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第3章:ジュブナイルとチョコのダンジョン攻略
第20話:涙拭けよおっさん
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「というか、気のせいじゃなければ何度か死んでた気がするが?」
とりあえず、フェイクに対して恨みがましい視線を向けてみる。
うん、カナタが何かしたから生きてるだけで、確かに俺は何度も走馬灯を見た気がする。
あと、倒れる自分の身体も。
凄くリアルな感じで。
「うーん、だってそこなクソおガキ様が居て、死ぬ未来が創造できなかったからね」
フェイクはなんでもない風に答えてきたが、死んだんだよ!
物理的に、何度か。
あの感覚は忘れられないはずだ。
「おじちゃん、頭大丈夫? いま、生きてるんだから良いじゃん! 死んだら、ここに居ないでしょ? じゃあ、ここにいるおじちゃんはなんなのさ? って話じゃん」
ああ、そうだな。
確かにそうだ……もし死んだんなら、ここにいる俺はなんだって話だよね。
でも、521回は最低でも死んでるんじゃないか?
俺とチョコの二人合わせたら。
冗談か本気か分からないが、蘇生の杖とやらが砕け散ったんだろ?
冗談だと思いたくて、思い込んでいたが……
「なあ、フェイク? お前は、全部見てたから知ってるんだろ? エンペラーダンジョンベアに俺たち何回殺されたんだ?」
「あっ、ごめんジュブちゃん! オイラ、スプラッター苦手だから、顔隠してた」
「……スプラッター的な状態に、俺はなってたのか?」
「分かんないけど、監視モニターは真っ赤に染まってたよ?」
「監視モニター? って、なんだ?」
よく分からない言葉が出てきたが、フェイクはあはははと胡麻化すだけだ。
あまり、よくない物のような気がしてきた。
魔道具の一種かもしれないが。
「基本女性冒険者が居る時しか、活用せぬくせに」
「違いますぅ! 僕ちんが見るのは、女性魔方使いが居る時だけでござる」
「ばばあの時は、見向きもせんくせに」
「女神がばばあとか言うなし! 平仮名だとなんか余計にあれだし、まじ社長女神っすか? そもそも、社長なんかロリババアですらない骨董品じゃん」
フェイク……本当に、殺されても知らんぞ?
なんで、この街の守り神的な女神様に、そんなことが言えるんだ?
あと平仮名ってなんだ?
「それは、言いすぎじゃないか? 確かに、やや行き遅れているかもしれぬが」
おおう、女神様がヨタヨタと後退って顔を袖で覆っている。
ざっくりと、刺さったらしい。
「涙ふけよおっさん!」
カナタ……お前は、鬼か!
知ってたけど。
「貴様は、殺す!」
あっ、女神様が切れた。
「出来ないくせに」
おお……凄い勢いで真横に振られた、これまたいきなり出てきた神器っぽい斧をカナタが片手ではたき落としてた。
もはやカナタの奴、全然実力を隠す気ないな。
……凄いな。
攻撃を全て片手ではたき落として、躱しているけど。
……
「フェイク、何してるんだ?」
「えっ? 風邪ひいたらいけないかと思って」
カナタと女神の攻防を眺めていたら、フェイクがスヤスヤと寝入ってるチョコに近づいていくのが視界の端に見えた。
油断も隙も無い。
うん……ここは、物騒過ぎるな。
「起きろ、チョコ! こんなところで、寝るな!」
とりあえず、チョコを叩き起こす。
物理的に。
声を掛けても、起きなかったから。
「あれ? 起きねー……だと?」
「ああ、それ? 無駄だよ! この女神のおっさんが……女神のおっさんって凄いパワーワード! この人が、かなり強めに催眠魔法かけてたから」
「私は、男を侍らかす女子が嫌いじゃ!」
なんて、恣意的な女神様だ。
とりあえずフェイクを引っぺがして、強めにチョコを叩く。
「うーん、あと5分……」
「ちっ、レベルアップの弊害か……」
頑丈になってるせいか、それでもまだ寝ぼけた感じでまた眠りに入るチョコに溜息を吐く。
というか、そろそろ本題に入っても良いんじゃないか?
俺たちは、最深部にたどり着いたわけだし。
制覇か、踏破かはこの女神に掛かってるわけで。
だから、もう少しカナタの坊ちゃんは女神様に忖度してくれませんかねぇ?
