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王様と王妃様【相思相愛?】王妃
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あの豚が豚じゃなくなって、数ヶ月。
私、第三子を懐妊いたしました。
七歳の王子と、三歳の王姫についで三人目の御子です。
性別は王子の方がいいですね。
やはり、男の子が一人だけというのは不安ですし。
「大丈夫かい? 辛くはないか?」
「いえ、まだつわりも始まってませんし。この通り、普段通りに動けますよ」
第一王子を身籠った時でも、ここまで心配されたことがないのに。
複雑な心境です。
熱病を患ってから、陛下は凄く変わられました。
良い方に。
これがずっと続けばいいのにと思いますが、いつまた元の豚に戻るのかという不安にも襲われます。
「何か、不安でもあるのかな?」
今もこうやって腕枕をして、手で優しく髪を撫でてくれてます。
本当に、誰だお前?
おっと、口調が……
「私は今の殿下が好きです」
「はは、ありがとう。私も、愛しているよエリーゼ」
ぐはっ!
まさかの、カウンター。
しかも痩せて、かっこよくなったせいで威力が……
いや、そうじゃなくて……
私の不安に関するお話でして……
「でも、いつ昔の殿下に戻ってしまわれるかと思うと」
「ああ、あの頃の俺と比べて好きってこと? それは、複雑だなぁ……だって、熱病前の俺って軽く言ってクズじゃん? まあ、あの俺は死んで、今の俺がいるわけだから戻ることはないと思うよ」
言ってる意味が分かりません。
安心させようとしてくれていることだけは、分かりますが。
「言い方が難しいけど、今の俺が本当の俺。で、あの時の俺も俺なんだけど……理性や感情をコントロールする箍が無い状態? というか、他人を慮る部分が欠けた状態かな?」
詳しく説明してくださったのですが、言ってることがよく分かりませんでした。
ようは、人として大切なものが欠如した状態ということでしょうか?
「そういうこと。ある意味で利己的に感受性がマックスな人間ってこと。自分に都合が良い事を、最大限に吸収して成長してたって感じかな? で、例の熱病が切欠で、本来の俺が目を覚ましたってわけ。でもって、元の人格の部分もしっかりと残ってて吸収した結果だから、戻ることはないんじゃないかな? 完全に俺の中に知識として吸収されて消滅したっぽいし」
やっぱりよく分かりませんが、最近の陛下を見ているとなんとなく理解できます。
絶対に、あの豚が知りえないような知識も、多く持ってるみたいですし。
何やら、魔力にも目覚めたと聞いてます。
身体も鍛えてますし、武芸の腕も相当なものだと。
というか訓練期間からみると尋常ではないの評価を、騎士団長から受けておりました。
しかも、何やら為政者としても、かなり優秀だとか。
そのあまりの変化に、周りがついていけてない状況です。
ただ、変人ぶりも磨きが掛かっているみたいで。
突拍子もないことをしては、周りを慌てさせているようです。
「だから、安心して元気な子を産んでくれると良いな。これから生まれてくる子は当然、エリーゼも大事な人だから健康には気を付けないとね」
「ありがとうございます」
本当に、お優しい人になられました。
というか、完全に別人ですねこれ。
こんなに幸せで良いのかと思うこともありますが、願わくばこんな日がずっと続いてほしいですね。
私、第三子を懐妊いたしました。
七歳の王子と、三歳の王姫についで三人目の御子です。
性別は王子の方がいいですね。
やはり、男の子が一人だけというのは不安ですし。
「大丈夫かい? 辛くはないか?」
「いえ、まだつわりも始まってませんし。この通り、普段通りに動けますよ」
第一王子を身籠った時でも、ここまで心配されたことがないのに。
複雑な心境です。
熱病を患ってから、陛下は凄く変わられました。
良い方に。
これがずっと続けばいいのにと思いますが、いつまた元の豚に戻るのかという不安にも襲われます。
「何か、不安でもあるのかな?」
今もこうやって腕枕をして、手で優しく髪を撫でてくれてます。
本当に、誰だお前?
おっと、口調が……
「私は今の殿下が好きです」
「はは、ありがとう。私も、愛しているよエリーゼ」
ぐはっ!
まさかの、カウンター。
しかも痩せて、かっこよくなったせいで威力が……
いや、そうじゃなくて……
私の不安に関するお話でして……
「でも、いつ昔の殿下に戻ってしまわれるかと思うと」
「ああ、あの頃の俺と比べて好きってこと? それは、複雑だなぁ……だって、熱病前の俺って軽く言ってクズじゃん? まあ、あの俺は死んで、今の俺がいるわけだから戻ることはないと思うよ」
言ってる意味が分かりません。
安心させようとしてくれていることだけは、分かりますが。
「言い方が難しいけど、今の俺が本当の俺。で、あの時の俺も俺なんだけど……理性や感情をコントロールする箍が無い状態? というか、他人を慮る部分が欠けた状態かな?」
詳しく説明してくださったのですが、言ってることがよく分かりませんでした。
ようは、人として大切なものが欠如した状態ということでしょうか?
「そういうこと。ある意味で利己的に感受性がマックスな人間ってこと。自分に都合が良い事を、最大限に吸収して成長してたって感じかな? で、例の熱病が切欠で、本来の俺が目を覚ましたってわけ。でもって、元の人格の部分もしっかりと残ってて吸収した結果だから、戻ることはないんじゃないかな? 完全に俺の中に知識として吸収されて消滅したっぽいし」
やっぱりよく分かりませんが、最近の陛下を見ているとなんとなく理解できます。
絶対に、あの豚が知りえないような知識も、多く持ってるみたいですし。
何やら、魔力にも目覚めたと聞いてます。
身体も鍛えてますし、武芸の腕も相当なものだと。
というか訓練期間からみると尋常ではないの評価を、騎士団長から受けておりました。
しかも、何やら為政者としても、かなり優秀だとか。
そのあまりの変化に、周りがついていけてない状況です。
ただ、変人ぶりも磨きが掛かっているみたいで。
突拍子もないことをしては、周りを慌てさせているようです。
「だから、安心して元気な子を産んでくれると良いな。これから生まれてくる子は当然、エリーゼも大事な人だから健康には気を付けないとね」
「ありがとうございます」
本当に、お優しい人になられました。
というか、完全に別人ですねこれ。
こんなに幸せで良いのかと思うこともありますが、願わくばこんな日がずっと続いてほしいですね。
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