化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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顔見せは夜会で行われ、次の日からは各国の王、1人ずつと会ってお茶をするんだって。

「国に誘われたら?」
「ついていきません!」
「美味しい飲み物があるよって言われたら?」
「え?気になる」
「そしたら取り寄せてあげる」
「はい!行きません!」

リンジーからの忠告をしっかりと聞きながら支度されてるのだ。
ちなみにリンジーはちょっといじけてる。
寝室に入れないからだ。
なんで俺まで…と、たまに思い出したかのように言われる。
でもねぇ?寝室変えちゃったし?イセトも来れば精霊達も好きにしてるし?
なんなら今も音のが眠ってるし?

「やる」
「うん、ありがと」

どうやら花を調達したらしいアルフは私の体が隠れそうな程の花束を渡してきた。

「これもやる」
「なにこれ」
「卵の殻だ」
「うん、なにこれ?」
「俺の卵だ」
「「…」」

なんでだろう?なんでかなぁ?
いや、分かるよ?卵なのは分かるよ?
だって女が居ないもんね?そしたら魔法陣を体にかけて孕むようにするんだよね?男同士だし?そして生まれ出てくるのは卵だよね?
でもね?
どうして卵の殻を渡すんだい?

「リンジー、常識なの?」
「聞いた事ない」

馬鹿だ!
うん?
でも待てよ?
イセトは雪を渡してきたでしょ?
それと同じかな?
わざわざ生まれ故郷の雪をくれたんだもんね。
あ、私も何かあげようかなぁ?
でもでも、何がいいんだろう……
うーん…

「殻くれ」
「うん、ないよ」
「なんでだよ」
「卵から生まれてないし」
「あん?」

卵から生まれてたとしても持ってないよ!?
あ、花束から花びら数枚取って仕舞っておこう。

「寝室に入れろ」
「花を渡したお返しで?」
「それでいい」
「「…」」

ふっ。

「ばーか!ばーか!」
「なにがだよ!?」
「全部だよ!全部!なに対価として花束渡してんのよ!有り得ないんだけど!?」
「なんで入れねぇんだよ!」
「そんなだからだよ!?」
「どんなだ?」
「ばーか!ばーか!」
「ああ!?」

「うん、今のはアルフが悪いよ…」

だろうな!?国によって常識が違えど、どこに好きな奴に花束をあげる♡行為が対価として立ち入れない区画に入れるようになるのよ。

「しゃがんで口開けて」
「あん?あー…もがっ!」
「お返ししたんだからこれ以上強請らないで」

マカロンでも口いっぱい詰めておけばいいよ!

「もぐもぐ……美味い、もっとくれ」
「「…」」

なんだろう?関わる人間としては好ましいんだけどな?恋愛になるとどうしてこんなに気に障る奴なんだ。

「おい」
「なによ」
「飯もあんのか?」
「お前に渡すご飯はない」
「なんでだよ、こんな美味いの食った事ねぇ。もっとくれ」
「「…」」

うーん。
手作りを褒められるのは嬉しいけど……
それ以前の態度なんだよねぇ…
私が求めすぎなのか?

「俺でもアルフが好きな奴だったらやだ」
「なんでだ?」
「「はぁ……」」

どうやら私だけじゃないようだ!



*********************************



意外だなー。
てっきり外に出さないと思ってた。
しかもこんな人が大勢いる、他国との夜会に連れてきちゃうなんて。

「伴侶を紹介したい」
「はーい」

柔らかい雰囲気の魔人は顔色が良く、最近まで死を彷徨っていたとは思えない程だ。

「ローマン・マーティンデイルと申します。天使様にお会い出来て……とても、とても…光栄です!あり、……嬉しい…です…」
「「…」」

ああ、ね。
音のが言ったんだな。
私が呪いを消した事。
公爵が口止めしてるみたいだけど、そんなにうるうるされたら困っちゃうな?
あー…なるほど?
会いたいとでも言われたのか。
運命のわがままを叶えてあげるなんて優しいねぇ。