「で、制覇の証はくれるの?」
「貴様なんぞにやるわけなかろう! そうじゃな、そこのファイターの男性にならやってもいいがな。この霊薬を」
そう言って、女神様が取り出したるは水色の液体の入った小瓶。
瓶には女神様が唇を突き出した肖像のレリーフ付き。
まあ、これがギルマスの依頼の品だしなぁ……
くれるんなら、貰うが。
「この女神の涙は、完全なるフルポーションだぞ」
「リアルに涙拭けよおっさん! 瓶に溜めるとか、悪趣味すぎるよ?」
カナタ容赦ないなぁ。
何か、女神に恨みでもあるのか?
俺は、あるが。
都合三回も、とばっちりで女神様の罰を受けてるからな。
女神様じゃなかったら、ご対面の瞬間にぶん殴ってるわ。
ははは……
またも殴り合いを始めた……一方的に女神様が殴って、それを躱すカナタを尻目にフェイクに視線を送る。
「うん……部位欠損も治るよ。あと、死亡直後なら蘇生も可能でござる」
「取って付けたような、そのござるってのはなんなんだ?」
「キャラ付けだよ、ジュブちゃん! 僕ちんの印象を、世界中の女性に焼き付けるには個性出してかなきゃ」
「そうか……で、この薬」
「うん、ジュブちゃんがここに来るまでに、浴びるほど使ってたあれとほぼ同等かな?」
やっぱりか……効能を聞いて、おやっと思ったけど……
あれと、一緒かぁ……
じゃあ、これ一本じゃ大赤字だな。
まあ、カナタが勝手に使ったから……とはいえ、少しは補填しないとまずか?
「気にしなくていいよおじちゃん! あんなの、いくらでも作れるし」
「よそ見とは、余裕じゃな?」
チラッとカナタを見ただけなのに、すぐに知りたい答えが返ってきた。
大丈夫か、こいつ。
「これは、どういう状況ですか?」
「チョコちゃんは、何も心配しなくていいでござるよ! オイラが守ってあげるからね」
「さっきまで、ゴーレムに乗って殺しに来てたやつが何を!」
ボヤっとお茶を飲んでいたチョコが、ようやく再起動したらしい。
相変わらず、ついてこられていないが。
やっぱり、眠っててもらった方がよかったか?
「ちなみに僕が用意したのは、さしずめ魔王の涙ってとこかな?」
「なんか、嫌だな……回復する代わりに、魂を少しずつ抜かれてそうだ」
「冗談だよ! ただの、量産品のフルポーションだから」
そうか……ただの量産品のフルポーションが、このダンジョンの最下層到達のご褒美と同程度なのか。
制覇記念品、しょぼくないか?
「あのくそおガキ様のことだから、きっとこの女神様の霊薬の効果を知ってて、ジャバジャバ湯水のごとく使ってたんじゃないかな?……でござる」
「いや、無理しなくていいから。そうだよなぁ……あいつ、性格悪そうだし」
とうとう空を飛んで空中戦を始めたカナタと女神様を見ながら、思わずつぶやく。
「カナタさん、飛んでないですか?」
「そうだな、飛んでるな……」
もう、何があっても驚かない。
女神様が、目から光線を放っても気にしない。
それを簡単に躱して、ベロベロバーをしているカナタを見ても気にしない。
「あー、よく遊んだ」
「はぁ、はぁ……これで、満足か? 渡しも、もう限界じゃ……こんなに、動いたのは久しぶりじゃ……数百年ぶりか」
「汗拭きなよ、おっさん」
「すまんな」
カナタが手渡した布を使って、女神様が顔を拭いているが。
「凄いな、この布! なんという吸水性じゃ」
「リソびしUSJ銀行って書いてあるけど、あんなもんまで持ってきたのか?」
「いや、取り寄せただけだよ」
「へえ……ネットショッピングのスキルでも……あれ、非売品だよな?」
カナタとフェイクの会話が盗み聞きするつもりじゃないが、聞こえてきた。
本当に、仲良しだよなお前ら。
「まあ、とりあえず仕方ない……そこの小娘にも、この霊薬の女神の涙をやろう」
「良いんですか?」
「ああ、構わん……お主からは、そこはかとなく残念な匂いがするからのう」
「えっ? 残念な匂い? 臭いですか?」
そう言って、自分の身体をクンクンとかぐチョコ。
溜息しか出ない。
「あざと可愛いさが、とどまることを知らないでござるな」
フェイクが優しい視線を送っているが、あれのどこに可愛い要素があるのか。
ただただ、イラつくだけだが?
