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第13話:王様がおかしくなった【余計なことをし始めた】(内務大臣とその部下)
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「最近、陛下の様子がとみとおかしいらしいの」
王城の廊下を歩いていると、横から囁くような声が聞こえる。
内務大臣のコトナーカレ侯爵だ。
彼の仕事は主に、市井と地方、それから宗教の事務と監視がメインかな?
まあ治安部やら、衛生関連等と幅広いけども、主な部分は民衆、地方、宗教の管理だな。
コトナーカレ大臣は特に黒い噂は聞こえてこないが、意欲的な活動を行っているとも聞かない。
誰でも代われそうな仕事ぶりが定評だ。
ただ、賄賂や癒着等の誘いを鉄の精神で断るという部分だけは、誰にでもマネできるというものではないだろう。
それはもう、相手が匂わせただけでバッサリと切り捨てるように断る姿は、凛々しくて頼もしい。
正義感があるようにも見えないのに。
「そうですね……皮肉なことに、王室の支持率は微増してますね。おかしくなってからは、ずっと増加傾向にあります」
「ふむ……今までが酷すぎたからのう」
我らの国王陛下は熱病を患ってから、今までと全く違う人格になったように思える。
王権神授による建国神話が残るこの国で、国王は絶対の存在だ。
だから酷い王が誕生したとて、代替わりまで国民は耐えるしかなかった。
そして今代の陛下は暴君ではないが、暗君であった。
いや、十分に暴君ではあるのだが……機嫌を損なわなければ悪戯に危害を加えてくることは無かった。
過去には、面白いという理由だけで国民を獲物に見立てて、狩りを行った王もいたから。
亜人狩りなんてのもままあったり、なんなら親子で殺し合わせているのを眺めながら食事をするような悪魔のような王も存在した。
だからだろう……
上には上がいるのだから、少しはマシだと思うのがこの昏い時代を乗り切るコツだ。
無論、首を斬るハードルが低いから、下手なことをすれば簡単に死罪にされる恐怖はある。
人の命を軽く見ているのは、否めない。
まあ、そんな陛下相手に隙を与えた方が悪いと諦めるしかない。
それが、この国のルールだからだ。
あっ、もちろん名君も多く輩出はしているけどね。
たまに、こういった大外れが生まれる。
先代国王陛下も、良き王であらせられた。
優れた王ではなかったが、心優しく余計なことをしない王様らしい王様であったのだ。
ただただ、子供の教育が致命的に向かなかっただけだ。
だから、その子供である国王陛下が……
この国のことについて思いを馳せていたら、コトナーカレ大臣が立ち止まって窓の外を眺めた。
ここの窓からは、街が見えるんだよな。
町の様子を見ながら、侯爵が顔を顰める。
「国民に金をバラまいているらしいな」
町に活気があるのが、気に入らないのかな?
そんなわけはないか。
「いえ、主に物資ですね」
「あまり、変わらんではないか」
コトナーカレ大臣は変化を殊更嫌うというのは、本当だったらしい。
国王陛下が変わられて、あちらこちらに影響が出始めている。
此度のことは良い変化のように思えるが、彼にとっては面白くないらしい。
鼻白んだ様子だ。
彼の歩く速度が上がっている。
「まあ、もともと農民や村に住むものは陛下を直接見る機会はないですからね。噂と違ったなどと言われては、確かに面白くないですね。以前の陛下は、その噂よりはやや酷かったですから」
「お主も、酷いことを言う」
少し機嫌が直ったようだ。
「一国の王が農民に混じって、土いじりなんぞして周辺国家からはいい笑いものだ」
「その陛下の変な趣味のおかげで、次の収穫は期待できそうですが」
なにやら陛下は、農地の視察に熱心なようだった。
色々な作物や、作付け方法を指示しているらしい。
あと、新しい道具の開発なども。
いずれは、コンバインかトラクターなんて言ってたらしいが、それは魔道具か何かの名前だろうか……
聞いたことのない言葉だ。
「そういえば、キターノ山脈のヤーマガタ山の金脈の件はご存知ですか?」
「ああ……陛下が神託を受けて、少なくない領民を集めて交代で、昼夜問わず二週間掘らせ続けたあれか? 本当に金が出たらしいが、大方誰かの手柄を横取りにしたのだろう」
そう、ある日陛下が遠くの山を指さして、「あそこ金が採れるみたいだぞ? ついでに希少金属もいくらか採れそうだ」と言ったらしい。
遠回しに、あそこを掘れという命令だろう。
せっかく穏やかになったのだから機嫌を損ねてはいけないと、その場にいた者たちが忖度して大規模発掘を行ったあれ。
……驚くことに、本当に金がでた。
陛下も驚いていた。
「えっ? 本当に掘ったの? 坑内掘りだったら400mは掘らないと出ないと思ったんだけど」
この言葉に驚いたのは、報告に向かった土地開発部の長のカイタック伯爵だ。
陛下の言葉通りの場所から、金鉱が見つかったからだ。
これはと、大々的に宣伝をしたのが功を奏して、少しだけ王室の支持率が上がった。
しかも、その金を国内のインフラ整備の資金源にすると言ったらしい。
それは国民も喜ぶだろう。
しかし、この王室の支持率調査……意味があるのだろうか?