「わ!音の!」
「僕が着いててあげる」
「え?で、でも…」

突然現れた音のに驚きながら、公爵にうるうるなおめめでどうしたらいい?みたいに聞いてる。
可愛いねぇ。
光のも居るし、なんなら氷のもいるこの夜会で精霊が増えたところで問題ないだろう。

「………構わない」
「ありがとう!テレンス!」

うわぁ……あっまぁい………
わざわざ頬を触る意味はあるのかい?
天使様の前でちゅーする意味を教えて欲しいな?

「私も会えて嬉しいです。どうやら精霊が座るスペースがあるみたいなので、そちらに移動しては?」
「え?」
「行こ」
「え?え?うん、あ、失礼致します!」

失礼されますー。
夜会の端を片付けて、大きな木からは、しなだれる花が降り注いでいるようになっている足元には宴会場所を作ったから楽しんでおくれ。
大丈夫大丈夫ー。片付けた物は全部庭に置いておいたからねー。
大丈夫大丈夫ー。何日か経ったら自然と消滅するようになってるからー。
人間より精霊に囲まれていれば公爵も安心でしょ。
各国の王が挨拶に来るけど、明日から順番にお茶するんだし、その時でもいいと思いますけどねー。
氷のは学びの最中らしく頑張ってる。
みんな可愛いねぇ。

あれ?
そういえば悪魔が居るな?
出入り禁止にしてるんじゃないの?
違うのかな?
淫魔もいるけど、淫魔対策はされてるし…
うーん?
ま、いいか。
アレスが嫌なら気付いた時にどうにかするでしょ。
それにしても………
凄い光景だ。
悪魔に淫魔、人間に精霊。
共存して関わり合ってる。
こんな事なかったのに。


いい世界だ。


「お久しぶりです天使様」
「どこかでお会いしましたか?」
「な、な、っっ~!」

なんか、最初の披露目に挨拶されたアルフを敵対視してる人が、よっ!久しぶりー、元気だった?俺はねー!みたいなテンションで話しかけてきたよ。

「なにかお困り事が!ございませんか!」
「わっ!リンジー…こ、怖いよ…」
「なっ!?」
「下がれ、お前の煩さで怯えてしまっているだろ」

うん、普段はアルフの方が煩いけどね。
なんでそんな大声で言うんだ。
アルフを敵対視するくらいだからこいつの方が馬鹿だな。
アルフに敵う人間なんてこの場にも、今まで見かけた人間の中にもいないのに。
なんか騒ぎを起こしてどっか遠い僻地にでも送ってくれないかなー?
目障りだ。

「くそっ!親父もだ!なんで分かってくれないんだ!」

ああ、ありがとう。

「出て行かせろ」
「「はっ!」」
「ふざけるな!」

さすがにその声量なら周りもシーン…となるよ。
精霊たちは相変わらずだけど。
口を塞がれて追い出されたからこれで二度と会う事はないだろう。
ばいばーい。

「失礼致しました」
「…」

わざわざしゃがんで詫びなくていい!
アルフは顔が見たくなっただけだろ!?

「もう会わない?」
「はい」
「うん、ありがと」
「いいえ、煩わしさに巻き込んで申し訳ございません」
「いいよ」
「ありがとうございます」

煩わしいと思ってるならお前が最初からあいつを排除しておけよ。
気付いてないんでしょ?あいつがアルフを敵対視してる事。
なんなら顔も名前も覚えてないよね?

「お声がかかりませんね」
「うん?」
「精霊様方から声をかけられると思ってました」

ああ、ね。
リンジーはいつも私を寝室に連れ込んだり、どこでも私の前に現れるみんなを見てるから大人しく?宴会してるのが疑問なんだろう。

「天使様はお仕事ちゅー」
「ふふ、そうですね」

外面の私と話なんかないだろうし、私もない!
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