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王様がおかしくなった【胃ががががが】(侍女)
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私の名前はアイシャ。
王城付の侍女です。
基本的には、水場や清掃が多いですが。
陛下の側付きの当番が、回ってきました。
もうすでに、胃が痛いです。
ペアの子が、大胆な行動を取るたびにやられます。
連帯責任で、首を斬られることになったら……悔やんでも悔やみきれません。
そんなことを考えていたら、どんどん体調が悪化してきました。
が……陛下が、私のお腹に触れてから、急激に良くなってます。
手当てとおっしゃってましたが、そんなレベルじゃないくらいの効果です。
ペアの子が、セクハラー! と叫んでました。
私も思わず、悲鳴をあげてしまいましたが。
考えてみたら、今の陛下にそこまで不快な感じは受けません。
清潔感が増したからでしょうか?
私が休んでいる間に、陛下の身の周りに色々と劇的な変化があったようですね。
昨日の寝不足がたたったのか、今日に限って普段やらないようなミスを連発してしまいます。
そのたびに、胃がキリキリと痛むというか。
胸がぎゅっと締め付けられるというか。
昨日は緊張しすぎて、ほぼ寝てないですから。
そんな言い訳はしませんよ。
藪蛇ですからね。
そんなに余の側仕えが嫌なら……なんて言い出されたら、何をされるか分かったものじゃありません。
現状、何をされても文句が言えない失点を重ねてますが。
さっきもうっかりと、コップを手からすべらせて割ってしまいました。
最近、王城でよくみる透明なガラスのコップです。
高級品です。
死刑か……腕を斬り落とされるか……
「はは、大げさな。お前たちは、今日は俺の手足だからな。流石に、手からコップが滑り落ちたくらいで、俺も自分の腕は切り落とさんよ。というか、普通はせんだろう! コップが! クソッ! つって、自分の腕を斬り落としたら、ただの変なやつじゃん」
おっしゃることは分かりますが、それはものの例えと言いますか。
私たちの価値は、陛下の腕どころか指よりも低いですし。
「自分の価値を自分で推し量ろうなんて、傲慢なことをするもんじゃないよ。それに卑屈になることもない。お前たちの価値は、俺が知っているから」
いえ、世間一般的に考えて、王族と私たちの命の重みには明確な差があります。
それこそ、陛下の爪以下の存在です。
「俺の爪は、世界樹か何かか?」
言い得て妙ですね。
「いや、そんなことないから。それに、人の命なんて重さは一緒さ。王族だからといって、命が二つになったり……」
なんで、そこで言い淀むのですか?
もしかして、命が二つあったりしますか?
まあ、死に至るレベルの熱病から生還してますから……その反応は、生々しくて怖いです。
「気にするな。お前も、大事な俺の国民だからな! 守る対象であって、害する対象ではない」
その言葉、信じても宜しいでしょうか?
「はは、大体トップてのは責任を取るためにいるんだ。なあに、今日アイシャが割ったグラスなんて、俺が自費で代わりを用意するから気にするな」
それは、血税では……あっ、心が痛い。
「いやいや、俺がやってる事業の利益から出すから、本当に気にしなくて良いって」
その事業の運営資金が、そもそも……
「俺が見つけた金山の金でやってるから、国民の税は使ってない! 大丈夫! 安心しろ!」
なるほど……
しばらく、首がスースーしそうですね。
「お前……数々の失敗よりも、失礼の方が大きい気がするが。まあ、仲良くなったと思っておくか」
何故か、呆れた表情をされてしまいました。
王城付の侍女です。
基本的には、水場や清掃が多いですが。
陛下の側付きの当番が、回ってきました。
もうすでに、胃が痛いです。
ペアの子が、大胆な行動を取るたびにやられます。
連帯責任で、首を斬られることになったら……悔やんでも悔やみきれません。
そんなことを考えていたら、どんどん体調が悪化してきました。
が……陛下が、私のお腹に触れてから、急激に良くなってます。
手当てとおっしゃってましたが、そんなレベルじゃないくらいの効果です。
ペアの子が、セクハラー! と叫んでました。
私も思わず、悲鳴をあげてしまいましたが。
考えてみたら、今の陛下にそこまで不快な感じは受けません。
清潔感が増したからでしょうか?
私が休んでいる間に、陛下の身の周りに色々と劇的な変化があったようですね。
昨日の寝不足がたたったのか、今日に限って普段やらないようなミスを連発してしまいます。
そのたびに、胃がキリキリと痛むというか。
胸がぎゅっと締め付けられるというか。
昨日は緊張しすぎて、ほぼ寝てないですから。
そんな言い訳はしませんよ。
藪蛇ですからね。
そんなに余の側仕えが嫌なら……なんて言い出されたら、何をされるか分かったものじゃありません。
現状、何をされても文句が言えない失点を重ねてますが。
さっきもうっかりと、コップを手からすべらせて割ってしまいました。
最近、王城でよくみる透明なガラスのコップです。
高級品です。
死刑か……腕を斬り落とされるか……
「はは、大げさな。お前たちは、今日は俺の手足だからな。流石に、手からコップが滑り落ちたくらいで、俺も自分の腕は切り落とさんよ。というか、普通はせんだろう! コップが! クソッ! つって、自分の腕を斬り落としたら、ただの変なやつじゃん」
おっしゃることは分かりますが、それはものの例えと言いますか。
私たちの価値は、陛下の腕どころか指よりも低いですし。
「自分の価値を自分で推し量ろうなんて、傲慢なことをするもんじゃないよ。それに卑屈になることもない。お前たちの価値は、俺が知っているから」
いえ、世間一般的に考えて、王族と私たちの命の重みには明確な差があります。
それこそ、陛下の爪以下の存在です。
「俺の爪は、世界樹か何かか?」
言い得て妙ですね。
「いや、そんなことないから。それに、人の命なんて重さは一緒さ。王族だからといって、命が二つになったり……」
なんで、そこで言い淀むのですか?
もしかして、命が二つあったりしますか?
まあ、死に至るレベルの熱病から生還してますから……その反応は、生々しくて怖いです。
「気にするな。お前も、大事な俺の国民だからな! 守る対象であって、害する対象ではない」
その言葉、信じても宜しいでしょうか?
「はは、大体トップてのは責任を取るためにいるんだ。なあに、今日アイシャが割ったグラスなんて、俺が自費で代わりを用意するから気にするな」
それは、血税では……あっ、心が痛い。
「いやいや、俺がやってる事業の利益から出すから、本当に気にしなくて良いって」
その事業の運営資金が、そもそも……
「俺が見つけた金山の金でやってるから、国民の税は使ってない! 大丈夫! 安心しろ!」
なるほど……
しばらく、首がスースーしそうですね。
「お前……数々の失敗よりも、失礼の方が大きい気がするが。まあ、仲良くなったと思っておくか」
何故か、呆れた表情をされてしまいました。
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