている。
 そして、おじいさまの眉間にも皺が寄っている。
 お母様とレジーナおば様も冷ややかな視線に変わった。
 
 このバカ王子は、多くの貴族が集まる晴れ舞台で何を馬鹿なことを……

「私が勝てば、正式に私の言葉で婚約を申し込みたい!」

 ……いや、もう勝っても負けても、それ関係なくないですか? 
 すでに、婚約は決まっていることだし。
 いま、正式に婚約を申し込みたいって、結論言っちゃってるし。
 この時点で決闘自体が、無意味になってんじゃん。
 勝っても負けても、結婚するんだし。
 やっぱり、馬鹿だ……

 じゃあ、ここで私が「私が勝ったら、婚約は破棄で!」って言ったら、どうするつもりなのだろう?
 それで決闘を取りやめたら、とんだ恥さらしだし。
 でもまあ……色々と彼に鬱憤が溜まってたし。
 ここらで、本格的にお灸をすえてやるのも悪くないかも。

「おい、ダリウス! やめておけ! レオハートの顔を見ろ! あれは、手加減なんかする気、まったくないぞ!」
「望むところです!」
「本当に望むのか? 学校行事で、衆目の中で死亡事故とかいやだぞ! それも、公爵家令嬢が王太子を木剣で叩き殺したとか」
 
 ブライト先生、それはひどくないですか?
 さっき私、手加減が上手になったって言ったのに。

「その時は、私がそれまでの人間だったということです」
「おまえは馬……いや、うん……やめておけ」

 先生が王太子に思わず馬鹿って言いかけるくらいには、酷い提案だというのに。
 そんなキラキラして目で、こっちを見られても。

「エルザ……断っていい! それから今なら、間に合うぞ? 婚約を破棄したいなら言いなさい。この父が、全力をあげてどうにかしてみせよう」
「わしも、当然のことながら動くぞ? そして、わしが代わりに決闘を受けよう」
「あの王子と結婚なんて……私も、手伝いますから、やめた方が良いと思いますよ! ねえ、奥様」
「とりあえず、このあと王城に向かいます。ミレニアと話をしなければならないことが、出来たようね」

 あっ、うちの家族が、彼のアホさ加減を目の当たりにして、危機感を抱いてしまった。
 お母様は、王妃に直接文句を言いにいくつもりっぽいし。
 どうしよう……
 いや、別に私はこの決闘は受けても受けなくてもどっちでもいいんだけど……ただ、合法的に彼を殴れそうなので受ける方にやや傾きつつあった。
 

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