「おじさんの気持ち、よく分かるよ? リアル天然って、親しくなればなるほどイライラするよね?」
「あれは、天然でござるか? これぞ、まさにあざといの天然記念物ではござらんか!」
「そこまでいくと、ただの変態侍みたい」
「はぁ……まあ、可愛いは正義だから、オイラはドストライクだよ」
カナタの突っ込みに幾分か冷静さを取り戻したフェイクが、腕を組んで頷いている。
もう、こいつのことは放っておこう。
「俺は、チョコと親しくなったつもりはない」
「うわぁ、酷いですよ! 一昼夜を共に過ごした仲じゃないですか!」
「んなもん、冒険者稼業ならざらにあることだろうが」
あざとがろうが天然だろうが、うざいもんはうざい。
チョコを見てたら、よく理解できるわ。
ガチであざとい、30代前後の女性冒険者が可愛く見えるレベルで。
「帰還の魔法陣は?」
「ああ、そこにあるぞ」
もう用は済んだとばかりに、その場を去る流れのカナタに苦笑いしか出ない。
女神様相手でも、貰うもん貰った用済みか。
「じゃあ、女神のおっさんまたね」
「……女神のおっさんじゃなくて、せめておっさんみたいな女神にしてくれんか?」
そこは、もう認めちゃうのか。
まあ、ひげ生えてるし。
筋肉凄いし。
「ちなみに……鉱物が埋まってる階層にも、実は帰還の魔法陣はちゃんと用意してある」
「そうなのですか? そんな情報、誰も持ち帰ってないんですが?」
「場所は自力で見つけろとしか言わんがな。転移の罠の一つが、入り口に飛ぶ罠になっておる。しかも範囲は半径7mじゃからパーティ全員と荷物ごと飛べるのがな」
「へえ……ありがてぇ情報です」
「ちなみに、一階層にもここに直通できる、転移の罠はあるからのう! 場所を教えてしんずるから、いつでも「あっ、結構です」」
何やらワクワクした様子で、その罠の場所を教えてようとした女神をばっさりと切り捨てるカナタ。
今、俺と女神様が会話してたんだが?
「早く、帰ろーよ!」
「なんだ、急に子供みたいなことを言いだして」
「僕、子供だよ?」
こいつは、本当に……
とりあえず、フェイクに対して恨みがましい視線を向けてみる。
うん、カナタが何かしたから生きてるだけで、確かに俺は何度も走馬灯を見た気がする。
あと、倒れる自分の身体も。
凄くリアルな感じで。
「うーん、だってそこなクソおガキ様が居て、死ぬ未来が創造できなかったからね」
フェイクはなんでもない風に答えてきたが、死んだんだよ!
物理的に、何度か。
あの感覚は忘れられないはずだ。
「おじちゃん、頭大丈夫? いま、生きてるんだから良いじゃん! 死んだら、ここに居ないでしょ? じゃあ、ここにいるおじちゃんはなんなのさ? って話じゃん」
ああ、そうだな。
確かにそうだ……もし死んだんなら、ここにいる俺はなんだって話だよね。
でも、521回は最低でも死んでるんじゃないか?
俺とチョコの二人合わせたら。
冗談か本気か分からないが、蘇生の杖とやらが砕け散ったんだろ?
冗談だと思いたくて、思い込んでいたが……
「なあ、フェイク? お前は、全部見てたから知ってるんだろ? エンペラーダンジョンベアに俺たち何回殺されたんだ?」
「あっ、ごめんジュブちゃん! オイラ、スプラッター苦手だから、顔隠してた」
「……スプラッター的な状態に、俺はなってたのか?」
「分かんないけど、監視モニターは真っ赤に染まってたよ?」
「監視モニター? って、なんだ?」
よく分からない言葉が出てきたが、フェイクはあはははと胡麻化すだけだ。
あまり、よくない物のような気がしてきた。
魔道具の一種かもしれないが。
「基本女性冒険者が居る時しか、活用せぬくせに」
「違いますぅ! 僕ちんが見るのは、女性魔方使いが居る時だけでござる」
「ばばあの時は、見向きもせんくせに」
「女神がばばあとか言うなし! 平仮名だとなんか余計にあれだし、まじ社長女神っすか? そもそも、社長なんかロリババアですらない骨董品じゃん」
フェイク……本当に、殺されても知らんぞ?
なんで、この街の守り神的な女神様に、そんなことが言えるんだ?
あと平仮名ってなんだ?
「それは、言いすぎじゃないか? 確かに、やや行き遅れているかもしれぬが」
おおう、女神様がヨタヨタと後退って顔を袖で覆っている。
ざっくりと、刺さったらしい。
「涙ふけよおっさん!」
カナタ……お前は、鬼か!