支持率を気にするような王は、さほど酷いことにはならない。
支持率を見て反省をしてもらいたい王に限って、そういったことを全く気にしない。
そう暴君や暗愚と呼ばれる歴代王たちからすれば、国民の支持など関係ないのだ。
支持して当然、支持しないなら殺してしまえとばかりに……
まあ、良い国王の時には国の方策を決めるのに、参考になったりしてるみたいだけど。
本当に届いて欲しい人に届かない政策だよね。
それからカイタック伯爵と財務大臣と陛下の三人で、この金によってえる利益の使い道について話し合ったらしい。
そこでも陛下は、国内の景気対策に使うとごり押ししたらしい。
「対外貿易? いや、金の価値が安定していないし、まずは国内で回そう。金になる天然資源は規模が大きすぎると、国民の生活が安定しないうちは、貧困の深刻化に繋がるから」
「儲かるのにですか?」
「儲かるのにだ」
「というか、あの金山の埋蔵量はそれほどに?」
「うん、かなり……それと、下に掘っていけばミスリルも採れるし、相当深く露天掘りすればダイヤモンドやアダマンタイトも」
「ダイヤはともかく、アダマンタイトなんて市場に殆ど出回ってない金属じゃないですか」
そう陛下が断言したらしい。
とはいえ、ダイヤやアダマンタイトの採掘はほぼ無理とのことだった。
「うーん、金で魔法使いをたくさん雇って、ミスリルが出るまで掘って……そのミスリルで採掘道具を作って掘り続けて……ダイヤの層まで50年は掛かるかな? アダマンタイトまでは100年か……金で満足しておこう。欲を出しても碌なことは無い」
欲の塊のような陛下から、驚きの言葉が出たとカイタック伯爵は心底驚いたらしい。
「この金だって、別にどっちでも良かったけどね。せっかくあるんだから、皆が幸せになれるような使い方をしよう」
何を言ってるのかよく分からないが、陛下が見つけた金山だしとそのまま差配を丸投げしたらしい。
ちなみに陛下がジッと山を見つめていた時に、たまたま側にいた法術部の総団長が目に強い魔力の揺らめきを感じたと言っていたとか。
というか物理的に赤く光っていたとか……
なんらかのスキルに目覚めたのか……自身の神格化のためのマッチポンプを始めたのか。
どっちにしろ、最近の陛下は絶好調ということだろう。
王城の廊下を歩いていると、横から囁くような声が聞こえる。
内務大臣のコトナーカレ侯爵だ。
彼の仕事は主に、市井と地方、それから宗教の事務と監視がメインかな?
まあ治安部やら、衛生関連等と幅広いけども、主な部分は民衆、地方、宗教の管理だな。
コトナーカレ大臣は特に黒い噂は聞こえてこないが、意欲的な活動を行っているとも聞かない。
誰でも代われそうな仕事ぶりが定評だ。
ただ、賄賂や癒着等の誘いを鉄の精神で断るという部分だけは、誰にでもマネできるというものではないだろう。
それはもう、相手が匂わせただけでバッサリと切り捨てるように断る姿は、凛々しくて頼もしい。
正義感があるようにも見えないのに。
「そうですね……皮肉なことに、王室の支持率は微増してますね。おかしくなってからは、ずっと増加傾向にあります」
「ふむ……今までが酷すぎたからのう」
我らの国王陛下は熱病を患ってから、今までと全く違う人格になったように思える。
王権神授による建国神話が残るこの国で、国王は絶対の存在だ。
だから酷い王が誕生したとて、代替わりまで国民は耐えるしかなかった。
そして今代の陛下は暴君ではないが、暗君であった。
いや、十分に暴君ではあるのだが……機嫌を損なわなければ悪戯に危害を加えてくることは無かった。
過去には、面白いという理由だけで国民を獲物に見立てて、狩りを行った王もいたから。
亜人狩りなんてのもままあったり、なんなら親子で殺し合わせているのを眺めながら食事をするような悪魔のような王も存在した。
だからだろう……
上には上がいるのだから、少しはマシだと思うのがこの昏い時代を乗り切るコツだ。
無論、首を斬るハードルが低いから、下手なことをすれば簡単に死罪にされる恐怖はある。
人の命を軽く見ているのは、否めない。
まあ、そんな陛下相手に隙を与えた方が悪いと諦めるしかない。
それが、この国のルールだからだ。
あっ、もちろん名君も多く輩出はしているけどね。
たまに、こういった大外れが生まれる。
先代国王陛下も、良き王であらせられた。
優れた王ではなかったが、心優しく余計なことをしない王様らしい王様であったのだ。
ただただ、子供の教育が致命的に向かなかっただけだ。
だから、その子供である国王陛下が……
この国のことについて思いを馳せていたら、コトナーカレ大臣が立ち止まって窓の外を眺めた。
ここの窓からは、街が見えるんだよな。
町の様子を見ながら、侯爵が顔を顰める。
「国民に金をバラまいているらしいな」
町に活気があるのが、気に入らないのかな?
