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王太子妃→王妃→王太后→后王太后……疲れた
第6話:元夫から逃げられても令嬢からは逃げられない
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「ありがとうございます。ここからは、歩いていくので大丈夫ですよ」
正門前でおろしてもらって、歩いていくことに。
一応、いまは平民だからねぇ。
とりあえず、お貴族様相手だし丁寧に接しておこうか。
「あら、私もここからは徒歩ですし。一緒に、参りませんか?」
ですよねぇ……
馬車で、色々と話をした結果……なぜか、懐かれてしまった。
いや、元夫の好きな物とか、趣味とかを色々と教えたというか。
そんな気がするで話をしたら、意気投合したと思ったのか。
凄く、食いついて来た。
いや、だって共通の話題が、現時点ではそんなになかったからねぇ。
一応、学校のことも話はしたが。
知らないはずのことまでは、話せないからねぇ。
無難な話を終えると、特にネタも無いわけで。
かといって、無言で気まずいまま学校まで馬車というのも、わたしゃ嫌いだからねぇ。
仕方なし、彼女が好きそうな話題を提供したまでさ。
意外とマリアンヌもあのバカのことを、知っていた。
やはり、本当に好きだったのかもしれないねぇ。
もしくは、親からの入れ知恵の可能性もあるけどさ。
「こんなに殿下の話で分かり合える人なんて、初めてですわ!」
「一般論で語られて、ここまで一致する王族もどうかと思うけどね」
「えっ?」
「いや、なんでもありませんよ。楽しい時間でしたね」
私はあくまでも、一般的にと前置きして話してたつもりなんだけどね。
脳みそ、お花畑というか。
恋する女性は、なんでもポジティブだねぇ。
こんな子から婚約者を奪ったかと思うと、私は昔の自分をぶん殴りたくなった。
あっ、今の私か……
「どうしたのですか! 急に自分の頬を叩いたりなさって」
「いえ、これから学校が始まるので、気合を入れようと思って」
しかし、喋りづらいな。
平民の言葉遣い……もう、忘れたというか……
うっかり出ないように、徹底的に貴族としての言葉遣いを叩き込まれたからねぇ。
まあ、婆になったら好きなように喋り出したから、余計に言葉は乱れたけど。
公の場でポカを出すほどに、温い鍛え方じゃないからね。
そっちでの、ミスは無かったよ。
ただ、現時点での話し方の正解がわからんね。
若い頃の平民の喋り方か。
しかしねぇ……
100年以上の経験は、そう簡単には消せないというか。
今さら、貴族相手にへりくだるのも癪ではあるんだ。
特に、若造ども相手に気を遣うとか……
こちとら120年以上王族をやってきたんだ。
いまさら、木っ端貴族共に負けるわけにもいかんしな。
王族オーラ! 出ろ!
「……随分、偉そうですね」
「えっ?」
「いえ、陛下と対峙した時のような緊張感が、一瞬貴女から感じたので」
おー……私の経験も捨てたもんじゃないね。
本気出せば、下位貴族くらい跪かせられないかねえ?
試してみる気はないが、雰囲気は健在ということでいいのかね。
そういえば、経験だけは多く積んだから出来る事は多いし。
そのうえ、身体も若い時の状態だ……
できなかったことに、多く挑戦してみてもいいかね。
正門前でおろしてもらって、歩いていくことに。
一応、いまは平民だからねぇ。
とりあえず、お貴族様相手だし丁寧に接しておこうか。
「あら、私もここからは徒歩ですし。一緒に、参りませんか?」
ですよねぇ……
馬車で、色々と話をした結果……なぜか、懐かれてしまった。
いや、元夫の好きな物とか、趣味とかを色々と教えたというか。
そんな気がするで話をしたら、意気投合したと思ったのか。
凄く、食いついて来た。
いや、だって共通の話題が、現時点ではそんなになかったからねぇ。
一応、学校のことも話はしたが。
知らないはずのことまでは、話せないからねぇ。
無難な話を終えると、特にネタも無いわけで。
かといって、無言で気まずいまま学校まで馬車というのも、わたしゃ嫌いだからねぇ。
仕方なし、彼女が好きそうな話題を提供したまでさ。
意外とマリアンヌもあのバカのことを、知っていた。
やはり、本当に好きだったのかもしれないねぇ。
もしくは、親からの入れ知恵の可能性もあるけどさ。
「こんなに殿下の話で分かり合える人なんて、初めてですわ!」
「一般論で語られて、ここまで一致する王族もどうかと思うけどね」
「えっ?」
「いや、なんでもありませんよ。楽しい時間でしたね」
私はあくまでも、一般的にと前置きして話してたつもりなんだけどね。
脳みそ、お花畑というか。
恋する女性は、なんでもポジティブだねぇ。
こんな子から婚約者を奪ったかと思うと、私は昔の自分をぶん殴りたくなった。
あっ、今の私か……
「どうしたのですか! 急に自分の頬を叩いたりなさって」
「いえ、これから学校が始まるので、気合を入れようと思って」
しかし、喋りづらいな。
平民の言葉遣い……もう、忘れたというか……
うっかり出ないように、徹底的に貴族としての言葉遣いを叩き込まれたからねぇ。
まあ、婆になったら好きなように喋り出したから、余計に言葉は乱れたけど。
公の場でポカを出すほどに、温い鍛え方じゃないからね。
そっちでの、ミスは無かったよ。
ただ、現時点での話し方の正解がわからんね。
若い頃の平民の喋り方か。
しかしねぇ……
100年以上の経験は、そう簡単には消せないというか。
今さら、貴族相手にへりくだるのも癪ではあるんだ。
特に、若造ども相手に気を遣うとか……
こちとら120年以上王族をやってきたんだ。
いまさら、木っ端貴族共に負けるわけにもいかんしな。
王族オーラ! 出ろ!
「……随分、偉そうですね」
「えっ?」
「いえ、陛下と対峙した時のような緊張感が、一瞬貴女から感じたので」
おー……私の経験も捨てたもんじゃないね。
本気出せば、下位貴族くらい跪かせられないかねえ?
試してみる気はないが、雰囲気は健在ということでいいのかね。
そういえば、経験だけは多く積んだから出来る事は多いし。
そのうえ、身体も若い時の状態だ……
できなかったことに、多く挑戦してみてもいいかね。
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