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王様がおかしくなった【みんなで休めば怖くない】(近衛兵)
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さて、明日は週に二度ある休日のうちの一つだ。
もともと休日は、申請しないともらえなかったのだが。
陛下が、全国民に対して週休二日という制度を導入された。
勿論、仕事によってはそんなことは叶わない。
努力義務という形での発布らしい。
努力義務か……便利な言葉のようにも思える。
しかしながら、咎められた時に努力が見られなければ、その団体の所属のトップが罰せられると。
近衛兵にも、この制度が導入された。
三日出て休み、二日出て休みといった形でだ。
ただし申請すれば、連休も取れる。
まあ、軍属のトップは団長ではなく、陛下だから。
前向きに動いてくれるよね?
でも、あの人……他所は他所、うちはうちとか。
私は国民ではないから、関係ないとか言い出しそうだったから心配もあったさ。
職務の性質上、近衛兵は全員で一斉に休みは取れなかった。
交代もやむ形無し。
だから、全員での飲み会みたいなのもない。
それも、取れるように目途が立ったらしい。
騎士団長に話をつけて、臨時で騎士隊から近衛の代役を派遣してくれるらしい。
それにあたって、交換訓練制度というものも作られた。
だから、全員での飲み会も可能に。
そのことが良いか悪いかは、口にしない。
それにしても本当に最近の陛下は、おかしくなった。
結果、まともになった。
というよりも、名君になりつつある。
おかしな人がおかしくなると、立派になるのか。
本人には言えないが。
いや、言えるやつもいる。
最近の陛下は、口ごたえも反論も許してくれる。
一緒に、考えてくれるようになった。
そもそも、そんなこと絶対に出来るはずないのに。
なぜ、陛下に異論が言えるようになったかを皆で考えた。
うん、為人のお陰だろう。
何故だか、陛下と話していると本音を語りたくなってしまう。
そして、許されるような気すらする。
うーん……母の前の幼子になったかのような、そんな気安さと全てを受け止めてくれる安心感を与えてくれる。
だから、周囲の連中から失言が増えたような気がする。
しかも直接陛下に対して。
それでも、そよ風のように受け流されて、笑みを浮かべて答えてくれる。
恐ろしい……
気が付けば、丸裸にされているような。
そんな恐怖心がある。
それ以上に、親近感があるから困ったものだ。
週休二日も、どうやら鍛錬には休息日が必要らしい。
とくに厳しい鍛錬には。
技術は毎日の積み重ねだけど、膂力は休息を挟んだ方か効果的に強くなるらしい。
最近の陛下を見ていると、異論はない。
騎士団顔負けの、筋骨隆々とした身体つきになってきているから。
ここ9ヶ月ほどで。
ちなみに剣の腕は……俺よりも、断然強い。
くっ……
なので、休日でも朝晩余裕があれば、型を疲れない程度に素振りでやった方がいいと言われた。
強制ではないらしいが、とりあえずそれはやっている。
技術は休むと感覚が変わることがあるとか。
とくに鍛えて、身体の筋肉量が変わったりすると……だから、毎日やる方がいいと。
そして、今日は少し早めにあがった。
同期と食事の約束があったから。
向こうは、街の衛兵と騎士団に所属している。
同時に騎士学校に入った、仲間達だ。
町を守りたい、国を守りたい、王族を守りたい。
それぞれが、希望する職場につけた。
俺は、すぐに後悔したけどな。
当時の陛下はそれはそれは……暴君豚で守る価値も無かった。
ヘンリー王子と、エリザベス王妃を守ると誓って自分を胡麻化した。
「珍しいな、お前の方から誘ってくるなんて」
「ああ、最近美味しいお店を見つけてな」
二人と街の門で合流すると、衛兵に入ったフィリップが先を歩き始める。
どうやら、自慢したいお店があるらしい。
「なんて店なんだ?」
「ああ、居酒屋キングっていうお店らしい」
聞いたこと無いな。
居酒屋?