知ってたけど。
「貴様は、殺す!」
あっ、女神様が切れた。
「出来ないくせに」
おお……凄い勢いで真横に振られた、これまたいきなり出てきた神器っぽい斧をカナタが片手ではたき落としてた。
もはやカナタの奴、全然実力を隠す気ないな。
……凄いな。
攻撃を全て片手ではたき落として、躱しているけど。
……
「フェイク、何してるんだ?」
「えっ? 風邪ひいたらいけないかと思って」
カナタと女神の攻防を眺めていたら、フェイクがスヤスヤと寝入ってるチョコに近づいていくのが視界の端に見えた。
油断も隙も無い。
うん……ここは、物騒過ぎるな。
「起きろ、チョコ! こんなところで、寝るな!」
とりあえず、チョコを叩き起こす。
物理的に。
声を掛けても、起きなかったから。
「あれ? 起きねー……だと?」
「ああ、それ? 無駄だよ! この女神のおっさんが……女神のおっさんって凄いパワーワード! この人が、かなり強めに催眠魔法かけてたから」
「私は、男を侍らかす女子が嫌いじゃ!」
なんて、恣意的な女神様だ。
とりあえずフェイクを引っぺがして、強めにチョコを叩く。
「うーん、あと5分……」
「ちっ、レベルアップの弊害か……」
頑丈になってるせいか、それでもまだ寝ぼけた感じでまた眠りに入るチョコに溜息を吐く。
というか、そろそろ本題に入っても良いんじゃないか?
俺たちは、最深部にたどり着いたわけだし。
制覇か、踏破かはこの女神に掛かってるわけで。
だから、もう少しカナタの坊ちゃんは女神様に忖度してくれませんかねぇ?
「で、制覇の証はくれるの?」
「貴様なんぞにやるわけなかろう! そうじゃな、そこのファイターの男性にならやってもいいがな。この霊薬を」
そう言って、女神様が取り出したるは水色の液体の入った小瓶。
瓶には女神様が唇を突き出した肖像のレリーフ付き。
まあ、これがギルマスの依頼の品だしなぁ……
くれるんなら、貰うが。
「この女神の涙は、完全なるフルポーションだぞ」
「リアルに涙拭けよおっさん! 瓶に溜めるとか、悪趣味すぎるよ?」
カナタ容赦ないなぁ。
何か、女神に恨みでもあるのか?
俺は、あるが。
都合三回も、とばっちりで女神様の罰を受けてるからな。
女神様じゃなかったら、ご対面の瞬間にぶん殴ってるわ。
ははは……
またも殴り合いを始めた……一方的に女神様が殴って、それを躱すカナタを尻目にフェイクに視線を送る。
「うん……部位欠損も治るよ。あと、死亡直後なら蘇生も可能でござる」
「取って付けたような、そのござるってのはなんなんだ?」
「キャラ付けだよ、ジュブちゃん! 僕ちんの印象を、世界中の女性に焼き付けるには個性出してかなきゃ」
「そうか……で、この薬」
「うん、ジュブちゃんがここに来るまでに、浴びるほど使ってたあれとほぼ同等かな?」
やっぱりか……効能を聞いて、おやっと思ったけど……
あれと、一緒かぁ……
じゃあ、これ一本じゃ大赤字だな。
まあ、カナタが勝手に使ったから……とはいえ、少しは補填しないとまずか?
「気にしなくていいよおじちゃん! あんなの、いくらでも作れるし」
「よそ見とは、余裕じゃな?」
チラッとカナタを見ただけなのに、すぐに知りたい答えが返ってきた。
大丈夫か、こいつ。
「これは、どういう状況ですか?」
「チョコちゃんは、何も心配しなくていいでござるよ! オイラが守ってあげるからね」
「さっきまで、ゴーレムに乗って殺しに来てたやつが何を!」
ボヤっとお茶を飲んでいたチョコが、ようやく再起動したらしい。
相変わらず、ついてこられていないが。
やっぱり、眠っててもらった方がよかったか?
「ちなみに僕が用意したのは、さしずめ魔王の涙ってとこかな?」
「なんか、嫌だな……回復する代わりに、魂を少しずつ抜かれてそうだ」
「冗談だよ! ただの、量産品のフルポーションだから」
そうか……ただの量産品のフルポーションが、このダンジョンの最下層到達のご褒美と同程度なのか。
制覇記念品、しょぼくないか?