そんなわけはないか。
「いえ、主に物資ですね」
「あまり、変わらんではないか」
コトナーカレ大臣は変化を殊更嫌うというのは、本当だったらしい。
国王陛下が変わられて、あちらこちらに影響が出始めている。
此度のことは良い変化のように思えるが、彼にとっては面白くないらしい。
鼻白んだ様子だ。
彼の歩く速度が上がっている。
「まあ、もともと農民や村に住むものは陛下を直接見る機会はないですからね。噂と違ったなどと言われては、確かに面白くないですね。以前の陛下は、その噂よりはやや酷かったですから」
「お主も、酷いことを言う」
少し機嫌が直ったようだ。
「一国の王が農民に混じって、土いじりなんぞして周辺国家からはいい笑いものだ」
「その陛下の変な趣味のおかげで、次の収穫は期待できそうですが」
なにやら陛下は、農地の視察に熱心なようだった。
色々な作物や、作付け方法を指示しているらしい。
あと、新しい道具の開発なども。
いずれは、コンバインかトラクターなんて言ってたらしいが、それは魔道具か何かの名前だろうか……
聞いたことのない言葉だ。
「そういえば、キターノ山脈のヤーマガタ山の金脈の件はご存知ですか?」
「ああ……陛下が神託を受けて、少なくない領民を集めて交代で、昼夜問わず二週間掘らせ続けたあれか? 本当に金が出たらしいが、大方誰かの手柄を横取りにしたのだろう」
そう、ある日陛下が遠くの山を指さして、「あそこ金が採れるみたいだぞ? ついでに希少金属もいくらか採れそうだ」と言ったらしい。
遠回しに、あそこを掘れという命令だろう。
せっかく穏やかになったのだから機嫌を損ねてはいけないと、その場にいた者たちが忖度して大規模発掘を行ったあれ。
……驚くことに、本当に金がでた。
陛下も驚いていた。
「えっ? 本当に掘ったの? 坑内掘りだったら400mは掘らないと出ないと思ったんだけど」
この言葉に驚いたのは、報告に向かった土地開発部の長のカイタック伯爵だ。
陛下の言葉通りの場所から、金鉱が見つかったからだ。
これはと、大々的に宣伝をしたのが功を奏して、少しだけ王室の支持率が上がった。
しかも、その金を国内のインフラ整備の資金源にすると言ったらしい。
それは国民も喜ぶだろう。
しかし、この王室の支持率調査……意味があるのだろうか?
支持率を気にするような王は、さほど酷いことにはならない。
支持率を見て反省をしてもらいたい王に限って、そういったことを全く気にしない。
そう暴君や暗愚と呼ばれる歴代王たちからすれば、国民の支持など関係ないのだ。
支持して当然、支持しないなら殺してしまえとばかりに……
まあ、良い国王の時には国の方策を決めるのに、参考になったりしてるみたいだけど。
本当に届いて欲しい人に届かない政策だよね。
それからカイタック伯爵と財務大臣と陛下の三人で、この金によってえる利益の使い道について話し合ったらしい。
そこでも陛下は、国内の景気対策に使うとごり押ししたらしい。
「対外貿易? いや、金の価値が安定していないし、まずは国内で回そう。金になる天然資源は規模が大きすぎると、国民の生活が安定しないうちは、貧困の深刻化に繋がるから」
「儲かるのにですか?」
「儲かるのにだ」
「というか、あの金山の埋蔵量はそれほどに?」
「うん、かなり……それと、下に掘っていけばミスリルも採れるし、相当深く露天掘りすればダイヤモンドやアダマンタイトも」
「ダイヤはともかく、アダマンタイトなんて市場に殆ど出回ってない金属じゃないですか」
そう陛下が断言したらしい。
とはいえ、ダイヤやアダマンタイトの採掘はほぼ無理とのことだった。
「うーん、金で魔法使いをたくさん雇って、ミスリルが出るまで掘って……そのミスリルで採掘道具を作って掘り続けて……ダイヤの層まで50年は掛かるかな? アダマンタイトまでは100年か……金で満足しておこう。欲を出しても碌なことは無い」
欲の塊のような陛下から、驚きの言葉が出たとカイタック伯爵は心底驚いたらしい。
「この金だって、別にどっちでも良かったけどね。せっかくあるんだから、皆が幸せになれるような使い方をしよう」
何を言ってるのかよく分からないが、陛下が見つけた金山だしとそのまま差配を丸投げしたらしい。
ちなみに陛下がジッと山を見つめていた時に、たまたま側にいた法術部の総団長が目に強い魔力の揺らめきを感じたと言っていたとか。
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