「週に一日しか営業してないから、なかなかいけないんだけどさ」
そんなので、経営が成り立つのだろうか?
もともと休日は、申請しないともらえなかったのだが。
陛下が、全国民に対して週休二日という制度を導入された。
勿論、仕事によってはそんなことは叶わない。
努力義務という形での発布らしい。
努力義務か……便利な言葉のようにも思える。
しかしながら、咎められた時に努力が見られなければ、その団体の所属のトップが罰せられると。
近衛兵にも、この制度が導入された。
三日出て休み、二日出て休みといった形でだ。
ただし申請すれば、連休も取れる。
まあ、軍属のトップは団長ではなく、陛下だから。
前向きに動いてくれるよね?
でも、あの人……他所は他所、うちはうちとか。
私は国民ではないから、関係ないとか言い出しそうだったから心配もあったさ。
職務の性質上、近衛兵は全員で一斉に休みは取れなかった。
交代もやむ形無し。
だから、全員での飲み会みたいなのもない。
それも、取れるように目途が立ったらしい。
騎士団長に話をつけて、臨時で騎士隊から近衛の代役を派遣してくれるらしい。
それにあたって、交換訓練制度というものも作られた。
だから、全員での飲み会も可能に。
そのことが良いか悪いかは、口にしない。
それにしても本当に最近の陛下は、おかしくなった。
結果、まともになった。
というよりも、名君になりつつある。
おかしな人がおかしくなると、立派になるのか。
本人には言えないが。
いや、言えるやつもいる。
最近の陛下は、口ごたえも反論も許してくれる。
一緒に、考えてくれるようになった。
そもそも、そんなこと絶対に出来るはずないのに。
なぜ、陛下に異論が言えるようになったかを皆で考えた。
うん、為人のお陰だろう。
何故だか、陛下と話していると本音を語りたくなってしまう。
そして、許されるような気すらする。
うーん……母の前の幼子になったかのような、そんな気安さと全てを受け止めてくれる安心感を与えてくれる。
だから、周囲の連中から失言が増えたような気がする。
しかも直接陛下に対して。
それでも、そよ風のように受け流されて、笑みを浮かべて答えてくれる。
恐ろしい……
気が付けば、丸裸にされているような。
そんな恐怖心がある。
それ以上に、親近感があるから困ったものだ。
週休二日も、どうやら鍛錬には休息日が必要らしい。
とくに厳しい鍛錬には。
技術は毎日の積み重ねだけど、膂力は休息を挟んだ方か効果的に強くなるらしい。
最近の陛下を見ていると、異論はない。
騎士団顔負けの、筋骨隆々とした身体つきになってきているから。
ここ9ヶ月ほどで。
ちなみに剣の腕は……俺よりも、断然強い。
くっ……
なので、休日でも朝晩余裕があれば、型を疲れない程度に素振りでやった方がいいと言われた。
強制ではないらしいが、とりあえずそれはやっている。
技術は休むと感覚が変わることがあるとか。
とくに鍛えて、身体の筋肉量が変わったりすると……だから、毎日やる方がいいと。
そして、今日は少し早めにあがった。
同期と食事の約束があったから。
向こうは、街の衛兵と騎士団に所属している。
同時に騎士学校に入った、仲間達だ。
町を守りたい、国を守りたい、王族を守りたい。
それぞれが、希望する職場につけた。
俺は、すぐに後悔したけどな。
当時の陛下はそれはそれは……暴君豚で守る価値も無かった。
ヘンリー王子と、エリザベス王妃を守ると誓って自分を胡麻化した。
「珍しいな、お前の方から誘ってくるなんて」
「ああ、最近美味しいお店を見つけてな」
二人と街の門で合流すると、衛兵に入ったフィリップが先を歩き始める。
どうやら、自慢したいお店があるらしい。
「なんて店なんだ?」
「ああ、居酒屋キングっていうお店らしい」
聞いたこと無いな。
居酒屋?
「週に一日しか営業してないから、なかなかいけないんだけどさ」
そんなので、経営が成り立つのだろうか?
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