「あのくそおガキ様のことだから、きっとこの女神様の霊薬の効果を知ってて、ジャバジャバ湯水のごとく使ってたんじゃないかな?……でござる」
「いや、無理しなくていいから。そうだよなぁ……あいつ、性格悪そうだし」
とうとう空を飛んで空中戦を始めたカナタと女神様を見ながら、思わずつぶやく。
「カナタさん、飛んでないですか?」
「そうだな、飛んでるな……」
もう、何があっても驚かない。
女神様が、目から光線を放っても気にしない。
それを簡単に躱して、ベロベロバーをしているカナタを見ても気にしない。
「あー、よく遊んだ」
「はぁ、はぁ……これで、満足か? 渡しも、もう限界じゃ……こんなに、動いたのは久しぶりじゃ……数百年ぶりか」
「汗拭きなよ、おっさん」
「すまんな」
カナタが手渡した布を使って、女神様が顔を拭いているが。
「凄いな、この布! なんという吸水性じゃ」
「リソびしUSJ銀行って書いてあるけど、あんなもんまで持ってきたのか?」
「いや、取り寄せただけだよ」
「へえ……ネットショッピングのスキルでも……あれ、非売品だよな?」
カナタとフェイクの会話が盗み聞きするつもりじゃないが、聞こえてきた。
本当に、仲良しだよなお前ら。
「まあ、とりあえず仕方ない……そこの小娘にも、この霊薬の女神の涙をやろう」
「良いんですか?」
「ああ、構わん……お主からは、そこはかとなく残念な匂いがするからのう」
「えっ? 残念な匂い? 臭いですか?」
そう言って、自分の身体をクンクンとかぐチョコ。
溜息しか出ない。
「あざと可愛いさが、とどまることを知らないでござるな」
フェイクが優しい視線を送っているが、あれのどこに可愛い要素があるのか。
ただただ、イラつくだけだが?
「おじさんの気持ち、よく分かるよ? リアル天然って、親しくなればなるほどイライラするよね?」
「あれは、天然でござるか? これぞ、まさにあざといの天然記念物ではござらんか!」
「そこまでいくと、ただの変態侍みたい」
「はぁ……まあ、可愛いは正義だから、オイラはドストライクだよ」
カナタの突っ込みに幾分か冷静さを取り戻したフェイクが、腕を組んで頷いている。
もう、こいつのことは放っておこう。
「俺は、チョコと親しくなったつもりはない」
「うわぁ、酷いですよ! 一昼夜を共に過ごした仲じゃないですか!」
「んなもん、冒険者稼業ならざらにあることだろうが」
あざとがろうが天然だろうが、うざいもんはうざい。
チョコを見てたら、よく理解できるわ。
ガチであざとい、30代前後の女性冒険者が可愛く見えるレベルで。
「帰還の魔法陣は?」
「ああ、そこにあるぞ」
もう用は済んだとばかりに、その場を去る流れのカナタに苦笑いしか出ない。
女神様相手でも、貰うもん貰った用済みか。
「じゃあ、女神のおっさんまたね」
「……女神のおっさんじゃなくて、せめておっさんみたいな女神にしてくれんか?」
そこは、もう認めちゃうのか。
まあ、ひげ生えてるし。
筋肉凄いし。
「ちなみに……鉱物が埋まってる階層にも、実は帰還の魔法陣はちゃんと用意してある」
「そうなのですか? そんな情報、誰も持ち帰ってないんですが?」
「場所は自力で見つけろとしか言わんがな。転移の罠の一つが、入り口に飛ぶ罠になっておる。しかも範囲は半径7mじゃからパーティ全員と荷物ごと飛べるのがな」
「へえ……ありがてぇ情報です」
「ちなみに、一階層にもここに直通できる、転移の罠はあるからのう! 場所を教えてしんずるから、いつでも「あっ、結構です」」
何やらワクワクした様子で、その罠の場所を教えてようとした女神をばっさりと切り捨てるカナタ。
今、俺と女神様が会話してたんだが?
「早く、帰ろーよ!」
「なんだ、急に子供みたいなことを言いだして」
「僕、子供だよ?」
こいつは、本当に……
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面白くて一気に読んでしまいました。
続きの更新待ってます!
25話まで読了。
やばい(笑) 凄く面白い🤣
出だしがアレ過ぎてなんだかなぁ~。と思ったけど。
主人公無双じゃなくて、主人公サポート無双(育成)と言うのが良いですね🤗
更新楽しみです🤩
光の巨人ネタはワロタ(笑)
つか(笑) 許可する(笑)
なに、その鑑定結果(笑)